乙女ゲー世界は悪役令嬢の身内にも厳しい世界です   作:りーおー参式

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原作に出てこないモブさんは基本的に名前が付きません。だってモブに厳しい世界なんだもの・・・


第2話 突然始まったラブストーリーという名の茶番

妹が次期国王の婚約者に内定した、という事実に、本来であれば、驚くべきなのであろう。

だが、僕にとっては頭を悩ます出来事になっている。

この世界があの乙女ゲー世界と同じならば、何年か後に隣国が侵攻してきて、

その後は、実家が落ちぶれていく。

さらに、「ルート」によっては、妹の婚約は破棄されて、どこかの田舎に追放か処刑される、だっただろうか。

前世の妹から聞かされた話が正しければ、「主人公」が将来的に結ばれる「攻略対象」の候補者が

何人かいたはずで、その候補者の一人が、妹の婚約者であり、この国の次期国王たる王太子である。

 

僕は今後、どうすればいいかを考えていた。僕はあの乙女ゲームを自分でプレイしていたわけではない。

妹が僕の家に上がりこんでゲームをプレイしている画面を見るか、妹からゲームの話、

ざっくりとキャラの名前やら、大まかなオチあたりを聞いただけだ。

あとは、妹が僕から強請った金で課金したチートアイテムくらいだろうか。

乙女ゲーと言っても、男性用ゲーム開発のメーカーが作ったせいか、ロボットや戦艦はかっこよかったのは覚えている。

とはいえ、総じてこの世界について知っていることは多くはない。

点として知っていることはあっても、それが線として結びついていないとでも言うべきか。

 

そんな状況下で何ができるか…何日もの間、それを必死に思案していた。

転生につきものと言われるチート能力やスキルはない。あるのはSSランクな権力を持つ実家の嫡男という地位、

あとは無駄に高い顔面偏差値くらいだ。何もないとまでは言えないが、国や社会を動かせるものは無い。

だが、妹の年齢から逆算すれば、あと10年もしないうちに戦争は起きるだろう。

仮に戦争が終わっても、その後に何十年も僕の人生は続く。実家が落ち目になってしまっては元も子もない。

落ちぶれていく未来を回避するためにできることは何か、そして、優先順位をどのように設定していくか。

実家である公爵家の地位が崩れ落ちていく要因は大きく分けて2つだ。

1つ目が、隣国である公国の侵略による国力の大幅な低下だ。これにより、国全体の力が大きく削がれる。

2つ目が、王太子の婚約者となった妹が、ゲームの主人公や攻略対象から断罪され、実家が落ち目となっていく。

 

2つ目について手っ取り早い手段がないわけではない。いわゆる攻略対象は5人いたが、

主人公をユリウスルートに乗せないことで回避できるはずだ。

そもそも学園に入学させない、という手もあるだろうが、主人公は平民で、探すことが今の僕にはできない。

主人公がどこにいるのかを探せるほどの力もコネもないのだ。

この世界の戸籍が、前世のように整備されているとは限らないし、それが平民であればなおさらだ。

だが、発想を変えてみれば主人公がユリウス以外とくっつけば、婚約破棄は起こらず、国母の実家となる我が家は安泰だ。

だから、主人公については、後回しでいいはずだ。というか、今からどうこうするのは難しい。

 

そうだとすれば、まず考えるべきは攻め込んでくる公国をどうするか、だろう。

しかし、これがまた、僕個人でどうにかできるものではない。

僕が公爵家の嫡男と言っても、たかが数年で国をすぐに動かすようなことはできないからだ。

自分が一人の兵士としてチート能力を発揮して公国を潰せればよかったのだが、そうもいかない。

この世界の機動兵器である鎧の操縦技術が特に秀でていることもないし、常人離れした魔法も使えない。

実家の教育係によると、魔力、というのはそれなりにあるらしいのだが、その操作精度は高くないらしい。

ガワ(肉体)の世界の貴族でも、中身は別世界のリーマンだからなのだろうか。

努力と訓練を怠ったつもりはないが、この国のトップエースに分類される操縦者にも及ばない。

僕は〇ムロ・レイにも、〇ョウ・ザマにも、〇サキ・アンドーにもなれないし、

この世界には、〇ジンガーや〇ッター、〇ンバスターも存在しないようだ。

 

