乙女ゲー世界は悪役令嬢の身内にも厳しい世界です   作:りーおー参式

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今季は、嘆きの亡霊、ワンパンマンみたいな続き物に加え、さいひととかいう超ダークホースが面白すぎて困る


第66話 ヒールとヒーラーは紙一重

王家の船とやらを使いたいとリオン君が言い出したり、陛下と王妃様の間に愛がないせいで王家の船が動かせないのではないかと僕が地雷を踏んでしまったせいで、会議は一時中断となってしまった。

その際、僕は、陛下の命令で、護衛役の騎士達と一緒に、リオン君をガードしながら、別室に案内し、陛下達のいる部屋に戻ろうとしていた。

アロガンツやパルトナーは陛下のほうでリオン君の手元に戻すよう手配したらしい。あの陛下のことだから、そう時間もかからないだろう。

なかなかに絶望的な戦力差で、公国やらフランプトン派の連中やらの相手をする以上、リオン君とは邪魔が入らない形で、一度、じっくり話をしたいのだが、

色々なことが起こり過ぎるせいで、2人で話をすることができていない。

王家の船とかいうロストアイテムが、あの乙女ゲーのシナリオ的に重要なアイテムなのかもしれないが、

どのように運用しようと考えているのか、とか、どうやって王家の船の存在を知ったのかなど、確認したいことだって山ほどある。

ただ、今は、リオン君は、今後の鍵をオリヴィアさんとともに握っている、追加コンテンツの攻略対象だとわかっているのは僕だけだ。

そして、王家の船とやらの使用が却下された結果、落ち込んでいるように見えるリオン君を励ましたいのはやまやまなのだが、

本来、その役目をやってもらいたいオリヴィアさんは、アンジェとともに別室にいるし、僕自身はこの後の公国対策をする会議に戻るように言われているため、じっくり話をする時間もない。

さて、どうしたものかと考えていると、王宮の中で見かけるのは珍しいが、つい最近、会ったばかりの人物がこちらに向かって歩いてくるのが目に入った。

丁寧に手入れされた髭をたくわえ、右目のみをカバーするモノクルをかけた、気品をまとった男。

着ている服だって華美とは言えないが、地味でもなく、絶妙な存在感があるその男は、パパ上以外では、この国で唯一の公爵様であり、先王の弟でありながら、あのケモナー学園で正体を隠しながらマナー講師をしている。

