転生したらセブルス・スネイプだった   作:ねば

21 / 28
まだ未来が未来であるうちに

あのクリスマスパーティは、ジェームズとリリーが死んでからどうしても暗い時代を過ごした彼らへのちょっとしたプレゼントだった。

 

特に、シリウスとハリーにとっては家族と過ごすクリスマスを楽しんで欲しかったし、同じようにリーマスやピーターにも朗らかな気持ちを思い出して欲しかった、ということもある。

 

我ながらとても気の利いた心遣いだ。そもそも、子どもたちの試験のためのお守りを新年が明けてから細々と作っている私のことである。

 

他の生徒に教えてもらったのだが、折り鶴にマニキュアのトップコートを塗ると丈夫になるらしい。カバンからも引っ提げられるアクセサリーになるのだからそんな感じに作ってみていた。子どもの頃からいろいろとこなしてきた器用さが手伝ってくれてとてもありがたい。

 

折り鶴に針で糸を通して、そのあとトップコートを塗る。シンナー臭いために部屋の換気は良くしてやっている。魔法薬の保存には地下は確かに向いているのかもしれないが、換気上、この場所はいかがなものなのだろうか。毒薬を調合するときはベゾアール石を口に含んでいなければ恐ろしくてやってられんぞ。

 

作業に一区切りをつけてふっと深くため息をつく。しかし、クリスマスが過ぎてしまえば、もう動かなければなるまい。シリウスのことが片付き、彼が回復してしまった以上、物事を引き延ばすことなど出来はしないのだ。

 

それに、私一人でできる前準備ももう終わってしまった。まったく、自分の優秀さが恐ろしくて仕方がない。今日の分の鶴を作り終わり、席を立つ。棚を一瞥し、そこに置いてある高価なティアラに布をかぶせたのだった。

 

 

 

ロンドンのとある一室。人目がなくこっそりと集まれる場所はギルたち兄弟がよく知っていた。そこには、私が声をかけた皆が徐々に集結しはじめていた。

 

全員が揃い、それぞれの間を私がとりなしてようやく本題へと移る。「こいつはいったい、今度は何を企んでいるんだ」と全員がある意味別の方向を覚悟し、期待をしている中で私はそれを裏切ることを言うのだろう。

 

「私が考えうる限りで最高の人材がこれで揃った。この中の誰か一人でも欠けてしまえば上手くいかないだろう。これから頼むことを私から強制はできないとは分かっているが、皆が受け入れてくれなければ決して成功しない」

 

十分の前置きをしてから、一度口に出してしまえば後には引き返せない言葉を絞り出した。

 

「ヴォルデモート卿を完全に討つために、皆の力を貸してくれ」

 

 

 

 

数日前、私はハリーとともに校内を歩いていた。

 

「スネイプ先生、バジリスクの毒ってそんなに高価なものなんですか?」

 

素朴な質問をしてくるハリーに私はいつも通り、つまりいつもの淡々とした調子で答えた。

 

「強力な毒はそれだけで強力な薬になる可能性を秘めている。ましてや、バジリスクはそれ自体に強い魔力を秘めている。ドラゴンの血と同等の活用法が見込めるだろう」

 

今のところは本当にそのように使う予定はないが、私の嘘の話に感心したような声をハリーが漏らす。秘密の部屋への通路を進んでいると、やがて蛇のエンブレムのある扉にたどり着いた。

 

「先生、ここも蛇語で開くようになっているんです」

 

「そうか。ではすまないがお願いしよう」

 

「はい」

 

ハリーは一歩扉に進み出る。私は彼の発するそれをしっかりと覚えるように息をひそめ、耳を澄ませた。シューシューと息の漏れるような音と、どこか一定のリズムを持った声が響く。

 

また後にちゃんと開けるように練習に来なければならないだろうな。

 

ハリーが後退すると、地響きのような音を立てて扉が開かれ、秘密の部屋が開かれたのだった。

 

 

 

