乙女ゲー世界は悪役令嬢の身内にも厳しい世界です 作:りーおー参式
なんで薔薇剣ファミリー登場のタイミングが同じ週になるんだwww
というわけで兄上様、大反省会回をお送りします。
長期休暇明け直前に、リオン君が正式に騎士に任じられた頃、僕は公爵家の領地でデスクワークとプロトタイプアロガンツの慣らし運転に明け暮れていた。
実際に乗ってみると、試作機とはいえ、さすが、課金用チートアイテムだった。既存の鎧とは、スピードもパワーも”ダンチ”だ。
公爵家の鎧部隊との模擬戦をやってみたが、魔力シールド込みの防御力の前にはほとんどダメージが通らない。
特に遠距離戦ではシールドを抜ける兵装がなく、弾薬がシールドに着弾したときの衝撃以外は伝わらない。
あの乙女ゲー最強の敵、そして公国最強と言われる黒騎士が持つと言われるロストアイテムの大剣があるらしいのだが、そのレベルでないと戦いにはならないだろうと、うちの鎧部隊の隊長に言われてしまった。
そうなると、リオン君はどれだけの力を持っているのかを改めて認識させられてしまうね。絶対に彼とは敵対すべきではない。
ちなみに、生身で使える攻撃系の魔法は、鎧サイズに変換して使えるようだ。僕の場合は、ファイヤーボールやファイヤランス等を使える上に、機体の魔力の変換効率も既存の鎧とは比べ物にならないようで、その気になれば、鎧の全長ほどの巨大なサイズのファイヤーボールも使えるようだ。
・・・これを手でぶつければ金髪忍者なラセ〇ガン、足で蹴り飛ばしたら〇ョダイマックスなキョダイカ〇ュウ、鎧全体に纏って突撃すればシャイ〇スパークみたいだね。
その日も一日、模擬戦を繰り返してヘトヘトだった。疲労でぼんやりした頭がふと前世の記憶を蘇らせる。
模擬戦を2000回こなすと、スペシャルな生存フラグが立って不死身になるんだっけ・・・いや、そんな訳ないか。
アホな雑念を振り払って、シャワーで汗を流し、残った事務仕事を片付けようと執務室に戻ると、デスクの上に不自然に置かれた封筒を発見した。
裏面に施された厳重な封印には、とても見覚えのあるエンブレムが刻まれている。
はっきり言おう。とても嫌な予感がする。
そもそも、なんでこんなものが僕の執務室に置かれているんだ。
だが、置かれている以上は、公爵家の領地の僕の執務室に入れる人間にまで、つながりを持っている人物の指示があったということだ。
そんな人物、心当たりは1人しかいない。僕の予想が正しければ、この封筒を怪文書の類だとスルーするのはまずいだろう。仕方なく開けて中身に目を通すと・・・やっぱりか。
どうやら、パパ上にも内緒で王都に、しかも、あのケモナー学園に行かなければならないようだ。
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ケモナー学園の近くにある、人通りの少ない路地には、1件の喫茶店がある。封筒の中身により指定された店だ。
中に入ると、僕を呼び出した張本人が、店の最も奥のテーブルから、ニヤニヤとした表情を浮かべながら、手招きをしている。
オーダーの飲み物を持ってきたと思われる給仕の若い女の子を横に座らせていることから、僕が来るまでの間にナンパをしていたのだろうね。
とりあえず僕もその子にアイスコーヒーを注文して、席を外してもらった。
ちなみに僕は、王都に来ているのがパパ上にバレないようにするために、黒髪のカツラをかぶり、度の入ってない眼鏡をかけて変装している。
それでも呼び出しの主が、僕を認識できるのは、この格好がお決まりの変装だからである。
「ご無沙汰しております、陛下」
「よう!久しぶりだな、ボンボン」
「このご時世に、気軽に呼び出されては困ります。王家と公爵家の現在の関係は、陛下が一番ご存じでしょう」
そう、僕をわざわざ領地から呼び出したのは、この国の国王。ローランド・ラファ・ホルファート陛下だ。
僕が国境沿いの監査の仕事をしていたときには陰に陽に、そして、昼も夜も、とにかくお世話になった恩人だ。
上下関係のある夜の飲み友達という言い方もできなくもない。
お互いに下半身スキャンダルを共有していることに基づく強固な共犯関係とも言える。
しかし、ケモナー学園での決闘騒動で、あの乙女ゲーの攻略対象の1人であると同時にこの国の元王太子こと馬鹿王子と僕の妹の婚約は解消となっており、王家と公爵家の関係は誰しもが最悪だと認識している。
「ふん、そんなものはミレーヌとユリウスの問題だ。私がとやかく言うものではないね」
相変わらず凄いな、この人。妻と息子の問題は自分に関係ないと言い切ったよ!
