「ちっ・・・分散せざるを得ないか!!」
「翼にはガングニールの反応があった地点に行ってもらった方がいいと思うぜ旦那!!」
「じゃあ奏は!?」
「学校周辺に現れた奴らを片付けるしかねぇだろ、万が一のこともあるしな!!」
ある場所・・・対外的に知りうる者の居ない組織の一室にある指揮通信室と思われる場所で言い合いをしているのはその組織において戦力と言える二人の少女と指揮官と思わしき人物である
そんな中で一人面倒くさそうに欠伸をかます金髪に碧眼でいかにも眠そうにしている男がいる
・・・まぁ、自分の事なんだが・・・
「森谷くん、奏の事は・・・」
「万が一となったら引きずってでも帰ってきますよ、そうならねぇのを祈っときますけどねぇ・・・クソネミィ・・・」
実のところそうなる確率が今回は高いかもしれない、とは言わないでおこう
俺にはそういった少し先の事が見えたりするのだが、そのせいで今、本来所属する組織にスパイやらされてもいる
そこの代表のクソアマいわく、死にかけてもどうにか帰ってこれるから。という理由でだ、どこの誰に似たのか腹立たしい限りだが事実なので言い返しにくい
ちなみに、今いる組織でもその能力は大活躍中、他の要因が逝っちまったケースでも俺だけほぼ無傷で帰ってきたことから"リターナー"なんていらん二つ名を着けられた
「出動待機ほどダルいの無いんだけどなぁ・・・緒川、囲碁やらね?」
「この非常時にそれだけ気が抜けてるのは一種の才能ですよ、森谷さん?」
「真面目だねぇ・・・」
緒川くんを誘ってみたがダメだった、仕方なく一人寂しく漫画を読む事にする
そのとき・・・司令室に警告音が鳴り響いた
「未知のエネルギー波形を検知しました、場所は・・・奏さんのすぐ隣!?」
「スペクトラムデータを出せ、波形を知りたい。比較できるデータは後回しで構わん」
「森谷くん、それは俺のセリフなんだが?」
「おや、これは失礼?」
そう言って漫画を棚に戻し、モニターを見る
そこにはこの世界の物とは違うエネルギーの波形が出ていた
「森谷くん、コレについてなにか分かるか?」
「なぁんとも言い難い事なんだがねぇ・・・」
そう言って立ち上がり、司令の横に立って告げる
「知ってるんだよなぁ、このスペクトラムパターン。嫌という程よく」
「それは貴方の裏の顔とも、繋がるということですね?」
「裏の顔?なんの事か分からんな?と言うのは辞めてやるよ、緒川・・・説明してやる、銃はおろせよ?」
そう言って司令室に置かれているソファーに座り、俺は対面にいる司令に顔を向ける
「少々長いぞ?」
「座って聞いたほうが良さそうだな・・・」
そう言って対面に座った司令に俺は告げた
「この4年で急速に発展したPMCといえばどこだ?」
「たしか、
「そこの諜報部が俺の本来の職場だ、ちなみに俺がトップだったりするんだがな」
緒川が銃を構えようとした瞬間に司令が制した、俺に敵意がないのを分かっているのだろう
「そのトップが、何故我々の所に潜入任務をしているのか聞いてもいいか?」
「答えは簡単だ、正式設置前の練度確認。
「知らない、とは?」
「隊員同士が敵味方に分かれて交戦することも是とする部隊なんでな、
俺のその発言の直後、発信者不明の通信が入った。アイツからの通信だ、間違いなく
「君に話があるそうだ」
「俺にはないんだけどねぇ・・・」
そう言って、通信を変わり・・・
「崩壊エネルギーを検知しました!!類似する波形はアヤカ総隊長とキアナ隊長のモノです!!」
「場所は?」
「リディアン音楽院近辺!!シンフォギア装者が同地点に居ます!!」
「他には?」
報告を受けて、私とキアナは驚きながらも受け止めていた
恐れていた事態が起きた、その事を受け止めるしか無いことも・・・
「ガングニールの反応が2つある事くらいしか・・・」
「そちらは瑣末事よ、他に警戒することはある?」
「いえ、ありません!!」
「検知した崩壊エネルギー反応は?」
「消失しました・・・」
反応は既に消えている、初めて使ったことで強い反動に襲われて意識を失ったのだろう
「あの子は特異災害対策機動部二課が身柄を保護するわ、こちらは一般市民の避難誘導を継続して」
「既に指示は出してあるよ、それで、これからどこに行く気?」
「まだ立ち上がってないわよ?」
「迎えに行くんでしょ?」
キアナの問いに私は一瞬考える。その時、カズマの手が肩に触れた
顔を向けると邪魔と言わんばかりの顔で追い払う仕草で迎えに行くよう促してくる
「カズマ、一時的に任せるわ」
「任せろ、コレも俺の仕事だ」
そう言って交代し向かったのはヘリ甲板、既に発進準備はされており、いつでも飛び立てる
「どちらまで?」
「リディアン音楽院のヘリポートまで頼むわ、急ぎだけど安全飛行でよろしく!!」
「お任せ下さい!!」
ヘリの操縦士にそう告げて指揮通信室にをつなぐとカズマがすぐに出た
「回線か?」
「えぇ、特異災害対策機動部二課に繋げて」
「少し待ってろ、今総当りでクラックして・・・よし、繋がった」
回線が一瞬切れ、すぐに繋がる
「そこに森谷という男がいるだろう、かわってくれないか?」
「あぁ、分かった」
ダンディそうな男の人の声だがその人に用件はない、用件があるのは今頃余計な事を喋っている経費無駄遣い男だ
「なんだ、アヤカ?」
「お前給料3ヶ月40%カットな」
「それ、今言う事?」
「本題だ、あの子の事に関しては一切喋るな。それは私とキアナでやることだから」
「了解した、後は?」
今回、経費を上手く無駄遣いするという、無駄に洗練された無駄な事をしているので私は相当キレている
「さっき電話に出たのは代表者?」
「あぁ、そだけど?」
「あと10分でリディアン音楽院の屋上ヘリポートに着くと言っておいて、こちらには交戦の意思がないので互いに非武装で会うことも」
「了解だ、予定よかだいぶ早いな?」
「緊急事態だからよ、仕方ないでしょう?」
「ま、そうだろうよ」
通信が切れた、あちらから回路を遮断したのだろう
次話、2つの組織のトップ、顔合わせ!!