ハイスペを超えた廃スペを見よ!!
「なんかすげぇ部屋だな、異空間ってやつか?」
「正解であり少し的外れでもあるかな。ここは異空間というより異世界の一歩手前と言った方がいい場所ね。私達はここを世界の泡と呼んでいるわ」
部屋に入った直後、雪音クリスちゃんは不思議がりながらも質問してきた
その質問の内容は的をえてる内容だったが少しだけ外れてもいた
「さて、修行ではあるけど貴女は頭良さそうだからまずは質問からしようかしら」
「なんだよ?」
「なに、簡単なことよ。貴女は自分の欠点が何か分かっているかしら?」
その質問に少しの間、彼女は考えてから返答した
「射撃には強いが懐に入られると脆い、それに銃器のレパートリーも少ない」
「ふふっ、正解よ」
私の思っていた通りの弱点を分かっていたようだ、分かってなかったら修行で痛めつけてやろうかと思っていたがやらなくて良さそうだ
「それだけじゃないけどね」
「他にもあるのかよ···」
「銃器の切り替えがまだ遅いわ、それに距離ごとの最適な銃を選びきれない。そこも問題ね」
「うぐっ···」
思い当たる節があるのか彼女は苦虫を噛み潰したような顔になった
「だから私がそのあたりを改善してあげるわ。こう見えて私は銃火器のスペシャリストだからね」
そう言って私はプレゼントを渡す、軽く2千枚近くはある銃器のデータだ
「座学からかよ!!」
「当たり前でしょ?実践より先に座学、実践してまた座学、その反復をすれば貴女は今より強くなるわ。体力と耐久力なら既に十分なくらいにはあるのだから」
にこやかに返すとうげぇ···という顔になった
ひょっとして座学はあまり好きではないのかな?
「すっごくスパルタに教えるコースもあるけど、どうする?」
「ちなみにそっちを選んだらどうなる?」
「日に100回は気絶しながら銃器の基本構造から全てを叩き込むけど?」
「···座学と実践の反復で···」
ニコッと言うと心底嫌そうな顔になりながらも彼女は反復の方を選んだ
「では始めましょうか」
「はい···」
まず教えたのはスナイパーライフル各種の構造と射撃時の特徴だった
過去に使った事があるのは知っていたし、経験があるからか飲み込みが早い
「では実践と行こうかしら、まずは静止目標を1つ出すから撃ってみて」
「お、おう」
そう言って私は250m先に1個目標を出し、言った
「
バン!!という音とに放たれた弾丸は目標の頭を正確に撃ち抜いていた
「うん、良い狙いよ、頭にドンピシャ。じゃあ次は頭以外を狙って」
「了解」
「
次は胸を狙って撃っていた、こちらも正確だ
まぁ、250m程度で外されてもこちらが困るんだけどね
「次、一気に距離を離すわよ。550m。今と同じように頭と胸にそれぞれ1発。今度は合図しないから自分の感覚で撃って」
「分かった」
目標を出したあとすぐに彼女は撃っていた、2発ともさっきと同じような場所に当たっている
「次、1000m。」
「あぁ!!」
バン!!バン!!という音がして、彼女は戸惑いの表情を浮かべる
二発とも狙いからズレてしまったからだ
「惜しい、ハズレ!!」
「な、なんでだ!?」
「さー何かなー?考えて撃ってみよう!!」
「ちぃ!!」
バンバン!!と撃つがやはりこれも外れる。私はニヤニヤしながら言う
「おやおやー?ハズレですねぇ?」
「なんでだよ!!」
「特別大ヒーント、重力ゥゥ!!」
ニマニマと笑いながら意地悪に答えではなくヒントを告げる
でもこれはほぼ答えのようなヒントだ
「重力だァ!?···重力?」
一瞬キレかけた彼女だが、スグにハッと顔になり考え、射撃体勢に戻った
その少しあとにバンバン!!と撃った弾は正確に頭と胸を撃ち抜いていた
「正解!!弾丸は重力の影響で下降するわ。今はまだ無風だから下に落ちるけど。次は風も加えるわよ?」
「撃ち抜いてやる!!」
「出来るかなぁ?次は1300mね」
再び的を展開する、そこで私は注意する事にした
「狙撃の時あなたは基本一人よ、本来ならスポッターという補佐の人がいるけど居ないものと想定しなさい。風向、風速、弾の特性···全てを同時並行で演算、正確に狙うように」
「分かってる!!」
苛立たしそうに答えながらも彼女は私の発言をきちんと理解し実践していた
狙い始めてからわずか数秒、放たれた2発は上手く当たっていた
「うん、いい感じ。では今度はさらに離すわよ。1700m、風あり」
「今度も撃ち抜く!!」
だが今度は当たっても撃ち抜けなかった、少し窪みが出来ただけだった
さーて理由は何か分かってるかなー?
