『SPY×FAMILY』×『Lupin the Third』〜輝く宝石はスパイと泥棒を呼ぶ〜   作:VOSE

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第26話〜ショーンの計画〜

…屋敷で会場の人たちと交流しているロイド一家は、さすがに疲れが回ってきたのか、会場内のソファでくつろいでいた。

 

「前回来た時にいた方々ではないようですが、みなさんいい人達ですね」

「そうですね。今日会う方々は初めましての人がほとんどで、かなり新鮮な雰囲気を感じますし」

 

と、何気なく振る舞うロイドであったが、スパイとしての勘がここで働いた。

 

(ここにいる人達のほとんどが軍需産業を主にやっている者達ばかりだ…これは何か裏があるのでは…)

 

思わず勘くぐるロイドの元に、徐にショーンがやってきた。

 

「パーティはいかがかな?ロイド君」

「ショーンさん!」

 

ロイドは来るや否やすぐに立ち上がった。

 

「今回は新しい人達ばかりで、挨拶で少し疲れてまして…」

「その割には、よく立ち上がったものだが」

「少し休んだらへっちゃらですよ」

「そうかそうか」

 

ショーンは優しい笑顔を見せてロイドと話す。

そこでふと、ショーンはこう切り出し始めた。

 

「ところでロイド君、少し話したいことがあるのだが、よろしいだろうか?」

 

ショーンがいつものように、それなのにどこか不気味な様子を醸し出しながら切り出したことに、ロイドは敏感に察知した。

 

「えぇ、聞きますよ」

 

すかさずロイドは警戒しながらショーンの言葉に乗る。

 

「それはありがたい。ここでは聞かれると恥ずかしいものだから、場所を移したいのだが…」

「構いませんよ。ヨルさん、アーニャを頼みます」

「わかりました、ロイドさん」

 

ロイドは疲れて横になっているアーニャをヨルに託して、ショーンの後を付いて行った。

しばらく館内を2人だけで歩いた後…

 

「…そろそろ本性を見せても良いぞ、『黄昏』」

 

ショーンは冷たい声色で話し始めた。

 

「お気遣い、ありがとうございます。ショーン・マクラルーン」

 

ロイド…『黄昏』も包み隠すことなく返事した。

 

「それで…君の持っているものをこちらに渡して欲しいのだが」

「今でしょうか?」

「出来ればそうしたいのであるが…今は君と話もしてみたい。目的の場所に着くまでで良いとするよ」

 

2人はしばらく廊下を歩いていくと、とある壁の前にたどり着いた。

ショーンは壁の右にある柱を少しいじりはじめた。

すると、2人の目の前の壁が少し軋んだ音をたてながら開いた。

 

「…ついてこい」

 

ショーンはその開いた壁の奥へと入っていった。

『黄昏』もショーンの後について行く。

 

(…これはエレベーターか…)

 

ショーンと黄昏が入ったのはエレベーターだった。

とても薄暗いエレベーターに乗った2人は、一気に下へとくだっていく。

 

「…さて、どこから話そうか…君にも私の『情報』は知っているだろう?」

「えぇ」

「さしずめ、あのサルから聞かされたんだろう」

「サル…あぁ、ルパン三世のことですか」

「彼からの情報は君たちに利益のあるものだったかい?」

「利益かどうかはわかりませんが、辻褄が合う点が多かったので」

「私を止めるかい?」

「あなたがやっていることをこの目で見るまでは」

「そうか」

 

終始淡々と話していく『黄昏』とショーン…

またしばらくして、ようやくエレベーターが止まった。

エレベーターの扉が開き、視界が開けた先に待っていたのは…巨大なロケットの建設現場であった。

 

「ここは?」

「私の秘密基地だよ、『黄昏』くん」

 

ショーンはそう言うと歩き出した。

 

「ここは私の実験場兼工場だ。ここで私の部下たちが日夜研究に励んでいる」

 

高らかに言うショーンは施設の中へと入ると、まずとある場所に足を止めた。

そこからガラス張りから見えたのはオペレータールームだった。

 

「…なるほど…ショーンの『情報』の源はここからなのか…」

「ここにいるのはただの受け取り手だけだ。私の耳は様々な国にあるからな。ホームレスに低年収の若者…家族や政府高官もいる」

「そんなに幅広くも…」

「私はどんな手を使っても情報は仕入れたいからね。それがどれだけ些細なものであってもな」

 