皆が取り囲むテーブルに、私はドラゴンの革でできた袋を数個並べた。

 

「これが、バジリスクの牙だ。ドラゴンの袋に入れているがとても強力な毒が入っているために気を付けて扱ってくれ」

 

シリウスとリーマス。そしてピーターとクィリナスがその袋を取る。

 

「これでその分霊箱を破壊できるんだね?」

 

「ああ」

 

リーマスの確認に、私は短く答えた。後戻りはできないとわかりつつも、私は原作とは違う大きな計画に酷く緊張していたのだ。

 

ダンブルドアの計画ではヴォルデモートを討つのは予言の通りハリーなのだが、私はそれよりも先に計画を企てることにした。前にも言ったが、そもそも世の児童文学は子どもに無茶をさせ過ぎている。

 

それに物語の全容を知っている私なら、最初から必要な情報はそろっていて、ピーターが仲間になってくれた今、必要な人材も揃った。

 

「十分に用心するように。相手はただの物ではなく、あの闇の帝王の魂と呪いをまとっている。決して油断をするな」

 

説明をしている私の言葉は真剣だ。何度も考え、クリスマスが過ぎるまではと後回しにしてきたのは、これの成功率が全く分からないためだ。

 

これを皆に話すことに、どれだけ自問自答をしただろうか。原作通りなら私は何も手を回さなくていい。それに、ピーターが闇の帝王の元に戻る必要がなくなったため、彼が復活しないかもしれない。

 

そして何より、私の計画のせいで誰かが犠牲になったり、それどころか魔法界が破滅に進んだりするような未来を引き寄せてしまうかもしれないのだ。

 

けれども、だ。これまで私が手を回さないことで何度も原作と同じように進んでいく未来を見てきた。ピーターがここにいるとしても、この先放置すればまた決められた通りの犠牲者が出るかもしれない。

 

クィリナスが袋を手に、不安そうに呟いた。

 

「セブルス、君も知っている通り、私は一度闇の帝王に屈してしまっている。分霊箱が君の言うとおりだとして…本当に私がそれをできるのだろうか」

 

「私はそれぞれの適任者に頼んでいるつもりだ。クィリナス。君はその身をもって闇の帝王の危険性を知っている。私は君の経験と実力を信じている。手伝えることがあればいつでも言ってくれ。同行者にはレン君が志願してくれた。幻惑呪文が得意で、魔法界に面も割れていない」

 

レンがちらりと私を見、クィリナスに視線を向けた。クィリナスは戸惑いながらも頷く。他の連中と比べてリスクが高いものになるのはクィリナスだが、あのとき闇の帝王に取り憑かれていた彼の経験が頼りだった。

 

それぞれの役割については、私が個々に話を説明している。全体にはヴォルデモートの分霊箱について、ハリーの分の魂だけは隠して話した。そして、各自には私が割り振った分霊箱の回収と破壊の計画のかなり詳しい部分まで話している。

 

クィリナスがひとまずは納得したのを確認し、次は別の方向で心配の友人たちにと向いた。

 

「リーマスとシリウスは今言ったとおりだ。リーマスが動ける期間が限られるが…イースターの時期にするといい。二人の任務は必ずその友情が助けになる…。リーマス、シリウスが感情的になりそうな時はその賢明さで判断をしてくれ。シリウスはその思い切りでリーマスを助けてやってほしい」

 

シリウスはまだ不服という表情をしていたが、その目にはやる気の炎が見え隠れしている。ただ、私が彼らに対して不安なのは、そのグリフィンドールの気質なのだが。勇気にあふれているだけに、冷静であり続けることが難しい。しかし、リーマスなら私が繰り返し伝えた警告についてもしっかりと把握してくれるだろう。

 

次に見るのは、一見とてつもなく不安なコンビの二人だ。

 

「ピーター、ギル。君たち二人は、最も危険で、最も恐ろしい任務になる。だが、これも他と同様に君たちしかできないことだ。ピーター。私が伝えた君の長所を誇りに思ってくれ。それは君にしかできない。そして、ギルのことをちゃんと守ってやってくれ」