そして、つい先日の、僕とマリエ+愛に狂ったボンボン5人の大血戦を止めた人物でもある。

つい、目が合ってしまい、気付かなかったフリをするわけにもいかないが、気まずさもある。何を話せばいいのか逡巡していると、向こうから話しかけてきた。

「これはこれは・・・ミスタリオンの救出に成功したと聞きました。率直にお礼を申し上げましょう」

「色々と事態が動いたようでしてね。こちらの時計の針を進めなければならなくなりましたが、なんとか目的は達成できましたよ」

「彼が無事で何よりです」

そういえば、リオン君はこの人のことを師匠と呼んで、たいそう慕っていたな。

リオン君を奮い立たせる、とまではいかなくても元気付ける方法を考えてみるのだが、

連邦軍に軟禁されていた天パなニュータイプを戦場に引き戻した某〇ルトーチカ女史のように

女を使って奮起させることができる知り合いはいないし、そんなことをしたらオリヴィアさんどころか、アンジェにも恨まれそうだ。

一方で、尊敬する人物からの話であれば、リオン君の精神状態を、少なくとも前向きにはできるかもしれないね。

「ですが、公国をどう迎え撃つか話しているところで、陛下を怒らせてしまいましてね。彼は豊富な実績があるとはいえ、まだ学生の身。少々、こたえているようです」

「・・・私に彼を激励してほしいと?」

「直接的な物言いを先王弟である公爵にするのは無礼かと思いましてね・・・」

この後も少し時間を空けてから、また公国対策の会議が始まるので、いつまでもこの場にいることはできない。

「かまいませんよ。いずれにしても私はミスタリオンのところに行くつもりでしたので」

「こんなに早く先日の借りを返されることになるとは思いませんでしたが、リオン君のことをよろしくお願いしますよ」

「言われるまでもありません。彼は私のことを師匠と呼びますが、私にとっては趣味を同じくする友人なのですから」

ひとまず、これで最低限のリオン君のケアはできるだろう。この土壇場でリオン君に戦う意思が戻れば、公国戦にプラスになることは間違いない。

ただ、王国として、まだ学生に過ぎないリオン君にどこまでの重責を担わせるべきかは慎重に検討しなければならないだろう。

身も蓋もない言い方をすれば、僕たち大人がもっとちゃんとしろ、ということだ。

彼が(おそらく追加コンテンツの)攻略対象であるがゆえに、ご都合主義な因果経過を辿るのかもしれないが、大人が何もしなくていいわけじゃない。大人には大人の責任がある。

そのときの僕は、こんな感じで殊勝なことを思っていたのだが、そんな思考を若干後悔する出来事が待っているのを、当時は予想もしていなかった。

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会議室に戻った僕だったが、そこにいたのは、先ほどまで在室していた陛下や王妃様、パパ上にバーナード大臣等のリオン君に敵対的ではないメンツだけではなかった。

フランプトン派を除いた武闘派の貴族に、王国軍の上層部が勢ぞろいしている。議題は、王都に迫ろうとしている公国の艦隊にどう対処するかについて以外にないだろう。

部屋の片隅には、負傷しているのか、包帯を頭に巻いた軍人が数名ほど着席している。おそらくは、マリエとともに公国軍を迎撃しようとした王国軍の生き残りなのだろう。

ふと考えたのだが、パパ上がレッドグレイブ公爵として、この場に参加しているのであれば、単なるボンボン息子に過ぎない僕がいる意味はないんじゃなかろうかという気がしてくる。

なぜだか、リオン君を別室に案内しようとしたときに、陛下からは、会議に参加するよう言われたのが気になっていたのだが、会議が進むにつれて、その意図がはっきりした。

会議は、まず、マリエと共に生還した王国軍の生き残りによる公国軍の規模や構成などの報告から始まった。

公国軍の数自体は、絶望的とまでは言えない程度のようだが、問題なのは、周囲を固める数えきれないほどのモンスターの大群、そして、超大型と呼称された飛行船の何倍もの大きさのモンスターだ。

超大型であるが故の質量とリーチの長さだけではなく、攻撃を加えて損傷を与えても、そう時間もかからずに再生するという生命力がやっかい極まりないとのことだ。

モンスターは、公国の王家に伝わる魔笛と呼ばれるロストアイテムにより召喚されている可能性が高いらしい。

先日、アンジェやリオン君が乗っていた飛行船を襲撃した公国の艦隊を指揮していたヘルトルーデ王女も、魔笛を使ってモンスターを操っていたそうだから、公国には複数の魔笛があったのだろう。

今現在、王国に迫りくる公国艦隊を率いているのは、ヘルトルーデ王女の妹であるヘルトラウダ王女という情報もあるので、魔笛を用いた部隊編成という説はほぼ間違いないとのことだ。

そして、これらの推測を踏まえ、どのように対策するか、という話になったのだが、そこからの話が何時間にもわたって紛糾した。

全面降伏というような話は出なかったものの、領土の一部を分割譲渡するくらいの案はいくつも出たくらいだ。

さすがに、相当程度まで王国内に深く攻め込まれている時点で、そんな生半可な対応をしても公国軍は引かないだろうという話になるのだが、

一方で、徹底抗戦の案が出ても、ネックになるのは、ダメージを与えても再生するという超大型の存在をどのように仕留めるかについてだった。

そこからは、超大型への対策を軸に、延々と議論が交わされるのだが、案も出尽くしたところで、行きついたのが、超大型を意図的に無視して、特攻まがいの艦隊突撃を行い、ヘルトラウダ王女を捕縛して超大型を消させる、

又は旗艦ごと魔笛を破壊し、超大型が消滅することに期待する、という半ば願望込みの戦術だ。

当然ながら、超大型を無視するといっても、向こうはこちらを攻撃してくるだろうから、話はそんなに簡単には行かない。

リオン君の救出の準備・実行で僕も疲れていて、頭の回転がだいぶ鈍くなっていたせいか、この時点でようやく、パパ上とは別に、僕自身がこの場に出席させられているねらいに気付いた。

