00 No Title or Title Los
星暦2139年の1月。
「
毛先から爪先、瞳孔、虹彩、肌に至るまで身体の隅々が美しい白金色に輝く美麗な男が、軍将校たちに怒気を込めた声を発している。
「
地方の出身なのか、独特な方言を使って将校らに問いかける男。彼は
「
鬼のような
「…………口減らしだよ」
幕僚でもある将校が放った非情な言葉は、オスカーの怒れる炎に注がれる油となった。口減らし?理由にしては甘い。
「…………何を都合の良い
オスカーの怒りが頂点に達した時、彼は全てを理解した。
「
将校たちはご名答とばかりに
「そういうことだ」
と、大将の階級証を胸ポケットに掲げる老いた男が立ち上がって答えた。大将はその足でオスカーのもとへと歩み寄り、更に続ける。
「君も自覚している通り、
「なぜ今さら当たり前のことを……」、とオスカーは思った。むしろ
戸惑う将官に、大将は続ける。
「
「なっ?!」
オスカーは絶句した。
「この国が王政から共和制に変わるより更に大昔の話だが……」
大将は更に続けようとしたが、オスカーは手を広げて制止した。聞きたくない。恥さらしの同胞の言葉など全てどうでもいい。
「ちっと
若き少将であるオスカーは一度は治まった怒気を再び強めて将校たちに声をかける。眼球はすでに充血を始めているようだ。
「あんたらの先祖は、もともとあんたらの住む土地のすぐ隣の地域に国を持っとった俺たちの御先祖様を“
オスカーは大将の胸ぐらを掴み、充血による内出血で赤く染まった白目に囲まれた白金色の瞳で睨み付ける。先住民であった先祖の土地を侵略し、その後永きに渡って迫害し、旧王政が倒れた後も
「え!?今さら先祖の行いの隠蔽のつもりなんか!?あんたらは
と、ここまで言い切ったところで、将校の一人がぽんっとオスカーの肩に手を置いた。振り返ると、かなり長い期間に渡って従軍しているのか髪も髭も真っ白な
「オスカー君。頭に血が
「てめぇっ!」
オスカーは
「ぐぅっ…………っ!」
怒りと興奮が引き起こした内出血の激痛、さらに大量の血液が脳に集まり負荷がかかったことによって脳貧血になるという矛盾した現象に
将校たちは呆れたようにため息を
白金種(プラティーン\Platiene)
サンマグノリア共和国、及びサンマグノリア共和国建国以前の王国時代よりさらに前、有史以前にはすでに現在のサンマグノリア地域の北東部に居住していた
限りなく白く透き通った肌色と体毛を持ち、異なる人種との混血児は必ず白金種の特徴を持って産まれる。
有史初頭の時点で高度な医療技術を有していたが、