審判を超えた先はダンジョン   作:日常自販機

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訓練

 

「技を覚えたい?」

 

「はい!お義父‥じゃないルドガーさんがよく使ってる双剣術を!」

 

アルフィアがロキ・ファミリアにカチコミをかけた後日自分の力不足を感じたのか店が休みの時ベルが相談してきた。

というか‥アルフィアとザルドから結構学んでるんじゃないのか?

 

「はい!確かに叔父さんとお義母さんに戦い方と知識と色々学んだんですけど‥なんと言いますか‥訓練じゃなくて凄く甘やかしてくるというか‥」

 

「‥アルフィアはなんとなく想像つくけどザルドは違うんじゃないのか?」

 

「叔父さんは‥『肉をつけろ!身長をあと10C伸ばしたら教えてやる!』と言ってひたすら食べさせてくるんです」

 

「ははは‥一応成長期だし解る気がするな‥」

 

「実際、身長が伸びる度に大剣の扱い方を教えてくれるのが嬉しいんですけど、今使ってるの短剣なので少し違和感が‥」

 

「俺も短剣じゃないんだけど?リーチも違うし」

 

「いえ!ルドガーさんは双剣に組み合わせて体術も使ってるので得るものは確実にあるかと!」

 

――あとなにより動きがカッコいいので!

 

確かに得るものはあるかもしれないが、俺の動きは兄さんの見様見真似で出来たものだし、あとやってみたら出来たていうなんとなくの技なんだよな‥

一応アイズには【魔神剣】を習得させることは出来たにしても結構な日数かかったし‥

ただ彼のキラキラした目線を断ったらアルフィアに何をさせられるのか解らないのが怖いな。

 

「まあいいよ。やってみて合わなかったら止めれば良いだけだし。」

 

「やった!それじゃあ何時からやりますか?」

 

「何時からって‥今からやる?」

 

「では!早速外壁の上に行きましょう!」

 

――準備してきます!!

バビューン!と音がしそうな勢いで部屋に戻っていった。

今のベルを見ていると十代の自分を思い出すな。

あの頃は兄さんに教えてとなんでもせがんでいたっけな‥まあ『お前にはまだ早い』って言われて断れ続けられたけど。

 

「っと‥俺も一応準備するか」

 

そういえば‥ザルドとアルフィアとエレボスとヘスティア様今なにやってるんだ?

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

「「ウオオオオオォォォォォォォッッッッッッ!!!!!!」」

 

「【福音(ゴスペル)】」

 

「フンッ!」

 

「グハッッッ!!」

 

現在【フレイヤ・ファミリア】本拠地である『戦いの野(フォールクヴァング)』ではギルドに登録されている最高LVの三人が争っていた。

 

その最中、アルフィアが放つ魔法によりザルドとオッタルが吹き飛ばされると思いきや飛ばされたのはオッタルのみでザルドは根性で耐える。

 

「甘いなアルフィア!いつも同じ魔法でやられる俺と思うな!」

 

「そうか。じゃあ直接頭にぶちこんでやる」

 

「それは勘弁【福音(ゴスペル)】グオォォォ!?」

 

範囲を全体ではなく一点に集中させた音魔法の暴力は先程耐えたザルドを呆気なくダウンさせる。

 

「あと猪男。もう少し早く動け。丸見えだ」

 

「ッ!?ウオオァァァ!!!」

 

「【五月蝿い(ゴスペル)】」

 

その三人が争っている一部始終を観戦している三人の神様は、猪男(オッタル)の主神は少し面白くなさそうにし、嘗てオラリオを壊滅一歩手前にした男神はえらく楽しそうにし、そして二人の主神となった女神は唖然としていた。

 

「いや~良いもんを見せてもらった。感謝するぜフレイヤ」

 

「‥それはどっちの意味かしら?」

 

「それはもちろん。自慢のオッタルが倒れながらも立ち向かう姿だよ」

 

「‥ちょっと気にかかるけどまあいいわ。それよりもヘスティア解ったかしら、これが貴女が眷属にした二人の力よ」

 

