『SPY×FAMILY』×『Lupin the Third』〜輝く宝石はスパイと泥棒を呼ぶ〜   作:VOSE

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第27話〜計画を阻止せよ〜

(…この男…当然というべきか…狂っている…!)

 

『黄昏』はショーンを睨むようにずっと見続けていた。

 

「…と、その前に…君が持っているその『東国(オスタニア)の夢』、それをこちらに渡してもらおう」

「…断ると言ったら…」

「君が本番じゃなくていいまでのことだ」

「くっ…」

 

『黄昏』はすぐに踵を返して脱出しようと試みた。

しかし、いつのまにか背後にいた3人の男に阻まれてしまう。

 

「…私は君のような男は欲しかった。しかし同時に、私の計画の邪魔にもなる…だから、これ以上は手を煩わさないでくれ、ロイドくん」

「くっ…」

 

『黄昏』は渋々、ポケットに手を入れ、そこから宝石を取り出して見せた。

 

「…そうだ。それをこちらによこしなさい、『黄昏』」

 

『黄昏』は苦い顔をしながらも、ゆっくりとショーンの元へ行き、宝石をショーンの手に渡した。

 

「ご苦労だった」

 

ショーンは小さく言うと、研究ルームの方を向いて何やら操作をし始めた。

操作をし終えると、ショーンの手元の引き出しが自動で開いた。

ショーンはその中に『東国(オスタニア)の夢』を入れるなり、すぐにまた機器を操作し始めた。

それと同時に引き出しが閉まると、研究ルームの中央のビジョンに『東国(オスタニア)の夢』が映し出され、『西国(ウェスタリス)の希望』と合わさったのだ。

 

「…よし…これで、ついに…私の悲願が…」

 

ショーンはひどく興奮しながらそこに映し出されるものに注視していた。

 

そして映し出されたのは…

 

『ここまでご苦労様。でもこれは偽物だよ。OTSUKARE ルパン三世より』

 

と、まるで予告状みたいな縁の飾り付きでメッセージが書かれてあったのだ。

 

「んなっ!?こ、これは一体…」

 

ショーンは思わず狼狽えていると…

 

「まぁったく…『氷の王』もやはり人間ってことだな」

 

今までの『黄昏』とは全く違う口調で話し始めた。

 

「お前…まさか!」

「ご名答〜」

 

『黄昏』は、誰かに似た様子でフラフラしながら話すと、来ている服をバサっと脱ぎ捨てた。

その中から現れたのは飄々とした風貌に特徴のあるサル顔…

 

「ルパン…三世!」

 

ショーンが憎たらしくその男の名前を言い、それに対してルパンはニヒルな笑顔を見せた。

 

「いやぁ、さすがの『氷の王』も、悲願を達成出来ると思ったら注意力が無くなるんだなぁ」

「貴様…なぜ…どうやって…」

「なぁに、簡単なことよ。俺は不審者として捉えられてわざと中に入り、どこかのタイミングでスパイと入れ替わったわけよ」

「『黄昏』とどこで…」

「んま、ご想像にお任せするよ。それにしてもまぁ、焦りすぎじゃしねぇか、ショーン・マクラルーンよ」

「何を言いたい…」

「かなり目利きのあるあんたが、俺様が作ったこの贋作と本物を間違えるなんてよ」

「くっ…このやろう…」

 

ルパンはいつものように不敵な笑みを浮かべた後、改めてショーンと対峙した。

 

「それでショーン・マクラルーンよ…これからどうする?俺をやろうってか?」

「そりゃそうだ…ここまで貶された上に、この秘密をバラされてしまったからな…どうせ、この会話は盗撮しているんだろう?」

「ありゃりゃ、こういう時の勘はまだ持ってるんだな…ま、それがショーン・マクラルーン…『氷の王』ってことはあるわけだな」

「ふん、察しがいいのはお互い様であろう」

「そうだな…」

 

ルパンはふと周りを見渡し始めた。

ショーンとルパンの周りにはいつのまにか『東西統一協力戦線』のメンバーらが囲っていた。

もちろん銃口を向けている先はルパンである。

 

