乙女ゲー世界は悪役令嬢の身内にも厳しい世界です   作:りーおー参式

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兄上のせいで余計に顔色悪くなってそうなフランプトンおじいちゃんを書くのが楽しい


第63話 ヒロイン(♂)救出大作戦

この乙女ゲー世界の主人公がオリヴィアさんなら、攻略対象であるリオン君はヒロイン的な位置付けになる。

そうだとすれば、現在は、主人公によるヒロインイベントが始まる可能性・・・命がけで助けに来た出来事を経て、二人の距離が縮まるというやつだ。うん、あると思います!

・・・なんだか前世のバラエティ番組に出ていた猥褻な詩吟を歌うコメディアンみたいな言い方になってしまった。

まあ、気分を取り直し、公爵家の屋敷に戻ったわけだが、パパ上は不在だったものの、屋敷の中ではけっこうな騒ぎになっていた。

何が起こっていたのかは既に伝わっていたようで、アンジェ命の腹黒メガネメイドと第三騎士団の連中は予想通り大荒れだった。なんなら、今からでも神殿にカチコミをかけそうな勢いだ。

「気持ちはわかるが、今から神殿に乗り込んでもあのクソ女はダウンしてるだろうから、突撃するだけ無駄だよ」

「そんなことを言っても、あの汚物・・・よくもアンジェリカ様にあんな仕打ちを・・・!って若様?その格好は・・・」

「僕の妹が売られたケンカを、色を付けて片っ端から買ってきただけだよ」

「医療班~!!誰か、医務室から早くドクターを連れてこい!」

「若様が即座に報復をしかけてお帰りになったぞ!早く治療と宴の準備を!」

僕の流血やら返り血で真っ赤になった姿を見て、若干我に返ったらしい。だが、僕がこんな姿で帰って来たものだから、即、医務室送りにされてしまった。

いや、報復戦が終わってすぐに宴の準備って、君らはどこの麦わら帽子系海賊団だよ。

そんなわけで、医務室の奥で、実家お抱えの医者や回復魔法が使える魔術師による治療を受けていると、コーデリアがオリヴィアさんを連れて部屋に入って来る。

「ご苦労だった。もう仕事に戻ってかまわないぞ、コーデリア」

「若様の下に、貴族の身分のない若い女性を置いたまま帰るとでも?」

「リオン君・・・いや、バルトファルト子爵にくっつけようとしている相手に、手を出すわけないだろう」

「若様の下半身事情を信用できるように実績を積んでからおっしゃっていただきたいですね」

実家のメイドから寄せられる、僕の下半身に対する評価があまりにも酷い。

とはいえ、今はこの話を掘り下げている場合じゃない。とりあえず気を取り直して、連れてきてもらったオリヴィアさんのほうに目を向ける。

「オリヴィアさん、リオン君を助けたいという気持ちは変わらないかい?」

「はい」

「彼は今、王宮内の牢屋で身柄を拘束されている。残念ながら、我が家の現在の政治的な影響力は、大きく落ちていて、お行儀よく助けることは難しい状況だ。だとすると、少々荒っぽい手を使うことになる。公国の連中との戦闘で見せたという力を使ってもらう可能性もあるけど、かまわないかな?」

「私の力が役に立つなら」

「見張りはもちろんのこと、敵対派閥の人間も目を光らせているから、救出は簡単にできるものではない。裏で支援くらいはするけど、最悪の場合、リオン君と一緒に追われる身になる覚悟はあるかい?」