王家と公爵家の問題なら陛下も当事者ど真ん中ですよ!?・・・いや、そんな正論、この人には通じないか。
正論でぶつかっても、気付いたときには話題をすり替えたり、逆に開き直った上で権力を振りかざして、逆切れ正面突破をしてきたりするからな。
「陛下との夜遊びは控えるよう父から言われているんですが・・・」
「よかった。まだ昼だから大丈夫だ、問題ない」
「いやいや大ありですから!っていうか、詭弁だってわかって言ってますよね!?」
「大事な用事があるんだよ。お前も付いてこい」
王宮での執務より、学生たちの学園祭が大事だって王妃様に聞かせてやろうか・・・いや、聞かせなくてもいいか。王妃派連中は、せいぜい陛下の尻拭いで苦しめばいい。
「はぁ・・・わかりましたよ、お付き合いします」
学園の敷地に入ると、陛下が意気揚々と歩き、すぐ後ろに僕が続く。さらにその周囲を、変装した陛下の護衛達が広めに囲いながら動くという気を使い過ぎて胃が痛くなる隊列が学園を進む。
僕にとっては、王妃様激おこ事件以来、数年ぶりの学園だが、相変わらず目と耳を覆いたくなるような気分の悪い光景が繰り広げられている。
すぐ近くの食べ物を販売する出店では、女子生徒が代金の支払いを踏み倒そうと男子生徒を恫喝していた。
それを見た陛下がポツリと呟く。
「相変わらず見られたものではない光景だな」
「それをわざと放置している人間が絶対に言ってはいけない台詞ですね。刺されるだけならまだマシ、放っておけばいずれ反乱が起きますよ」
「経験者が語ると重みが違うな、ボンボン」
「一生モノのトラウマですけどね」
僕が在学中に辺境貴族出身者達に結婚相手を片っ端から斡旋したことに端を発する、王妃様激おこ事件により、僕が学園に通えなくなったことを陛下が弄ってきた。
その際の釈明が、陛下にとって利用価値があると見出されたのか、バーナード大臣の下で監査の仕事をすることになったことをふと思い出した。
1人の人間としては、真面目なことから色欲まみれなことまで、陛下のおかげで色々な経験を積むきっかけを得られたのは感謝してもしきれない。
アンジェの婚約が解消となったために、陛下とも接触するのも難しくなったのは僕も悩ましい。そんな心中を察したのか、陛下が会話を続ける。
「なあボンボン、お前達はこれからどうするつもりだ?」
お前”達”というのが難しい。父上と僕だけか、それとも派閥全体か。いずれにしても、ここで僕が何かを言うのは控えたほうがいいだろうな。
「さあ?父から、しばらくは領地にいるように指示されている僕には何とも言えませんね。国境監査の仕事も事実上は引退状態です」
表向きには、領地で女の子を口説くか、プロトアロガンツでの模擬戦くらいしかやることがない。
本当は、主人公様ことオリヴィアさんと課金系攻略対象のリオン君の恋模様を観察、サポートしたいのだが、なかなか学園内の出来事に関与できないのはもどかしい。
「愚息が一体どうしてあんな状態になってしまったのか・・・アンジェリカには色々と申しわけないが、女に熱を入れるようなタイプではなかったんだがな。私が自ら、女遊びを教えればよかったのか」
「殿下のことはわかりませんが、ジルクは陛下や僕みたいな遊び回る大人への反発もあったと言ってましたよ」
「あいつだって一緒になって楽しんでたじゃないか・・・だが、そうだとすると、女慣れしてるか否かは関係ないのか」
「あのマリエとかいうラーファン家の小娘について分かったことはないのですか?」
「実家からはほぼ放置されていたようだな。貴族的な教育を受けたような情報もない。はっきり言って、学園入学前の人となりについてはロクな情報がない。生身でクマを仕留めて金に換えていた、という面白い話ならあるが・・・」