「う‥うん。話には聞いていたけどまさかここまでとは思ってなくてかなりビックリしてる」

 

「と言うわけであの二人私にくれないかしら?」

 

「イヤイヤイヤ!!突然何を言い出すんだい!?やるもんか!というかキミのところにはオッタル君がいるじゃないか!」

 

「それはそうだけど‥二人とかそっちの方がズルいわよ。何をどうしたら眷属に出来たのよ?」

 

「それは‥たまたま着いてきたというか‥運命の巡り合わせというか‥血の関係というか‥弟の不始末‥的な?」

 

「どういう意味よ」

 

「とにかく!あの二人は僕の眷属だ!幾らコレクション気質の高い君でも絶対にやるもんか!大体エレボス!君は笑いすぎた!」

 

「イヤイヤ!!血の関係とか不始末とか当たってて笑うしかないだろ!?」

 

うが~~っ!!!と頭を振り回すヘスティアを横目にフレイヤは何かを思い出したのか溜め息をついている。

それを見た二人は何事かと思い顔を見合わせた。

 

「珍しいなフレイヤがため息なんて」

 

「ええ。実はちょっと探している子がいるのよ。」

 

「探している子?」

 

「‥‥まあいいかしら。魂の色がね純白の色だったの。それも白すぎて眩しい色を放っている位の」

 

「女神の中でもトップに君臨する君に目をつけられるとはその子供もラッキーだな。因みにどんな子供なんだ?」

 

「兎見たいな子」

 

「兎‥?」

 

「(まさか‥?)」

 

魂の色等と把握する手段は無いが兎みたいな子供は二人がよく知る人物であれば面倒な事になると思いアイコンタクトで話を強引に変えようと試みる。

 

「全く!その兎もまた運が良いのか悪いのかわからないな!」

 

「そうだね!因みに他に気になった子供とかいるのかい!?」

 

「他に?そうね‥あ」

 

「「?」」

 

「エレボスとヘスティアのいるところの店主の色が結構気になってるわ」

 

「「(ルドガー‥‥)」」

 

こんな時でも君かよ‥‥と二人同時に頭を抱えた。

 

「因みにどんな色なんだい?」

 

「そうね。黄色と黒、あと少し銀を加えた独特の色をしていたわ」

 

「‥‥また凄い色をしてるなあいつ。」

 

「おそらく黄色と黒は彼本来の色。それと銀は身内かしらね鈍く光りつつも守るように輝いていたから」

 

また見たいのに‥‥と三人の繰り広げる戦闘を見ながら溜め息をまたついていた。

 

「またってどういうことだ?」

 

「‥‥もう見れないのよ。一目見たらもう見えなくなったのよ。なんでか解らないけど」

 

―――そろそろ終わりかしらね

会話していると三人の戦闘が既に終わっており最後まで立っていたのはアルフィアでギリギリ膝をついていたのはザルド。

 

「‥‥全くオッタルってばもうちょっとダンジョンに行かせるべきかしら」

 

肝心のオッタルはうつ伏せで倒れておりピクリとも動かない。一応胸は動いているから呼吸はしている様だ。

 

「ヘスティア」

 

「なっなんだい!?」

 

「気を付けなさい。これから二人を付け狙う輩は増えるはずよ。ましてや団員数もそんなに多くないファミリアは周りからして餌でしか無いもの。」

 

――先人からというか二人と戦わせてくれたお礼として言っておくわ。

 

「それは‥大丈夫だろ」

 

「どういう意味かしらエレボス」

 

「今は全く弱いが期待してるニューヒーローが此方にはいるんでね。それに‥あいつがいるからなんとかなるだろ」

 

「あいつって‥?」

 

「それは後のお楽しみで!」

 

――それじゃあいくぞヘスティア。ルドガーのデザートが待ってる!うえ!?え‥あっちょそれじゃあね!フレイヤ!

 

「‥気になるけどそれより今は」

 

戦いの野(フォールクヴァング)』で今も尚倒れているオッタルにどのような施しをやるべきか考えよう。

 

 

 

 

 






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