シンフォギア Fake Ideal   作:アーヴァレスト

2 / 22
それは運命が交わった瞬間
悲劇を行きた少女へ確かに渡されていた未来への鍵


プロローグ

「ねぇ、私達なんでライブの会場なんかにいるの?」

 

とある銀髪の女性が横に座る人物に問いかけたのは、大規模のコンサート会場の中だった

質問された人物はつまらなそうな顔をしながらその問いに答えるべく質問した人物に目を向ける

 

「ココでヤバい事が行われるという情報を掴んだからよ、あと純粋に楽しみたい」

「後者が理由な気がしてきたよ・・・」

「一応仕事だぞ、一応な」

「実際は?」

 

言葉を濁した人物に銀髪の女性は呆れながらも質問を再度した

再度の質問をされた人物は俯きながら小さな声で答える

 

「人気歌手のライブ行きたかったからです」

「素直でよろしい」

 

そうこうしている間にライブが始まった

そして・・・銀髪の女性の横に座っている人物の表情が険しくなっていく

 

「どうしたの?」

「来るぞ、即応できるようにしておけ」

「いつ・・・?」

「3・・・2・・・いまッ!!」

 

その瞬間、会場が激しく揺れ、現れたのは・・・

 

「アレが言ってたノイズっていう存在!?」

「そうだ、最悪の予感が的中するとはな!!」

 

そう言って席を立ち上がり、その人物は慌てている他の客を冷静に移動させていく

それと同時に迫ってきていた異形・・・ノイズと呼ばれる存在に銃口を向けて躊躇いもなく引き金を引いた

 

「やはり効くな、この特殊弾なら」

「この世界の人類には干渉しないんじゃなかったの!?」

「自衛として用意しただけだ、方針に変わりはない!!」

「うわ、こっち来ないで!!」

 

銀髪の女性の方に来たノイズであったが、どこからともなく取り出した大剣で真っ二つにされて崩壊した

それを見て一言、彼女は告げた

 

「それは流石にエグいし派手すぎませんかねぇ?」

「言ってる場合じゃないよ!!」

「まぁ、たしかになぁ!!」

 

そして二人は他の客を避難させながらノイズに対抗していく

その中で・・・

 

「まずいな・・・予想以上に旗色が悪い」

「数が多いよ!!」

「仕方がない、方針を変更する。大暴れしろ、キアナ!!」

「本気!?って質問してる余裕はないね!!」

 

銀髪の女性・・・キアナと呼ばれた人物は大剣を構え直す

すると体が光に包まれ、別の衣装に変わっていた

 

「アヤカもでしょ!?」

「当たり前だ、全力でいけよ!!」

「言われなくても!!」

 

アヤカと呼ばれた人物もまた自分の全力を出すために構える

その腰にはいつの間にか機械がベルトと一緒に巻き付いていた

そしてその手に持っているのは、同じく機械的な物体である

 

「変身ッ!!」

<Gold Rise !!>

 

掛け声と同時に手にしていた物を腰の機械に差し込む

電子音声が鳴ると同時に光に包まれ、姿が変わっていた

 

「この世界では初めての戦闘だな、相棒!!」

<相手の力は未知数です、フルパワーで行きますよマスター!!>

「あぁ、行こうか!!」

 

その身に纏った装甲は所々が金色に輝いていた

白地に金の装甲を纏うその姿を見ていた少女が呟く

 

「綺麗・・・」

「避難に遅れたのか?連れて行ってあげよう」

 

そう言って手を伸ばし、その少女を抱き寄せる

そして、そこで気づいた

 

「つっ・・・!!」

 

その胸から、血が溢れ出していることに

それは誰から見ても致命傷だ。胸という、人体でとても弱い部分からの出血である

 

「何てことだ・・・これでは」

 

この子は死んでしまう、そう思ったアヤカはキアナを見る

 

「キアナ、撤退戦に移行だ、最重要の問題がある!!」

「その子の治療?」

「あぁ、医療機関に連れて行くのでは遅すぎる!!」

「あの子達の加勢をしないと!!あっちもヤバいから!!」

 

別の場所では二人の戦士が戦っていた、それぞれバラけているが青色の装甲を纏う少女に対してもう一人は不調そうであった

 

「分かった、あいつらは私がカバーする。本部に打電して回収地点を出来るだけココに近づけて連れて行け!!長くは持たん!!身体で足りない部品があれば私のサブボディを使ってもいいと伝えろ!!」

「了解、この子は私に任せて!!」

「頼むぞ!!」

 

そしてキアナを見送り、アヤカは不調そうな少女の前に立ち・・・

 

「何を考えている?」

 

威厳を込めた声で質問した

 

「危ないから下がっていてくれ、アンタまで巻き込みたくな」

 

