『SPY×FAMILY』×『Lupin the Third』〜輝く宝石はスパイと泥棒を呼ぶ〜 作:VOSE
…煙が晴れ、ロイドやショーンが辺りを見渡す。
先ほど現れた男…ルパン三世の姿は見えない。
変装している可能性も大いにあったが…
「ちっ…逃したか…」
ショーンの一言で、この場にはいない事がわかった。
「ショーンさん、大丈夫ですか?」
「あぁ、大丈夫じゃ。ロイド君…いや」
ショーンは立ち上がり様、ロイドの方を見てニヤリと笑った。
その薄気味悪い笑顔に、ロイドはすぐに危険を察知した。
「…まぁ、今回は見逃してやろう、『黄昏』くん」
「…気づいていたのか…」
ショーンはロイドの正体を知っていた。
しかし、それを知ってなお、ショーンは今回目を瞑ったのである。
「あぁ。今回は愛すべき…だったはずの娘の招待客ということで、見逃して招き入れたのだが…こちらも少々戸惑っていてな…」
ショーンはそう言いつつ、落ち着き払った様子で辺りを見渡した。
「…ならなぜ、俺を泳がせた?あなたのような人が、俺の正体を知っておきながら…」
「泳がせてなどいない。それに、正体を知っていて見逃したのは、今回君がここに来た理由が
「…さすがだな…ショーン・マクラルーン…」
見透かしているかのように話すショーンに、ロイドはただ感服しかなかった。
その時、ふと外が騒がしく聞こえてくるのが、部屋に届いた。
「パーティーの客達は避難しているようじゃな…」
「そうみたいですね。では、私はこれで。妻と子が待っているので」
ロイドはヨルとアーニャの元へ急ぐべく、この場を離れようとした。
ショーンはそれを見てすぐに止めた。
「少し待ってくれぬか?『黄昏』」
「ん?」
ショーンの呼びかけに、ロイドは返していた踵を止めた。
「ここは一つ、協力しないか?」
「協力?」
ショーンの提案に、ロイドは訝しんだ。
「わしはこの国一の大富豪じゃ。欲しいものはなんでも入ってくる。この意味はわかるな?」
ロイドはその言葉で、あぁと納得した。
「お主ら《WISE》は『
その筋しか知らない情報を仕入れていたショーンは、今の現状を報告するかのように、ロイドに話した。
「…もう、ここまで来たらなんでもお見通しだな」
「マクラルーン家を侮るでない」
ショーンはふっふっふと誇らしげに笑う。
そして、ショーンはある取引をロイドに与えた。
「今回の件、我々マクラルーン家とお主、『黄昏』で是非とも協力して、お主は『
「報酬は?」
「お主の希望ならなんでも叶えてあげよう」
ショーンの一言に、ロイドはすぐに飛びつきそうになった。
もしデズモンドとのパイプを持つことができるのであれば、オペレーション『
「なんでも…ですか?」
「あぁ…いや、さすが何回も使われては困るから、せめて3回までとしよう。これでどうかね?」
ショーンの提案に、ロイドはすぐに悩む。
願いを聞ける範囲は3回まで…
すぐにいろいろと聞きたいことがあったが、少しだけ考える必要が出てきた。
「わしは立場上、そこまで多くの情報は引き出すことができないんじゃよ。だから3回までにさせてくれ」
「…わかりました。《WISE》に戻って報告します」
「いい結果が出ることを祈るよ」
ロイドはそう言うと、深々とお辞儀をしてその場を離れた。
「…さて、わしは…
ショーンはロイドが去ったあと、執事にあることを耳打ちさせたのであった…
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…地上へ降りたロイドは、ボヤ騒ぎが起きて避難している客人たちの中へ飛び込んだ。
「あ!ロイドさん!」
「ヨルさん!アーニャも!」
ヨルの声で、ロイドとヨル、アーニャは無事に合流することができた。
「二人とも、大丈夫だったかい?」
「はい!」
「アーニャ、ぶじにだっしゅつしますた!」
「よかった…」
二人が無事だったことで、ロイドはほっと胸をなでおろした。
しかし、安堵したのもつかの間…
「それより、ロイドさんこそ大丈夫でしたか?ずいぶんと時間がかかったような感じがしたのですが…」
という、ヨルの指摘に、ロイドは思わずどきりとした。
「え、ええっと…トイレ行っていたら、急に避難するように言われて…急だったもんですから、ズボン履くのにだいぶ手間取りまして…あはは…」
と、ロイドはごまかしながら話したが…
(ちちうそつき…さっきにんむ、いってた)
アーニャにだけはバレていた。
「みなさん、大変申し訳ございません!」
ふと、大きな声が聞こえたので、全員が声の方を見ると、先ほど自室にいたショーンが客人たちの前に現れていた。
「この度は、皆様に多大なるご迷惑をおかけし、大変申し訳ありませんでした。今回は唐突ではございますが、ここでいったんお開きにしたいと考えております。今回のマクラルーン家のパーティーにご足労いただき、大変感謝をしております。どうか、お気をつけてお帰りください。くどいようではございますが、今回は大変、申し訳ございませんでした」
誠意あふれる対応に、どこからか沸いてきたのか、客人たちが自主的に拍手を起こした。
ロイド、ヨル、アーニャもそれに合わせて拍手でショーンを繕ったのであった…
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…その帰り道でのこと…
「最後、あんなことになりましたけど、楽しかったですね、ロイドさん」
フォージャー一家はパーティーの感想会を車の中でしていた。
「そうですね、ヨルさん。アーニャはどうだった?」
「ぴーなっつ、おいしかった!」
「またピーナッツか…まったく、困ったもんだ」
と、和気あいあいと会話している中、ロイドはあることを頭の中で巡らせていた。
(…ショーン・マクラルーンの提案…正直、怖い橋ではあるのだが…)
事件現場で話し合っていたことについて、今後どうしていくのかということである。
(ショーン氏は《WISE》にこのことを話してもいいというニュアンスだったな…俺が《WISE》のことを話しても、嫌がるそぶりは見せなかった…まぁ、このことは胸に仕込んでおいた録音機で
ロイドがふと、急に思考モードに入ったため…
「ろ、ロイドさん?大丈夫ですか?」
いつものように、ヨルが心配するという光景が生まれた。
(ちち、かんがえごとしている…)
アーニャはいつものようにロイドの考え事を読んでいた後、ふと、あることを思い出した。
「そーいえば…ちち!」
「ん?どうしたんだ?アーニャ」
アーニャの声かけに、ロイドはすぐに反応した。
「これ、ぐれーすからもらったもの!」
アーニャは嬉しそうに言いながら、持ってきたバッグから煌びやかな箱を取り出した。
ロイドに是非自慢したかったのだろうが…
「あー、うん。すごい綺麗だな。大事にしておけよ?」
当のロイドはそれどころではないという感じで突っぱねる。
「むぅ…」
アーニャはロイドの反応を見て頬を膨らませた。
それを見たヨルは…
「うわぁ、すごい綺麗ですね!でも、もらったなら大事にしてくださいね。友達にも見せたらダメですよ。羨ましがってくる人がいますから」
と、フォローを入れつつアーニャに箱を大切するように伝えた。
「うい」
アーニャはご機嫌な様子で箱をバッグの中に入れ、道中わくわくしながら帰ったのだった…
いかがでしたでしょうか?
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では次回、お会いしましょう。