乙女ゲー世界は悪役令嬢の身内にも厳しい世界です   作:りーおー参式

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若干投下が遅くなりました
原作様にない展開は時間かかってしまいますね


第28話 私をオフリー領に連れてって

男は悩んでいた。

 

かつて、この男は王太子の乳兄弟として、大臣の娘の婚約者として、権力の中枢へと至りうるポジションにいた。

その地位は、彼にとって誇りであり、自信の源でもあったが、同時に、重荷でもあり、彼の精神をむしばんでもいた。

後に、その苦しみをほぼすべて的確に理解し、包み込んでくれた女性に出会うことができた結果、彼はこれまで自分が持っていた名誉や将来の地位等の全てを投げうってでも、その女との愛を選ぶことを決めた。

結果として、国内でも古い歴史のある家の跡取りという立場を失っただけでなく、ぽっと出の成り上がり者と侮っていたロストアイテムの発見者に完膚なきまでに叩き潰された上に、

自分が苦しんでいるときに時々気晴らしをするために華やかな場所に連れ出してくれていた兄貴分的な者には折れた足をグーで殴られ、

学園祭では元婚約者の取り巻き集団から強烈な物理的報復を受けたが、彼は、今の自分の状況が嫌いではなかった・・・つい最近までは。

 

彼と同じ女性を愛した結果、同じように愛以外のものを失った4人の男達のうち、2人は、空賊討伐という功績を上げて、廃嫡を取り消される見込みだという。

残り2人のうちの1人は王太子という地位こそ失ったものの、王族、しかも王の長子であるという事実に変わりはなく、影響力が失われたわけではない。

もう1人は、この国の中で剣の使い手として最高峰の地位である剣聖に次ぐ、剣豪という地位を持つ者であり、貴族社会の地位とは別に、純然たる武力は変わらず有している。

そして、残されたのが社会的な地位を失い、愛する女性以外のものを持たぬ自分であった。

男の名はジルク・フィア・マーモリア。繰り返しになるが、彼は悩んでいた。

 

「まずいですね。仮面とマントを調達して城を抜け出し、どうにかブラッド君達に合流して功績を上げようと思ったのに、予算申請はあっさりと却下。このままだと私1人が廃嫡されたまま取り残されてしまいます・・・何とかして私も功績を上げないと・・・」

 

修学旅行の準備のために、人がまばらにしか歩いていない学園内の廊下を歩きながら考え込むジルクであったが、ふと視線を上げた教室の、壊れたドアを見て閃いた。

 

「そうです!オフリー家の討伐部隊に参加すれば、きっと功績を上げられるはずです!」

 

そのドアは、学園祭で、亜人の使用人集団と、とある男が大乱闘を繰り広げた末に破壊されたドアである。

そして、タイミング良く近くの窓から見えたのは、一人で亜人の集団を魔法と暴力で血の池に沈めた、この国でも有名な男であった。

 

「おや?どうしてあの方がこんなところに・・・しかし、なんという好機・・・オフリーと言えば、あの方に頼むしかありませんね!」

 

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「・・・というわけなんです」

 

どういう訳だよ。

 

学園から、先日の学園祭で破壊された学校施設の修理費について話をしたい、というので、”若様が直々に出ていく必要はない”と止めてくる家臣達を振り切って僕はケモナー学園にやってきていた。

こっちに非はないと思っているが、大方、学園側もオフリーに請求しても、支払われる前に討伐されてしまいかねないから、先に僕の方に話を持ってきたのだろう。

ちなみに、僕の方に請求すること自体が失礼だと怒る家臣もいたし、自業自得だとあざ笑う性悪眼鏡もいた。

本来なら、忠実な家臣たちの言うとおり、僕本人が出向く必要はないだろうが、個人的に我が母校ケモナー学園に問いただしておきたいことがあったから、ちょうどいい機会だった。

その話題とは、学園の教師が、オリヴィアさんがオフリーに嫌がらせを受けている現場を目撃したにもかかわらず、それを見過ごしたというものだ。

 

王国の将来的な変革のために、政治的な意図をもって入学させたこの世界の主人公であるオリヴィアさんを、リオン君が接触するまで放置しただけでなく、彼女への嫌がらせまで見てみぬふりをした。

