あと前話のあとがき削除してます
アイズ組み込めなかった( ノД`)…
外の気候は雲1つ無い晴れ模様。こんな時にダンジョンに潜るなんて勿体無いと思うほどの天気だ。
そして僕の父親のような存在。叔母…じゃなくてお義母さんが気になっている人との訓練。これで心が浮き立たない訳がない。
ない…が
「ベル!お前の長所は早さだ!それを活かすには体力が必死!だから走れ!強くなりたければな!」
「は…ハイイイィィィィィ!!!!!!」
その人が後ろから全力で襲ってこなければの話だけど!?
ヤバイヤバイヤバイ!!?初めてルドガーさんと鍛練するけどお義母さんと似たり寄ったりの人だこの人!?
少しでもスピードが緩まれば手に持ってる銃?で足元とか顔面すれすれにヒュンって何か通りすぎるんだけど!?コワイ!この人!?数分前の僕を殴りたい!
「ほら!遅くなってる!【ソート・ラルデ】!」
飛び上がってさっきまでいたところにハンマーが振り下ろされ…って!?
「うおわぁ!罅!罅!入ってます!」
「だからどうした!【トライスパロー】!」
いつの間にか武器が変わっていて緑の塊が僕を追尾してきた!
「あ゛あ゛ぁぁあああ!!!?!?!?」
ああ…お祖父ちゃん。女の子とイチャイチャする前に僕の命が消えそうだよ…。いやお義母さんがいる時点で無理な気がしなくもないけど。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「…生きてる?」
「い゛き゛て゛ま゛す゛」
口の中の水分が空っぽだ。それに身体中の塩分が消えたみたいに汗がしょっぱくない。
「ほら起き上がんな。これから型の練習するぞ」
「ッげほ!ッッ今からですか!?」
「疲れたときこそやるべきってな。そしたら余計な力とか加わる余裕ないし最適な動きが身に付くしな。ほれ水」
「なるほど…」
そういえばお義母さんもそんな事を言ってた気がする。ただそれを早い段階でやると成長の妨げになるとかでやったことは無かったけど。
「ちなみにアルフィアの奴アストレア・ファミリアを鍛える時これをやってからダンジョンに行ってるらしい」
「鬼ですね」
「普通に死ぬよな」
これをお義母さんが相手と想像すると…
『さっさと動け!【
『あ゛あ゛ぁぁぁあああ!!!!!』
『其処には残響が生じているぞ【
『いやぁぁぁぁあ!!!!!!』
あ…別に大差ないや。
向こうは魔法で此方は物理だ。見える分まだましかもしれない。
「さて、型といっても今からするのは見とり稽古だ」
「見とり稽古…ですか?」
「ああ。流石に初回だしな。それに動けないでしょ。」
「っ!いえ!そんなこと…ってあれ?」
立ち上がろうとすると膝が笑い始め自然と尻餅をつく。それを見たルドガーさんは「やっぱり」と言わんばかりに苦笑いしていた。
「俺も最初はそんな感じだったからな。気持ちはわかるよ。でも急くのは駄目。心にゆとりを持って…な?」
「わ…わかりました。」
「わかればよし」とルドガーさんは言った。同じ体験でもしたのか。凄く訳知り顔だ。
「それじゃあ、今から俺がよく使う技を行っていく。ベルはそこから自分の動きに使えそうなのを覚えていくんだ。」
「?全部じゃなくて良いんですか?」
「まあな。それに俺は全部使うからな。全部が全部ベルに適した動きとは限らないしな。」
「わ…わかりました」
「よし…それじゃあ」とルドガーさんは双剣を構える。今更だけどあの剣と銃とハンマーって何処から出してるんだろ。いつの間にか武器が持ち変わっているから次の動きが読みづらい。
そして、あの多彩さ。あの人のことを器用貧乏と言うのだろう。お義母さん曰く借金も抱えているから正にその通りらしい。
「……ッ!」
その時ルドガーさんが動き始めた。さっき自分の使える奴だけと言っていたがどうせなら全部覚えたい!だって男の子だもん!
