『SPY×FAMILY』×『Lupin the Third』〜輝く宝石はスパイと泥棒を呼ぶ〜 作:VOSE
…ショーン・マクラルーン屋敷の地下にあるヘリポート…
緊急用で使うためのもので普段は庭の下に隠れているのだが、この日ばかりはそのヘリポートを使わざるを得なくなった。
「おい!まだハッチは開かんのか!」
「今開けている最中ではありますが、ルパン一味による破壊工作の影響で時間がかかります!」
「ちくしょう…」
ショーンは追い込まれてしまっている状況に業を煮やしていた。
そんな中、ショーンの腕の中で依然としてアーニャが抜け出すことを画策すべく暴れていた。
「少しは鎮まらんか!」
ショーンはジタバタするアーニャに一喝して頭に銃を突きつけた。
(次もし暴れられたりしたら撃つ…そうしなきゃ気が済まん!)
「っ!?」
アーニャはふと、ショーンの心の中を読んでしまい、ショーンの鬼のような気迫に負けてしまったのかすぐに黙ってしまった。
ショーンはそんなアーニャを見てよしと思い、ヘリの方へと歩いて行った。
そして、あと少しでヘリに乗り込むその時だった…
「待て!」
聞き慣れた嫌な声が聞こえてきたのである。
ロイド、ルパン、次元の3人だ。
「アーニャを返してもらおう!」
ロイドはショーンに、アーニャを返してもらうように強く言う。
それに対してショーンは、苦い顔を見せたが…
「…よかろう…」
意外にもあっさりと快諾したのである。
「何?」
ロイドは思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。
「私の目的は東西を再び一つにまとめ上げること…こんなところでお前達に構う余裕などない」
ショーンはそう言うと、アーニャを掴んでいる左手を襟に持ち替えて、アーニャをロイドの方へ投げ出したのだ。
「アーニャ!」
ロイドは思わずアーニャの方へ駆け出した。
それを見たショーンは…
「死ねぇ!」
ロイドに向かって銃を向けたのである。
「ちっ!やはりそう言うことかよ!」
ルパンと次元は互いに愛銃を出して、ショーンの銃に向かって発砲しようとするも、ショーンの手下が撃った弾に被弾してしまい、銃を落としてしまったのだ。
ショーンは躊躇いもなく自身の銃の引き金を引いた。
ダンッ!と放たれたその弾は、綺麗な軌道を描いてロイドは向かっていた。
ロイドはアーニャを抱くなり、アーニャを庇うように背中を向けた。
(…もう…ダメか…)
ロイドは諦めを感じていたその時であった。
「キェェェェェッ!」
聞き慣れない叫び声が聞こえたのである。
この間は本当に刹那の時間であったが、ロイドはとてつもなく長い時間に感じていた。
ロイドは恐る恐る顔を上げた。
その目の前にいたのは…目をうるうるとさせているアーニャであった。
「…アーニャ?」
「…ち…ちち〜!」
アーニャはロイドを見るなり胸に顔を埋めて泣いた。
「…俺は…?」
ロイドはふと、後ろを振り向くと、見慣れた袴姿の男が立っていた。
「無事であるか、ロイド殿」
…十三代目石川五ェ門である。
その五ェ門の足元には、綺麗に真っ二つに切られた銃弾が落ちていた。
「…あぁ…」
ロイドは思わず安堵した。
そしてすぐに聞き慣れた愛妻の声も聞こえてきた。
「ロイドさん!アーニャさん!」
ヨル・フォージャーである。
「ヨルさん!?なんでここに!?」
「アーニャさんを探してて…ええっと…」
「某が偶然見つけて、アーニャ殿を探していたということでついてきてもらったのでござる」
「なるほど…」
ヨルが言い訳を言えなかったため、五ェ門が代わりに嘘の説明をしてロイドに信じ込ませた。
ロイドはそれをすぐに飲み込んだ。
「とりあえず、2人とも無事で良かったです!」
「あぁ…アーニャ、心配かけて申し訳ない」
「うぇぇぇ…ズルルル…」
「あ!アーニャ鼻水!」
「ふふっ、それだけ嬉しかったんですね」
フォージャー一家は再会できたことに喜びを分かち合っていた。
その一方、ルパン達3人はショーンと対峙していた。
「さてと…これからどうする?ショーン・マクラルーン…」
「くっ…く、クロウはどこ行った!あいつは…」
「そやつはここにおるぞ」
五ェ門は袴の懐より、とある袋を取り出してショーンの前に放り投げた。
その袋からは赤黒い液体が流れており、口からはクロウが被っている帽子が見えた。
「ひいっ!?き、貴様ら…人殺しなぞ…」
「そいつはどこから聞いた情報だ?ショーンさんよ」
ルパンはジリジリとショーンに近づいた。
「確かに俺らは殺しは少ないが、決して『殺さない』わけじゃない。少なくとも俺らは『悪党』だ。俺が殺すべきだと判断したら殺す。それだけの話さ」
「くっ…くそっ!」
「さぁ、どうする?この研究所はもう使い物にならねぇぞ」
「だ、黙れぇ!」
ショーンはいそいそとヘリコプターの中に乗り込み、起動させた。
ハッチはまだ完全に開け切っていないが、それでも強行突破しようとして飛び立ったのだ。
「ふんっ…ほい」
ルパンはふと、とあるものをヘリに投げた。
それは1ペント硬貨であった。
「…ん?こいつは…」
ショーンは助手席に投げ込まれたその硬貨を見た次の瞬間だった。
硬貨が光りだし、それと同時にコックピット内が爆発したのだ。
「逃げろ!」
ルパンは硬貨を投げ込むなり、次元や五ェ門、ロイド達にすぐに声をかけて遮蔽物へ誘導させた。
全員が隠れるところへ入った瞬間、ヘリが大爆発を上げた。
辺りが一瞬にして炎に包まれ、爆風も巻き上がった。
しかし、遮蔽物に隠れていたルパンとロイド達は事なきを得たのである。
「…ふぅ…」
すっかり全身真っ黒になってしまったルパンは、ヘリの残骸の方を見ながら歩いた。
「…人間を爆弾にしてテロを起こそうとしたやつの最後は、自分が爆弾になる…ってな」
まるでざまぁみろと言わんばかりの言葉を投げたルパンは、ふっと笑いながら踵を返して、ロイド達の元へと歩いた。
「大丈夫か?」
「あぁ」
ルパンはロイドに手を差し伸べ、その手を借りてロイドは立ち上がった。
「…すまねぇな、せっかくの服を台無しにしちまって」
「なに、こんなの《
ルパンとロイドは互いに笑いながら、今回の事件は幕を閉じたのであった…
いかがでしたでしょうか?
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次回は最終話となりますので、お楽しみに