「あ、あれ?」
「今あなたが使ってる武器の特性の問題よ?パッと見強装の5.56ミリでしょ?」
「多分···」
「7.62ミリ以上でないと1700mでの有効打は無理よ?」
撃っている時の弾丸の挙動と命中時の円の大きさで大体の口径は分かっていた
だからここで貫徹力の限界なのだ、まあ実際にはとうの昔に限界は超えている
本来なら5.56ミリの有効射程は300~500m、強装かつ長銃身だからそれが伸びてただけ、7.62ミリでさえ400~600mが有効射程。
さて、この子はどの口径を選ぶかな?選択肢は山ほどあるぞぉ!!
「なら、12.7ミリで!!」
「あっ、それ辞めた方が···」
言うより早く撃っていた、そしてすぐに肩を抑えてうめきだす
「言わんこっちゃない···」
あちゃー、と顔に手を当て私は呟いた
うち慣れていない口径でキチンとした射撃姿勢を取らずに撃ったのだ、その無茶の反動は肩に来ていた
脱臼ほどでは無いがかなり痛い思いをしただろう
「痛ってぇ···!!」
「当たり前でしょ、12.7ミリの反動は5.56や7.62とは比較にならないほど強いのよ?それをきちんとした射撃姿勢も取らずに撃つからそうなるの」
そう言って私も武器を取り出す。
取り出したのはマクミラン TAC-50、3540m先の目標に狙撃成功した世界屈指の名作狙撃銃だ。私自身も愛用している狙撃銃である
「よっこいしょ」
伏せるような体勢で構え、突起になっている石の前にバイポッドが来るようにして反動抑制の代わりにする
石もない時は土嚢を置くなりして対応する
この銃はそれだけの対策をしてもなお反動がキツイ、私も初めて射撃した時は危うく肩を壊しかけたくらいだ
「そこで目標を見てなさい」
「あ、あぁ···」
そう言って彼女にイヤーマフを掛け、私もお揃いのイヤーマフをかける
そしてゼロインを微調整し狙いを定める
風向風速は良し、射撃にはちょいキツめのコンディションだけど問題は無い
「イケ!!」
バァン!!とイヤーマフをしてても轟音な射撃音と共に弾丸が放たれる
続けてもう一射、こちらも正確に狙い射撃する。
双方とも正確に目標を撃ち抜いていた
「すげぇ···」
「今回はまぁまぁね。微妙に位置ズレしたから」
赤いマーカーが左上に微かに見える、弾痕で消す予定だったが右下に僅かにズレた証だ
まぁそれでも命中は命中、これが人相手なら胸に大穴空いて即死だ
「大型の狙撃銃になればなるほどその反動は考えるより強力なものになるわ。それを考慮して自分に合った姿勢を取ってみて」
「あぁ···」
そう言うと彼女は姿勢を変えた、私と同じように寝転がるがどちらかというと横に向くような感じだ
いーなー、胸大きいのいーなー···はぁ、虚しくなってきた
二発の銃声が鳴り響き、目標を見る
赤いマーカーにちょい掠っているが当たりだ、なかなかいい腕をしている
「今のは当たりでいいんだよな?」
「ええ、もちろん。当たりでいいわ」
「よっしゃ!!」
「はーいまた座学の時間ねー、今度はアサルトライフルのお時間だよー」
こんな感じで各銃種ごとに座学と実践を反復させた
初心者ではない分飲み込みは早く、元々勉強も嫌いではないようで座学の内容をしっかり参考にしていた
教える私もそれを嬉しく思いながら学ばせて、最終日を迎える
「それじゃあ最終日、今日は一日私と模擬戦よ?」
「ぜってぇ倒す!!」
「んー、多分無理かなぁ···」
ムキィー!!とイライラしている彼女を横目に私はギアを纏うように告げ、自分も相棒を取り出す
「行くわよ、グリーンフレーム」
<Yes、MyMaster!!>
腰に巻き付く起動用のデバイスに相棒を垂直に取り付け、それを横に倒しながら言葉を告げる
「<変身!!>」
新緑の光が身を包み、姿を変える
深緑色の装甲が眩い光の後に現れ、服として一体化する
