「っと、ここかな?」
アヤカがアメリカに行く前にカズマさんに開発を依頼していた、カナタ専用の装備を持って私は移動していた
その途中でアメリカ軍と思われる謎の部隊の妨害にあったが、これを移動手段代わりに利用して安全に移動していた
いま私がいるのは、カナタが通う学校の門扉の前、高さは私の2倍ほど・・・この程度なら
「よっ・・・と!!」
「キアナ隊長、そうせんでも別に入れますよって」
「つっ!?」
門扉を超えた直後、少し先の木陰からの人の声で驚いた
そこにいるのは・・・この世界で部隊として活動を開始した時から務めている人物・・・
「ガウルン・・・なんでここに?」
「カズマ副長からの指示ですわ、俺みたいな学のねえやつをなんでこんなとこに潜入させんだか」
「この地下に敵がいるということなんだよ、きっと」
「それについては同意見っすよ、地下の方から鼻につく嫌なもんが漂ってやがる」
ガウルンの特異技能には、人間の悪意など負の感情を匂いとして感じ取る力があるらしい
その的中性能は驚くべきものであり、彼が信用出来ないという人間は裏でかなり汚いことをやっている者達ばかりだ
本人曰く、自分がそんな環境にいれば嫌でも身につくらしい
その本人が、終始不快そうな顔をしているのだから相当なのだろう
「いま、カナタは地下のシェルターにいます・・・正直言って非常にヤバい」
「君がそんな顔をするほどだもの、相当なんでしょ?」
「本人目にして正気でいれる自信がねぇっす。ぜってぇ殺しにかかってますわ」
「よっぽどだね」
そして私達は地下をみる
するとガウルンは・・・
「うわ、下に行くに連れて高濃度になってやがる。今いやがるな?畜生抑えるんでいっぱいだわ」
「カズマから伝言、暴れて構わん。だって」
「マジすか・・・あの人軽薄にそう言うから嫌なんだよなぁ・・・責任は取ってくれるけどさぁ・・・」
残っている地下行きのエレベーターに入り、迷わず端末を押し当ててクラックして最下層へ向かう
その頃にはガウルンの様子が変わっていた
普段のちゃらけていない、殺戮者のそれに変わっている
「確認だ、ぶち殺して良いんだな?」
「相手は一人だけだよ、他はダメ」
「加減してやる。こんな悪意の塊なぞ、消すに限るからな」
二重人格・・・制御できないそれがガウルンには存在する
この地下階は彼に任せて、私は別方面に向かう
カナタに渡すものを、渡すために
「キアナさん!!」
「カナタ!!」
「どうしてココに!?」
「渡すものがあるからだよ、カズマから貰ってきた」
そう言って小さなケースを渡す、そこにあるのは青いペンダントだった
「マークザイン、出来たんですか?」
「本来なら明日、私達の所で試験して渡す予定だったけど」
「ありがとうございます」
アヤカさん達の技術で作られた私のための力・・・マークザイン
あの後、ザインの意味をもう一度調べた
すると、罪という言葉ではなく、存在という言葉であると知ることが出来た
そう、存在・・・奏に再会するまでの私になかったソレが・・・
「使い方はこれ、絶対に見てね」
「行ってきます」
「危なくなったら逃げなさい」
ソレだけを告げて、キアナさんは私に付いてきてくれた
此処から先は危険だとわかっている、それでも私は向かう
「カナ・・・タ?」
「ズタボロじゃない、奏」
地上に出ると、最悪のをソレを遥かに超えた悪夢が広がっていた
起こしているのは櫻井博士・・・いや、フィーネといったほうが良いか
キアナさん達の書類を盗み見た際に、櫻井博士はフィーネだと確信していた
「生き残りがいたとはな」
「何のこと?」
「10数年前、お前の両親を殺したのは私なのだよ。衛宮カナタ!!」
「そう、血の気配があるから殺しなどいくらでもしてきたんでしょう?その中に私の両親がいただけね」
フィーネの発言で全て繋がった、両親の怪しい死因、それを行った人物、謎だらけのモノに一定の予測が立つ
そして、私の復讐対象であること
「行くよ、マークザイン!!」
キアナさんから貰ったペンダントを握りしめ、思い浮かべたのは鎧を纏う自分
周辺のノイズが吸われながら消滅し、ペンダントから武装へと変わる時のエネルギーへと転換されていく
「なんだ、それは!?」
「貴女を倒す、人類の叡智だ!!」
同時に手元に生成された剣を握ると、デバイスの起動音声が鳴った
<Salvator Model System StartUp !!>
「変身!!」
<The girl fights to protect humanity. Type One>
光に包まれて、一歩踏み出したときには姿が変わっていた
これが今の私、誰かの涙を止められる自分!!
「シンフォギアの亜種だと!?玩具の模造で私を倒せると・・・」
「うるさい!!」
一歩で横に立ち、そのまま殴りつけて地面に叩きつける
「貴様・・・!!」
「デカい塔を立てて何をする気か知らないし興味もないが、他人巻き込んでするのならこうなることも予見できるはずだ。それをしなかっただけでしょ」
追撃を謎のバリアで防がれたが、武装欄にあったルガーランスという騎兵槍を持ち出し突き立てたらアッサリと壊れた
案外脆いバリアなのかもしれない、そのまま本体にダメージを与えたが・・・
「無駄だ、小娘!!」
「あら、それはどうかしら?」
突き立てた腹部が高速で修復されていくのを見て、もう一度突き立てた
再びバリアを破り裂いて突き立てられるルガーランス、相手はそれを引き抜こうとする時に・・・
「痺れろ!!」
「がぁぁぁぁ!?」
レールガンとしての機能である刀身展開機構を利用して大電流を流し込んで感電させた
「私の復讐はこれで終わりだ、フィーネ」
「なに・・・?」
「貴女はこれから、自分の作った玩具とやらを使う少女たちに敗れる。これは確定事項だ」
聞こえ始めた音楽に、ここでやっとフィーネが気づいた
それは高レベルの何かとなって、シンフォギアを纏う少女たちの力となる
私にも感じるそれを背に、私は告げた
「最期の時を、楽しみなさい!!」