「おっ、これはまた問題だ」
「おい、コレのどこがだよ?」
「ドボンでしょコレ」
ある日、私は奏の勉強を見ていた
学生の身分ではあるが、バイクの免許を取るべく勉強してる奏に過去問を解かせていたのだ
ついでに自分も同じものをしているのだが、やはり私の方が成績がいい
「最初から最後までもう一度。いや、奏の事だから2回くらい見返したら?」
「さり気なくディスってんじゃねぇぞ!?」
「私はそろそろ帰りたいのだが?」
ところでここにはもう一人、大人の女性がいる
それはフィーネだ、一応世界中の国家から色んな意味で狙われている彼女だが、今はそれによる混乱を避けるべくウォルラスの預かりとなっている
これにはかなり苦労したとアヤカさんは言っていたが、さもありなんと思った
何しろ行動が自由勝手すぎる、よってアヤカさんは考えた挙げ句、補助指導員として学園所属にして放置を選んだそうだ
それを聞いて速攻で、利用するより他に手はないと思った
彼女は言ってしまえば世界の歴史の一場面にいたオーディエンスでもある。世界史が一番苦手な奏にはうってつけの教師だ
「コレほど世界史が苦手なのもまぁまぁいないが・・・」
「まぁ確かに」
バイク免許の過去問の答え合わせを私がしている最中、奏には世界史をさせていた
その途中であるが、流石にフィーネもこの惨劇には呆れて声が笑っている
「しっかし一番驚くことがあるけどよ、言っていいか?」
「あらぁ、何かしら天羽奏ちゃん?」
「すんげぇ性格変えれるんだな、素の性格と真逆じゃねぇか」
それは私も思った、こいつ、猫被るのがうますぎる・・・
「この間のテストの成績、良くなったのは私とフィーネのおかげよ?」
「感謝してます・・・」
そう、奏のテストの成績が上がってきつつある
私だけでなく、フィーネを半ば強引に手伝わせた事が影響していた
世界史以外の教科でもそつなく教えることが出来るし、それが非常に分かりやすいのだ
「教員向いてるよ、性格以外はな!!」
「誰が愚民どもに知恵など授けてやるか、勝手に見て学んで盗んでいけば良かろう。アホらしい」
フィーネはそう言ってそっぽを向くが、ちらっと見たら少し顔が赤い
褒められるのに慣れていないらしい、本人曰く当代の依代に多分な影響を受けているらしい
本人曰く普通はあり得んのだが、人格の根幹の部分が塗りつぶせずに融合した結果とのことである
では通常はどうであるかと聞くと、記憶以外の全てが自分に置き換わるらしい。癖とかの再現は記憶から真似ているため気づく人は気づくが非常に難しいらしい
また、性格にも多大な影響を受けており、昔よりは人当たりがいいらしい
通常の性格は正しく尊大で自分以外の人は全て道具と思うほどだろう。というカズマさんの見解に正解といいつつ、ものぐさながら面倒見が良くなっている現在は影響を受けた結果とのこと
依代になった櫻井女史は非常に面倒見がよく、それでいてこれと決めたら最後まで押し通す芯のある女性だったのだろうと推測される
「で、この後は?」
「やっべライブの開始時刻過ぎてんじゃん」
「そういえばそうだな」
そう言ってテレビの電源を入れるフィーネ、その表情が一瞬で凍った
「電話しろ・・・」
「え・・・?」
「今すぐに九条アヤカに電話しろ!!」
その瞬間、中継が切れたのと同時に電話がなった
「単刀直入にいう、フィーネ。お前何か伝えるの忘れていたな?」
「それについてはこれから釈明する、今は彼女達を!!」
「言われるまでもない、あそこには俺等の特殊工作班を既に先行させている」
電話してきたのはカズマさんだった、落ち着いた口調からこうなることは予測していたか、なったとしても自前の対応能力でゴリ押ししているかのどちらかだろう
「そちらにはアヤカを迎えにやってる、そろそろCH-53Kがつくだろう」
「CH-53Kって、キングスタリオンじゃないですか!?どうやって買ったんですか!?」
現状、運用国家がアメリカオンリーの高性能軍用ヘリの一つ、キングスタリオン。それをどの国家よりも早く入手するなんてこと、よっぽどの事でないと難しいはずなのだが・・・
「技術を売った、その対価として譲り受けた。それだけさ」
その声と同時にヘリの音が聞こえてきた
悲報(?)、フィーネさん丸くなる