陛下や大臣、武闘派の貴族らの視線が僕に集まっている。ちなみに、パパ上は、目をつぶって腕を組み、椅子の背もたれに体を預けながら、とても不愉快そうな表情を浮かべていた。

「・・・僕に、リオン君から譲り受けた鎧で、超大型を引き付けろ、と言いたいわけですか」

話は理解できる。納得は到底できないけど理解だけはできる。

おそらくリオン君が、フランプトン派に拘束されたりしていなければ、この役割を彼にやらせるという案が通ったかもしれない。

しかし、フランプトン派が、露骨に冤罪を被せて、王国への不信感をリオン君に植え付けてしまった手前、超大型を引き付けるというような危険極まりない重要任務を任せることは難しい。

公国艦隊の突撃を仕掛けたところで、王国への恨みを晴らすべく、公国側に寝返るリスクだって十分考えられるからだ。

そうなると、超大型の相手として、リオン君と同じ型の鎧であるアロガンツ・ブロスを使える僕に、白羽の矢が立つのは無理もない話だ。

なにせ、リオン君の駆るロストアイテムの鎧であるアロガンツをまともに損傷させることができたのは、同じくロストアイテムである物質で作られた大型の剣を持った黒騎士の鎧だけだし、

アロガンツ・ブロスを損傷させたのは、ラーシェル神聖王国がもたらしたと思われる魔装というロストアイテムの化け物だけだ。

200隻もの大艦隊を壊滅させた超大型の相手ができるのは、リオン君か僕しかいないと、お偉いさん達が考えるのは、至極真っ当な判断だと思う。

ただ、多くの貴族や軍人が、僕の方を見ながら、腕を組んだままのパパ上をチラチラと見ている。

仮にも公爵家の跡取りに、とんでもなく危険な役割を担わせようとすることを後ろめたく思っていることは確かなのだろうね。

ただ、陛下だけは、普段のちゃらんぽらんな表情を一切浮かべることもなく、僕のことをじっと見ていた。

良くも悪くも、付き合いが長いので、心中の想像はできる。もう、他にはどうする手段も残っていないから、頼む、というところか。

「陛下も酷なことをおっしゃいますね。ですが、困ったことに、僕の鎧はまだ修理から戻ってきていません」

「お前の鎧は、バルトファルト子爵の実家での改修が終わって、現在、子爵の父であるバルトファルト男爵が王都に向かって輸送中とのことだ」

僕だってまだ聞かされていないことを、どうやって、いや、いつの間に確認していたのだろう。

というか、先手、先手を打って色々と調べていたということなんだろうが、随分と手広くやっていたということか。

「し、しかし、超大型とやらを相手にできるかわかりませんよ」

「別に撃破しろとは言っていない。バルトファルト子爵のロストアイテムを除けば、他のどの鎧や飛行船よりも火力、耐久力があるのは、お前の機体だ」

「それであれば、僕が公国艦隊の旗艦を沈めれば・・・」

「今の戦力では、旗艦に近付く前に、超大型を始めとしたモンスターどもに、こちらの艦隊が壊滅させられるのが関の山だ。公国艦隊の相手は、我々のほうで行うつもりだ」

「陛下が自ら出るつもりですか?」

「お前に囮をやらせるんだ。不本意だが、それくらい体を張らないと格好がつかんさ・・・いや、ここまで追い詰められたんだ。私自らが出なければ、他の者がついて来ず、突撃艦隊すら編成できない、というのが正しいか」

この状況・・・冗談抜きにマズいようだ。

あの陛下が・・・普段は全く仕事をやる気がなくて、格好よく振る舞えるときにだけ、そんな雰囲気を出して仕事をしてるフリをする、ローランド・ラファ・ホルファートが、取り繕うことをやめているだと!?