<Guns Up!!Open Your Eyes!!>
「sighting completed!!」
最後に愛用の儀仗銃を手に取り1度ペン回しのようにくるりと回して構える
「それが···」
「そう、グリーンフレーム·ヘッジホッグ3。私の愛機よ」
<私とマスターに撃ちぬけないモノはありません。撃ち抜けるのであれば時空間をも撃ち抜きます>
私の自信を込めた発言に嬉しそうな声で相棒は返してくる
「さぁ、貴女もシンフォギアを纏いなさい。これから永い一日になるんだから」
彼女にそういうと私の言う通りにした、そして
「コレでも喰らえ!!」
「おっ?」
降りかかったのは大量の弾薬による濃密弾幕だった。爆煙に包まれ周りが見えなくなる。
「どうだ!!」
「うーん、なかなか派手好きねぇ···」
爆煙を発生させた風で吹き飛ばし、私は微笑む
攻撃は一発も被弾していない、何故なら
「バリア···!?」
「正解、それも高密度エネルギーフィールドのバリアよ」
展開していたバリアの効果で全ての弾薬は着弾時点で弾かれていた。
そして···
「次はこちらの番ね」
「なっ!?」
展開したのは2A46 125ミリ滑腔砲。ロシア軍採用の戦車砲だった
即撃発し爆風で吹き飛ばす。空砲にしたとはいえ威力は抜群だ。50m近く飛んで行った
「ガハッ!!」
「大技かますからそうなるのよ?」
武装を収納し、代わりに展開した椅子に足を組んで座る
そして見下ろしながら私は告げる
「まずはバリアを破ってみなさい、砕けないほどの強度にはしてないから」
「ぶち抜いてやる!!」
最大火力を発揮しようとしているのを察知し、ミサイルだけを破壊する。発射と同時に破壊したため誘爆点に近いクリスちゃんは吹き飛ばされた
「て、めえ!!」
「攻撃しないとは言ってないわよ?」
次の瞬間、彼女はスナイパーライフルをほぼゼロ距離で発砲した
教えた通りに衝撃をそらしながら、発砲した弾丸はバリアを貫通し装甲ではね返る
「は···?」
「残念。私の纏うやつ、物理攻撃の大半が無効なのよね」
「チートかよ!!」
「技術の結晶よ?」
そう言って展開した、ほぼ唯一の近接武装である槍で攻撃すると、クリスちゃんは紙一重で回避した
「近接戦闘の訓練もすると言ってたわよね?」
「そういや聞いたな!!」
「来なさい。勝たせないけど」
それから数時間、槍だけでクリスちゃんを訓練した
何度も躱し損ねて肩や腹部や頭にヒットされ、その度に痛みに悶えていたが、終わり頃には完全に躱せるようになったようだ
「いい事思いついた···!!」
「ん?何かしら?」
「これだっ!!」
「ふぇ!?」
その終わり、クリスちゃんが何かをひらめき、攻撃を変えた
それは
「あっちゅ!!あっちゅ!!ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」
火炎攻撃だった。思った以上に火力が高くて今度はこちらが悶える羽目になった!!
「ヒットだな!!」
「くっそー。新しい広範囲攻撃とはね···でもあたりはあたり。訓練終わりよ」
火の粉を払いながらそう言い、私は両手を降参するようにあげ、数回ヒラヒラさせた後元に戻る
「重要なのはその閃きよ。それを大切にしなさい」
「あぁ、分かってるよ!!」
それと同時にブザーが鳴る。どうやら時間のようだ
「さ、出ましょうか」
「もう二度とやらねぇ」
「またの時はこちらも最大火力で行くからね」
「・・・」
これ以上の火力があることに驚きながらもクリスちゃんは退室した
しかし最後の攻撃は驚いた、グリーンフレームの最大の弱点を突かれたから
「いい子ねぇ···」
観察眼の鋭い子だ、それに閃きをえればとても強いだろう。あの子が迷ったら私がシバいて立ち直らせてあげようと思った
今作遅れて申し訳ない