学園の幹部は、オリヴィアさん入学の背景を知っているはずだから、そこを問いただしておきたかったというわけだ。

将来的にはあの乙女ゲーのシナリオのように、聖女となったオリヴィアさんの武力的なケツ持ちのポジションを僕は狙っているので、先にそういう実績を作る意味もある。

 

とはいえ、話し合いの結果としては、トカゲのしっぽ切りで、嫌がらせを止めなかった教員の解雇と、幹部陣の減給という、前世でも見たことのあるようなあっさりとした処罰で終わってしまった。

オリヴィアさんの取り扱いの件についても、学園側は何とも言えないので、王宮に聞いてくれと開き直られてしまった。

リアクションから推測するに、自分達は言われたとおりにやっただけだ、というスタンスなのだろうな。

そんなシリアスな気持ちでいたのだが、学園内を歩いていたところに、いきなり横から現れたジルクに足を掴まれ、頼みごとをされている。

 

「要するに、赤と紫の廃嫡が解かれて、水色と違って肉体的な強さもない自分だけが今のまま取り残されるのを危惧していて、その状況から脱却するために功績を上げたい、そのためにオフリー討伐部隊に参加したい、ということか」

「さすがギルバート様、話が早い。そのとおりです」

「そもそも、お前らの自業自得だろ」

「ぐっ!」

「そもそも、決闘相手の兄である僕に頼むなんてだいぶおかしい。筋が通らないだろう」

「ぐぐ・・・!」

「学生は学生らしく、修学旅行で思い出作りでもしてこいよ。何も考えずに遠くの浮島に行ける機会なんて、まともな人間は、学園卒業したらそんな暇ないぞ」

「そもそも、どうせマリエさんとは違う目的地なので、旅行の意味なんてありません」

「馬鹿王子の護衛でもしてろ!」

「そこは王宮から護衛が来るから大丈夫です!」

 

ジルクは、僕の足に全力でしがみつき、振り払おうとしてもガッチリとホールドしてきているせいで、ちっとも僕から離れていない。

 

「お前なんかが来ても、僕にも、うちにもメリットがないんだよ!」

「それはそうなんですけど、だから恥を忍んでこうしてお願いしているんです!」

「そもそもこれ以上、生き恥をさらすなよ。というか、嫌だよ。どうしてもって言うなら、アンジェの婚約をぶち壊したあの黄色い汚物の首を持ってこい!そしたら、討伐部隊の参加どころか、廃嫡取消も働きかけてやるぞ」

「それはできません!」

 

そこは即答かよ。

 

「よし交渉決裂だな。お話は終わりだ!帰れ!!!」

「帰れません!このままでは殿下の腹心としての立ち位置も危うくなってしまうんです!」

 

こうも開き直って保身を語られると逆に清々しく思えてくるな!

こいつ、腹黒と馬鹿の属性を併せ持っているのか!?

 

「お前の立ち位置なんて僕が知るかぁぁ!うちはお前らのせいで、危うくなるどころか、アンジェの婚約が解消になって、長年の苦労が台無しになったんだぞ!」

「私だって婚約解消になりましたよ!」

「お前のはお望み通りというか、自業自得じゃねえか!あ、そうか、お前ら婚約クラッシャーズは、何かを壊すのが得意だからオフリーもクラッシュしに行きたいのか?」

「ちょっと!さっきから私達に解消、解消って言ってますけど、むしろ、きちんと結婚が成立した家庭をあちらこちらで壊して回ってたのはどこのどなたですか!」

 

婚約解消を連呼されて少しイラついた様子のジルクが反撃をしてきた。こら、人のことを家庭の破壊者みたいに言うんじゃない。

確かに率先して、悪妻の家庭をぶっ壊~す!とばかりに、辺境の領地経営を蝕んでいた性質の悪い女達を排除してたけど!

でも僕はバーコード風なデザインのマゼンダ色仮面じゃないんだぞ!