実家の財政を軍備に全振りしたところで、あの乙女ゲーに出てきた公国の黒騎士を倒せるほどの鎧を開発し、

軍勢を整えることはできないだろう。

総務系部署のリーマンには、鎧という名のロボットの性能を大きく向上させるような理系の知識もない。

むしろ、これから父は王太子となったユリウスを支える派閥を拡大させ、

敵対派閥との政治闘争に明け暮れなければならないはずだ。金だっていくらあっても足りないだろう。

〇年後に公国が攻めてきます、なんて言っても正気を疑われるどころか、僕が転生者であることを

知られてしまうかもしれない。それで僕個人の人生がアウトになってしまっては意味がない。

これ以上は、考えるばかりで建設的なものが浮かんでこない。だが、考えることを止めるわけにはいかない。

 

少し環境を変えて、頭をリフレッシュするために、放課後を待ち、取り巻きから離れ、

人通りの少ない裏庭の木陰で寝そべっていると、何やら揉めるような声が聞こえてきた。

 

「なぁ一回だけでもお茶会に来てくれよ!高い茶菓子だってあるからさぁ」

「冗談じゃないわよ!なんで国境近くのド田舎領主の息子のために私の時間を使わなきゃいけないのよ!!」

「そ、そんなこと言わないで頼むよ」

「うるさいわね!アンタにもアンタの実家にも、欠片ほども興味ないのよ!!」

 

この学園で何回も聞いた覚えのある残酷な断り文句と、頬を力の限り叩いた音が耳に入ってきた。

どうやら男子生徒が取り付く島もなく誘いを断られてしまったようだ。

何とも気まずい雰囲気だ。立ち上がって、僕がここにいることを知られてしまっては、振られたばかりの

彼にはさらなる追い打ちとなってしまう。そのため、息をひそめて男子生徒がこの場を去るのを待とうと

思ったのだが、未来について悩む僕に追い打ちをかけるようなセリフが耳に入ってきた。

 

「ちくしょう!あいつの実家だって、うちから大して離れてない辺境の男爵家だろうに!公国の連中が攻めてきたら素通りさせてやる!」

「えぇぇぇぇ!?」

「だ、誰だ!?って、アンタ…えぇぇぇ!?」

 

とんでもない利敵行為に、思わず驚きの声をあげてしまった。

どうやら、彼の実家、ついでにビンタして去っていった令嬢の実家も、いずれ侵略してくる公国との国境にほど近い所に位置する男爵家らしい。

この世界には、浮島と言われる大地が海に浮かんでおり、その島が各国、各領主の領土となり、浮島同士の往来には飛行船が使われる。

侵略行為にも飛行船が使われるため、国境沿いの領主も、周囲の警戒には飛行船や鎧を飛ばす必要がある。

国防の実務をしっかり学んだわけではないが、国を守るためには、領主が飛行船等の兵器を維持し、きっちりと警戒、警備をすることが必要になる。

 

逆に言えば、侵略する上で国境沿いの領主が調略されて、警備が緩くなれば、そこが国防上の穴となってしまう。

素通りくらいならまだマシだ。敵国に加担されてしまえば、敵戦力が増えるだけでなく、

周辺の警戒が薄い内側の浮島は、不意打ちを受けてすぐに陥落するだろう。

そんな領主として要求される国境の警備・警戒を、ボイコットしてやるという宣言を、

次期王妃の兄の目の前で、声高に宣言した男爵家の嫡男らしき男子生徒は驚くとともに、目が泳ぎ始めていた。

身長が190センチくらいあって、筋肉質な、男らしさと言われる要素が溢れる男子生徒、

仮にアメフト系男爵家男子(仮)、略してアメフト系男爵の顔が青ざめていく。

そ、そりゃそうだよね。立場が逆だったら僕だって嘔吐してしまう自信がある。

生殺与奪の権、他人に握らせちゃってるよね。

だが、今の台詞を実家にチクってこの家を潰したところで、次の領主がしっかりと仕事をする保証はない。

言い方は悪いが、国家に反逆するような発言をこの耳で聞いた以上、実家の権力なら潰すのはいつでもできる。

いや、逆に考えるんだ。これをネタに使い、馬車馬のごとく僕のために働かせるにはどうしたらいいのかを。

 

