『SPY×FAMILY』×『Lupin the Third』〜輝く宝石はスパイと泥棒を呼ぶ〜   作:VOSE

23 / 33
第21話〜お互いの準備〜

…次の日、〈WISE〉にて…

 

「…『東国(オスタニア)の夢』をお前に預けろと?」

「はい」

 

ロイド…『黄昏』の突然の提案に、『鋼鉄の淑女(フルメタル・レディ)』は驚いた。

 

「かのルパン三世との接触の後、ショーン・マクラルーンによる東西の統一や二つの宝石の秘密…」

「それらを踏まえて、私に『東国(オスタニア)の夢』を渡してほしいのですが…」

 

『黄昏』の要求を聞いた管理官(ハンドラー)は、深いため息を吐いた後…

 

「却下だ」

 

当たり前のように否定した。

 

「何か、引っかかることでも…」

「大有りだ。その方法は敵に塩を送る羽目になるんだぞ」

「そこが重要なんです」

「…」

 

管理官(ハンドラー)の示した難色に、『黄昏』は反論した。

 

「今我々が持っているのはそもそも東国(オスタニア)の宝であり、そしてショーン・マクラルーンが持っている物も元々は我々西国(ウェスタリス)が持っているもの。我々の課せられた任務は『西国(ウェスタリス)の希望』を奪還することであり、『東国(オスタニア)の夢』を強奪することではありません」

「それはそうだがな…素直にあのマクラルーンが応じるわけがない…」

「秘密裏の外交交渉でも、おそらく東国(オスタニア)政府にその一報を入れられたりしたら、すぐに情報がショーン・マクラルーンに漏れてしまいます…」

「そうなったら強引にでも奪還をしなければならない…」

「そのために、わざと持ち出して我々に注意を引かせるのです。その隙に『西国(ウェスタリス)の希望』を奪還するのです」

 

前代未聞の作戦に、管理官(ハンドラー)は少し目を瞑り、考えをまとめた。

 

「…勝算はあるのか?」

「えぇ」

「…よし、わかった。これより作戦名を『東西宝石入れ替え作戦』と称し、すぐに決行する。政府へは私が話をしよう」

「ありがとうございます」

 

『黄昏』は管理官(ハンドラー)に一礼して踵を返しその場を去った。

 

「…しかし、ルパン三世と手を組むことになるとはな…全く、世の中わからないだらけだ…」

 

管理官(ハンドラー)は1人、ボソリと呟いた。

そこへ…

 

「お疲れ様です。管理官(ハンドラー)

 

1人の女性が入ってきた。

銀髪でショートヘアのその女性は、コードネーム『夜帷(とばり)』。

ロイドの後輩の諜報員である。

 

「あぁ…聞いてたか?」

 

管理官(ハンドラー)は見透かしてたかのように『夜帷』に言う。

 

「えぇ」

 

『夜帷』は短く返事する。

 

「今回の作戦…『黄昏』がかのルパン三世との共闘をすることになったのだが…」

「その任務、私もやらせてください」

 

管理官(ハンドラー)が言い切る前に、『夜帷』が食い気味に返事した。

 

「ずいぶんとやる気だな…」

「もちろんです」

 

『夜帷』はいつでも行けると言わんばかりに管理官(ハンドラー)からの指示を待っていたが…

 

「申し訳ないが、今回はお前にやれる仕事はない」

「え…」

 

管理官(ハンドラー)の言葉に、『夜帷』は表情を変えないながらも絶句した。

 

「今回の任務先はかのマクラルーンの屋敷だ。そんじょそこらの役所より入るのさえ難しいところを、少しでも狙われてると知られてみろ…」

「っ…」

 

スパイの中でもかなり有名なマクラルーンの屋敷…その場所に入り込むことすら難しいことは、冷静になった『夜帷』はすぐにわかる話であった。

 

「とはいえ、今回の任務ではどうなるかもわからないからな…バックアップとして入ってもらうことなら任せられるが」

「いえ、問題ありません」

 

