考案中小説集   作:屋田光一

3 / 5
原作:ドラゴンボール

この世界には、それはそれは摩訶不思議な力を持った存在が数多伝えられてきた。

 

その中でも特筆すべきもの。誰もが聞いたことのある、御伽噺と聞き紛う不思議な玉。

 

世界に散らばった7つの玉を集めると、どんな願いでも叶えてくれると言われた、不思議な力を持ったもの。

 

 

 

 

その名を『ドラゴンボール』---。

 

 

 

 

 

そしてこれも、誰もが知っている。ドラゴンボールを中心に、友の為に、家族の為に、仲間の為に、そして世界の為に勇敢に……だけど心から楽しんで戦い続けた、歴史に名を残す伝説の戦士。

 

 

 

 

 

その名を『孫悟空』---。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、その歴史は今、歪められようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

『魔貫光殺砲ー!!』

 

全体的に緑色の肌をした、額から二本の少し長い触手を生やした人間とは明らかに違うその人物が、四本指の内の二本に溜めていた禍々しい螺旋の気砲を発射する。その矛先にいたのは、ボリュームのある長い黒髪を持った男と、それを羽交い絞めにしている直毛で左右非対称に跳ねた髪型をしている黒髪のもう一人の男。

 

どうやら羽交い絞めされている男を倒す為に、もう一人の味方と思わしき男と共闘して、自らの命と引き換えに敵を討とうとしているところのようだ。

 

 

 

だが、拘束を解こうと先程までもがいていたはずの男が、その気砲が近づいてくるのを確認すると、口角を吊り上げて、いとも簡単にその拘束を振りほどいて横に跳ぶ。そして拘束を解かれたことで唖然となっていたもう一人の男は、そのすぐ後に一人、気砲によって腹部を貫かれてしまった。致命傷。もう取り返しがつくことはない。

 

『はあっ!!』

 

更に悲劇は続く。拘束を振りほどき、攻撃から逃れたその男は、お返しと言わんばかりに掌から発した気弾を、緑肌の戦士に向けて発射。気砲を放って気力を使い果たした様子の戦士は避けることも出来ないまま、その気弾を受け、跡形もなく消滅してしまった。

 

『フハハ……ハハハハハ……!!ハーハッハッハッハ!!!』

 

二体一と言う本来なら不利な状況をものともせず、仇なす敵を屠ったその男は、高揚する気分のままに高笑いを発する。傍らには、まだ赤子から抜け出したばかりも同然の、臀部から茶色い尻尾が生えた気絶している男児。最早、彼に敵はいないも同然。

 

 

 

そして高笑いを続けていたその男は、不自然に紫の禍々しい気を発し、その目からは赤い光が発されていた。

 

 

 

 

 

 

「これは……一体何なの……?」

 

その一連の出来事を、男が発していた者と同じ禍々しい紫のオーラを纏った、開かれた巻物に記された、窓のような枠に移った映像として見ていた一人の少女が、隣に立っている青年に尋ねる。夥しい数の巻物が収納された広々とした空間。その中心に置かれた机の上に、一つの巻物を広げた青年に促されるまま、そこに記された映像を見た少女。その顔に写っていたのは困惑。突如として謎の映像を見せられたことによって、理解が追い付いていない。

 

「この巻物には本来、その宇宙の歴史で起きた、実際の出来事が書き記されています。ですが、今あなたが見た歴史は、本来起きた事と結末が変わってしまっているのです」

 

理解が及んでいない少女の疑問に答えるように、この空間に案内してきた、薄い紫色のサラサラとした中分けのツーブロックと言う髪型の美青年が説明を始めた。

 

巻物の名は『終わりと始まりの書』。

宇宙の時間、歴史の流れ、そのすべてが書き記された巻物。それを管理することが、この青年と青年が仕えている『時の界王神』なる存在に課せられた仕事であり、使命である。

 

「巻物を手に、そして意識を集中してください。ここから念じれば、その歴史の中に入ることが出来ます」

 

「よく分からないけど……私がそこに行って、大丈夫なの?」

 