「・・・わかりました」

少し俯いていたのだが、目を大きく開いてオリヴィアさんがゆっくりと顔を上げながら答えた。

さすが主人公というか、なんというか、覚悟がガンギマリだな。

さて、実際に行動に移すとしたら、それなりにこちらの武力を動かす大義名分も用意しておく必要はあるだろう。

フランプトン派の一部が、僕に対する報復のために暴走してリオン君の命を狙っているという情報があった、みたいな話をフレームにして、いくらか肉付けをしていくか。

「オリヴィアさんの覚悟、理解したよ。準備に数日はかかるから、それまでは大人しく待っていてほしい。あと、この話はアンジェには秘密でお願いするよ」

ウインクしながら、立てた人差し指を口元にあてて、内緒だよというジェスチャーをしたのだが、オリヴィアさんにとっては、腑に落ちないようだ。

「え?どうしてですか?」

「リオン君の救出作戦は、僕が指揮する。言うまでもなく大きな危険が伴うから、妹を連れて行きたくない」

「・・・シスコン」

「・・・いやだなぁ、冗談だよ。公爵家の騎士や魔術師を王宮の人間に変装させて、潜り込ませる形で実施することになる可能性が高い。オリヴィアさんにもそこに紛れ込んでもらうつもりだ。でも、アンジェは王太子の婚約者として小さい頃から王宮に出入りしていて顔が割れすぎているから、潜入部隊に入れるのはデメリットにしかならない」

「それだとギルバートさんのほうこそ、顔がよく知られているんじゃ・・・」

「僕は、良くも悪くも色々な用事で普段から王宮に出入りしているからね。王宮内を歩いていたって、そこまでおかしな話にはならないさ」

「でも、そんな簡単に私が紛れ込めるんでしょうか・・・魔術師の人が着るような服とか杖なんて、高くて持っていなくて・・・」

「大丈夫、それなら今すぐにだって用意できるよ」

「え?女性用のローブとか杖ですよね?」

「あるんだよ、それが」

首を傾げて、僕の言っていることが理解できない様子のオリヴィアさんがちょっと可愛いな。

一応、彼女の言うことは正論だ。なぜ僕が、魔術師の女性が身に付けるようなものを、今すぐに用意できるのか。

公爵家のボンボンだから、少し時間があれば、色々と理由を付けて調達できるだろうが、普通はそんなすぐには手配できない。

だが、僕は自分の服がしまってあるクローゼットを開き、その奥に少々乱雑に服を重ねて山になったところに手を突っ込み、その中からやや大きめの紙袋を取り出した。

袋の中には、買ったときに包装された状態のまま、やや折り目が強く付いてしまってはいるものの、一切の汚れもない、淡い水色のローブと同じ色のリボンが巻かれた黒地の三角帽子が入っている。

それを見て、しばらく何かを考えていたオリヴィアさんが、何かに気付いたかのような表情を浮かべ、その目元が引き攣りだした。

なぜドン引きされているのだろうか・・・まさか、僕が女装してコスプレに使ったものだと思われたのか!?

「色々と・・・やむにやまれぬ事情があってね。大丈夫だよ、使ったことのない新品だから!」

必死に釈明する僕なのだが、オリヴィアさんの表情はドン引きなまま変わらない。

「それについては、私から説明いたしましょう」

「僕のプライバシー情報に配慮しろ、コーデリア。ってか、なぜ君が知っている?」

「数年前ですが、当家の使用人・・・外国の騎士家出身、要は公爵家と比べて、あまり身分の高くない者に若様が手を出しました」

ちょっと待てぃ!僕の質問は無視か!?

「手を出すとか言うんじゃない。お互い婚約者がいるわけでもないし、自由恋愛だろう。それに、どこぞの馬鹿なボンボンどもと違って、他の人に迷惑をかけてはいない」

「それなりの期間、若様はその使用人と関係を持たれていたのですが、若様が国境近くの浮島の監査の仕事で長期間出張中に、彼女は実家の都合という理由で当家を離れ、国に戻ってしまったのです。要するに、若様は捨てられたということですね」

腹黒メガネの口角がわずかに上がり、鼻で笑いやがった。僕のトラウマを蘇らせるんじゃない!

「あ!じゃあ、その人へ渡そうと思ってたプレゼント・・・あれ?でも、使用人ってメイドさんなら、ローブはおかしいですよね?」

オリヴィアさん、勘のいい〇〇は嫌いだよ。

「いい着眼点です。お見込みの通り、そのローブは元使用人のために買ったものではありません」

「コーデリア。その背景事情を説明する必要はあったか?」

「協力者であるこちらの方に、丁寧に説明をしようとしているだけです」

「だったら、どうしてギルバートさんがこんなものを?」

「元使用人は、若様の大のお気に入りだったようで、失恋のショックが大きかったのでしょう。傷心の若様は、寂しさから、今度は王宮内の魔術師に手を出したのです」

「ええぇぇぇぇぇ!?」

「しかも、今度は偽名まで使って口説いたのだから、非常に悪質です」

前世でも全くの偽名で不倫していた政治家だか候補者だっていたじゃないか。僕の場合は独身どうしの自由恋愛での話だぞ!