淑女の森のやつらは、きっと、おのれギルバート!とか思っていたかもしれないね。

 

「あれは国のため、ひいては妹のためだ。お前らの暴走と一緒にするんじゃない」

「もう頼みますよ、もうギルバートさんしか頼める人がいないんです!」

「そもそも、僕を頼っていい側の人間にカウントするのおかしいぞ!まったく兄妹そろって僕に迷惑をかけやがって」

「え、兄妹?」

「僕に見合いの話が来たんだよ、しかも、よりにもよってお前んちの本家からだ。その上、側室でいいからもらってくれって、なりふり構わずときたもんだから僕も大変なんだよ!」

「え・・・ギルバートさん、大丈夫ですか?あの子、腹黒ですよ?」

「それは、お前が、他の人に対して最も言ってはいけない台詞だな」

「ホント、そのとおりですよ。妹の足を引っ張って楽しいですか、屑兄?」

 

横から聞こえてきた聞き覚えのある女の子の声がした方向に、僕とジルクは振り向いた。

予想通り、先日、僕が王宮内の曲がり角で衝突事故を起こしそうになったところを助けた、緑色の髪をツーサイドアップにまとめた女の子がジルクをジト目で睨みつけている。

自分への嫌悪を込めた視線に、目を逸らして上下に動かしたジルクだったが、しずかに息を吐いて気持ちを整えると、妹の名前を呼ぶ。

 

「ジュリアですか。ここは学園ですよ、どうしてあなたがここにいるんですか?」

「ギルバート様を尾行してたんです。せっかく運命的な出会いを演出できたのに、人の恋路を邪魔するようなら馬に蹴られて泥沼に沈んだまま浮き上がってこないでください」

 

尾行してたのかよ!悔しいことに全く気付けなかったぞ。この子、アトリー家のストーカー女と仲良くなれる素質があるんじゃなかろうか。

というか、先日のおしとやかぶったブリっ子ちゃんのしゃべり方は姿を消して、やさぐれたような雰囲気すら出している。やはりこういった他者の心をえぐっていくような話し方が本性だったか。

 

「おや、先日のお淑やかな素振りはやはり演技だったのかな、ジル子ちゃん」

「ジュリアです~そこの屑のせいで、猫を被っても意味がなくなってしまいましたからね~改めまして、僕がジュリア・フィア・マーモリア。残念ながらそこの緑虫の妹です」

「初めは驚いたが、ネタとしてはまぁまぁ面白かったよ、とりあえず、いい子だからそこの婚約解消軍団その2を連れて帰ってもらえるかな?」

「やめてくださいよ、そんな悪意のあるグループ名!」

 

文句の多いやつだな。馬鹿王子の腹心がお望みだって言うから、番号は2番にしてやったというのに。

 

「えー!もうちょっと僕とお話しましょうよ、ギルバート様の未来の2号さんですよ」

「そろって2番手をご所望とはさすが兄妹だね。だが、あいにくだけど、この話は無しだ。君みたいな子供を嫁にするほど悪どい貴族になったつもりはないんでね」

「数年もすれば、僕だって出るところは突き出して、きっと色気と可愛らしさが背徳的に同棲しているいい女になりますよ!それを好き勝手できるんだから、青田買いするなら今ですよ?」

 

ジル子ちゃんが、ウインクしながら、まだ幼さの残るフォルムの体をくねくねさせるが、まったくそそらない。

というか、そんな青田買いは、人としてやってはならない行いだと思うのは、僕の価値観が前世由来だからだろうか。

 

「価値観が違うね。僕は、地味でも性格のいい子と一緒になりたいんだ」

「いいえ、きっとギルバート様には、人を欺いて高笑いできるくらいの腹の座った女が似あうはずです!」

 

僕にお似合いなのは性格破綻者だとこの子は思っているのだろうか。

 

「だって、ギルバート様が国境沿いで屑女達を消してたのって、結局はアンジェリカ様を支える予定だった公爵家やご自分の首が締まらないようにするためですよね!?僕、自分のためなら平然と他人を蹴落とせる腹黒さを感じて、この人なら尽くしてもいいかなって考えたんです」

 

一面的には真実を見抜いている辺りは、さすがジルクの妹といったところだろうか。

だが、僕のことをずいぶんと酷い人間だと思っているようで、そこがどうにも悔しい。

 

