『SPY×FAMILY』×『Lupin the Third』〜輝く宝石はスパイと泥棒を呼ぶ〜   作:VOSE

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第30話〜冷徹な男の最期〜

…ショーン・マクラルーン屋敷の地下にあるヘリポート…

緊急用で使うためのもので普段は庭の下に隠れているのだが、この日ばかりはそのヘリポートを使わざるを得なくなった。

 

「おい!まだハッチは開かんのか!」

「今開けている最中ではありますが、ルパン一味による破壊工作の影響で時間がかかります!」

「ちくしょう…」

 

ショーンは追い込まれてしまっている状況に業を煮やしていた。

そんな中、ショーンの腕の中で依然としてアーニャが抜け出すことを画策すべく暴れていた。

 

「少しは鎮まらんか!」

 

ショーンはジタバタするアーニャに一喝して頭に銃を突きつけた。

 

(次もし暴れられたりしたら撃つ…そうしなきゃ気が済まん!)

「っ!?」

 

アーニャはふと、ショーンの心の中を読んでしまい、ショーンの鬼のような気迫に負けてしまったのかすぐに黙ってしまった。

ショーンはそんなアーニャを見てよしと思い、ヘリの方へと歩いて行った。

そして、あと少しでヘリに乗り込むその時だった…

 

「待て!」

 

聞き慣れた嫌な声が聞こえてきたのである。

ロイド、ルパン、次元の3人だ。

 

「アーニャを返してもらおう!」

 

ロイドはショーンに、アーニャを返してもらうように強く言う。

それに対してショーンは、苦い顔を見せたが…

 

「…よかろう…」

 

意外にもあっさりと快諾したのである。

 

「何?」

 

ロイドは思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。

 

「私の目的は東西を再び一つにまとめ上げること…こんなところでお前達に構う余裕などない」

 

ショーンはそう言うと、アーニャを掴んでいる左手を襟に持ち替えて、アーニャをロイドの方へ投げ出したのだ。

 

「アーニャ!」

 

ロイドは思わずアーニャの方へ駆け出した。

それを見たショーンは…

 

「死ねぇ!」

 

ロイドに向かって銃を向けたのである。

 

「ちっ!やはりそう言うことかよ!」

 

ルパンと次元は互いに愛銃を出して、ショーンの銃に向かって発砲しようとするも、ショーンの手下が撃った弾に被弾してしまい、銃を落としてしまったのだ。

ショーンは躊躇いもなく自身の銃の引き金を引いた。

ダンッ!と放たれたその弾は、綺麗な軌道を描いてロイドは向かっていた。

ロイドはアーニャを抱くなり、アーニャを庇うように背中を向けた。

 

(…もう…ダメか…)

 

ロイドは諦めを感じていたその時であった。

 

「キェェェェェッ!」

 

聞き慣れない叫び声が聞こえたのである。

この間は本当に刹那の時間であったが、ロイドはとてつもなく長い時間に感じていた。

ロイドは恐る恐る顔を上げた。

その目の前にいたのは…目をうるうるとさせているアーニャであった。

 

「…アーニャ?」

「…ち…ちち〜!」

 

アーニャはロイドを見るなり胸に顔を埋めて泣いた。

 

「…俺は…?」

 

ロイドはふと、後ろを振り向くと、見慣れた袴姿の男が立っていた。

 

「無事であるか、ロイド殿」

 

…十三代目石川五ェ門である。

その五ェ門の足元には、綺麗に真っ二つに切られた銃弾が落ちていた。

 

「…あぁ…」

 

ロイドは思わず安堵した。

そしてすぐに聞き慣れた愛妻の声も聞こえてきた。

 

「ロイドさん!アーニャさん!」

 

ヨル・フォージャーである。

 

「ヨルさん!?なんでここに!?」

「アーニャさんを探してて…ええっと…」

「某が偶然見つけて、アーニャ殿を探していたということでついてきてもらったのでござる」

「なるほど…」

 

ヨルが言い訳を言えなかったため、五ェ門が代わりに嘘の説明をしてロイドに信じ込ませた。

ロイドはそれをすぐに飲み込んだ。

 

「とりあえず、2人とも無事で良かったです!」

「あぁ…アーニャ、心配かけて申し訳ない」

「うぇぇぇ…ズルルル…」

「あ!アーニャ鼻水!」

「ふふっ、それだけ嬉しかったんですね」

 

フォージャー一家は再会できたことに喜びを分かち合っていた。

その一方、ルパン達3人はショーンと対峙していた。

 

「さてと…これからどうする?ショーン・マクラルーン…」

「くっ…く、クロウはどこ行った!あいつは…」

「そやつはここにおるぞ」

 

五ェ門は袴の懐より、とある袋を取り出してショーンの前に放り投げた。

その袋からは赤黒い液体が流れており、口からはクロウが被っている帽子が見えた。

 

「ひいっ!?き、貴様ら…人殺しなぞ…」

「そいつはどこから聞いた情報だ?ショーンさんよ」

 

ルパンはジリジリとショーンに近づいた。

 

「確かに俺らは殺しは少ないが、決して『殺さない』わけじゃない。少なくとも俺らは『悪党』だ。俺が殺すべきだと判断したら殺す。それだけの話さ」

「くっ…くそっ!」

「さぁ、どうする?この研究所はもう使い物にならねぇぞ」

「だ、黙れぇ!」

 

ショーンはいそいそとヘリコプターの中に乗り込み、起動させた。

ハッチはまだ完全に開け切っていないが、それでも強行突破しようとして飛び立ったのだ。

 

「ふんっ…ほい」

 

ルパンはふと、とあるものをヘリに投げた。

それは1ペント硬貨であった。

 

「…ん?こいつは…」

 

ショーンは助手席に投げ込まれたその硬貨を見た次の瞬間だった。

硬貨が光りだし、それと同時にコックピット内が爆発したのだ。

 

「逃げろ!」

 

ルパンは硬貨を投げ込むなり、次元や五ェ門、ロイド達にすぐに声をかけて遮蔽物へ誘導させた。

全員が隠れるところへ入った瞬間、ヘリが大爆発を上げた。

辺りが一瞬にして炎に包まれ、爆風も巻き上がった。

しかし、遮蔽物に隠れていたルパンとロイド達は事なきを得たのである。

 

「…ふぅ…」

 

すっかり全身真っ黒になってしまったルパンは、ヘリの残骸の方を見ながら歩いた。

 

「…人間を爆弾にしてテロを起こそうとしたやつの最後は、自分が爆弾になる…ってな」

 

まるでざまぁみろと言わんばかりの言葉を投げたルパンは、ふっと笑いながら踵を返して、ロイド達の元へと歩いた。

 

「大丈夫か?」

「あぁ」

 

ルパンはロイドに手を差し伸べ、その手を借りてロイドは立ち上がった。

 

「…すまねぇな、せっかくの服を台無しにしちまって」

「なに、こんなの《WISE(職場)》に言えばなんとでもなる」

 

ルパンとロイドは互いに笑いながら、今回の事件は幕を閉じたのであった…




いかがでしたでしょうか?
もしよろしければ評価等していただけるとありがたいです
次回は最終話となりますので、お楽しみに
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