「‥‥はっ!あづ!」
意識が回復し上体を起こすと全身に鋭い痛みが走り出し
身体のあちこちを確認すると包帯で巻かれているところが普段よりも多かった。
「‥何でこんな怪我を。あいや待て」
思い返すとカナンの地で戦った時の傷がそのままだとしたらどうだ、クロノスにやられた火傷や切り傷、ビズリーにやられた腹部の打撲傷等をそのままだとしたら納得が行く。
「‥‥此処は何処だ?」
周囲は録に明かりのない洞窟のような場所で光源といったら小さな石が発している光しかない。
「包帯は巻かれてる。てことは誰か居るってことだけど、生き物の気配は感じないな」
「それはそうだろう。私は生き物のカテゴリーには入らないからな」
「!?」
目の前に現れたのは黒いローブに包まれた薄気味の悪い生物であり声も男なのか女なのか両方が混ざりあっている感じで判断がつかない。
「あんたがこの傷を治したのか?」
その質問にそいつは頷いた。
「ああ、君は唐突にこの安全地帯[セーフティポイント]に現れた。傷については、腹部の打撲、切り傷、火傷は魔法で治せるところは治したが深かったところは治せていない。」
それもそうか。クロノスの技やらビズリーの奥義とかもう二度と喰らいたくないぐらい痛かったし。何だよ[絶拳]って一撃で意識失ったからな。
「さて、意識も回復したところで聴きたいことが山ほどあるんだが
まず君は何者だ何故此処に現れた
その傷は何だ見たところ只の怪我ではないみたいだが
そして何より気になるのが、何故恩恵が刻まれていない此処はダンジョンだ。冒険者は恩恵が刻まれて初めてなるものだが、君にはそれがない。
最初は錠を掛けているのかと思いステイタスシーフを使用したが反応が無かった。つまり君は恩恵が刻まれていない状態でダンジョンにいるわけ何だがどうなんだ」
ここまで一呼吸で言い切った。まさにマシンガントークだった。肯定も質問も一切許さないように一気に捲し立ててきた。
「お‥おう。えと、そうだなまずは此処にいる経緯なんだけど」
俺は話した。精霊の押し付けの善意により突然飛ばされそこで幸せ‥?に暮らせと。流石にエレンピオスのことやリーゼマクシア、クロノス、オリジンのことは信じてもらえないだろうから伏せはしたけど。
「‥なるほど。ということは君は此処の住人ではなく突然飛ばされた人間だとそういうことだな?」
「そう‥だな。うん。実際此処がダンジョンって呼ばれてるのも知らなかったし」
「そうか。ではその真偽を確かめるために私に付いてきて欲しい」
「真偽?」
「ああ、正直君の話は本当の事は話しているだろうが隠していることが多々あるようだ。だから、その事についてを確かめるために神に会ってもらう」
‥本当にいるのか神様はてか何でいるの?
「ちょっと待ってくれ。神に会ってもらうって居るのか?神が?」
「?何を言っている。かなり大昔に降りてきただろう暇潰しと称して天界から」
「暇潰し?」
「本当に知らないのか?下界の人間達と暮らす序でに刺激を求めてやって来たというのも?」
「‥ああ、全く知らない」
「そうか。君にも色々事情が有るようだな。そう言えば君の名前は?私はフェルズ」
「俺はルドガー。ルドガー・ウィル・クルスニク。よろしくなフェルズ」
握手をしようと右手を差し出すがフェルズは少し戸惑いを見せ手を差し出さなかった。
「どう‥した?」
何か悪いことでもしたかなと若干不安になるが
「イヤ。此方の事情でな握手は神との面会のあとで頼む。君、いや、ルドガーが嫌じゃなければな」
話は此処までだ着いたぞ。とフェルズが足を止め、そこには中央に階段がありその上には椅子に座った白髪の老人がいた
「君が飛ばされたという来訪者か。」
「!?」
俺はこの人?には精霊に飛ばされたとは一言も言っていない。どう言うことだこの世界にもGHSみたいな通信機があるのか?