「そんな女が、ジルクのような女慣れしたやつまで虜にしたというから、僕達には今回の出来事が不気味でなりませんね」
「10人にも満たない子供達のせいで、この国はこれから荒れるぞ・・・」
うちの派閥は大幅に弱体化、アトリー家も婚約破棄で大騒ぎだ。フィールド家、セバーグ家、アークライト家の大物貴族3家は嫡子が廃嫡で醜聞まみれになっている。
「国内のパワーバランスはぐっちゃぐちゃ、この状況から権力を握るのはどこになるのか・・・」
「お前、あれだけアンジェリカの結婚を気にかけていたのに、ずいぶんと他人事のように言うな」
しまった。普通の貴族から見たら奇行ばかりに見えたであろう行動の原因が、妹への偏愛によるものだという設定になっていたのだから、もう少し取り乱すべきだったか。
やはり陛下の人を見る目というのは油断ならないな。さすが、ラーシェル神聖王国からクセ者と言われるだけのことはある。
「そんなことはありません。もうできることもなくて、お手上げなだけです」
「とぼけるな。やはりロストアイテム持ちのバルトファルトを取り込む算段を付けたようだな。王宮でも、ヴィンスのやつ、こっちに殺気を飛ばしながらも、どこか楽しげにしていたからな」
「それがおわかりなら、彼には手出し無用で願いますよ。誰かさんの息子のせいで台無しになった、将来の僕の平穏な公爵ライフを取り戻すためにも重要なんですから」
「ふん、今は私もそれどころじゃないからな。さて、着いたぞ」
辿り着いたのは、学園の校舎の仲でも王宮から来た要人を待たせるための貴賓室だ。
アトリー家の文官、リオン君、それに陛下と、話をしている間にどこかに連れて行かれるのが最近よく続くなと思ったが、この部屋で陛下が誰かと密会するということか。
何が目的かは知らないが、誰に会うのかだけこっそり覗いて。あとは主人公とリオン君の様子でも見に行くとするか。
「わかりました。では僕はここで失礼しますね」
「お前は何を言ってるんだ?お前も来るんだよ」
「え?!」
陛下にいきなり腕を掴まれた。っていうか、この人、腕力の強さが半端じゃないな!振り払おうと抵抗したのだが、あっさり貴賓室に連れ込まれてしまった。
室内で真っ先に目に入ったのは、厳格そうな顔つきをした高身長の男性だった。その身体は鍛え上げられていて、衣服の上からでもその筋肉が見て取れる。
次に目に入ったのは、長く伸ばしたストレートの金髪に碧眼の女性である。その髪はサラサラで、前世の合コンで出会っていたら、どんなトリートメント使っているのかと聞いていたかもしれない。
服装はシンプルなデザインのものでまとめられている。だが、それ故に内側の胸部装甲が、なかなかに暴力的な存在感を放っているように見える。
男性の方は、僕の顔を見て一瞬だけ驚いた表情を浮かべたが、すぐに表情を切り替えて、陛下に対して恭しく頭を下げた。
「陛下、この度は貴重なお時間をいただきましてありがとうございます。それに、ギルバート殿もわざわざお越しいただき恐縮です」
「お待たせしたようですまないな、伯爵。さて、さっそくだが、驚いてもらえたかな?」
「それはもう・・・しかし、まさか・・・これは参りましたね」
そう言って片手で頭を押さえながら、再び僕の方を見た男性の正体。それは、この王国の中でも古くから冒険者として実績を上げ、今や国内でも有数の武門の家というか武闘派ローズブレイド伯爵本人だ。
僕も面識がある程度だが、語彙力ゼロな表現をするなら、ものすごい大物貴族ご本人様とでも言うべき存在だろう。
いや、僕のパパ上はもっと大物貴族だし、僕のすぐそばには国家元首がいるから感覚が麻痺しかけているが、そう易々と拝めるツラではないことは間違いない。
