『SPY×FAMILY』×『Lupin the Third』〜輝く宝石はスパイと泥棒を呼ぶ〜 作:VOSE
…マクラルーンの屋敷に、一台の車が着いた。
その車の中から現れたのは、ロイドを始めとしたフォージャー一家。
「お待ちしておりました。フォージャー様」
執事に出迎えられたロイド達は、いつものように笑顔で接する。
「こんにちは、お久しぶりです」
「えぇ、お久しぶりです。ご主人様は今会場の方にいらっしゃいますよ」
「ありがとう」
ロイド達一行はそのまま奥の方へと進んだ。
「今日はご挨拶ないのですね」
「そうですね…普通なら主催者の方も出迎えられるはずなのですが…」
いつもとは違うちょっとした違和感に、ロイドは引っかかる感覚を覚えた。
(…ショーンは何を考えているのか…)
そんな不安な顔をしているロイドを、アーニャはいつものように読んでいた。
「あー、きょうのパーティーたのしみだなー」
そしてアーニャは、やや棒読みでわざとらしくながら、ロイドに向けて話した。
「アーニャ?」
「ふふっ、アーニャさん、楽しみにしていたのですね。ロイドさん、今日もお呼ばれされているのですから、緊張せずに楽しみましょう」
「…そうですね。考えすぎもよくありませんから」
アーニャのおかげで、フォージャー一家はいつものように明るい雰囲気となり、そのまま会場へと向かった。
「お待ちしておりました、ロイドさん」
入ってすぐ、誰かと談笑をしていたショーンは、ロイドを見つけるなりゆっくりとロイドの元へ歩み寄った。
「これはこれは、ショーンさん。ご無沙汰しています」
「いえいえ、こちらこそ、急にお呼び立てしてすまなかった」
ロイドと対峙したショーンの様子は、前に会った時と変わらない優しそうな雰囲気であった。
「本当に急でびっくりしました。今回はどうして招待してくれたのですか?」
ロイドは当然のようなことをショーンにぶつけた。
「この前のお詫びです。最後は邪魔が入ってしまったので」
「いえいえ、そんなことお気になさらず…」
「あなた方が気にしなくても、私が気にするのです」
ショーンは平然とした様子でロイドと話していたが…
「特に前回ほとんどお話しできなかったので、今度はゆっくりとお話ししたいと思いまして」
この一言を言っているショーンは、まるで何かを匂わせるような口ぶりを見せた。
(…さすがショーン・マクラルーン…情報がもう入っているのか…)
ロイドの顔は笑顔であったが、その心の内はドキドキハラハラとしている。
「この後時間はありますかな?ロイド・フォージャーさん」
ショーンの底知れぬ笑顔を見せられたロイドは、最悪なシナリオを想像しながらも…
(落ち着け、『黄昏』…俺は最強のスパイ…幾度となく困難を乗り越えてきた…今回だって…)
いつもの暗示を自分にかけて…
「わかりました。1時間後を目処にしてもよろしいでしょうか?」
笑顔でショーンに返した。
「わかりました。では、また後ほど」
ショーンはそう言うと、他の客人と話すためにその場から離れた。
「…ふぅ…やはり緊張するな…」
「すごく体が固まっていましたよ、ロイドさん」
「ちち、おつかれ」
「あはは…面目ない」
この後の決戦に向けたロイドは一見平静を装っているが、その緊張の糸はずっと張りっぱなしであった…
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一方その頃、マクラルーン家の玄関にて…
「申し訳ありませんが、あなたがたをこの屋敷に入れるわけにはいきません」
「なんでだ!この通り招待状はあるんだぞ!」
「これを見ても違うっていうのか!」
2人の男が、マクラルーン家の玄関で騒ぎを起こしていた。
「えぇ。申し訳ありませんが、その招待状は偽物でございますのでこれより先には入ることはできません」
「そんなわけねぇって!ここにサインが書いてあるだろ!」
「ここにもちゃんと日付も書いてあるぞ!」
「いえ、これらは偽物ですね」
男2人の猛抗議に、執事は毅然とした対応をし続けていく。
「どう偽物なのか答えろ!」
「執事ならわかるだろ!」
「それに関してはお答えできません」
「そんなこと言って、本当は知らないだろ!」
「どこか偽物なんだ!」
憮然と対応する執事に、男達は言いがかりに近いレベルで詰め寄る。
「…はぁ…」
2人の対応に疲れた執事はため息を吐くなり、手を挙げて指パッチンをした。
すると、男2人の背後に他の執事がぞろりとやってきた。
「申し訳ありませんが、これ以上抗議をするならば、こちらもそれなりの対応をさせていただきますが、よろしいでしょうか?」
執事は最後の警告と言わんばかりに、2人に圧をかけるように話した。
これで収まれば良いものの…
「あぁ!?上等だ!」
「そっちがその気なら強行突破させてもらうぞ!」
男達はそんなもの知るかと言わんばかりに一歩踏み出した。
その瞬間、執事たちは男2人を一斉に捕まえた。
「やれやれ…馬鹿なことをしなければ良いものを…」
2人を対応した執事は頭を抱えながら独り言を呟いた。
「この男2人を『あそこ』へ連れて行け」
『はい!』
執事に指示された他の執事達は、今でも暴れる男達を連れて林の中へと連れていった。
「全く…なんなんだ、あいつら…まぁ、いつもの輩だろうし、ショーン様への報告はしなくても良さそうだな…」
玄関にいた執事は頭を抱えながら職務を全うすべく気合いを入れ直した。
一方の男2人はというと…
「…へへっ、やったぜ、次元」
「そうだな、ルパン」
男2人は執事に聞かれないような声で話しだした。
容姿は全くの別人であるが、この2人はルパンと次元であったのだ。
「これでとりあえず潜り込めるな」
「確かに潜り込めたが…これからどうすんだ、ルパン…」
「ここからはちょいと成り行きで行くしかねぇな…いかんせん『あそこ』ってのがわからねぇからよ」
「お前にしちゃ珍しいな」
「そうか?泥棒ってのは、どんな時でもかっこよく盗むものだぜ?今はたまたまのんびりする時間ってだけだ」
「へいへい、そうかよ」
少し呆れている次元と、なぜか気長なルパンはこの後、衝撃的な光景を目の当たりにすることを知る由もなかった…
いかがでしたでしょうか?
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では次回、お会いしましょう