しかも、身分を高く偽ったならともかく、低く偽ったなら情状酌量の余地を認めてほしい。

実家の身分が超高い男が身分を偽って女の子を口説こうとするなんて、まるでどこかの薬物に詳しいキャラクターが主人公のストーリーに出てきた話みたいじゃないか。

何故かはわからないが、リオン君ならきっと理解してくれるんじゃないかと思うぞ!

「人肌が恋しかったんだよ、人間だもの。そんな男心もわからないのか、コーデリア?」

「そういう癒しは、きちんと婚約者相手にやれば済む話でしょう」

「政略結婚に癒しを求めるのは間違ってるんじゃないだろうか」

「政略結婚でも、仲睦まじくしているご夫婦全てに謝罪行脚をしてきてください」

「・・・話が逸れたね。まあ、だいたいはこの陰険メガネの言うとおりで、プレゼントしようとちょっと良い品のローブや帽子を買ったんだが、渡す前にまた長期出張になってしまってね」

「その隙に、若様の行動に気付いた公爵様が王宮内の人事部署に働きかけて、その女性を王家直轄の浮島に異動させたのです。ちなみに、異動のすぐ後に、良縁に恵まれ、今は、現地の代官夫人をしているようです」

結婚したのか・・・俺以外の男と・・・?ってリアルに呟いてしまったのを思い出してしまった。

「出張から戻ったら、またフラれていることに気付いたときは膝から崩れ落ちたよ」

「そのときの若様の様子ったら、なかなかの見物でしたよ」

「人の不幸を笑うなんて、可哀想な女だな」

「若様もたいがい他人の不幸を笑っている気がしますが?」

「五月蠅いな!まぁ、そんなわけで渡せなかったプレゼントがクローゼットの奥で眠りについていたというわけさ」

「捨てずにいるあたりに、若様の女々しさが垣間見えますね」

捨てるタイミングを考えていたら、色々バタバタしている間に存在を忘れてたんだよ。むしろ、今回の件で活用できる機会に恵まれたんだから結果オーライだろうが!

「・・・言いたいことは山のようにあるが、そういうわけだから、安心してこれを着て大丈夫だからね!」

「あ・・・ありがとうございます。ギルバートさんも早く相手を見つけて、みなさんを安心させてあげてくださいね」

オリヴィアさんの愛想笑いが、なんだかとっても心に突き刺さるね・・・

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「何だと!?もう一回、言ってみろ!?」

王宮内の一室で、初老の男が声を荒げさせながら、掌をテーブルに思いっきり叩き付けていた。

「レッドグレイブ・・・下劣公が、聖女やマーモリア、フィールド、セバーグ、アークライト家の4人と正面から衝突しました。その際、周囲にいた我らの派閥の子女、関係者も大きな被害を受けました」

「それだけではわからん!詳しく説明しろ!」

口から唾を飛ばすような勢いで喋る男、フランプトン派の首領であるフランプトン侯爵は、淡々と語られる報告を聞くにつれ、徐々に項垂れて頭を抱え始めてしまう。

弱体化したとはいえ、王宮内に未だに残るレッドグレイブ家の影響力を排除し、実権を確実に掴むためには、まだやるべきことは山積みだ。

そんな中で発生した前代未聞の衝突は、フランプトン派にとっても、不確定要素になりかねない。

特にレッドグレイブ家の影響力が低下したとはいえ、それは政治的なものであり、武力そのものは、王国でもトップクラスだ。

そこに、リオンから譲り受けたのだというロストアイテムの鎧まである。あの公国の黒騎士すら倒したリオンの鎧と同型機らしいので、それも合わせれば、まだ国内でも圧倒的な武力を持っていると言ってもいい。