「落ち着きたまえ。フェルズには私と会話のできる玉を渡しておいた。それを通じて話を盗み聞きさせて貰った。」
「そういうことだ。すまないなルドガー」
フェルズが謝罪をしてかなり驚いたが説明が省けるのは助かると思い納得する
「わかった。で‥えーと、神様?は俺に聴きたいことがあるんだっけ?」
その言葉を聴き神は頷き
「まずは私はウラノス。君に聴きたいのは此処に飛ばした精霊の名。その事情。そして、君の経緯についてだ。」
「一応言っとくが神には嘘はつけないぞ」
こいつは誤魔化せないな。流石にこの世界で相談相手もいないのでは少々心が狭苦しい。
「‥わかった。降参だ全て話すよ。あと嘘偽りもないからな」
二人はその言葉に頷き続きを促した。
「そうだな‥じゃあ」
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「こんな具合かな?」
俺はフェルズに言えなかったことを全部さらけ出した。エレンピオスのことやリーゼマクシア。精霊オリジンについてやクロノスについて、試練のことや骸殻のこと。
二人は最初は興味本位が大きかったが精霊術についての時はフェルズが仕切りに「後で詳しい説明を!」と言っていた。
試練の時の話は二人はうつむき仕切りに唸っていた。
「‥成る程な確かにこれは信じられん話ではあるな」
「ああ、精霊オリジンやクロノスとかまず信じられないしその精霊術と魔法の違いとか後で詳しい説明を頼むぞ!ルドガー!」
「わかったから。落ち着いてくれって」
「しかし、これは扱いに困るな。迂闊に変な神の眷属にしてしまえば娯楽の対象となり面倒なことになる」
「‥というか、眷属にする必要あるのか?ウラノス」
「なに?」
「精霊クロノスや様々な怪物ひいてはギガントモンスターやらも倒せる腕前なのだろう?なら無理をして入れる必要は無いのではないか?」
「‥ふむ。それもそうか」
「‥あのさ一ついいかな」
俺は二人の会話に手を上げ割り込む
「俺、此処で料理とか作りたいんだけど‥ダメかな?」
「「料理?」」
そうだとも、俺は列車事故さえなければ普通に駅前の食堂で働いていたかも知れないんだ。それが痴漢騒ぎやらテロリストやら借金やらでおじゃんになったのだから
せめて此処では出来なかったことをやりたい
「‥了解した。それで手を打とう。但し此方の緊急の案件には手を貸してくれるか?税金については免除してやろう。」
「ああ、それで構わない」
「ではそのように。のちほどギルドに伝えておく。フェルズ出口まで案内してやれ」
「承知した。此方だルドガー」
「わかった。それじゃあなウラノスこれからよろしく」
「ああ」
「それとフェルズもこれからよろしく」
もう一度右手を出し握手を求める。
「‥では君が秘密を明かしてくれたように私も明かそう」
そう言いフェルズは黒いフードを外した。
「!?」
その中身は骸骨だった。何の肉もない本当に骨だった
「驚いたか。だが解ったろう握手を求めない理由がな。って何でまだ手を出している」
いや確かに驚きはしたが
「だって命の恩人でもあるし。秘密を打ち明けたなかだし駄目か?」
「‥君は本当に可笑しな人間だな」
骨だから表情は解らないが言葉の刺は無くなった気がした。
「これからよろしく頼むよルドガー」
「ああ!」
そんなこんなで俺には秘密を打ち明ける事ができた神と人?が増えた。
捻りに捻ってファミリアではなく協力者にしました。
ぶっちゃけ眷属にしなくても良いかなって思えるようになったのでこれでいきます。
IFとしてそのうちロキファミリアの上空から落ちて借金を背負うとか
アストレアファミリアに落ちて救済とか狙おうかなって思います
まあこの後地上に出たときの年代でストーリーも変化するつもりです
暗黒期とかに現れた恩恵無しとかありきたりだけど何か良さそう