つまり、今の状況は、そんな格好付けができないくらい切羽詰まったものだということだ。

あと気になったのは、先ほどからみんなが視線を向けるにもかかわらず、不自然なほどに沈黙しているパパ上だ。

「父上も、同じご意見ということですかね?」

「積極的に賛同しているわけないだろう。だが・・・だが、この案より成功率が高い案が無いことも事実だ。それに、陛下も言うように、目的は超大型の撃破そのものではない」

右の掌で鼻から上を覆い、パパ上が大きなため息をついた。

結局、権限の大きさという話になれば、当たり前だが、陛下の意向が優先だ。

また、他の貴族達からすれば、これまで陛下の腰巾着みたいなことをやっていた僕が、今になって命令を拒んだら、公国との決戦に向けて心を一つにすることはできないだろう。

僕の中でも、これは断り切れないだろうという思考が頭の中で大きくなっている。

「少し時間をいただけますか」

「わかった。この続きは明日にしよう。今日は下がってかまわない」

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会議を終えて、屋敷に戻ったときには、夜も随分と更けていた。

自室で食べることも考えたが、なんとなくだが、他の誰かがいるところで食べたいと思い、騎士や使用人らが使う食堂に足を運んでいた。

遅い時間だったせいか、利用者の数は多くなかったが、それでも人が何か話していたり、調理に伴う音が聞こえてくるおかげで、突き付けられた生還率の低いミッションのことを考えずに済むことが幸いに思える。

「空いた食器はお下げしてよろしいでしょうか」

食事を終えて、席を立とうとすると、不意に後ろから声がかかった。

「今日は遅番だとは知らなかったが、給仕は君の仕事ではないと思うぞ」

振り向いた先にいたのは、我が公爵家の関係者の中でも我が妹のアンジェリカガチ勢筆頭であり、あるときは味方、またあるときは嫌味を浴びせてくる宿敵な腹黒メガネメイドのコーデリアだ。

「いつにもなく、真剣な表情でお帰りでしたので。バルトファルト子爵の救出は成功したと聞きましたが」

「誰かが作戦決行をアンジェにリークしたせいで、公爵令嬢がカチコミに参加するという前代未聞の救出劇になったよ」

「アンジェリカ様はご無事なようで安心いたしました」

「僕は無事じゃなくてもいいように聞こえるのは気のせいかな」

「いつものように生傷はともかく、大きな怪我等は無さそうでしたので。ただ、その表情からして何かがあったのかなと思い、アンジェリカ様に影響は無いだろうか気になりましたのでお声がけを」

相変わらず、この女にとっては、アンジェ>>>>越えられない壁>>>僕、というような優先順位らしい。

周囲を見渡すと、タイミングが良いのか悪いのかは不明だが、一時的に食堂の利用者は僕だけだ。奥には料理人らがいるものの、大声でも出さない限り、聞こえることはないだろう。

まあ、それなら、事情くらいは説明してやるか。アンジェにも全く無関係というわけにはいかないだろうし。

「公国の艦隊が、王国の艦隊200隻を撃破して、王都に迫っている」

「え!?ま、まさか・・・」

珍しく、腹黒メガネメイドが驚いている。とはいえ、とっさに口元を両手で押さえて声が漏れるのを防ぐ辺り、性格はともかく、さすがのシゴデキだな。

「飛行船のほとんどは、その公国が引き連れている超大型モンスターにやられたそうだ。で、この話には、面白い続きがあってな」

「前半部分が、とてもではないですが、面白く聞こえないのですが・・・どのような面白い話が?」

「僕にその相手をするよう、陛下から直々に頼まれてしまったよ」

「若様が!?」

さすがのコーデリアも、目を大きく広げている。そりゃ驚いて当たり前だろうけど、普段の鉄面皮っぷりからすると、こんなに反応があると、面白さを感じてくる。

「声が大きいぞ、コーデリア」

「し、失礼いたしました」

「危険度が、今までの戦いとは明らかに違うだろうさ。生きて帰れる可能性はどれ程あるやら」

「ですが、どうしてその話を私に?」

「万が一のときは、アンジェにも影響が出ないとは言い切れないからね。それなら君には知らせておいたほうが、巡り巡ってアンジェのためになる。それに・・・」

「それに、何ですか?」

「たぶん、誰かと話したかったんだろうね。事前に、自分の生き死にに直面するのは初めてな気がするからさ」

「相手は誰でも良かったと。ま、まさか、生への執着が転じて、私のことをこのまま欲望に任せて慰みものに!?」

この性悪陰険メイドは何を言っているのだろう。

僕が責任を取らなければならなくなることをするとでも思っているのだろうか。

いや、確かに生きて帰れずヤリ捨てみたいなことは一般論としてあり得る事象かもしれないけど、それだと、生きて帰ってきたときに地獄を見るから、僕はそんなことは絶対にしないぞ!?

