『SPY×FAMILY』×『Lupin the Third』〜輝く宝石はスパイと泥棒を呼ぶ〜 作:VOSE
…
アーニャはこの学校に通っており、毎日飽きない生活を送っている。
「アーニャちゃん!おはよう!」
「ベッキー!おはやいます!」
アーニャの元へ駆けてくる1人の女の子。
名はベッキー・ブラックベル。
「そういえば、アーニャちゃん見た!?昨日のドラマ!」
「アーニャ、あにめしかみてない」
「もぅ、そろそろ見てもいいじゃない?昨日の話とっても良かったんだから!特に…」
と、2人がたわいもない話で盛り上がっていると…
(はぁ…どうしよう…)
アーニャに、困っている様子の心の声が聞こえたのだ。
アーニャがその声の主を探すと、1人の女の子が花壇の方を見ていた。
透明感のある肌にしゃがんでいてもわかるほどの華恋な身体、肌にとても似合う赤髪にこの世の美しいものを合わせたような水色の目をした女の子が、その可愛らしい顔に似合わぬ困惑の表情を見せていた。
「ベッキー、ちょっとさきいってて」
「え?アーニャちゃんどうしたの?」
アーニャはベッキーから離れ、花壇の方にいる女の子の方へと向かった。
「どうかしましたか?」
アーニャがその女の子に声をかけると…
「え?」
女の子は困った様子からさらに困った表情を見せる。
「え、ええっと…その…」
「あ、もしかして、困っているように見えちゃった?あはは…」
女の子は気丈な様子でアーニャに声をかける。
「ごめんね。なんでもないよ」
と、女の子は言うが…
(本当はなんでもない訳じゃないけどね…)
という心の声を、アーニャが聞き逃さないわけがなかった。
ふと、アーニャが花壇の方を見ると、踏み荒らされた様子の植物の様子が見てとれた。
「これ…おはなさんたち?」
「うん…私が育ててたんだけどね…まぁ、悩んでても仕方ないかな。また育てればいいしね」
女の子は割り切るように言ってすっと立ち上がる。
「心配してくれてありがとね。それじゃ!」
女の子はそう言うと、走って離れていってしまった。
(…あのひと…ないている?)
アーニャは女の子の去り際に心の声を聞き、そのまま立ち尽くしていたその時だ。
「わぁ…あの人、もしかしてグレースさんじゃ!?」
アーニャの隣にいつのまにかいたベッキーが、目を輝かせながらアーニャに声をかけた。
「ベッキー、いつのまに」
「ねぇねぇ、アーニャちゃん、グレースさんと何話してたの?」
「これ」
アーニャは女の子と話した内容の全てである花壇をベッキーに見せたところ…
「何よこれ!もう、ひどすぎじゃない!」
「アーニャもそうおもう」
「アーニャちゃん!」
「ん?」
「この花壇綺麗にしましょう!」
「らじゃー!」
ベッキーの意見に賛同したアーニャは、ピシッと敬礼のポーズを見せたのだった…
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「…はぁ…一からやり直しね…」
女の子…グレース・マクラルーンが放課後、トボトボとあるところへ向かっていた。
手にはスコップとバケツ、ジョウロである。
「せっかくいい感じに育ったのに…残念だなぁ…」
グレースはため息をもらしながら花壇へ向かうと…
「あ!グレースさん!こんにちは!」
「こんにちはですす」
アーニャとベッキーが花壇で何かをしながら挨拶してきた。
「え?あなたたちはさっきの…なんで?」
グレースが目を丸くして2人がなぜいるのか聞くと…
「グレースさんのお手伝いに来ました!」
「おはなさん、かわいそうだから、アーニャたちでげんきにしてあげてたます」
ベッキーは笑顔で、アーニャは敬礼しながら花壇に植えられていた花を植え直していたことを伝えた。
そんな2人の後ろにある花壇を見ると、綺麗な花がたくさん植えられてあった。
「いつのまにかこんなに!?この花たちはどこから!?」
「私の執事にお願いしたの!そしたら結構多くて…」
「アーニャ、たいへんだった。でもたのしかった!」
「ねー!」
アーニャとベッキーは互いの土まみれの顔を見ながら笑い合った。
「…ごめんね…私の勝手にやってることなのに…」
「いいえ!グレース様は思いやりがあって、小さな命を大切にしているいい人なので、私たちはそれを手伝ったまでです!」
「アーニャもどうかん!」
「ふふっ…ありがと」
そこでグレースはふと、あることを思いついた。
「そうだ!今度私の家でパーティーやるのだけれど、来ない?」