「勘違いは困るよ、王国のために尽くすのが家臣としての務めさ」

「それにギルバート様の2号さんなら、周りの女達は、むしろ政略的な背景じゃなくて、僕に愛があるから側室にしたって思う人が出てくるんですよ。そうすると、爵位だけ立派な家の女達にもマウントが取れるから、学園でも、貴族社会でも一気に楽できるじゃないですか~」

 

ゴミみたいな女どもの腐った嫉妬をぶつけられるという負のオマケもあるような気がするが、それよりもこの子は今まで貴族社会でどんな目にあったら、ここまで考え方が歪むのだろうか。

なんか愚痴くらいは聞いてあげたほうがいいのだろうかとすら思えてくる。

 

「もっと恋愛に恋とか愛があるって夢見てもいい年頃だと思うけどね。それに、社交というものに背を向けてる僕にそれだけの価値があるとは初耳だ」

「そりゃ以前は、公爵様とアンジェリカ様に社交を押し付けて、自分は好き放題やってると陰口を言う人は多かったみたいですけどね」

「仕事熱心な男といってほしいね。その辺りはジルクもよく知っていると思うんだが」

「パーティーやお茶会が好きな女性達には理解されませんよ。ですけど、辺境の屑女達を次々と粛清して、決闘騒動の後は、強大なロストアイテムを持つバルトファルト男爵と親しくしたり、学園祭ではオフリーの専属使用人達をまとめて血の池に沈めたり、空賊を討伐したりと、ギルバート様の武勇伝はとにかく目立つんです」

「後半は、ほとんどリオン君がすごいっていうだけのようにも聞こえるけど」

「ここの屑兄達の心も体も、下手したら立ち上がれないくらいにまで叩き潰したバルトファルト男爵もすごいですけど、その男爵すら抱え込もうとしているギルバート様の女というだけで、嫉妬されたとしても報復怖さに、周りの女達は下手に手出しできないって判断するはずなんです」

 

まるで僕をフロント団体の背後にいるケツ持ちの反社団体のように言うのはやめてほしい。

ん?でも、聖女になった主人公様のケツ持ちになるのを目指しているという意味では、公爵家を武力的な後ろ盾にさせようとはしてるともいえるか。

ただ、このジル子ちゃん、やたらに他の女達への対抗心が強いな。

 

「そこまで考え方が曲がるって、きっと君もそこの屑のせいで苦労をしたんだろうことはわかった。愚痴くらい聞いてあげるから、もうお家に帰りなさい」

「それなら私ごともらってくださいよ~さっきも言いましたけど、他の女への優越感をくれるギルバート様のためなら、僕も尽くしますんで。お望みなら、恥ずかしいですけど噂に聞いたアレだってやりますよ」

「え?」

 

嫌な予感がする。待て、それ以上は口にするのはやめるんだ。

 

「本家の人から聞いたんです、ギルバート様は自分の女に、その・・・裸エプロンを強制して辱めるのがお好きだって・・・」

 

ちょっと待てえぇぇぇぇぇぇ!!!!なんでその話が出回ってるんだよ!しかも、微妙に尾ひれが増えてるぞ!

あくまで合意の上で、相手がちょっと恥ずかしがっているから楽しいんじゃないか!

辱めて楽しむなんて歪んだSっ気持ちみたいに言っちゃいかんですよ。

というか、話を広めた犯人は陛下とローズブレイドのどっちだ!?クソ!どっちも怪しいから困る。

 

「そんなガセに踊らされてはいけないよ」

「いいんです!僕も実家に言われて覚悟は決まってます!」

「それ言ったのはお見合いを断るための方便だから本気にしちゃダメだよ!?」

 

顔を真っ赤にしながら、ドンと小さな胸を張るジル子ちゃんことジュリア嬢に、必死にその情報が真実ではないことを伝えるのだが、なかなか伝わらない。

しかも、ここで横にいて黙っていた元祖腹黒が口を挟んでくる。

 

「そうですよ、ジュリア!この方の悪辣さがそんなもので済むはずがありません。お前の手に負えるような方ではないのですから、諦めなさい」

 

おい!間接的に僕をディスるんじゃない!