 

「ピーターさん、一緒に頑張りましょう~」

 

ギルが穏やかに元気づけるが、ピーターは顔が強張っている。

 

ピーターは基本臆病だが土壇場にはとても勇気がある。それに、危機回避能力に長けている。シリウスやリーマスはそのグリフィンドール気質ゆえに気づかず、ピーターも自覚がないであろうが、彼はじつは追い詰められると本領を発揮する。なにせ、騎士団を裏切ったり、シリウスを罠にはめたりしてそれを「成し遂げて」いる。

 

ピーターの罪が責められる要因の一つは、いざという時に自身を守るための行動力と、それを成功させてしまう能力のためだ。もし、ピーターが単に気が弱く、能力もない人間であるならばすでにあの時代に死んでいたか投獄されていた。そうであれば、時代に翻弄された一人として多少は同情されていたであっただろう。

 

そして、彼につけたギルは彼にとってパートナーであると同時に抑止力となるはずだ。ピーター一人だとどうしても心がうつろいやすい。ピーターは集団で追従する立場であることが多かったが、秋からは年下で人懐っこいギルに魔法も教えてきた。本来は優秀で顔も良いギルは弟分として申し分なく、手放すのは惜しいだろう。それに、ギルの目の前でまた道を間違えれば死が待つと言われた裏切りしかない。

 

「そして、ギルデロイ。君は私たち全員の希望だ。君自身が自ら危険に立ち向かう気持ちもわかるが、君だけは何があっても助かってくれなければ誰も報われない」

 

「セブルス、分かっていますよ!私が皆さんにこの力をお貸しできないことはとても残念ですが、ここは耐えてみせましょう。皆さんと、何より魔法界の未来のために!!」

 

機嫌よく残念がるギルデロイにシリウスが苦虫をかみつぶしたような顔をしているが、彼の重要性を理解しているために何も言わなかった。

 

当然、彼も私が重要だと思って引き込んだ一人だ。むしろ、私はかなり神経を使ってまで、彼に計画に加わってもらうように頼み込んでいる。昔から私はギルデロイを持ち上げて機嫌をよくすることを遊びとしていたのだが、今回のことはいつものようにあしらいながらもとても真剣に頼んでいる部分があった。

 

何せ、私たちのだれもが持ちえない『社会的信用性』を持っていて、魔法界の中で非常に影響力のある一人なのだ。

 

「君はその腕のこともある…。それに計画の全容を知っているのは私と君だけだ。私の身に何かあった時には皆に何をすべきだったかを伝えて欲しい。そのためにも君には無事でいてもらわないといけない」

 

「ええ、ええ」とギルデロイは鷹揚に頷く。彼もその道のプロだ。もしかすれば意味深げなことを言いふらすかもしれないが、決定的なことは最も効果がある最後の瞬間まで漏らしたりはしない。名声と売り上げが関わるとすれば守ってくれるだろう。

 

「それでは、みな、頼んだぞ。誰一人欠けずにまた会おう」

 

私の言葉に、それぞれ別の感情を抱きながら同じ返事を返してくれたのだった。

 

 

 

計画を話したのが新年の頃。捜索も必要となるピーターとギルのコンビ以外は実行に移るまでに時間があったため、それぞれの準備期間としてもらった。この間には、事前に分霊箱の情報を交換していたダンブルドアとの話し合いも含むこととなる。

 

 

そして、イースター休暇が終わる頃にリーマスとシリウスから報告が入った。

 

リーマスの任務はゴーントの家の指輪の破壊。スリザリンの末裔にしてヴォルデモートの隠された家ということで呪いを警戒し、そういったものに強く、慎重な彼に頼んでいた。彼一人の手に負えなかったとしても、シリウスが協力してくれただろう。

 

テーブルに、リーマスとシリウスから受け取った壊れた指輪と大きな傷がついたロケットを並べる。シリウスにはスリザリンのロケットの破壊を頼んでいた。

 