「違うんだよ。本気であんなことを言ったつもりじゃ…」

「いや、僕のほうこそ結果的に盗み聞きをしてしまった。君の誇りを傷付けてしまったね」

「そ、そんな…俺達貧乏貴族には日常茶飯事ですよ、あんなの」

「そうか、君さえよければ、場所を変えて、少し話を聞かせてくれないかい?」

「え?なんで公爵家の坊ちゃんが俺に?」

「愚痴くらい聞くよ、同級生だろう?それに将来、妹が妃になる国に仕える領主の一人の跡継ぎがどうしてあんな発言をしたのか気になるじゃないか」

 

僕に対して警戒心を露わにしながら頷いたアメフト系男爵を連れて、僕は王都の商業地区に向かうことにした。

あのまま学園にいたら、取り巻き連中に見つかって面倒な詮索をされてしまうかもしれないし、

僕自身も、気分転換で少しでもあのケモナー学園から離れたかったんだ。

そして、手頃な店を見つけて飲み物と軽食を注文し、向かいに座った男子生徒に話の続きを促してみる。

面倒くさいから敬語もやめて一同級生に話すよう付け加えると、少し気が緩んだのか、学園のおぞましい実態が

飾られずに語られ始めた。どうやら僕の取り巻き経由で知らされる情報よりも、さらに酷い現実が存在していたようだ。

 

「学園を卒業するまでに結婚相手がいないと、貴族の社会で鼻つまみにされるんだったよね」

「ああ、だから何とかして俺達下級貴族は男爵家とか子爵家の令嬢に嫁に来てもらわないといけないんだ。

 でも女子達だって辺境の、しかも下っ端貴族に嫁ぐのは嫌だから相手にされないか、とんでもない条件を出してくる」

「聞くのも恐ろしくなってくるね」

「ああ、結婚してやるから、王都に屋敷を用意して仕送りしろなんて序の口で、愛人や亜人奴隷の面倒まで見ることを条件にされるなんてざらだよ」

 

嗚呼、吐き気をもよおす邪悪さというのはこういうことを言うのだろうか。

これでは辺境の貴族達の財政事情は悪化するばかりで、ロクに国防に回す金がなくなるじゃないか。

それに、結婚前に愛人を認めさせるって…百歩譲って、男も側室や妾を持つのが普通の今世では、

女性側にも愛人を認めるとしても、その女から生まれた子供の嫡出性はどう認めるのだろうか。

前世では存在していたDNA検査のようなものをこの世界では聞いたことがない以上、托卵のリスクが高すぎる。

後継ぎ問題が起きて家内が割れれば、その家はさらに荒れ、意識は領内にばかり向き、国防は後回しにされる。

そんなお家騒動に、外国の工作資金が入ろうものなら、結果は明らかだ。

この国の貴族社会は、知れば知るほど悩ましくなってくる。

 

「ど、どうしてアンタが難しい顔をしてるんだよ、公爵家なら相手なんて選び放題だろ」

「どうせ僕はそのうち父が見つけてきた相手と政略結婚するんだ。僕に選択権はないよ」

僕が探しているのは貴族じゃない可愛い愛人だ!

「さすが雲の上の人は話が違うな・・・」

「それよりも、君の話が本当なら、この国はよく今まで滅ぼされなかったのか不思議でしょうがない」

 

将来、父から家を継げば、僕がこんな問題だらけの国を、妹が嫁いだ王家とともに支えなければならない。

ふわふわした乙女ゲーの世界だからか!?少なくとも主人公が入学するまで王国は滅びないからなのか!?

でも主人公が卒業した後は!?主人公がユリウスルートじゃなかったら、国の在り方は変わらずか!?