そして、隣にいる女性は、そのローズブレイド伯爵の娘で、たしかもう学園は卒業したはずのドロテア嬢だ。学園在学中に、校内ですれ違ったときに会釈したくらいしか記憶はないけど。
あとは在学中に色々と不穏な噂を耳にしたくらいか・・・僕は在学期間の後半はほとんど辺境貴族の跡取り達の結婚の世話ばっかりしてたから、本来僕が関わらないといけなかった上位階層の中の話に疎いんだよね。
あ、そういえば、ローズブレイド伯爵にはもう一人、金髪縦ロールな髪型をした娘さんがいたな。ぱっと見の外見から”オ~ホッホ”みたいな笑い声を上げそうな、ザ・高飛車お嬢様といった感じだった記憶がある。たしかディアドリー嬢だったか。
僕からしたら、アンジェより、よっぽど悪役令嬢っぽいルックスだと思ったのは内緒だ。
そんな、メンツの個性が濃ゆいローズブレイド家は、これまではあまり王宮の政治ショーの最前線に出てくるような家ではなかったが、それでも王宮内に強い影響力と確かな情報網を持っている。
しかも、僕の妹や馬鹿5人を震源地とする決闘騒動により、王宮内でも力を持っていた家々が、程度の差こそあれ、弱体化した今、その余波を全く受けなかったローズブレイド家の影響力は、相対的には強まっている。
そんなローズブレイド家の当主がこんなところで陛下と密会だなんてどういうことだろうか。
しかも、僕を見て驚く、というのはどういう意味だ?
僕が得意ではない、貴族間の暗中闘争のど真ん中に引きずり込まれるのだけは勘弁願いたいんだけど・・・
だが、このまま無言では失礼になってしまうし、何かしゃべらなければならないな。
「こちらこそ、こんな変装した格好のままで申し訳ありません。まさかローズブレイド伯爵が学園にいらしているとは思いませんでした」
そして、ここで陛下が会話に割り込んでくる。
「さて挨拶も済んだところで、この意味をわかってもらえたかな?」
「こちらの意図はお見通しでしたか。陛下もお人が悪いですね」
陛下とローズブレイド伯爵の間で会話が進んでいく。だが、僕には何を意味した会話なのかがわからない。完全に置いてきぼり状態だ。
仕方ない、ここはドロテア嬢に話を振って話題を変えるか。
「ドロテア嬢もお久しぶりですね。最後にお会いしたのは・・・この学園のどこかでしたっけ?」
「先輩・・・いえ、ギルバート様は、卒業してから各所でご活躍のようですね。在学中のお姿とはだいぶかけ離れているようで」
在学中の姿・・・辺境出身者達を引き連れて結婚相手を探してやってた行動が、おそらく遊び回っていたというように理解されているのだろう。
初撃から嫌味をぶち込まれてしまった。いや、でも僕は、妹のため、将来の自分の平穏のために、王国ヘイトをなんとか緩和しようと、必死だったんだからね!?
「ははは・・・ドロテア嬢もなかなか手厳しいですね。ところで、どうして今日は伯爵とこんなところにいらしたのですか?」
「え?ギルバート様、まさか何も聞いていないのですか?」
ドロテア嬢の表情が一気に曇り、ローズブレイド伯爵の方を見る。伯爵は乾いた笑いを浮かべながら、顔を引きつらせており、とてもばつが悪そうな表情を浮かべている。
僕は、この状況を作った張本人である陛下の方を見ると、何が目的なのかは不明だが、とてもいやらしい笑みを浮かべている。そして、確実に言えることは、こういう顔をしている時はロクなことを考えていない。
「何だ、まだ気づかないのか?お見合いだよ、お・み・あ・い!」
「はいいいいいぃぃぃぃぃ!?」
「伯爵からお願いされてね。面白そうだから、最近、王都から姿をくらましていたお前を引っ張り出して来たんだ」
お見合いだと?いや、父が知っているはずもないから、いわゆる正式なものではない、顔合わせレベルのものだろうが、どうして僕がドロテア嬢と?