シリウスについては実家に行ってもらって屋敷しもべ妖精からロケットを受け取るだけでも良かったのだがな。弟のレギュラスの意思を知って欲しかったこともあり、わざわざ洞窟に向かわせた。それも、屋敷しもべ妖精に洞窟まで案内させるところからだ。シリウスは最初それをとても嫌がり、できるだけ穏便に済ませろと言っておいたにも関わらずに屋敷しもべ妖精に命令して案内させてしまったというのには困ったが。しかし、私が予想した通りレギュラスの形見で弟の行方を知り、あらためて屋敷しもべ妖精から分霊箱を受け取ったということだ。

 

シリウスにとって家のことと向き合わなければならないのは簡単なことではなかったであろうが、彼がロケットを破壊するまでにリーマスは親友の心を支え、正しい判断をするように諭し続けてくれたのだろう。

 

伝えていた蛇語でロケットを開いたときにどんな幻影を見たかはわからない。ことが終わったあとに無事だという連絡を受けた時点で私はとてもほっとしたし、全てを終えて再び見たシリウスは、以前よりずっと分別のある表情をしていた。

 

シリウスとリーマスからの知らせの後、私はすぐにクィリナスに連絡をした。それから一日も経たず、グリンゴッツが二度目の金庫破りにあったというニュースが魔法界中に流れた。

 

クィリナスが生き残ったのは私の意思ゆえのことだったため、全く想定していなかったのだが、今回、分霊箱破壊の協力者を考えていた時に彼のことが浮かんだ。クィリナスはヴォルデモートに取りつかれている時ではあったが、一度グリンゴッツを破っている。レストレンジ家の金庫にあるハッフルパフのカップを手に入れるのには最適な人物に思えた。

 

一度金庫破りにあったためにより厳重になった部分についてはサポーターとしてレン君を側につけ、いろいろと役立ちそうな魔法薬ももたせていた。無事に破壊されたカップはまだ送られてきたばかりで、それも机に並べる。

 

「次は、私の番か…。私もピーターにつなげなければならないな」

 

呟き、羊皮紙を広げてペンを手に取った。

 

 

 

次の日の夜、消灯時間が過ぎたあたりにハリーと待ち合わせていた8階の必要の部屋の前に集合する。ハリーは親友の二人を連れて透明マントを着てやってきた。

 

早いうちにシリウスが学校から離れた地域で目撃情報を出してくれたおかげで、学内の警戒措置も緩くなっていた。おかげでこうやって彼らを呼びだすことも以前よりやりやすい。

 

マントを脱いだハリーは緊張した面持ちと、少し暗い目をしている。ハーマイオニーとロンは彼からすべてを聞いていないのかもしれない。ハリーから透明マントを受け取りながら戸惑っていたが、明らかにこれから親友に起こることを知らない表情だ。

 

「それではハリー、準備はいいな?」

 

ハリーがこっくりと頷く。二人に「それじゃあ、ここで待っていて」と声をかけていた。

 

「スネイプ先生、僕たちも一緒に行ってはいけないんですか?」

 

「ロン、ごめん。僕が来てほしくないんだ。君たちはここで待っていて」

 

ハリーが辛そうに断る。ここは私が大人として上手く嘘をつくべきなのだろうな。

 

「すまない、蛇語のわかるハリーではないと見つけることが難しいものだ。だが、もし私たちに何かあった場合にはルーピン先生に伝えてはくれないか?」

 

「どうやってそれを知ればいいんですか?」

 

「…ひとまず、30分以内に出てくるようにしよう。それでも戻らなければルーピン先生を呼んできてほしい」

 

「分かりました」とハーマイオニーがしぶしぶ頷く。二人に頷いて見せ、私は必要の部屋を開く。ロンとハーマイオニーは突然現れた扉に驚くが、ハリーは先に起こることを考えてそれどころではないのだろう。私が声をかけると、静かに扉をくぐった。

 

 