そこに対抗するためには、リオンから接収したロストアイテムの鎧や飛行船の解析とコントロールが欠かせないにもかかわらず、それは遅々として進んでいない。

正面から武力で押しつぶせないのだから、レッドグレイブの政治的な影響力が弱体化している隙に、自派閥傘下の者達の足並みをそろえなければならないのである。

別の言い方をすれば、他のことにリソースを割くことは控えるべきだということだ。

そんな状況にもかかわらず、今回のようなことが起こったら、傘下の家がレッドグレイブへの報復に動いても不思議ではない。

否、報復に出ないほうがおかしい。そうでなかったら、舐められて終わりとなってしまいかねない。

しかし、今の状況下で下手に動いては足並みが乱れてしまい、フランプトン派の先々のことを考えればマイナスだ。

「レッドグレイブに報復しようとする者も出そうだが、今は動くなと伝えろ!」

「無茶です」

「レッドグレイブと武力でぶつかって勝てると思うのか?そもそも、敵はレッドグレイブだけではない。下手に動いては、その隙を王妃や大臣に突かれるぞ」

「ですが、メンツが潰れたまま、何もするなとおっしゃるのですか!」

「メンツのために動いてレッドグレイブに勝てるのか!?そもそも、聖女が何を考えてレッドグレイブにケンカを売ったのかは知らんが、なぜ他のガキどもがそこに同調した!?相手は仮にも公爵家の娘だぞ!?下劣公の話を知っていれば、一歩間違えばそこで戦争につながりかねないのに、何を考えているのだ!」

フランプトン自身も侯爵家の人間、つまり王家のスペアの1人として、領主貴族を意図的に弱体化させて中央集権的な権力構造への移行を目指すという、長期的な王国のビジョンを知っている。

だが、それは当然ながら国境周辺の貴族達の弱体化、ひいては国の安全保障を揺るがしかねないリスクを伴うことを意味しており、フランプトン自身も様々なルートで公国に接近し、外患を用いて権力を掴もうと考えていた。

これに水を差し続けていたのが、国境周辺の貴族の家に巣食う悪妻を、監査の名目で駆除し、自身の支持基盤に変えていっていたギルバートである。

当時の王太子の婚約者の兄という立ち位置で、王国の長期的な計画に水を差すようなことをするのは、将来的な私欲もあろうが、漏れ聞こえてくる噂の中には、重度のシスコンであることが原因というものもある。

フランプトンは頭の中でいくつかの出来事を思い浮かべる。

現に最近でも、一方的に婚約を解消した元王太子その他4名を、ギルバートの自身の配下と噂されるリオンを使ってボコボコにした決闘騒動、学園祭でのトラブルに端を発したオフリー家の討伐作戦、

妹の婚約解消の直接的な原因であるラーファン家出身の聖女との衝突など、騒動の中心には、ギルバートの妹であるアンジェリカがいたと見ることは可能だ。

そういえば、最近でもアンジェリカを人質にしようとした公国の艦隊の中にいた黒騎士と、ギルバートが生身で殴り合いをしていたのを実際に目の当たりにした。

まさか、国王や公国の王女も臨席する会で、あのような暴挙に出るとは思わなかった。つまり、ギルバートは、自分達の持つ常識を当てはめることが難しい危険人物というべきだろう。

そんな男が、聖女を通じてとはいえ、自派閥の子女とも正面からぶつかることになってしまった。

今後、やめろと言うだけでは収まらず、結局、レッドグレイブに報復をしかける者が出るだろう。

そうしたときに、そこに対する反撃としてレッドグレイブ家が、いや、ギルバートが侯爵派に武力衝突を仕掛けてきた場合、

リオンから接収したロストアイテムを使えないままのフランプトン派では、太刀打ちできない可能性がある。

そうだとすれば、傘下の者たちが振り上げた拳を下ろせるような成果が必要だ。

先ほどまで飲んでいたワインが、頭を抱えるフランプトンの視界に入ったとき、1つの単語が思い浮かんだ。

毒。ロストアイテム所有者がいなくなれば、プロテクトが解除されて、コントロールが可能になるかもしれないし、リオンの事実上の庇護者となっているレッドグレイブにとっても痛手になる。