公国以外の国、現時点でしばしばちょっかいを出してくるという神聖王国も動かないとは限らない。

 

「少なくとも公国側はフィールド家がしっかりしていたからな。それに今度、商売で儲けた金を使って

 公国とうまく話ができるようになった伯爵家とフィールド家の嫡男が婚約するらしいから」

 

フィールド家か。たしか紫色の攻略対象の実家だったよな。

ただ、かすかに残っている前世の妹情報だと、その伯爵家って裏で公国と仲良しとか設定があったような…

そうなると、フィールド家を足掛かりに、周辺の小規模領主達も切り崩されかねない。

いよいよもって、国境沿いは怪しくなってくるな。だが、どうすれば国境周辺の貴族家を安定させられるのか…

再び頭を悩ませていると、聞き覚えのある声が僕に話しかけてきた。

 

「あ!やっぱり若様じゃないですか。こんなところで密会なんて、まさか若様、お手付きを…って、男?」

「若様が…そんなまさか…ショックです」

「はしたない発言は止めなさい。ですが、若様も、放課後とはいえ、取り巻きも連れずに何をされてるんですか」

 

声のした方向に目をやると、知った顔の女が3人。王都にある公爵家の屋敷でメイドをしている子達だった。

学園に入学してから王都の屋敷に顔を出す機会が増えたので、自分好みのメイド以外の顔も覚えはじめていた。

どうやら今日はオフのようで、見慣れぬ私服を着ている。そして、3人のメイドのうち、

最初に発言した茶髪でノリが良い話し方をするメイドその1と発言を止めようとしたメイドその3は

貴族家の出身で、僕が男に手を出したと勘違いしたメイドその2は確か外国の出身だっただろうか。

 

メイドその1は、学園の普通クラス卒業後、うちで働くようになったという話だ。

メイドその2は、噂だが、実家が仕えていた外国の大貴族が滅亡して、何やかんやの末に家に来たとか…

まぁ父が公爵家で働くことを認めている以上、身元はしっかりしているんだろう。

ちなみに、地味系だが正直に言うとタイプの子だ。

メイドその3は、公爵家に仕えている貴族家出身で、眼鏡をかけたお堅い委員長タイプの子である。

確か名前はコーデリア・フォウ・イーストンだっただろうか。

ちなみに、この子が僕にとっては全く好みのタイプではないのに、

既に名前を憶えているのは、この子が公爵家の中でも、うちの妹アンジェリカガチ勢の筆頭格だからである。

とにかく僕の妹のことが可愛くて仕方ないらしく、兄妹の戯れで少し妹をからかうだけで、

公爵家嫡男の僕に射殺すような視線を向けてくる。仮にも雇い主の息子なのにさ。

きっと妹と近い年齢だったら、自主的に取り巻きを統括して、その守護者となっていただろう。

 

記憶の確認はこのくらいにして、ひとまず誤解を解くべく、メイドその1に説明を試みる。

 

「男同士、放課後に友情を深めあうのも青春というものだろう?」

「若様がまさか男に手を出すなんて…公爵様が知ったら何ておっしゃるか…」

「父上は僕がしっかり女好きなことをよくご存じだから問題ないよ」

「わかってますよ、若様は貴族じゃない女の子を見たらすぐに熱い視線を送ってるってことくらい」

 

メイドその1は、ニヤリとした笑みを浮かべてメイドその2に視線を向ける。

やめろ!そこでメイドその2を見るんじゃない!狙っているとバレたら口説きにくいじゃないか。

学園のケモナー令嬢を口説きたくはないし、学園では取り巻きに囲まれてるから普通クラスの女子は口説けない。

亜人を連れてない上級貴族家の女子も、いちいち公爵家にすり寄ろうとする感が露骨で近寄りたくない。

それなら、手近なところで貴族家以外の子を口説くしかないんだ!

実家の屋敷で働いてる人間なら安全、安心で、困る人なんて少ないだろ!

