『SPY×FAMILY』×『Lupin the Third』〜輝く宝石はスパイと泥棒を呼ぶ〜 作:VOSE
…遡ること1時間前のこと…
「…ん…」
先程まで寝ていたアーニャが目を覚ました。
「あ、アーニャさん、起きましたか?」
「んむぅ…はは…あれ?ちちは?」
アーニャは、先程まで一緒にいたロイドの姿が見えないことに気がついた。
「ロイドさんなら、今ショーンさんに呼ばれて行きましたよ」
「なるほど」
ヨルの説明に納得したアーニャは、徐に立ち上がってヨルの隣に座った。
「しかし、本当にすごいですね、ショーンさんは…こんなに豪勢なパーティをほぼ毎週やれるなんて」
「たんけんしほうだい!」
「ふふっ、そうですね。ショーンさんのおうちはかなり広いですから、いつ来ても探検し放題です」
と、2人で仲良く話をしていたその時である。
ふと、アーニャが目の前を通った執事の心を読んだのである。
(…ったく…主人は本当に大丈夫なのか…?これからここの近くで研究の成果である人間爆弾の発表があるってのに、まだ来やしない…)
(にんげん…ばくだん?)
(たしか、ロイド・フォージャーの身体に爆弾を仕込ませて街に放り投げるんだっけか…あいつが何をしたかわからないが、目をつけられて気の毒に…)
そんな執事の心を読んでしまったが故、アーニャはすぐ慌てふためいた。
(ちちが…ばくはつする!?)
そんなアーニャに、ヨルはいつものように尋ねる。
「アーニャさん、どうかしましたか?」
「はは!ち…」
アーニャは咄嗟に言おうとしたが…
(ここでいったら…「アーニャさん、なんでそんなことが…もしかしてエスパーですか!?」ってバレてしまう…!)
いつもの幼さゆえの危機予知が働いてしまった。
「ち…?」
「ち…ちちをさがしにまたたんけんしてきまする!」
アーニャは思わず早口になってトトトと駆け出していった。
「ふふっ、アーニャさんはやはり探検が好きなんですね」
ヨルはいつもの天然な様子を見せたのだった…
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アーニャはハタハタと屋敷の中をひた走っていた。
(ちちがあぶない!でも…どこ!?)
アーニャは懸命にロイドを探していたのだが、ロイドの気配は全く感じられなかった。
「うぅ…みつからない…」
アーニャは執事に見つからないようにしながら探すも、一向に手掛かりはない。
「…ん?」
ふと、アーニャはとある部屋に目をつけた。
かなり豪勢な造りをしている扉の部屋…ショーンの部屋である。
「…ここなら…」
アーニャは扉をゆっくりと開けて中に入った。
暗く静かな部屋だが、置かれている本棚や机、椅子、ベッドなどが豪華であったため、暗く感じさせないような部屋だった。
「…アニメではだいたいここにかくしべやが…」
アーニャは子供の利点を活かして主に下をメインに調べていった。
しかし、ここでも手掛かりにつながるものは一つも見つからなかった。
(…ちち…いったいどこに…)
アーニャはため息をついて本棚に手をおいたその時である。
たまたまついた本が奥へと入っていったのである。
そして静かに、本棚が回転して隠し扉が開いたのである。
(…もしかして…ちちはここに!)
アーニャはすぐに扉の中へと入っていき、階段の下へと駆け降りた。
駆け下った先では、配管が剥き出しな無機質な通路が広がった。
(ちちのピンチ…アーニャ、まもる!)