 

「決闘相手の身内を脅して爆弾しかけさせるクズに悪辣とか言われたくねえよ」

「そうですよ、顔だけだったり、貧乏な辺境貴族の正妻やるくらいなら、ギルバート様みたいな破壊の象徴みたいな武力を持った方の愛人になるほうが、はるかに僕には利益が大きいんですから邪魔しないでください」

 

・・・お前ら兄妹は本当に僕のことを何だと思っているんだ。

 

「おい、ジルク。もうこの子、連れて帰って。頭が痛くなってくる」

「それは話が別ですよ。お願いですから、私をオフリー領に連れてってください!」

 

なんか前世のスキー場の広告にある宣伝文句みたいなフレーズだな。

ん?そういえば、こいつは決闘のときにカスタマイズされた高性能機を使っていたよな。

連れて行けば、性格はともかくとして、間違いなく戦力にはなるか・・・よし、いいことを閃いたぞ。

 

「お前が決闘で使ってた専用の鎧、修理はもう終わってるのか?」

「ありがとうございます!連れてってくださるのですね!」

「条件がある。それをお前が達成できたら、というのでどうだ?」

「私にできることならなんでもやります!」

 

ようし、乗ってきた。

無駄に有能なこいつを上手く使ってやる。あれ・・・思考がだいぶ陛下と似通ってきたな。まあいいか。

 

「あのマリエという女の話は別として、決闘騒動でマーモリアがアンジェに楯突いたことは、お前がオフリー討伐作戦に、専用の鎧で参加することで手打ちにするよう父上に話を付けてやる」

 

この僕の発言に、ジュリア嬢が自分の状況を瞬時に把握したらしく口を挟んでくる。

 

「え!それダメです、僕の婚約はどうするんですか」

「マーモリア家の禊は、この屑男が体で払うから、罪もない女の子が犠牲になる必要はなくなる。よかった、これで世界はまた一つ平和へと近付いただろう」

「いやいやいや、せっかくこの屑のせいで肩身が狭くなったのを解消できると思ったのに、僕の計画が台無しになっちゃうじゃないですか!?」

「そうですよ、ジュリア。あとはこの兄がなんとかします。ギルバートさんの手をこれ以上煩わせてはいけませんよ」

「ふざけんな、この屑兄!」

 

性悪な本性をさらけ出し始めたジュリアちゃんを脇に抱えて、ジルクは高笑いしながらこの場を去っていく。

よし、作戦通り、うまくいったぞ。

あとはジルクが実家を説得してくれれば、高性能な専用機が戦力になる上に、婚約話も無しにできる。

 

「おい、ジルク。討伐部隊と言っても、主要人物は捕獲しないといけないんだから、決闘のときみたいな重火器ばっかり持ってくるなよ」

「っ!・・・・わかってますよ!」

 

こいつ、言わなかったら、ありったけの火器を持ってくるつもりだったな。

まあいい、精神的に色々と疲れたが、こいつが頑張れば、僕のメリットも大きい。

一息ついて、時間を確認すると、屋敷に戻ってもまだ夕食の時間には早そうだ。

・・・気晴らしに、王都のダンジョンの浅いフロアで小銭稼ぎしながら、時間でも潰すとするか。

 




没ネタ供養
兄上様「特待生の件、どういうことかしっかり説明してもらいましょうか!アンジェが苦しいときに傍にいたあの子を見捨てようとした落とし前、どう付けてくれるんですかあぁ!?場合によっては、うちも黙っちゃいませんよ!」
マナー講師「ミスタギルバート、あまり強い言葉を使ってはいけませんよ・・・弱く見えるぞ?」
兄上様「なん・・・だと・・・?」

悪乗り風な次回予告

ジルク兄妹の対応で溜まったストレスの発散に、ダンジョンにやってきたギルバート。
だが、その前に現れたのは、大量のモンスターに追われた小柄な少女とエルフの2人組であった。
モンスターを蹴散らしたギルバートだが、助けた少女の正体は・・・
次回、宿敵との遭遇にレッドファイト!
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