是非、本編もお読み頂けると幸いです。
短編 魔女と黒い男
ある海に囲まれた島国に魔女がいました。
魔女の名は”モルガン・ル・フェ”
「妖精のように無垢かと思えば戦乙女のように壮麗、かと思えば魔女のように残忍」
それは彼女を表すのにふさわしい言葉です。
魔女には一つの望みがあります。それはこの島、ブリテン島の王になることです。
彼女は父からブリテンの王に選ばれた者に与えられる神秘の力を受け継いでおり、自分が王になるのだと信じて疑っていませんでした。
しかし、邪魔が入りました。
魔術師マーリンの策略により、父ウーサーと異母の間に子が産まれていたのです。
魔女は焦りました。いずれ自分の脅威になりうる存在に違いないと。ですが、手を出そうにもマーリンや父が邪魔をしてきます。
自分には手駒となる存在がまだいません。何とかしなければと思いながらも、あてはなくただ日々が過ぎゆくばかりでした。
数年が経った日のこと。海岸を歩いていると、一人の男が倒れていました。
男の側には折れた真紅の槍があり、その胸には何かに貫かれた様にポッカリと穴が空いているのです。
"ゔ..."
驚きました。まだ息があるようです。もしかしたら純粋な人間ではないのかもしれません。
どうやら強力な呪いがかけられており、それが男を蝕んでいるようです。幸い魔女は解呪にも長けておりすぐに治してあげました。
「◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️」
魔術をかけるとあっという間に傷が完治していきます。よかった、これで安心です。
"ガハッーーーあ...生きてる"
驚きです。もう目を覚ますとは。
"...あの女が来るとは...予想外だった"
なにやらうわ言を言っているようですが、このまま無視されるのは癪に障ります。
"ん...貴方は...そうか、助けてくれたんですね。ありがとう"
ええそうです。助けてあげたのです。
"...じゃあ何かお礼をしなければ。とは言っても差し上げれるものもない...何か困りごとでもありますか?僕ができそうなことなら何でもやりますが"
ええ、当然です。
魔女は喜びました。この者が何者かはわかりませんが、その身に宿る魔力は絶大なものであり駒にするにはもってこいです。
「ーーー私をこの国の玉座につかせなさい」
魔女の願いは生まれた時から何一つ変わっていません。この国を支配し自分の理想の国を造る。
そのためなら何だって利用します。それが例え、邪悪なものだとしても。
"綺麗な女性は誰も彼も、望みが大きいのものだね"
そうして男は笑みを浮かべ
"ああ、いいとも!必ず君に"玉座"を渡そう!!"
それが魔女にとって最悪の結果を招くことを彼女は知る由もありません。
こうして、ブリテン島の崩壊は始まりを告げるのでした。
ーーーいえ、そもそも始まっていたのかもしれません。
ここは神秘の島、ブリテン。時代に残された、ただ一つの楽園。
...そういえば、この男の名を魔女は知りません。いちおうこちらも名乗り聞いてみることにします。
"そうだな...ギル...いや、ギルベルト。僕の名はギルベルトだ"
男は名乗り、一体どこから出したのか黒い甲冑を着て歩き始めました。
こうして彼の名は歴史に刻まれることになります。アーサー王を裏切り、ブリテンの、円卓の崩壊を招いた騎士。
"裏切りの騎士ギルベルト"として
あともう一つ短編をあげたら本編を書きます
fgo 編のアタランテと怪物の関係 どれが見たい?
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イチャイチャ
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つよつよ奥様
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しっとり/依存
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無関心/やり直し