『夜帷』は管理官(ハンドラー)の言葉を受け、表情を変えずに返事した。

 

「では、よろしく頼むよ」

「わかりました」

 

『夜帷』は返事を終え、踵を返して部屋を出た。

 

「…頼むぞ…『黄昏』…」

 

管理官(ハンドラー)は小さく呟くように言ったのだった…

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

…一方その頃…

 

「…んで、俺に何のようなの?ロイドよ」

 

とある売店で、『黄昏』とアフロ頭の男が話していた。

男の名はフランキー・フランクリン。『黄昏』が利用している『情報屋』の1人だ。

 

「1つ頼みがある。ただ、ここでは話すとまずい内容でな…中でいいか?」

「ほう?珍しいな。そこの入り口に入れ」

 

フランキーは指を挿して売店横のビルの入り口に入るように言った。

 

「ありがとう」

 

『黄昏』は入り口の中に入った。

そこへ繋がっているのは地下への階段である。

その先は下っていくと、目の前に現れたのはさまざまなガジェットが置かれている部屋であった。

 

「…ほうほう…」

「何感心してんだ?」

「いや、別に」

 

藪から棒に現れたフランキーに一瞥しながら、『黄昏』はフランキーに話をした。

 

「今回の任務で使うガジェットを見繕って欲しいのだが」

「マクラルーンの館で使うためのか?」

「そうだ」

 

『黄昏』のお願いに、フランキーは思わず頭を抱えた。

 

「ったく…何に使用するところから始めないとわからないだろうがよ」

「全くだが、こんな状況だ。どういう場面でも使えるようなものが欲しい」

「えぇっとね…何があったっけかな…」

 

フランキーは一心不乱に色々な道具を取り出しては投げ出していった。

その中の一つに『黄昏』は目を付けた。

 

「…こいつは?」

 

『黄昏』が手に取ったのはコインである。

 

「お、そいつに目を付けるとは、お目が高いねぇ。そいつはコイン型爆弾さ」

「コイン型爆弾…」

「あぁ。そのコインに描かれている人の目のところがスイッチになっててな…あぁ、押すなよ?それ、見た目は10ペント硬貨だが、かなり威力があるからな?」

「なるほどな…起動までにはどれくらいかかる」

「可変式で短ければ1秒、長ければ10秒だ」

「ほぅ…こいつはいいや」

 

『黄昏』はそのコインをポケットの中にしまった。

 

「それを持っていくのか?ならまだあるぞ」

「いや、1枚で十分だ」

 

ここでふと、フランキーはとある事を聞き始めた。

 

「ところでよ…なんで、()()()みたいな大物が『黄昏』を演じてるんだ?」

 

それを聞いた『黄昏』は…

 

「…くっ…ブハハハハハハッ!」

 

突如として大笑いし始めた。

 

「やっぱバレてたか、フランキー・フランクリン」

「本当だったらこういう時じゃないところで会いたかったぜ…()()()()()さん」

 

フランキーが『黄昏』に変装している男の名を告げた。

ルパンは観念したか、すぐに変装を解いた。

 

「やれやれ…どこから気づいてた?」

「売店で話してた時からだ。あいつとは長い事一緒にいるもんでな。歩き方からまず違うからすぐにわかった」

「そんなすぐにわかるものかよ…」

 

ルパンは頭をガックシと倒した後、フランキーのガジェットの数々を舐めるように見始めた。

 

「しかし大したもんだなぁ。情報屋なのにこんなのしなくてもいいだろ」

「あくまで趣味の一つだ」

「趣味ね…ここで一仕事するときはお前のところで色々借りるとするかな…」

「いや、やめてくれません!?これで足がついたらどうするんですか!?」

「頑張るしかねぇだろうよ。んじゃ、俺はこれ失礼するよ」

「はぁ…はいはい、また来てくださいね」

 

こうしてロイドとルパン、それぞれが来たる決戦への準備を進めていったのだった…




いかがでしたでしょうか?
もしよろしければ評価等していただけるとありがたいです
では次回、お会いしましょう
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。