アーニャとベッキーを、マクラルーン家のパーティーに招待したのだ。
「パーティー!?いきたいます!」
「いいんですか!?是非とも行かせていただきたいです!」
「良かった。断られたらどうなるかと思った…それで、日程なんだけれど…」
グレースはパーティーの日程を2人に教えたところ…
「あー…」
ベッキーの顔が急に曇った。
「どうしたの?ベッキー」
「うん…その日、ちょっと用事があって…グレースさん、すみません!パーティー参加できなくなりました!」
「ううん、気にしなくていいよ。私が勝手に誘ったのだから。ごめんなさい」
「こちらこそ、お誘いいただきありがとうございます!また今度、お邪魔させてもよろしいでしょうか!?」
「いいよ。歓迎するね」
「はいっ!ありがとうございます!」
憧れの1人であるグレースと仲良くなり、ベッキーは喜びを隠しきれなかった。
「それじゃ、名前教えてくれてもいいかな?」
「はい!ベッキー・ブラックベルです!」
「ブラックベル?もしかして、あの軍事企業の?」
「はい!そうです!」
「それなら、今度空いている時間聞いてみるわ。マクラルーン家とブラックベル家は昔からの親交があるから」
「そうなのですね!ありがとうございます!」
「そして、もう1人は…」
「アーニャ・ほーじゃーですす」
「ほーじゃーじゃなくて、フォージャーでしょ?アーニャちゃん」
「アーニャ・フォージャー…もしかして、入学初日に男子を殴っちゃったていう…」
「うっ…それは…」
過去の黒歴史を掘り返されたアーニャは、思った顔色を悪くしてしまった。
「あ、ごめん…傷つけるつもりはなかったの。私は、殴ったことに理由あったのかなって思ってて…あ、でも話したくなかったら話さなくていいよ」
「うぃ、あざざます」
「ふふっ、変な喋り方」
アーニャの舌足らずな喋り方に、グレースはおかしいと思い微笑んだ。
「それで、アーニャちゃんはどう?来られる?」
「ちちとははに聞いてみまする!」
「わかったわ。それじゃ、ちょっと待っててね」
グレースはそう言うと、急いで校舎の中へ入り、そしてすぐに戻ってきた。
「はい、これ。もし来られるなら、地図に書いてある私の家に来て、この紙を見せてね」
「はいます!」
かくして、アーニャはグレースの招待状を受け取ったのだった…
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…その日の夜…
「ちちー!ははー!」
アーニャの帰宅第一声で、ロイドとヨルが反応した。
「ん?どうした?アーニャ」
「このひ、あいている?」
アーニャはグレースからの招待状をロイドに見せた。
「なんだ?その紙は?」
ロイドはアーニャから招待状をもらい、中身を見た。
「うーんと…うーん…うん!?ま、ま、マクラルーン家のパーティー御招待状!?」
ロイドは手紙の内容を読んで、驚きを隠せなかった。
「マクラルーン家って、すごいところなのですか?ロイドさん」
「すごいどころじゃないですよ!
「えぇっ!?」
ロイドの言葉に、ヨルも思わず、持っていた空のプレートを落としてしまった。
(マクラルーン家は国の予算を上回るほどの財力を持つ超大御所!『WISE』の中でもマークしているところじゃないか!?しかも、マクラルーン家はデズモンド家とのパイプを持っている!)
突然舞い降りた、衝撃的な手紙に、ロイドは頭がクラクラするほど興奮していた。
「どうしたんだ!?アーニャ!どうしてこんな手紙を!?」
「ぐれーすっていうひとのてつだいをしたらもらった」
「グレース!?グレース・マクラルーンか!?」
2度目のサプライズに、ロイドは思わず心の中でガッツポーズをしてしまった。
(これはチャンスだ!マクラルーン家と仲良くなれば、デズモンドとのパイプを確実なものになる!)
「アーニャ、ありがとう!この日は空いているから行こう!」
「りょうかい!」
「ヨルさん、いいですよね!?」
「は、はい!どうしましょう…今のドレスでも大丈夫なのでしょうか…」
フォージャー家、全員がてんやわんやとなっているほどのパーティーの招待状。
これが、後々大事件になるとは、フォージャー家全員思いもやらなかったのであった…
いかがでしたでしょうか?
とりあえず溜めてる分だけ出そうと思って出しました。
もしよろしければ評価などをしていただけると嬉しいです。
では次回、お会いしましょう。