その上、レッドグレイブ、特にギルバートへの痛手は、派閥傘下の家の者の溜飲を下げる効果もあるだろう。

これらを考えれば、リオンを消すことは一石三鳥の一手になり得る。

「ふふふ、はははは!」

「こ、侯爵!?どうなされたのですか?」

「ならば、バルトファルトを消せ。獄中にいるなら、理由はいくらでもでっち上げられる」

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ギルバートやフランプトンが次の行動に移ろうとしている頃、マリエを守ろうと奮戦したユリウスやジルク達は学園内の一室で再び今後のことを話し合っていた。

「おい、ジルク!お前、今、何て言ったんだ!?」

「バルトファルトを助け出しましょうと言いました」

「あいつには借りがあるとはいっても、どうして僕達が?」

「そうだ、マリエだって大怪我をしたんだぞ!」

学園内での大騒動の後、負傷したマリエは治療のために神殿に移送されたため、5人はそれを見送らざるを得なかったのであるが、今後の動きについて話していたところで、ジルクの言い出した案に残りの4人は反発していた。

「マリエさんを傷付けられたのですから、みなさんの気持ちもわかります。ですが、今回、マリエさんがギルバートさんの逆鱗に触れた結果、とうとう僕達では守り切ることができない事態となってしまいました。謎の仮面の男の乱入がなかったらどうなっていたことか・・・」

「怪しいことこの上ない仮面だったが、魔法の腕はたしかだったね」

「そ、そんなに変な仮面だったのか?カッコいいと言っている生徒もいたぞ?」

「いや、大事なのは仮面がどうこうではなく、マリエを守ってくれたということじゃないのか、ユリウス」

「でも、なんで鎧の頭部みたいなデザインだったのかはわからねえな。視界も悪くなるし蒸れるだろ」

「今はそんなことよりも、ギルバートさんが今後、再びマリエさんを消そうと動いてくる可能性があるということです。まだレッドグレイブ家にはバルトファルトと同じロストアイテムの鎧があるのを忘れていませんか」

ギルバートがマリエにとどめを刺そうとしたときに現れた仮面の男について話が広がったのを見て、ジルクは話の向きを戻そうとする。

「たしかに、あれを使われたら、俺達どころか黒騎士だって止められない可能性があるな」

実際に、公国が襲撃してきた際にリオンと黒騎士の戦いを目の当たりにしたクリスがつぶやいた。

「だが、どうしてその話がバルトファルト救出につながるんだ?」

「今回、本当にバルトファルトが公国と通じていたかはわかりません。ですが、陛下とギルバートさんの関係を踏まえると、彼が面倒を見ているバルトファルトが王国に害をなす、ましてや公国と手を組むというのは、腑に落ちません。ギルバートさんは、色々言われてますが、国のトップは陛下であるほうが都合がいいと考えていますから」

「・・・それって、王国としてはともかく、公爵家としてはどうなんだよ」

「都合が悪くなると、偉いのは親であって自分はボンボンだからと誤魔化すタイプですが、端的に言えば、野心よりも保身と安定を重視する人です」

「だとすると、今回のバルトファルトが拘束されたのは、反レッドグレイブが仕掛けた政治的抗争の一環という可能性が高くなるわけか。どうりで王宮内がピリピリしているわけだ」

戦争そのものを知っているわけではないが、ここしばらくの王宮内の張り詰めた空気に違和感を覚えていたユリウスがつぶやいた。

「じゃあ、ジルクが言いたいのは、俺達がバルトファルトを救出して、公爵家に恩を売り、マリエからは手を引かせるよう取引しようってところか?」

「そのとおりです、グレッグ君」

「でも、そんなに上手くやれるのかな?王宮内にも見張りや警備はたくさんいるだろう?」

「ならば、王族用の隠し通路を使うか。そこまでやって助けた、と恩を売りやすくなる」

「よし、じゃあまずは王宮内の警備状況を確認して、その隙を突く形で実行に移るとしましょう」

こうして、それぞれの三者三様の思惑が、リオンを中心に動き出そうとしていた。




兄上様が隠し持ってた衣装は、モブせかアニメの円盤購入特典に付いてるSSの冊子表紙でリビアが着ているやつです

というか、その表紙を見て今回のくだりを思い付いたという、、、
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