【悪役を押し付けられた者】   作:ラスキル

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そろそろ、主人公の本気の戦いを書きたい


桜と怪物 「私の勝ち/裁定者」

先輩の家(うち)に帰る頃にはすでに雨は止み始めていた。

濡れた体をタオルで拭き、今はあてがわれている自室の椅子に座っている。

 

「サクラ...ごめんね。もう二度とあんな真似はしないよ」

 

部屋に戻るといつの間にか目の前にいたキャスター。

キャスターは鏡の前に座った私の髪を梳きながら申し訳なさそうに謝罪してくる。

 

うそつき

 

「もう二度とあんな事しないで」

 

わたしのせいで先輩を傷つけてしまった。

 

キャスターのせいで

 

先輩は左腕を失ってしまった。不気味な赤い布に包まれているのはアーチャーの腕。

動かせるようになるのは、まだ先になるだろう。

 

でもよかった。これで先輩は無茶ができない。

 

だから私が守ってあげなくちゃ。

キャスターの行動は許せない、許せないけど...

 

「...でも、咎めはしないわ。あの場では貴方が正しかった」

 

彼はサーヴァントとして当然の行動をした。私のサーヴァントとして、姉さんのアーチャーに勝った。

そう...私のサーヴァントが勝ったのだ。

 

「サクラ?」

 

私のキャスターが勝った姉さんのアーチャーに勝った私のキャスターが勝った姉さんに勝った私が勝った 先輩を傷つけた キャスターが勝った姉さんのアーチャーに私のキャスターが姉さんのわたしが姉さんよりも 先輩を 勝った勝った姉さんに勝った 許せない 私のキャスターが勝った 私が傷つけた 私たちが姉さんに勝った姉さんよりも強い 先輩に手を出した——————

 

 姉さんに勝った   わたしのキャスターが     姉さんのアーチャーに

 

     わたしが勝った    勝ったの    わたしが

  

 先輩を      わたし達が       姉さんに

 

                  先輩を傷つけた

 

   姉さんのアーチャーにわたしのキャスターが勝った

 

「サクラ」

 

その声でハッと意識が鮮明に戻る。

わたしは一体、何を考えてしまっていたんだろうか。

 

「僕が勝ってみせるよ」

 

「え...」

 

キャスターはわたしの考えを見透かすように耳元で囁くのだ。

 

「君はマスターなんだ。なら、その資格はあるだろう?

聖杯戦争で戦い、魔術師として姉に勝つ。それの何が悪い?君はただ当然のことをしているだけじゃないか」

 

彼は笑みを浮かべわたしの手を握る。

わたしの目を見つめ、ただ優しくその手を包み込む。

 

「サクラが望むなら、僕は君に勝利を捧げる。僕は君のサーヴァント、そして武器だ。

 君はただ信じてくれればいい」

 

「信じる?」

 

「うん」

 

月明かりが差し込む。

どうやらもう雨は上がったようだ。

 

「君のキャスターは強い、そう信じてくれれば必ずや君に勝利を」

 

嘘偽りのない言葉で、彼は誓う。

そう、きっとわたし達なら勝てる。いつの間にかそう思ってしまうわたしが居た。

 

———夜はまだ明けない

 

 ◇

 

「サーヴァントが敗れたわけだが、これからどうするつもりだ凛。このまま大人しく屋敷に立て篭もり、聖杯戦争の終わりを待つのが正しい選択だと思うが」

 

「いやよ。このまま終われるはずないじゃない」

 

凛は諦めるつもりはない。

妹である桜のこと、そして依然として正体が掴めていない謎の黒い影。

土地の管理者としての責任という物がある。

 

この一連の出来事にあのキャスターが一枚噛んでいることは間違いなさそうだが、真名すらわからない今、単独で手を出すわけにはいかない。

 

「お前ならそう答えると思った」

 

その時、教会内に靴音が響き渡る。

一歩進むたび高音の靴音と金属の擦れ合う音が響く。

奥の方から歩んでくる男は煌びやかな黄金の甲冑に身を包み、何を語らずとも男が偉大な者であると証明するかのようなオーラが溢れ出ている。

 

「ちょうど、マスターのいないサーヴァントがいてな」

 

それは本来であればあり得ないものだ。

シャンデリアの灯りが邪魔でしかないほどその身を光り輝く黄金で包む男。

黄金の男はただ歩くだけ。ただそれだけでその場にいるものを圧倒してしまう。

 

「紹介しよう。前回の聖杯戦争の参加者であり、今回のもう一人のアーチャー」

 

男は少女を値踏みするかのように視線を向ける。

そして、冷酷な笑みを浮かべた。

 

「———英雄王“ギルガメッシュ“だ」

 

王は舞台に上がる。

遥か太古の神話の決着をつけるため。

 

「—————————」

 

少女は声を発することできなかった。目の前に存る絶対的な「力」に人としても魔術師としてのプライドも屈してしまいそうになる。

 

「ふんっ、あのような道化と化して我の前に姿を晒すとは。ならば野次の一つでも飛ばしてやらねばなるまい」

 

どこか傲慢な物言いの男は、この後起こる神話の再現を愉しむように、そして裁定者として役割を果たすために。

 

「では、尋ねよう」

 

「英霊」としての義務である問答を交わすのだった。

 

「——貴様が不遜にも王の光輝に縋らんとする魔術師か?」

 




ライダー、そろそろ出番だ

fgo 編のアタランテと怪物の関係 どれが見たい?

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  • つよつよ奥様
  • しっとり/依存
  • 無関心/やり直し
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