ルドガーさんの剣に風圧が纏わりつく!…まとわりつく?そのまま短距離を薙いだ!
「……え」
「次!」
「……え!?」
続いて地面に剣を突き刺し前方に何かを放った。あれは…衝撃?現に奥の方で何かが弾ける音がする。
「次!」
前方に潜り込むような動きから敵を断ち蹴りあげる動きに合わせ、また先程と同じような何かが放たれる。
「次!」
次の動きは純粋に見えなかった。いつの間にか動きそして終わっている。ただ地面には二本の直線が刻まれていた。
「次!」
炎を纏った蹴りで飛び上がり熱を纏った状態の剣閃で切り刻む動きをする。何処から熱を纏ったのかさっぱりわからない。
「次!」
その後ルドガーさんは型を続ける。
一刀で斬りつけた後の蹴りや、舞うように素早く斬りつける動き。
斬りあげと斬り下ろしの二段斬り、二刀を正面に突き出し突進する技。
一刀で頭上より突き刺す技。素早く間合いを詰め、斬りつけながら後退する技。
縦に二刀を重ね、前方に一回転し敵を割り砕くような技。
二刀の連続突き。といった具合に。
単純な技が幾つかあるが、それらは全て繋がっているとすると十分な驚異になりうる。
そしてそれを瞬時に行う洞察力や判断力。それの全ての元となる体力。
ただ言えるのが
「(ああ。この人も人外の類いかもしれない)」
お義母さんやザルドさんの同類を見た気がする。類友という奴か。
「…ベル?」
その時の僕は遠い目をしていたらしい。
◆◇◆◇◆◇◆
「…落ち着いたか?」
「はい。僕は大丈夫ですよ。」
「うん。目が死んでるな。」
一連の動きが終わった後ベルの目が死んでいた。
「使えそうなのはあったか?」
「ああはい。それはもちろん。ただ…」
「ただ?」
「何であんな動きが出来るんですか?」
「出来なきゃ死んでいたからな…。(ギガントモンスターを狩るために)」
「そんな場所なんですか!?(ダンジョン)」
何か致命的にすれ違った気がするが間違いではないな。
「そうだとも。なんならただ斬りつけただけなら無限に回復するピンクのモンスターとかいたぞ?」
「何ですか!?そんなキモいのがいるんですか!?てかどうやって倒したんですか!?」
「でっかい一撃をぶちこんでな。いやぁ…キモかった。しかも分裂する。」
「ええー…。」
「他にもいるぞ。例えば…」
空飛ぶでっかい昆虫やら横幅が20~30m位ある蠍とかの話をすると驚愕を通り越して顔面が蒼白している。
いや、よくよく考えればダンジョンにも似たような大きさの奴もいるから前知識としては妥当かもしれない。
「まあ…なんにせよ。いつかはそんな奴と戦うときが来るんだ。だけど今はその時じゃない。ゆっくりと慌てずに備えておけば大丈夫だよ。」
「っ!はい!」
よし、良い返事だ。ワシワシとベルの真っ白な髪を撫でる。照れ臭そうに目を細める彼は何処となく嘗ての相棒を彷彿させる。
―――エル‥今どうしてるかな。子供扱い禁止とかよく言ってたな。
「あの…?ルドガーさん?」
「おっとすまん。んで?この後どうする?」
「そう…ですね。ダンジョンに行ってもうちょっと体を動かしてきます。」
「おっ。やる気は上々か。それじゃあ油断は禁物でな」
「はい!」
行って来まーす!と先程までの疲れが嘘みたいにダンジョンに駆け出していった。
うん。冒険者って基本あんな感じなのかな。こう…体力無限的な。
「さてと。この後は…っと。」
とりあえず、ヘスティアの教会の清掃。デメテル・ファミリアで野菜の調達。あとは…
「そういえば借金の催促が全くないから平和だ。」
以前は何をしようかと考えるとタイミングが良いのか悪いのか、ノヴァから催促の電話が舞い込んで来る。
お陰で退屈しなかったのは良いのだけど…