顔を赤くして、胸元を両手で押さえながら狼狽している姿を見ても、僕の全身のどの部分も、何一つ反応しない。

「僕は抱きたいと思った相手しか抱かない」

「・・・は?」

「いや、だから、抱きたい相手しか抱かないんだって」

「・・・」

なぜか沈黙して、赤くなった顔色が青白くなり、コーデリアは、僕のことを刺すようなジト目で見てくる。何を考えているんだろう。

「ま、一つだけ言えるのは・・・たぶん、僕にとって楽しかった頃の風景の中に、君もいたからだろうね」

「え!?わ、私がですか!?」

「今になって思えば、アンジェのために、監査で国中を飛び回りながら、王都に戻ってきたときに、元カノとイチャイチャして、仕事の疲れを癒してもらっていた頃が一番楽しかったんだ」

「・・・それに私がどのような関係があると?」

コーデリアは、目元をピクピクと動かしながら、使用済みの食器を片付ける作業を続けている。

顔色が赤くなったり、青白くなったりと、今日は感情表現が珍しく活発じゃないか。

「君はアンジェと一緒になって、僕が元カノとイチャイチャするのを邪魔しようとしてきたからね。だからこそ、逆に気持ちが燃えた気がするんだ。元カノはヒーラー、君はヒールとして、僕の人生を充実したものにしてくれたよ」

そうか、あの馬鹿王子を筆頭にした攻略対象連中も、決められた婚約ではなく、感情で惚れた相手との関係を無理に反対されたからこそ、逆にあのマリエにのめり込んだところがあるのかもしれないな。

それにヒール、つまり悪役っていうのは、ライバルや宿敵なんだから、ある意味で裏主人公のようなものだ。

僕個人には適宜、嫌味をぶつけながらも、長らく我が家に貢献してくれている腹黒メガネメイドに対して、最大限のプラス評価をしたつもりだ。

あれ?コーデリアが片付けようと握ったコップが粉々に砕けたぞ?

「お、おい大丈夫かい?ここはいいから、医務室に行ってくるといい」

「ソ、ソウデスネ。ショウショウシツレイイタシマス・・・」

コップを割ってしまって焦っているせいか、口調がカタコトになっていたな。なんだ、コーデリアにも、可愛いところがあるじゃないか。

それにしても、少し気持ちが楽になったな。それじゃあ割れた破片を始末して、風呂入って寝るとするか。

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翌日、気持ちが楽になったのもあって、安定した精神状態で、王宮に赴き、午後からの会議に参加しようとしたのだが、一晩の間に事態は急展開を迎えていた。

会議が始まって早々に、王妃様から、フランプトン派を一掃しつつ、リオン君を総司令にした上で、王家の船の起動を試みる、という案が出され、あっという間にその案が可決されてしまった。

あまりの事態の急展開に、あっけに取られてしまったが、昨日までは否定的だった王妃様がこんなにもリオン君を前面に出そうとするとは思わなかった。

本人の意思に反して、まだ子爵に過ぎないリオン君を総司令にするということは、本人からの申し出があったのだろう。

というか、あの先王弟の公爵様はどうやってリオン君をそんなにやる気にさせたのか。

それに、リオン君は、腹黒姫とも呼ばれる王妃様を、どうやって口説き落として、総司令に推薦させたのだろうか。

いずれにしても、なんか僕が一晩悩んで腹を決めたというのに、悩んだのが馬鹿みたいじゃないかと思いつつ、命拾いしたな、とか、

リオンきゅん、ありがとうとか、攻略対象ってすっげー!って思えてしまう自分の単純さがちょっと悲しい今日この頃だった。




ジガルデがあんなにカッコよくなる日が来るとは思わなかったぜぇ
そしてメガカイリューがめっちゃ上弦の2
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