言葉を言い切る前に、アヤカは不調そうな身で戦う少女を殴りつけた

少女は驚きのあまり尻餅をつく

 

「何すんだよ!?」

「ムカついたからぶん殴った、他意はない」

 

そう言いながらも取り出した銃器でノイズを屠るアヤカに少女が質問する

 

「なんでノイズを倒せるんだ!?シンフォギアじゃ・・・」

「技術は別もの、君達とは無関係だし特秘事項なので喋れんし喋らんぞ」

 

そうって立ち上がろうとした少女を今度は、青色の装甲を纏う少女へ立ち上がろうとした少女を蹴飛ばした

 

「邪魔だから連れて行け、不調な身で戦われても迷惑なだけだ。まぁ、そこで呆けていても構わんがな」

<殲滅兵装、チャージ完了です、マスター!!>

「ナイスタイミングだ相棒、それを待っていた」

 

どこからともなく聞こえた声にアヤカはそう返し、数メートル上昇すると同時にその背中側に多数の武装が空に浮かぶ形で展開された

 

超過一斉射撃(オーバーフルブラスト)ッ!!」

 

その声と同時に、展開されていた武装の全てから攻撃が放たれる

その全ては、ノイズを余すことなく撃滅していた

 

<現戦域内の敵性反応消失>

完全終了(パーフェクトエンド)だな」

 

そう言って再度二人の少女を見る、その顔は既に興味の失せていた顔だった

 

「あぁ、言っておくが追いかけようなど考えるなよ?」

「アンタ・・・一体何モンだ?」

「名を名乗るようなものでもない、一介の兵士(ソルジャー)だ」

 

そう告げて、二人に背を向ける

なにか思い出したのか二人に顔だけ振り向いて告げた

 

「今日の犠牲を忘れるな、それらは君達の上の奴らの短慮が原因だ」

 

そして言い終えたのか言葉を発さず姿を消した

残された二人の少女のうち一人、殴られて更には蹴飛ばされた少女がもう一人の少女に話しかける

 

「翼・・・私達、またアイツに会いそうな気がする」

「えぇ、私もそう思っているわ・・・奏」

 


 

「キアナ、あの子の容態は?」

「ギリギリ持ちこたえよ、アヤカのサブボディの大半と、血液が足りなくて私から補ってやっとね」

「適合していたの?」

「偶然ね・・・でも心配が増えちゃった」

「その時はその時で対処するだけよ、キアナ」

 

会場から姿を消した私は航空識別圏に入らないギリギリのエリアを飛んで本部と呼んでいる船に戻っていた

船内の緊急治療室にはギリギリのところを助けた女の子が眠っている

 

「私のサブボディは?」

「焼却処分だ、そのレベルで使い果たしたからな。お前の臓器でなければ今頃この子は死んでいただろう」

「あら、それは残念。でも助けられたならいいわ」

「これから1週間が山場だがな、今も予断は許さない状況だ」

 

手術室から出てきたのは黒髪の男性、疲れているのかそのまま近くの椅子に座りタバコを吸い始めた

 

「ココは禁煙よ?」

「大手術どころのもんじゃねぇのを超絶短時間でこなしたんだ、今だけ許せや」

「今回だけよ?」

「分かってる、だが俺から一つ懸念事項を伝えておくぞ、キアナは既に分かっていると思うがな」

 

二人で対面に座り直し、黒髪の男性を見る。居住まいを正すのを見た男性は神妙な顔で告げた

 

「二人の資質が変質して受け継がれるかもしれん、臓器の移植元であるアヤカはもちろん、血液の提供をしたキアナのもな」

「それは私も思ってたよ、カズマ」

「だけど後悔はないわ、助けられる存在を知っていて、その為の手段を適切に講じただけよ」

 

カズマと呼ばれた男性・・・私との腐れ縁はため息を付きながら頭をかき、立ち上がる

 

「方針を変更するということだな?」

「言ってられる状況じゃなくなった。今回の1件、調査時から怪しいと思っていたが間違いなく裏に黒幕がいる」

「だが証拠は灰になったぞ」

「状況証拠を固めるだけでも意味があるわ、あそこではネフシュタンという聖遺物の起動実験が行われていた。帰るときに実験施設を見てみたけど、失われていたわよ」

 

それを言うとキアナが驚きの表情を浮かべた、まさかコンサート会場で言ったことを真に受けていたのだろうか?