「…俺もダンジョン行くか。」
とりあえずやること済ませたらダンジョンに行こう。一応ウラノスには冒険者登録しなくてもダンジョンに入れる許可は得ている。
そして眷属になったことにより直ぐ様18階層に跳ぶことが可能になった。
以下のことにより他の冒険者に顔を合わせずとも、攻略もとい資金調達が可能になったわけだ。
「ルドガー!!!!」
「ん?」
その時、何処からともなく俺を呼ぶ声が聞こえてくる。その方に視線を向けると、うちの団長が土煙を上げるかの如く全力で走ってきた。
そしてその勢いのまま
「ドーーン!!!!」
「うおっとと。」
首もとにしがみついてきたから、威力を殺すため後ろにステップを踏む。
その行為に気づいたのか「えへへ」と顔をにやけさせながら頬擦りをしてきた。
いや正直、いつ頃からなのか。いつの間にか彼女…正確には彼女達か…に気に入られ、人気のないとこ、ホームとかだとこんなスキンシップが当たり前に増えてきた。
アルフィアに見られたときは死を覚悟したけどな。
「どうした?アリーゼ。そんな勢いで来たら危ないじゃないか。」
「そんな事より!ルドガー!!!!」
「はいっ!?」
ガバッ!と云わんばかりに顔を上げるアリーゼ。その顔には何か重要な事があると書いてあった。
「お腹空いたわ!」
「はいっ?」
その台詞の後に続く腹の音「グギュルルルル」という音が全てを台無しにした。
「もう何か食べようと思ったらホームに食材が空っぽ!折角だからルドガーのところで食べようと思ったら誰も居ないんだもの!そしたらアーディがルドガーなら壁上にいるって言ってたからこうして来たのよ!」
「お‥おう。自分で作るという選択肢は?」
「私作ると全部焦げるのよ。」
そうだった。アリーゼとリューには厨房に立たせてはならないというルールがあった。
「他の面々は?」
「お店で待機中よ。早く行かなきゃ皆から折檻を食らうわ!」
「私がね!」と胸を張って言うアリーゼ。うん、胸張って言うことじゃないな。
「わかった。それじゃあリクエストはあるか?」
「お腹一杯食べれれば何でもいいわ!」
「一番困るリクエストをありがとう。」
仕方ない。着くまでに何を作るか考えておかなきゃな。顎に右手を添え「うーん」と悩んでいると腕を絡ませてくるアリーゼ。
「これこそ役得と言う奴よね。ナイス私!」
今のは聞かなかった事にした方が良いのか‥。まあ此方も役得だから何も言わないが。
「うふふ!」とスッゴい笑顔のアリーゼ。そして何故か冷や汗が出てくる俺。良いことの後は悪いことが起きる。これ鉄則。
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「「「「あっ」」」」
「「あっ」」
「ベル様ベル様。」
「どうしたのリリ?」
「今日は何処と無く動きが鈍く見えるのは如何なさったんですか?」
「あ‥やっぱりバレちゃう?」
「はい。何と言うかあと一歩が遠くなってると言いますか。」
「いやー実はね。さっきまでお義父さんに鍛えてもらってたんだ。」
「お義父様というと‥ザルド様ではなく?」
「うん。ルドガーさん。そのお陰で結構ボロボロだよ。」
「あの‥ベル様?ルドガー様って冒険者なんですか?リリの知る限り護身術程度だと思うのですが…」
「あれ?リリは知らないのかな?お義母さんとザルドさんとでやりあってるんだけど」
「いえ。存じ上げないです。…えっ今何と?あのお二方と?あの暴力の化身みたいな人達と?嘘ですよね?だってほらこの間風の噂ではアルフィア様一人でロキファミリアに殴り込みを掛けてボッコボコにしたと…」
「うん。よく三人で戦ってる。基本2対1らしいよ。あ‥ルドガーさんが1の方ね。」
「化け物ですか」