「さぁ、どうする」

「心配してるのか?」

「心配はしとらん。あくまで君のはね」

「そうかよ。なら遠慮なくやらせてもらうよ」

 

ルパンはそう言うと、徐に左手を上げた。

そして左手に付けている腕時計をカチリと何かのボタンを押す。

すると、腕時計からワイヤーが射出されどこかに引っかかった。

 

「撃て!」

 

ショーンの掛け声と共にルパンは飛び上がり、そして銃が発砲された。

ルパンはそのままワイヤーを巻き上げながら壁を渡っていき、別のフロアへ逃げていった。

その先には敵の兵士がいたが、ルパンはワルサーP38をすぐに取り出して撃っていった。

そして開いた道をそのまま突き進んでいく。

ふと、ルパンは耳に手を当てた。

 

「おい、次元!そっちの方は順調か!?」

「あぁ、順調そのものだぜ」

 

ルパンが耳につけているのはインカムで、これは『東西統一協力戦線』の敵兵から取ったものである。

これでルパン一味は連絡を取り合っているのだ。

 

「それで、お目当てのものは見つけたか!?」

「あぁ、ここにたくさん置いてある」

「やはりな…それをすぐに回収してくれ!」

「了解だ」

 

敵兵を1人で相手しているルパンに、次元は静かに答えた。

警報音が響く地下室の中を、ルパンは颯爽と駆けていくが…

 

「…ちっ…やはり敵の数は多いもんだな…」

 

予想以上に敵が多くいたことに驚き、少しずつ活動範囲を狭められてしまっていた。

 

「こいつぁ厄介だな…早く次元と五ェ門と合流をしたいところだが…」

 

と、少しずつ焦るルパンの所へ、何人かの敵兵が走ってやってきていた。

 

(ちっ…どうする…)

 

ルパンが万事窮すとなったその時である。

ダンッ!ダンッ!

ふと、銃声が聞こえてきた。

ルパンは隠れているところから顔を覗かせると、敵が撃たれて倒れているのが見えた。

そして…

 

「全く…天下の大泥棒と言われているあなたが、こんなところで袋小路に合うとは…」

 

聞きなれたスパイの声が聞こえてきたのである。

 

「おいおい…こっちは結構な数とドンパチしてるんだぞ?『黄昏』さんや」

 

ルパンは助けてくれた『黄昏』に向かって手のひらを上にして近づいた。

『黄昏』はタキシード姿ではなく、どこかの特殊部隊みたいな装備にフェイスマスクを付けていた。

 

「こっちもかなりの人数と戦っている。これくらい造作もない」

「けっ、やっぱイケメンはイケメンだな…」

 

クールに言う『黄昏』に、ルパンは皮肉をこめながら褒めた。

 

「それで、そちらさんの用事は済ませたのか?」

「あんたのおかげで色々と情報を得られた。やはり『情報』を生業としているだけあって有益なものはいくつか得られた」

「そう言ってる割には、結構寂しそうにしているがな」

「今遂行しているミッションに繋がるものはなかったからな…」

「あぁ、デズモンドのあれか…」

「知ってたか…」

「俺は泥棒が生業でな。『情報』は欠かせないのよ」

「ふん…さすが天下の大泥棒だ」

 

ルパンと『黄昏』でしばしの会話を済ませ、いざ次の場所へ行こうとしたその時である。

 

「ロイド・フォージャーよ!」

 

徐にショーンの声が聞こえてきた。

スピーカーを使っていないが、中にいるルパンが聞こえるくらいまで響いていた。

 

「…ルパン」

「あぁ」

 

ルパンと『黄昏』はすぐに走り出し、声が聞こえた方は向かった。

そこは部屋の隅々まで見えるコントロールルームみたいな場所で、ルパンと『黄昏』は下の方から出た。

ふとルパンたちは上の方を見ると、ショーンが甲板の上で立っていた。

そして、そのショーンの左腕には…

 

「アーニャ!」

 

『黄昏』…ロイドの娘であるアーニャがいたのであった…




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では次回、お会いしましょう
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