 

「う、美しい…」

「「「え?」」」

 

突然、僕の内心の突っ込みと、ここまでの会話の流れを完全に無視した声が聞こえてきた。

そして、僕とメイド2人の間抜けなセリフが続いた。

つい数時間程前には、恐怖と絶望だけを顔に浮かべていたアメフト系男爵は、立ち上がり、頬を赤らめて

メイドその1を見つめて視線を離さない。

手元のコーヒーカップは傾き、その中身全てがこぼれて自身の服に巨大な染みを作り続けていることにすら気付いていない。

 

「た、大変!大丈夫ですか!?」

 

いち早く正気に戻ったメイドその1が、テーブルの上にあったおしぼりを手に取り、男子生徒の服の

いたるところに付着したコーヒーをふき取り始めるのだが、今度はメイドの顔も赤くなり始めていた。

どうやら、汚れをふき取るときに男子生徒の鍛えられた筋肉の硬さに気付いたらしい。

そのままアメフト系男爵とメイドは沈黙し、互いに顔を紅潮させながら見つめあっている。

 

「なぁ、コーデリア。これってもしかして…」

「こんな恋愛小説の中に出てくるような恋の落ち方、本当にあるんですね」

 

放課後に街中の喫茶店でこんな即席の茶番を見ることになろうとは思わなかった。

 

「誰かが恋に落ちる現場を初めて見たよ。ってか君、お堅いキャラなのに恋愛小説読むの?」

「物語の中くらいロマンチックなことが起きてもいいじゃないですか」

「そういえば、あの子は学園在籍時は普通クラスだったっけ」

「ええ、ご実家は最近になって男爵家になったと聞いております」

 

そういえば思い出した。メイドその1の実家は、彼女が学園を卒業する直前に、領地発展が認められて男爵家、

つまり、貴族階級となったらしい。

今は貴族階級の女性だが、在学中は普通クラスで過ごし、結婚相手が決まる前に卒業した、ということだ。

 

そもそも、普通クラスの男子は騎士階級が多く、結婚相手の制約も無いため、地元に婚約者がいることも多い。

そのため、普通クラスの女子は、同じクラスで相手を見つけられず、かといって、上級クラスの男子生徒は、

貴族階級なので、同じく貴族階級の女性を相手にせざるをえず、

その結果、在学中に学園内で結婚することが簡単ではないと聞いたことがある。

需要と供給のミスマッチというやつだろうか。

 

このように相手に恵まれなかった普通クラス出身の、現貴族階級の女子の目の前にいるのは、

上級クラスの男子である。その上級貴族の男子達は、地雷だらけのケモナー女子に貢ぐために

ダンジョンに潜り続けるため、自然と屈強になっていく。

普通クラス出身のメイドその1にとっては、そんな鍛え上げられた男子生徒に男らしさを感じたのかもしれない。

漫画のようなフォーリンラブに半ば呆れている僕とメイド2人を置き去りにして、

メイドその1とアメフト系男爵は夢中になって話を続けているが、ケモナー学園での酷い男女関係に

胃もたれを起こしていた僕にはなんだか微笑ましい。

学園の外に貴族家の女性が多ければ、学園の男子達も少しは楽になるだろうに…

 

「なあコーデリア。あの二人、今の身分的に、くっついても大丈夫なんだっけ」

「そうですね、イレギュラーなところはありますが、問題ないでしょう」

「うちの屋敷ってけっこうな数のメイドさんがいるけど、未婚の貴族階級の子って多いの?」

「公爵家の屋敷は規模が大きいですからね。若様、何を考えてるんですか?」

「う~ん、壮大な幸せ家族計画とでも言っておこうかな」

「一体何人の使用人をお手付きにするんですか」

 

我が家のメイドが酷い。だから僕は貴族階級の子には進んで手を出さないって言ってるだろう!

気を取り直して、今日は時間も遅くなってきたので、ひとまずその場はお開きになったのだが、

後日、アメフト系男爵から、メイドその1と付き合うことになり、さらに、その1か月後には、

婚約に至ったとの報告がもたらされた。何はともあれ本人達が幸せならそれが一番だ。




ギルバート君は、王国の”不都合な真実”をまだ知りません
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