大きな扉が音もなく閉じる。横に並ぶと彼の小柄さがよく分かった。ハリーもいくらか背が伸びたが、まだまだ伸びしろがありそうだ。

 

「大丈夫か、ハリー」

 

「…はい」

 

「来てくれたということは、手紙を読んだのだろう」

 

ハリーは小さく頷いた。そして、ポケットから小瓶を取り出した。

 

私があらかじめに手紙と一緒に送っていた小瓶の中の薬の色が変わっていることを確認する。

 

「大丈夫か、ハリー?これを私が飲めば、ヴォルデモート卿の魂が私にとりついた時、君に触れることも、傷つけることも可能になってしまう」

 

覚悟を問うために静かに声をかけた。

 

セブルス・スネイプの役割は、原作であってもハリーに最後の選択をさせることだったな。彼は死に際に自らの記憶を渡したのだが、私は少年にとても長い手紙を書いた。

 

はっきり言って、ダンブルドアがどこまでハリーに話していたかも分からず、私は彼にすべてを打ち明けることにした。

 

原作通りに話が進めば、ハリーが生き残ることはわかっていた。それにも関わらず、ここでは私がすべてを捻じ曲げて強行突破している。どんなに注意を払っていたとしても、零れ落ちてしまい最悪の結果になる可能性も、成功と同じ確率で存在する。

 

そんな生と死を分かつ状況となっていて、彼に何かを秘密にしてはいけないような気がした為だろう。ハリーとヴォルデモートに関する予言のこと、リリーの守りの呪文のこと、そして、ハリーを含めたヴォルデモートの分霊箱についてすべてを書いた。

 

ハリーが私を見上げてくる鮮やかな緑の目はリリーの目だ。あの珍しい赤毛と緑色の目は誰にとっても憧れで、私の自慢の友人の素敵な部分の一つだった。

 

「昨日、ずっと考えたんです。正直、怖いという思いはまだあります。けれど、僕は先生を信じていますし、他のみんなも頑張ってくれてるんでしょう?」

 

「ああ。だが、シリウスもリーマスも私が本当に何をするのかは知らない。互いの任務を話さないようにと私が決めたのだ。少しでも他のことに気がとられないようにと」

 

「スネイプ先生って意外と細かいところに気を使いますよね」

 

「知っているだろう。魔法薬学の調合は非常に繊細なのだ」

 

ハリーがわずかに笑う。こんなときに、安心させられるような表情の一つもできないことがもどかしい。代わりに彼の肩を軽く叩き、自らのローブをまくって首から下げる革袋を見せた。

 

「君が破壊したリドルの日記のような分霊箱をこの中に入れている。もし、私に何かあったら、君がこれを破壊するように」

 

「分かりました。それと、僕からもお願いがあるんです。僕が……僕になにかあったら、この手紙を持って行ってください。皆に、昨日色々考えて書いたんです」

 

ハリーはローブのポケットから紐で閉じた羊皮紙を取り出す。それでハリーの覚悟も伝わった。私が頷くと、ハリーはそれをポケットに戻した。

 

「それでは、いいな?」

 

ハリーが頷いたのを確認して私は小瓶の蓋を開けて一気に飲んだ。人の血を含んだ薬を飲んだというのに、狼人間の傷を持っているためか、思っていたよりは嫌悪感がない。瓶をその辺のガラクタの山に投げ捨て、ベルトから杖を抜き、首元の革袋を開いた。

 

ハリーが、これから起こることのために数歩下がる。それを確かめながら、私はずっと、それこそこの二回目の人生を得てから感情を制御していた心の壁をそっと取り除き、ヴォルデモートの魂が侵食しているであろう深淵をわずかに覗き見た。

 

 

 

 

 

怒涛の感情の荒波が引いたとき、私は確かに杖を振り終えていた。その先でハリーが仰向けに倒れている。

 

自分の意識が戻ったと気づくや否や、首元の革袋をはずして床に押さえつけ、もう一つ革袋から取り出したバジリスクの牙でティアラを貫いたのだった。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。