ショーンは不気味な笑顔を浮かべながらオペレータールームから離れた。

 

(…しかし、やはりというべきか…セキュリティは完璧だ…これでは入るも出るも一筋縄ではいかないだろうな…)

 

『黄昏』は完全な要塞と化しているショーンの地下施設に思わず脱帽した。

 

「さてと…君に見せたいものがこの奥にある」

 

ショーンが足を止めたのは、とある扉の前である。

 

「…ここは?」

「入ってみればわかるさ」

 

ショーンは特殊なカードを使ってその扉を開けた。

その先にあったのは…巨大な実験ルームであった。

数多くの研究員が右往左往しながら研究を行っており、非常に慌ただしかった。

そして、その実験ルームの中央にあったものは…

 

「…『西国(ウェスタリス)の希望』…」

 

青く光り輝く半分に切り落とされたダイヤ…『西国(ウェスタリス)の希望』がビジョンにて大きく映し出されてあった。

 

「これの秘密については知っているだろう?『黄昏』くん」

「えぇ…ウランの精製方法であると…」

「確かに、これはウランの精製方法が書かれているが…これにはさらに驚くべきことが書かれていたのだよ」

「と、言いますと…?」

「核爆弾の製造方法…しかも超小型にできる爆弾のな」

「超小型…だと?」

 

ショーンの言葉に、『黄昏』はかなり嫌な予感を感じた。

 

「この国が統一されていたころは技術的に他国よりかなり進んでいたのだよ。他からすればいわゆる『オーパーツ』が作れるほどにね」

「そこまで国が栄えていたのか…」

「それもひとえに国を守っていた錬金術師がいたおかげであるが…さて、この国の錬金術師たちはたまたまこの国でウランが取れたことですぐにウランを解析、活用方法を考えたわけなんだが…錬金術師たちの腕がよすぎたのか、そのウランから爆弾が作れることが判明したのだよ。しかも、わずか少量のその爆弾でも、国一つ破壊できるほどの威力を持った爆弾がな…」

「少量…どのくらいだ?」

「さあな…でも、その記述にはこう書いてある…『この爆弾を奴隷の体に埋め込み、それを敵の城下町に放り込んで起爆すれば国は崩壊するだろう』とな…」

「んなっ!?」

 

ショーンが話した衝撃的な内容に、『黄昏』はひどくうろたえた。

これまで数々のミッションをこなし、ポーカーフェイスで顔色を変えないスパイが、顔に出てしまうほどの内容なのだ。

 

「しかし、錬金術師たちは冷静だった…もし、これを実現できたとして、体内に埋め込んだ爆弾を起動させるための点火材がないことに気が付き、もし自分の国っで万が一爆発させてしまったらそれこそ国が終わってしまうと…考えた錬金術師たちはこのことを王に報告することなく、王の名義を借りて宝石にその設計図を書き記し、さらに宝石を半分に割って散り散りにさせることによって国外に流出することもなく、永遠に封印させることにさせたというわけだ」

「そんな話が…」

「まぁ、その時の錬金術師が考えられなかったことを、今私がやろうとしているのだがな…」

「そんなこと…」

「できたのだよ…君もテレビで見ただろう?あの事件を…」

「あの事件…まさか!?」

 

ショーンの言う事件のことを思い出すのに、『黄昏』はそう時間がかからなかった。

 

「そう…この前の同時多発テロ事件…首謀は私だよ」

「ショーン…あんたが…」

「今回の実験台になってくれたのは、私をあれこれと嗅ぎまわっていたり、あろうことか訴えようとした馬鹿な奴らだ。彼らの体に実験用の爆弾を埋め、指定された場所に放置させた。そして、しばらく動かせた後で起爆させた…実験は成功だよ」

「この野郎…」

 

『黄昏』はかなりひどい怒りを覚えた。

 

「さて…ここまで前置きが長くなってしまったが…なんで、私が君をここまで手の内を明かすように言ったかわかるかね?」

「…俺を…爆弾にさせようということか…」

 

『黄昏』の怒りを込めた返答に、ショーンはいつものように、そして残酷に笑顔で話した。

 

「…その通りさ、『黄昏』」

 




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では次回お会いしましょう
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