09 Six years later side the Gáe Bolg
『
照明のない暗い部屋に、一人の真っ白な男が入りながら呟いた。
『コマンダー・ゼロより〈
暗く狭い管制室の席に座る、一人の
『東部防衛線ポイント80、130、177、2にレギオンの侵入を確認』
彼の視線の先にあるのは下に向かう赤のアイコンと上に向かう白のアイコンが浮かぶ黒い画面。
別の画面には第一から第四の部隊に配属されている機体の
『コマンダー・ゼロより第一戦隊“
男性将校であるハンドラー・ワンの指示に従い、第一戦隊のジャガーノート24機が続々と列を成して出撃していく。
『ハンドラー・ワンより第二戦隊“
ハンドラー・ワン指揮下の第二戦隊に所属する24機のジャガーノートも出撃した。
『ハンドラー・ツーより第三戦隊“
女性将校、ハンドラー・ツーの指示を受けた第三戦隊のジャガーノート24機も目標地点へと進軍を始める。
『コンダクター・ナインより、第四戦隊“
最後に、コンダクター・ナイン指揮下の第四戦隊のジャガーノート24機がすでに出撃した三つの部隊の後を追うように歩みを進め始めた。
『コマンダー・ゼロより第一戦隊、各員点呼。アンダーテイカーから』
そして、コマンダー・ゼロからの点呼の指示とともに、怒涛の勢いで戦隊員たちの返事が響く。
『スピアヘッド戦隊長、
『スピアヘッド第一小隊、
『スピアヘッド第一小隊、
『スピアヘッド第一小隊、
『スピアヘッド第二小隊長、
『スピアヘッド第二小隊、
『スピアヘッド第二小隊、
『スピアヘッド第二小隊、
『スピアヘッド第三小隊長、
『スピアヘッド第三小隊、
『スピアヘッド第三小隊、
『スピアヘッド第三小隊、
『スピアヘッド第三小隊、
『スピアヘッド第四小隊長、
『スピアヘッド第四小隊、
『スピアヘッド第四小隊、
『スピアヘッド第五小隊長、
『スピアヘッド第五小隊、
『スピアヘッド第五小隊、
『スピアヘッド第六小隊長、
『スピアヘッド第六小隊、
『スピアヘッド第六小隊、
『スピアヘッド第六小隊、
スピアヘッド戦隊24名の他三戦隊全員の
『
正面切ってレギオンへと向かうプロセッサーの一人である第二戦隊パイクブレード戦隊長、シャイニングサンが静かに問う。
『ハンドラー・ワンよりシャイニングサン。現在位置から1500メートル先、12時の方角に3個大隊が布陣、その400メートル手前に4個中隊が迎撃準備中』
ハンドラー・ワンを名乗る将校は笑い声を堪えているかのような、明らかに侮辱を込めた態度でプロセッサーたちに告げる。
『まあ、この数相手だと……化け物揃いのゲイボルグ特統戦隊も流石に全滅かもなぁ?』
直後、ハンドラー・ワンの言葉を上書きするようにコマンダー・ゼロからの指示が下る。
『コマンダー・ゼロより、ゲイボルグ特統戦隊各員へ。今回のレギオン側部隊の構成は
コマンダー・ゼロがレギオンの詳細の情報とともに指示を告げると、ハンドラー・ワンは小さく舌打ちをし、ハンドラー・ツーは不機嫌そうに息を吐いた。
この時勢において
特に
『ほらほら行け行け!ぶっ壊れて死にやがれ豚ども!』
『豚は豚らしく、屠殺されて来なさい!』
ハンドラー・ワンとハンドラー・ツーの罵声が響く。
しかし、この罵声もコンダクター・ナインの言葉で上書きされた。
『白トリュフ二つの言葉は無視。指示はこちらに任せて、レギオンの撃破に集中せよ』
そして、ゲイ・ボルグはついにレギオンの侵攻部隊と会敵した。同時に、アンダーテイカーの耳を通じて奇妙な声がハンドラーたちの頭に響き始めた。
(…………始まったな)
コマンダー・ゼロとコンダクター・ナインはこれから始まる地獄絵図を思い浮かべ、静かにほくそ笑む。
『何だ、この声は……?』
『何?何なの?』
ハンドラー・ワン、ハンドラー・ツーは突然聞こえ始めた幻聴に困惑している様子だ。
『タスケテ……』『イタイ』『ウワアアアアア!』
『シニタクナイッ!』『カアサン……』『イヤダアアアアア!』
『パパーッ!』『ウランデヤル!』『タスケテクレェッ!』
性別、年齢、人種、精神状態の一切を問わず、あらゆる人間の
『黙れよっ……黙れ!うるせえんだよ豚が!』
『いい加減に黙りなさいよ!うるさい!』
すでにこの世にいない人間たちに向けて、空を切る拳のように罵倒を放つ二人のハンドラー。
そして、二人に聞こえる断末魔の声は徐々に大きく、徐々に増えていき、ついに。
『『あああああああああああああああ!』』