『SPY×FAMILY』×『Lupin the Third』〜輝く宝石はスパイと泥棒を呼ぶ〜   作:VOSE

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第22話〜事件の鍵〜

…時が遡り、爆発事件があった翌朝のこと…

とある会議室にて…

 

「これより、緊急会議を行う」

 

軍服姿の男達が、長机に所狭しと座っている。

男達の所属する組織は『秘密警察』。

東国(オスタニア)における諜報機関で、敵国からのスパイなどから国を守るために動いている。

その手段は何も選ぶことなく、時には射殺することも厭わない、冷血な組織でもある。

そんな組織が、本来予定に入ってなかった緊急会議を行うということで、その場にいる男達のなかには異様な雰囲気が漂っていた。

 

「昨日、国の中枢機関がある建物の近くで爆発事件が起きた。しかも1ヶ所の建物ではなく、複数も起こされている。これは由々しき事態であり、同時に我々に対するテロ行為である」

 

長机の最奥にいる、司令官らしき男が昨日の事件の概況を軽く説明していた。

そんな中、非常に退屈そうにしている男が1人…

 

「…全く…なんで僕まで…」

「仕方ないだろう…全員召集の会議だからな」

 

黒髪のセミロングの男…ユーリ・ブライアが、隣の直属の上司に文句を垂れていた。

 

「今回のテロ事件に関しては、すでに表にもバレているが、我々の方でその犯人を突き止め、一刻も早く不安材料を潰しておきたいところである」

 

司令官はそう言い終わると、左手を少し上げた。

それと同時に、今回参加している全員に紙が一斉に配られる。

 

「今回のテロ事件は、いわゆる同時多発の自爆テロである。1人なら気の迷いで済む話であるが、今回は『同時多発』であるため裏に首謀者がいると予想している。今回配った資料には、自爆テロの当該者をリストアップしている。確認して欲しい」

 

男達は一斉にその資料を見始めた。

 

「…こんなことして何になるんですかね…間違い探しじゃあるまいし…」

「だが、国を揺るがす事件になっているんだ。これらの共通点から犯人を探して捕まえなければな…お前に置き換えたら、姉のためになるだろう」

「っ!姉さんのために…!」

 

『姉』というワードを聞いたユーリは、ピクリと身体を震わせた。

ユーリの姉はロイドの妻、ヨルである。

ユーリはヨルをひどく愛しており、姉のためならなんでもするような男で、時には理性をも消えるほどである。

 

「姉さんのため…姉さんが…幸せになるためなら…!」

 

スイッチが入ったユーリは、配られた資料を一気に見始めた。

その中でユーリは、とある人物の名前を見つけた。

 

「この男…」

 

どこか引っかかるその男の名前を、ユーリは一生懸命に思い出そうとするが、その場では思い出せず、次に職業欄の方を見た。

 

「『元新聞記者』…?」

「多分、(うち)を批判して辞めさせられたんだろ。かわいそうに…」

「…」

 

隣の上司は軽く笑っていたが、ユーリはまだどこか引っかかっていた。

 

「司令官に質問します。今回の件、《WISE》は関係していますでしょうか」

 

ふと、とある士官が質問をした。

 

「我々の方でも検討した。しかし、今回の場合、《WISE》の手口としてはあまりにも大胆すぎるため、今回は除外している」

「では、第三の勢力の仕業であると?」

「そうだ。そして今回は思い当たる勢力が一つある」

「というと…」

「今回我々の方で検討して出てきた勢力は『東西統一協力戦線』」

 

司令官がそう言うと、会場はざわめきを見せた。

 

「『東西統一協力戦線』って…最近出てきた新興テロ組織…」

「各地で不穏な動きをしているというあの…」

「そうだ」

 

周りのざわめきに、司令官はうんと頷く。

 

「今回の事件はその組織が動いていると睨んでいる。しかし、この事件だけでは断定できないことが多い。そこで、皆にはしばらく情報収集に動いてもらいたい。よろしく頼む」

 

こうして会議は終わり、ユーリは自分のデスクにへなへなになりながら辿り着いた。

 

「全く…情報収集って…死んだやつの情報集めてどうするんだって…」

 

と、愚痴を呟いていたユーリは、たまたま置いてあった新聞の記事をチラッと見た。

 

「…ショーン・マクラルーン…」

 

その記事のスペースはだいぶ小さいものであったが、ユーリはこれを見てハッと息を呑んだ。

 

「…この新聞記者…どこかで見たことあると思ったら…」

 

ユーリが思い出したのは、ヨルがショーンの屋敷に行ったという話をしたことだった。

その時、秘密警察でもショーンの屋敷の火災の件で動いていたため、色々と調べていたのであった。

その調査の中で現れたのが、今回の資料で自爆テロの当該者に名を連ねた新聞記者である。

 

「…待てよ…こいつが自爆したポイントは…」

 

ユーリは、新聞記者が自爆テロを起こした場所を調べると、その場所はショーンの屋敷より離れた、金融関係の建物の近くであった。

 

(…おかしい…確か、この記者はショーン・マクラルーンを追いかけている傍ら、担当していたのはスポーツだ…そんな男が何の脈絡もなく金融関係のところに行くなんて…)

 

さらに調べていったユーリは、当該者の共通項を見出した。

 

(…今回の当該の人たち…全員ショーン・マクラルーンと関わりがある!ショーンの恋人だったり、付き人だったり…これは何かしらあるんじゃ!)

 

ユーリはすぐに自分の上司にこの事を報告した。

 

「すみません!報告がありまして!」

「なんだ?」

「今回のテロ事件の当該者の共通項を調べていましたら、全員『ショーン・マクラルーン』と関わりがあったようです!」

「…ほう」

 

上司は顔を変えずにユーリの話を聞いた。

 

「ですので、今回の事件についてショーン・マクラルーンについて調べるのが良いかと…」

「わかった、上に話してみよう」

「ありがとうございます!」

 

こうしてまた一つ、手柄を増やしたとユーリは思った…

が、しかし…

 

「残念な話だ。君の意見は却下された」

 

数分経たないうちに、ユーリの提案が却下されたのであった。

 

「何故ですか!」

「上でもその話は出たようだ。しかし、今回のリストに上がっていた恋人は何年も前に別れ、付き人に至っては20年前に解雇されている。ショーンが関わるにしては年代がバラバラなのだよ」

「そんな…」

「それに…あの言わずと知れたショーン・マクラルーンだ。あの男に楯突いてみろ…秘密警察が潰されるぞ」

「…っ…」

「そういうわけだ…他の共通点を探し出せ」

「…はい」

 

ユーリは悔しそうに、自分のデスクへと戻っていったのだった…




いかがでしたでしょうか?
もしよろしければ評価等していただけるとありがたいです
では次回、お会いしましょう
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