 

「遊びじゃなかったんだ」

「運が良ければなぁ、なんて思っていたのは事実よ。予測通りの出来事が予測を外れて大規模になったけどね」

「だがお前の初期予測より多くの人間が救われたのは事実だ、そしてその子も含まれている・・・戸籍を調べたが両親は既に鬼籍に入っているな」

 

その言葉に、私は驚く

 

「どういう事?」

「名前と住所の入った物をポケットに入れていた、それから調査をアイツに依頼して今情報が来た所だ。俺も今見始めたんだが・・・」

 

そう言って近くのモニターに映された経歴を見る

 

「考古学者の両親とともに訪れた遺跡でノイズと遭遇・・・両親は死んで生存者はこの子と・・・天羽奏」

「天羽奏はお前達が行ったライブ会場で歌を歌っていたツヴァイウィング、その片割れの赤髪の人間だ。ずいぶんと手酷く扱ったようだなアヤカ?」

「薬剤使って例のアレを纏ってるんでしょ?ライブの前には接種してなかったのか不調だったようだしそんなのに戦われても迷惑なだけだからね」

「あぁ、お前なら言葉で止めるよりそうするわなぁ・・・」

 

カズマはため息を付きながらそう言ってキアナが渡したお茶を飲む

 

「カズマは言葉で心をへし折るからもっとダメじゃん」

「そこで諦める人間が悪い、辛辣な言葉を投げられた程度で折れるなら器の限界もそれまでということさ」

「期待値持ちすぎ」

「自覚はしているが変える気はないぞ」

 

カズマはキアナの言葉にそう返して緊急治療室を見る

 

「サバイバーズギルトでなければいいが・・・もしそうだとしたらこの子は、ただ呼吸をするだけでも悶絶では済まない苦痛を味わっているはずだ」

「カズマにとっては身に沁みて理解できることね」

「だからこそ、そうなっていたとしたらもう手遅れだと思っている・・・救いを見つけてもらわないといけないな」

「あら、意外にも線引が厳しいわね」

 

だがその理念は私も同じだ。日常生活でただ呼吸をするだけでも地獄だった私達の共通する理念

それは、救いとは自ら見つけるものであるということ

誰かからの施しではなく、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()こそが救いだと思っている

 

「まぁ、山場を超えたらどうするか考えよう」

「そういえばこの子、今どうやって生活していたのかな」

「アイツからの資料によれば、親戚をたらい回しにされた後に今は一人で暮らしているそうだ。一応保護者から毎月仕送り自体はされているようだが、その額はとてもではないが女子高生の一ヶ月の生活には無理な額だな。両親の遺産目的で近づいて搾取しているのだろうと推測される。遺産管理をしている弁護人がいて揉めているようだ」

「ほんと凄いよねあの人、人一人の情報をここまで詳細に調べられるなんて」

 

先程からカズマがアイツと呼んでいる人物は別行動をしている

そこから得たデータだろうことは推測されているが、その手際には脱帽ものだ

 

「アイツは今頃、ふっざけんなちきしょうめぇぇ!!とか言いながら仕事しているんだろうさ」

「あれ、そういえばどこにいるんだっけ?」

「特異災害対策機動部二課で潜入任務中、いい女捕まえてやるとか寝言言ってたので好きにしろって言った」

「その辺も相変わらずなんだ・・・」

 

キアナの声にカズマは今日何度目かのため息をつく

 

「アイツそれで痛い目見るのになぁんで学習しないんだろうな・・・」

「性分だからでしょ」

「本能なんじゃない?」

 

そう言ってカズマにおかわりの茶を渡して私とキアナは部屋を出る

 

「はぁ・・・」

「中々に壮絶な人生を送ってたね、あの子」

「あなたよりは圧倒的にマシよ、キアナ」

「そういうアヤカとは比べ物にならないくらいマシだと思うけど?」

 

キアナの返しに苦笑いして港を眺める

 

「これからの方針は?」

「まずはシンフォギアを扱う特異災害対策機動部二課へコンタクトするわ、おそらく敵の黒幕もそこにいる」

「黒幕に堂々と姿晒すの?」

「えぇ、それで迂闊な行動を誘発させてみせるわ」

 

そう言ってキアナが自販機で買ってきた炭酸飲料を貰って飲みながら告げる

 

「介入レベルは5段階つけて2~3、場合によっては完全掌握も辞さないわよ」

「内容は?」

「事件の解決に向けた相互協力と有事の際の即応戦力の提供、及びその連携運用のための包括的契約」

「契約金」

「最低で100億、そこからは一円たりとも譲らない」

 

これでも相手に最大限まで考慮している、本来なら最低でも150億は必要だと思っているのだから

 

「PMCとしての大仕事にするんだね」

「この世界に来て最大の仕事だと思って」

「もうそのつもりだよ、アヤカ」

「期待しているわよ、隊長?」

「それはあっちでの話でしょ?」

 

そう質問しあって、私たちは互いに笑った

この世界に来て半年、たったそれだけの短い期間で大事に巻き込まれに行ったのは私の性分だ




いきなり闇から始まったっていいじゃん?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。