『SPY×FAMILY』×『Lupin the Third』〜輝く宝石はスパイと泥棒を呼ぶ〜   作:VOSE

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第7話〜逃した魚は大きいか?〜

…煙が晴れ、ロイドやショーンが辺りを見渡す。

先ほど現れた男…ルパン三世の姿は見えない。

変装している可能性も大いにあったが…

 

「ちっ…逃したか…」

 

ショーンの一言で、この場にはいない事がわかった。

 

「ショーンさん、大丈夫ですか?」

「あぁ、大丈夫じゃ。ロイド君…いや」

 

ショーンは立ち上がり様、ロイドの方を見てニヤリと笑った。

その薄気味悪い笑顔に、ロイドはすぐに危険を察知した。

 

「…まぁ、今回は見逃してやろう、『黄昏』くん」

「…気づいていたのか…」

 

ショーンはロイドの正体を知っていた。

しかし、それを知ってなお、ショーンは今回目を瞑ったのである。

 

「あぁ。今回は愛すべき…だったはずの娘の招待客ということで、見逃して招き入れたのだが…こちらも少々戸惑っていてな…」

 

ショーンはそう言いつつ、落ち着き払った様子で辺りを見渡した。

 

「…ならなぜ、俺を泳がせた?あなたのような人が、俺の正体を知っておきながら…」

「泳がせてなどいない。それに、正体を知っていて見逃したのは、今回君がここに来た理由が()()ではないことくらいわかっているさ」

「…さすがだな…ショーン・マクラルーン…」

 

見透かしているかのように話すショーンに、ロイドはただ感服しかなかった。

その時、ふと外が騒がしく聞こえてくるのが、部屋に届いた。

 

「パーティーの客達は避難しているようじゃな…」

「そうみたいですね。では、私はこれで。妻と子が待っているので」

 

ロイドはヨルとアーニャの元へ急ぐべく、この場を離れようとした。

ショーンはそれを見てすぐに止めた。

 

「少し待ってくれぬか?『黄昏』」

「ん?」

 

ショーンの呼びかけに、ロイドは返していた踵を止めた。

 

「ここは一つ、協力しないか?」

「協力?」

 

ショーンの提案に、ロイドは訝しんだ。

 

「わしはこの国一の大富豪じゃ。欲しいものはなんでも入ってくる。この意味はわかるな?」

 

ロイドはその言葉で、あぁと納得した。

 

「お主ら《WISE》は『西国(ウェスタリス)の希望』を探しているのじゃろ?そしてその犯人は、先ほど現れた『ルパン三世』…」

 

その筋しか知らない情報を仕入れていたショーンは、今の現状を報告するかのように、ロイドに話した。

 

「…もう、ここまで来たらなんでもお見通しだな」

「マクラルーン家を侮るでない」

 

ショーンはふっふっふと誇らしげに笑う。

そして、ショーンはある取引をロイドに与えた。

 

「今回の件、我々マクラルーン家とお主、『黄昏』で是非とも協力して、お主は『西国(ウェスタリス)の希望』、わしらは『東国(オスタニア)の夢』を奪還したいと思う」

「報酬は?」

「お主の希望ならなんでも叶えてあげよう」

 

ショーンの一言に、ロイドはすぐに飛びつきそうになった。

もしデズモンドとのパイプを持つことができるのであれば、オペレーション『(ストリクス)』が大きく進むことができるかもしれない…

 

「なんでも…ですか?」

「あぁ…いや、さすが何回も使われては困るから、せめて3回までとしよう。これでどうかね?」

 

ショーンの提案に、ロイドはすぐに悩む。

願いを聞ける範囲は3回まで…

すぐにいろいろと聞きたいことがあったが、少しだけ考える必要が出てきた。

 

「わしは立場上、そこまで多くの情報は引き出すことができないんじゃよ。だから3回までにさせてくれ」

「…わかりました。《WISE》に戻って報告します」

「いい結果が出ることを祈るよ」

 

ロイドはそう言うと、深々とお辞儀をしてその場を離れた。

 

「…さて、わしは…()()()をせねばな…」

 