「詳しくは後で説明しますが、結論から言えば問題ありません。重要なのは、本来の結果に戻して、『歴史の改変』を直すことですから」

 

禍々しい気を纏った巻物を手渡しながら説明し、疑問を抱いた少女の質問にも答える。巻物に記された歴史の中に入る。本来であれば禁忌だが、時空の歪みによって生じた歴史の改変を阻止し、修正する分には特別の許可がされている。

 

そして少女に与えられたこの仕事は、本来であれば先程の螺旋の気砲で羽交い絞めしていた男ごと、敵を貫くことで脅威を討ち果たすことが元の歴史。その結果に導かれるように、髪の短い男と、緑の肌をした戦士の二人に加勢すること。一見、一人の少女には荷が重すぎる仕事だ。だが、青年は把握している。目の前の少女が強大な力を持った戦士の卵であることを。

 

「先程の手合わせで、オレは確信を持ちました。あなたなら、この歴史を元に戻せると。どうか、よろしくお願いします!『ホウレン』さん!」

 

青年の檄とも取れるその言葉を聞き、少しはねた赤黒の短い髪をしたその少女は、手に取った巻物から黒い目を青年に移し、一つ頷くと手に持つ巻物に意識を集中させ、その直後、彼女の身体に光が発生し、その歴史の中へと転移していく。

 

 

 

これは始まり。

 

かつて世界中を震撼させ、大いに楽しませてきた物語を歪めようとしている悪意から守り、その歴史を守るために戦う戦士たちの歴史。その第一歩。

 

 

 

「おめぇ……一緒に闘ってくれんのか?」

 

「ちょっと事情があってね。足は引っ張らないから!」

 

英雄と呼ばれた者との共闘。

 

 

 

「あ、あいつ……サイヤ人の仲間、じゃないのか……?」

 

「何故オレたちに味方を……?」

 

「詳しくは言えない。けど敢えて言うなら、育ての親の信条……かな?」

 

頼れる戦士たちの救済。

 

 

 

「オ、オレが……こんな……訳の分からん女に……!!」

 

「その訳の分からん女より、アンタが弱かっただけでしょ?」

 

 

「また貴様か……!鬱陶しい奴め!!」

 

「アンタこそしぶといじゃない……!!いつになったら倒れんの!!」

 

強大な敵との激闘。そして……

 

 

 

「サイヤ人……それも女となれば、尚更生かしておくわけにはいきませんね」

 

「こいつ……想像よりも、遥かに……!!」

 

最凶の化け物に立ち向かう。

 

 

 

 

 

「不気味な気を放つ二人組が、時間を移動して、色んな歴史に首を突っ込んでるみたいなの……」

 

そして明らかになる。歴史改変の裏に潜む、黒幕……。

 

 

 

 

「あなたよね?私たちの後をついて回ってるのは」

 

「目障りな奴だ。ここで始末してやる」

 

「(不気味な気を放つ二人組……まさか、こいつらが……!!)」

 

強すぎる力を持った敵の数々に、少女は立ち向かえるのか……!!

 

 

 

 

 

 

「あなたは一人じゃないわ」

 

「だって、あなたには一緒に闘ってくれる仲間や、支えてくれるパートナーがいるもの」

 

共に闘う仲間たち。支えとなる支援者たち。

 

「お前ならきっとできる!」

「オレたちは応援してるぜ!」

「修行の成果を、しっかりと見せろ」

 

頼りとしてくれる、師となった戦士たち。

 

 

 

 

あらゆる者たちの力を受け継ぎ、力と変えて、歴史を巡る歴史を、一人のサイヤ人少女『ホウレン』が作り上げる。

 

「さあ行け!試験合格後の最初の任務だ!!」

 

「はい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

原作:ドラゴンボール

 

 

 

『ドラゴンボールゼノバース エピドードオブホウレン』

 

 

 

時を駆け、歴史を歪める悪しきを倒す為の戦いが……!

 

 

 

 

「ギニュー特戦隊、遊撃戦士!ホウレン!ただいま参上!!」

 

「……え、と……ホウレン……さん?」

 

「……ごめん……今の、忘れて……」

 

 

始まる?

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。