と、意気込んだのも束の間であった…
「おい!あそこにガキがいるぞ!」
「なんであんなところにいるんだ!」
「はっ!?ばれた!」
アーニャはあっさり地下にいた兵士たちに見つかってしまった。
アーニャはすぐに走って追っ手を振り払おうとした。
たまたま見つかった扉の中に入ってやり過ごしたり、通路の交差点をうまく利用して曲がって撒いたりするが…
「捕まえたぞ!」
結局捕まってしまった。
「ちがう!アーニャはちちをさがしにきた!」
アーニャは暴れて振り払おうとするが、兵士たちはびくともしなかった。
「全く…ただでさえルパンと『黄昏』に暴れられて大変だっつうのに…」
「このガキどうするか?」
「放り出せ」
と、アーニャを囲っている兵士たちは口を揃えて言ったが…
「いや、こいつはショーン様に差し出せ」
1人、異を唱える人が現れたのである。
「っ!?クロウ様!」
『東西統一協力戦線』のリーダー…クロウである。
「こいつはロイド・フォージャーの娘だ」
「この子がロイド・フォージャーの…」
「そうだ。その子をショーン様に渡せば、『黄昏』は狼狽えるだろうさ」
「それはいい!早速ショーン様に連絡しろ!」
兵士の1人がショーンに連絡しようとしたその時である。
「その必要はない」
兵士たちにとって聞き馴染みのある声が聞こえたのである。
…ショーン・マクラルーン、本人である。
「ネズミが一匹紛れ込んでいると思ったら、とんだ小鼠だこと」
「はっ、ショーン様」
「それで、こやつをあいつに見せれば動揺するかな?」
「確実に動揺するでしょう」
「そうか…」
ショーンは今までアーニャに見せたことがない、不気味な笑顔でアーニャを手の中に収めた。
「…モニタリングルームへ向かうぞ。あそこの上段は入り口が一つしかない。敵が入るにしても簡単には入り込めんからな」
「かしこまりました。お前ら、ショーン様を囲むように陣形を組んで進め!」
「はっ!」
こうして、アーニャはショーンに人質として捉えられてしまったのである…
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…一方、ヨルは…
「アーニャさーん!どこにいるんですか!?」
探検しに行くと言ってから戻ってこないアーニャを探していた。
廊下を歩き回って探すものの見つからず…
「すみません!ここで小さい女の子見かけてませんか!?」
「いや、見ておりません」
「そうですか…ありがとうございます」
執事に聞いてもよくわからないの一点張りで、どうしようもなかった。
「うぅ…どこに行ったのでしょう…」
と、ヨルが困っていたその時だった。
「…ガキ1人、今地下に入ったそうだ」
「ガキ?」
「あぁ…なんでも、ロイド・フォージャーの娘らしい」
廊下の向こうで執事が会話しているのを聞いたのだ。
「ロイドさんの…娘…アーニャさん!?」
ヨルはすぐにその声の元へと駆けつけた。
「うおっ!?」
「ど、どうなさいましたか?」
突然現れたヨルに戸惑う執事の2人だが、ヨルはそんなことお構いなしだった。
「すみません!今、アーニャさんがいる場所わかりますか!?」
「っ!?聞こえてたのか…」
ヨルの言葉に、執事は苦い顔をしながら応対した。
「すみません、何のことか…」
「とぼけないでください!アーニャさんの話、聞こえてたのですよ!」
「だから何のことか…」
「教えてください!アーニャさんは今どこに…」
「ちっ…うるせえ女だなぁ!」
ヨルの下がらない姿勢に痺れを切らした、応対していた執事とは別のもう1人の執事がヨルに攻撃を仕掛けた。
それを見たヨルは、すぐにその攻撃を避けて鳩尾に一発、蹴りを入れた。
そして攻撃を受けた執事は…廊下の向こう側まで吹っ飛ばされてしまったのである。
「っ!?」
応対していた執事は驚きの光景を目の当たりにし、ふと、ヨルの方を見た。
「…アーニャさんは、今どこにいるんですか…」
なんとも言えない不気味な雰囲気を醸し出しているヨルに、執事は下手に手を出さないほうがいいと判断したのか…
「…わ、わかりました…」
渋々ヨルを地下室へと案内したのだった…
いかがでしたでしょうか?
もしよろしければ評価等していただけるとありがたいです
では次回、お会いしましょう