ん?ちょっと待てよ。そもそも、僕がここに来てローズブレイド伯爵が驚いた、ということは、僕が来るはずもないであろう人間だったからだ。
お見合いなら、普通はどんな相手を連れてくるかくらいは告知するだろう。
陛下が連れてくる人間なら、突拍子もない輩等ではないだろうが、それでも常識的に考えれば、誰を連れてくるかを知らせるはずだ。
にもかかわらず、それをしない理由・・・陛下は、僕を連れてくることで、ローズブレイド伯爵を驚かせる、もしくは牽制したかった、ということか?
「どうやら、僕はまた利用されたみたいですね」
「ふん、ようやく気付いたか。どうやらローズブレイド伯爵は、王家とレッドグレイブ家の関係がどこまで悪化しているのか気にしていたようだから、こうして私とお前が仲良く連れ立っているのを見せてやろうと思ってね」
「僕が出てくれば、表向きはともかく、裏では、そこまで深刻なことにはなっていないと示せる、ということですか」
「ヴィンスのやつがどこまで考えているかはともかく、レッドグレイブを継ぐお前が、こうしてわざわざ私の呼び出しに応じることに意味があるんだよ」
それを聞いて、父に言われたことを思い出した。僕と陛下が行動することが、あらぬ憶測を呼びかねないのだということを。
これまでは、王家、王妃派に加えて、公爵家の派閥、アトリー家の中立派と呼ばれる派閥を合わせた体制で、次世代に向けた権力移行を目指していたが、
馬鹿王子のご乱心のおかげで、それぞれの勢力がほとんどバラバラになってしまった、そのように他の勢力は見ているのだろう。
だが、僕が、のこのこと王都まで出てきたことで、ローズブレイド伯爵は、王家と公爵家は実際にはそこまで仲が悪くないと考えたはずだ。
それで得をするのは誰かと言えば、王家はそんなに揺らいでないと思わせた陛下だろう。
これで王家としては、ローズブレイド家が下手な動きをする芽を早々に摘めたし、ローズブレイド家もレッドグレイブ家とお見合いができたという程度には利益があるのだろう。
ああ、悔しい。どうにも、気付いたときには、前世の下っ端社畜サラリーマンだった頃の感覚で行動してしまっているからなあ。
「お前が、自分の立場を知っているのか、いや、知っていても、理解できていないみたいだったからな。アトリーの文官どもも、そこに付け込んだわけだ。これで少しは懲りただろう」
「アトリー家の話はやめてください。思い出したくもない!あと、それでも僕は何もやってません!」
「悔しかったら、私を出し抜いてみるんだな。出し抜けたら、お咎め無しにしてやってもいいぞ」
「言いましたね、ローズブレイド伯爵も聞いてるんですから、言質は取りましたよ?」
「そうだ、伯爵がご所望のお見合いの続きをしないとな」
しまった、ドロテア嬢とのお見合いの話が続いていたのを忘れかけていた。
「見合いの相手が公爵家の跡取りなら、伯爵も不満はないだろう。まあ私を試した無礼があるから、最後は断ってもいいが、それでも向かい合って話をするのが礼儀というものだろう?」
ええい!ニヤニヤとした表情が頭に来る。
それにローズブレイド伯爵も、うんうんと言わんばかりに首を縦に振ってくる。
「学園在学中には、なかなか話をする機会がなかったようですからね。ほら、せっかくだから一度、ゆっくり娘と話してみてください。お気に召すかもしれませんよ」
伯爵は強引に話を持って行こうとしつつも、どこかお試し感が強いな。例えるならワンチャン、ありか試してみるか的な感じの言い方に聞こえる。
え?自分の娘ですよね?なんでダメになる感じ込みなのを受け入れているんだ?
書籍10巻でローランドの挿絵が出るまでは、ローランドの動きを脳内再生する時には、石破ラブラブ天驚拳のときに具現化した王様が浮かんでいたのは内緒だw