ショーンはロイドが去ったあと、執事にあることを耳打ちさせたのであった…

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

…地上へ降りたロイドは、ボヤ騒ぎが起きて避難している客人たちの中へ飛び込んだ。

 

「あ!ロイドさん!」

「ヨルさん!アーニャも!」

 

ヨルの声で、ロイドとヨル、アーニャは無事に合流することができた。

 

「二人とも、大丈夫だったかい?」

「はい!」

「アーニャ、ぶじにだっしゅつしますた!」

「よかった…」

 

二人が無事だったことで、ロイドはほっと胸をなでおろした。

しかし、安堵したのもつかの間…

 

「それより、ロイドさんこそ大丈夫でしたか?ずいぶんと時間がかかったような感じがしたのですが…」

 

という、ヨルの指摘に、ロイドは思わずどきりとした。

 

「え、ええっと…トイレ行っていたら、急に避難するように言われて…急だったもんですから、ズボン履くのにだいぶ手間取りまして…あはは…」

 

と、ロイドはごまかしながら話したが…

 

(ちちうそつき…さっきにんむ、いってた)

 

アーニャにだけはバレていた。

 

「みなさん、大変申し訳ございません!」

 

ふと、大きな声が聞こえたので、全員が声の方を見ると、先ほど自室にいたショーンが客人たちの前に現れていた。

 

「この度は、皆様に多大なるご迷惑をおかけし、大変申し訳ありませんでした。今回は唐突ではございますが、ここでいったんお開きにしたいと考えております。今回のマクラルーン家のパーティーにご足労いただき、大変感謝をしております。どうか、お気をつけてお帰りください。くどいようではございますが、今回は大変、申し訳ございませんでした」

 

誠意あふれる対応に、どこからか沸いてきたのか、客人たちが自主的に拍手を起こした。

ロイド、ヨル、アーニャもそれに合わせて拍手でショーンを繕ったのであった…

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

…その帰り道でのこと…

 

「最後、あんなことになりましたけど、楽しかったですね、ロイドさん」

 

フォージャー一家はパーティーの感想会を車の中でしていた。

 

「そうですね、ヨルさん。アーニャはどうだった?」

「ぴーなっつ、おいしかった!」

「またピーナッツか…まったく、困ったもんだ」

 

と、和気あいあいと会話している中、ロイドはあることを頭の中で巡らせていた。

 

(…ショーン・マクラルーンの提案…正直、怖い橋ではあるのだが…)

 

事件現場で話し合っていたことについて、今後どうしていくのかということである。

 

(ショーン氏は《WISE》にこのことを話してもいいというニュアンスだったな…俺が《WISE》のことを話しても、嫌がるそぶりは見せなかった…まぁ、このことは胸に仕込んでおいた録音機で管理官(ハンドラー)に伝えるとして…問題は…)

 

ロイドがふと、急に思考モードに入ったため…

 

「ろ、ロイドさん?大丈夫ですか?」

 

いつものように、ヨルが心配するという光景が生まれた。

 

(ちち、かんがえごとしている…)

 

アーニャはいつものようにロイドの考え事を読んでいた後、ふと、あることを思い出した。

 

「そーいえば…ちち!」

「ん?どうしたんだ?アーニャ」

 

アーニャの声かけに、ロイドはすぐに反応した。

 

「これ、ぐれーすからもらったもの!」

 

アーニャは嬉しそうに言いながら、持ってきたバッグから煌びやかな箱を取り出した。

ロイドに是非自慢したかったのだろうが…

 

「あー、うん。すごい綺麗だな。大事にしておけよ?」

 

当のロイドはそれどころではないという感じで突っぱねる。

 

「むぅ…」

 

アーニャはロイドの反応を見て頬を膨らませた。

それを見たヨルは…

 

「うわぁ、すごい綺麗ですね!でも、もらったなら大事にしてくださいね。友達にも見せたらダメですよ。羨ましがってくる人がいますから」

 

と、フォローを入れつつアーニャに箱を大切するように伝えた。

 

「うい」

 

アーニャはご機嫌な様子で箱をバッグの中に入れ、道中わくわくしながら帰ったのだった…

 




いかがでしたでしょうか?
もしよろしければ評価などしていただけると嬉しいです。
では次回、お会いしましょう。
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