『SPY×FAMILY』×『Lupin the Third』〜輝く宝石はスパイと泥棒を呼ぶ〜 作:VOSE
…そして、話は今に戻る…
「ちちー!」
「アーニャ!」
ショーンにアーニャを人質に取られているため、ロイドは何も動くことができなかった。
「さぁ、どうする?ロイド・フォージャー…」
ショーンはそういうと、空いてる右手で銃を持って、それをアーニャのこめかみに当てた。
「くっ…娘を返せ!」
ロイドはもちろん返してもらうよう懇願したが…
「それじゃフェアじゃないだろう?なぁ?」
ショーンは拒否した。
「何が望みだ…」
「簡単なことだ。お前の身体を差し出せばいい」
「っ…」
ショーンの提案に、ロイドはもちろん難色を示した。
もしここで条件を飲めば、自分が爆弾として改造されてしまう…
それは1番避けたいところである。
「さぁ…どうするんだ?『黄昏』!」
(どうする…アーニャを救うために…自分を出すしか…)
と、ロイドが決断を出そうとしたその時だ。
「なぁに、俺様の身体を差し出せばいいのか?」
ふと、隣の男がいつもの口調で話し出した。
「っ!?ルパン!?」
そう…ルパン三世である。
「おい!聞こえなかったか!私は…」
「『黄昏』…俺のことだろ?」
ルパンの発言に、その場にいた全員が驚きを隠さなかった。
「いや、お前は…」
「『黄昏』さ。だって、『変装の名人』…だろ?」
「そんなわけないだろう!貴様はルパン三世であり…」
「いや、違くないね。俺も『変装の名人』だし、『黄昏』ってやつも『変装の名人』だ。その点で合致する以外何もないだろう?」
「しかし、『黄昏』はスパイで…」
「ショーンさんよ…情報っつうのは、目まぐるしく変わっていくもんだぜ?あんたが持っているその情報ってのは、本当に最新の情報なのか?」
「っ…それは…」
ルパンの言葉に、ショーンはまんまと引き摺り込まれてしまっていた。
「…それによ、あんた、俺ら2人で来てるとでも思ってたか?」
「…何が言いたい…」
「後ろ、気をつけろよ」
ルパンがさらに言ったことに、ショーンは思わず振りかえようとした。
しかし、遅かった。
「動くんじゃねぇぞ」
ルパンにとって聞き馴染みのある声…次元大介である。
ショーンのうなじに、愛銃のコンバットマグナムの銃口を向けていた。
「っ!?」
「さてどうする?ショーン・マクラルーンさんよ」
「ちっ…クロウ!あいつは何をしておる!」
「クロウさんなら今別で動いてもらってるよ」
ルパンはちょいちょいと親指を立てて、モニターの方へ目線を移させた。
そのモニターの一つに、クロウが交戦している様子が映し出されていた。
相手はルパン一味の1人、石川五ェ門である。
「ちくしょう…」
「さて、その嬢ちゃんをロイド・フォージャーへ返してもらおうか」
ルパンはそう言って返すよう催促するが…
「…いい気に乗るなよ、貴様ら」
ショーンは返す気が無いようであった。
「お前らまとめて殺してやる!」
ついに切れたショーンの叫びと同時に、どこからか現れた『東西統一協力戦線』の構成員が現れてロイドやルパンたちに襲いかかったのだ。
「うおっと!」
一斉に銃を放ってきたため、ルパンとロイド…『黄昏』は急いで物陰に隠れて凌いだ。
「ちっ…こいつぁ面倒だな…」
「少し刺激を与えしすぎたな、ルパン」
「そうでもしねぇと、お前の体裁保てないだろうがよ」
「そこまでしてもらわなくてもいい」
「そうかよ」
ルパンと『黄昏』は互いに銃を用意して、攻撃してくる敵を撃ち倒していく。
しばらくして、次元がそこへ合流してきた。
「悪りぃ、ルパン!あのガキ救えなかった!」
「てことは、まだショーンに人質に取られているってことかよ!」
「そういうことだ!」
ルパンと次元、そして『黄昏』は次々と敵を倒していくも、増援が後を絶たず苦戦を強いられつつあった。
「あいつ…どこへ行きやがった…」
「まぁ、そろそろ逃亡しなきゃいけないってとこか…」
「そうなるとどこに逃げるんだ、ルパン」
「確かショーンは脱出用にヘリを用意してあるはずだ…場所はこのフロアの真上あたりってとこかな」
ルパンはこの施設で覚えた地図を頼りに憶測を立てた。
「この上か…」
「しかし、ここから出るまでが必死だぞ…この敵をどうやって切り抜ける…」
一刻も早くこの場所を切り抜けたいところであったが、次々とくる敵を前にどうしようもできず、また持っている弾の数も消えてきているので万事休すであった。
しかし、その時でもルパンは平然としていられた。
「なぁに、こういうのをちょいと貰ってきたのよ」
ルパンはそう言ってジャケットのポケットから取り出したのは、1ペント硬貨だった。
「…なんで今それを?」
「まぁ、見てなって」
ルパンはそう言ってその硬貨を敵の方へ投げつけた。
そして、硬貨が地面についたその時である。
ドカーンと爆発音が鳴ったのである。
そしてその場で煙も大量に出てきたのだ。
「今だ!」
ルパンと『黄昏』たちはこの爆発で出来た煙を使ってその場を脱出した。
「これでショーンのところへ行けるぞ!」
「あぁ!待ってろ…アーニャ…すぐ助けてやる…」
『黄昏』…ロイドはアーニャを助けるべく、ヘリポートへと急いだ。
一方、五ェ門はというと…
「キエェッ!」
クロウと一戦を交えていた。
「…さすがルパン一味の石川五ェ門…なかなかの腕前だ…」
「お主こそ、某の技を見切っておる…」
元々緊急事態を知らせるアラームが鳴っていた時に陣頭指揮を取っていたクロウを、五ェ門が奇襲したことで始まったこの一戦。
互いに実力があるためほぼ互角の戦いになっていたのである。
いや、わずかながら五ェ門が押され気味になっていた。
理由は単純、クロウがかなりの腕前を持っていたからである。
(おそらくあやつは本気を出していない…某も本気では無いが…底が知れぬ…)
クロウの不気味さに気圧されながらも憮然と立つ五ェ門に、クロウの顔からわずかな笑みが溢れていた。
「さてと…そろそろやらないとな…早く陣頭指揮取らないと行けなくてね。おそらくあんたをここに寄越させたのは、時間稼ぎだろうけど」
「果たしてそうかな?」
「答えは聞くまでも無い。ここで葬り去れば良いだけのこと!」
クロウが少し本気を出してきたことで、五ェ門はさらに劣勢を強いられてきた。
クロウが織りなすナイフ術に翻弄されてしまっているのである。
さらに身軽な体こなしが五ェ門の見切りに狂いを生じさせてきているのである。
「おいおい!こんなものか!?」
「くっ…これはまずい…これ以上は…」
流石の五ェ門も、長時間攻撃を受け続けてきたため体力が減ってきた。
「トドメだぁ!」
クロウが最後の攻撃をしようと、五ェ門に飛びかかったその時である。
「てぃやっ!」
どこからが足が飛んできたのである。
クロウは間一髪で躱して体勢を整えた。
「ゴエモンさん!大丈夫ですか!?」
「っ!?その声は…ヨル殿か!?」
五ェ門を助けたのはヨルである。
そのヨルの声に五ェ門は驚いたのだ。
「良かった、無事で…」
「しかし、ヨル殿はなぜここに…」
「あ、アーニャさんがここに来たって聞こえたので、ちょっとお話を聞いたらここに連れてきてもらって、そこから探してたら五ェ門さんに会えたって感じです」
「相変わらずだな…ヨル殿は」
昔から変わってないことに気づいた五ェ門は少し安堵して、崩れていた体勢から立って身構えた。
「ヨル殿、こやつを倒したら共に上へ行くでござる」
「上?」
「先程仲間から連絡が来て、アーニャ殿がショーンに人質に取られているところでござる」
「ショーンさんが!?」
「それゆえ、早めにここを片付けてルパン達と合流するでござる」
「は、はい!わかりました」
(…ルパン…誰のことでしょう?)
ヨルと五ェ門は共に臨戦態勢に入り、クロウと対峙した。
「…2対1か…どちらでも構わん…早めに終わらす!」
ヨルと五ェ門、クロウはお互いに走り出し、第2戦が始まったのだった…
いかがでしたでしょうか?
もしよろしければ評価等していただけるとありがたいです
では次回、お会いしましょう