ワンパン(幼女)伝説   作:最後の春巻き(チーズ入り)

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ひゃっはぁ! 続けていくぜぇ!



過保護なサイボーグ / 変態の科学者

《今年の蚊の大量発生の原因は何なのか。専門家のカーフェチ氏に来ていただきました》

《よろしくお願いします》

 

「かだって、いやだねぇ~」

「戸締まりはしっかりしないといけないね」

「念の為、新しく開発した『蚊取り閃光』を設置しておきましょう」

 

《えー結論から言わせてもらうと、今年の蚊は完全な新種であるため、私にもわかりません》

《帰れ》

 

「かえれぇー!」

「サイタマさん、楽しそうだねぇ」

「ニュースの中身は全く理解はしてなさそうだけど……」

 

 TVで流れてくるニュースに各々の反応を示しているのは、我らが最強幼女サイタマちゃんと、そのサイタマによってヒーローへの道を歩み始めた、元兄弟、現姉妹の二人。元マルゴリこと、ティターンちゃんと、元フケガオこと、ノーレッジちゃんである。

 サイタマはいつも通りに幼女しているが、元男だった二人もまた、早くも女として生きることに慣れ始めたのか、口調などは完全に女のソレとなっており、欠片程の違和感もない。

 

「サイタマさん、今日は何が食べたいですか?」

「エビフライが良い!」

「エビフライ……姉さん、確か私達の部屋にエビが残ってたよね?」

「えぇ、ティターン。昨日私が仕入れてきた高級品のエビが置いてある筈よ。沢山買い込んだから、今日はエビフライパーティーにでもしましょう」

 

 料理好きなボーイッシュ美少女と幼女が戯れ、それを微笑ましげに見守るクールなメガネ美人がいる。そんな百合百合しくも温かい団欒の光景がそこにはあった。……この光景を作り出している三人の美少女が、元は男だとは、誰も夢には思うまい。

 

「エビフライッ、パーティーッ!」

「サイタマさん! そんなにはしゃいだら危ないですよ!」

「へーき、へーkゔっ〜〜!?」

 

 荒ぶる幼女、タンスの角にスネをぶつけて悶えるの巻、言った端からコレである。

 

「ふぇぇぇあっ!?」

「大丈夫です、大丈夫。……ほら、痛いの痛いの飛んでけ〜!」

「う? なぁにそれ?」

「サイタマさんの痛いのを、何処かに飛ばしたんですよー」

「いたいの、どこいったの?」

「えーと……そうだ! 姉さんに、姉さんの方に飛んでいったんだよ!」

 

 上手く誤魔化してくれ、姉さんっ! ウィンクしながら、自身の姉に向かって合図を飛ばすティターン。

 姉のノーレッジは少し考え込み、サイタマをチラリと一瞥、そして――

 

「くぅあっあああぁぁぁぁぁああ、痛い痛い痛い痛い痛いっ!? あ、ああぁぁぁぁぁあああ!」

 

――思いっきり痛がる振りをした。

 

 迫真の演技である。本当に耐え難い苦痛を味わっているかのような。……そんな苦痛に塗れた少女の本気の絶叫を全力で演じる。

 実はノーレッジ、かなりノリが良い。その場の空気をそれとなく読み、合わせてボケたり、ツッコミを入れたり、と割りと柔軟な思考をしている。……ただの頭でっかちではないという事だ。

 

「ふぇ、ふぇぇぇ」

「ちょっ、姉さん!? 恐いよ!? ほら、サイタマさん、恐がって半泣きになってるじゃないか!」

「この私、ノーレッジの辞書にはね、例え嘘だとしても全力で演じなければならないって言葉があるのよ」

「初めて聞いたよ!?」

「そうよ、今作ったもの」

「うえぇぇぇん!」

「よしよし、家の姉さんがごめんね、サイタマさん。ほーら良い子、良い子だから泣き止んで、ね?」

「てぃーちゃんだっこぉ」

「よーしよしよし、ティターンお姉さんが抱っこしちゃうよー!」

「ティターン、こっちにカメラ目線、サイタマさんの顔がしっかり映るように」

「こ、この姉はっ」

 

 ガチ泣きするサイタマを全力であやすティターン。そして、その二人を写真に収めんと、いつの間にか魔改造されまくった高性能カメラを構えるノーレッジ。

 平和である。平和すぎて、これから何か良からぬ事が起こるんじゃないのか? そう疑いたくなるくらいには平和な一家団欒の光景だった。

 

《緊急避難警報です。災害レベルは鬼》

 

「……う? なにか、くるよ?」

「姉さん!」

「もう終わっているよ。……ふむ、家の周辺にバリア発生装置を作っておいて良かったわね」

 

――ズガァァァンッ!!!

 

 鳴り響く爆発音。窓から見れば、少し離れた場所で巨大な火柱が上がっている光景が見えた。

 爆発の衝撃がサイタマたちの住んでいる場所まで到達する。バリアを展開していなかったら、窓ガラスの一枚や二枚は叩き割られていただろう。ノーレッジファインプレーである。

 

「おぉ! なんかたのしそう! ちょっといってくる!」

「あ、待って下さいサイタマさんっ! 私と姉さんも行きます! ほら、姉さんも早くっ!」

「やれやれ、慌ただしいことね」

 

 爆発に興味を引かれたサイタマは、ミニスカートを翻しながら、好奇心のままに走り出す。

 慌ててティターンがその大きく育った胸を揺らしながら、ノーレッジが首を緩やかに振り、艶かしく立ち上がりながら、サイタマを追い掛けた。

 

 

ーーーーー

 

 

「焼却!」

 

 熱線が、大きく空を切り裂く。

 放っているのは一人の男、金の髪に黒と金色の鋭い瞳。銀色の光沢を持った腕から、その男がタダの人ではない事が窺い知れる。

 

「チッ、早いな」

 

 男――名をジェノス。今年で19歳。故郷を滅ぼした暴走サイボーグへの復讐のため、悪を滅ぼし続ける正義のサイボーグである。

 現在、ジェノスはこの町を襲う怪人と戦っていた。……これまで多くの怪人を、悪を消してきた熱線。当たりさえすればビルすらも容易く消し炭に出来る熱線。ソレが――

 

「そんな遅い攻撃が当たるわけないじゃない」

 

――当たらない。

 

 否、当たるわけがなかった。

 蚊の怪人、モスキート娘にとってはスローも同然。昆虫の動体視力、それを以てすれば、常人では直撃するしかない熱線であろうと、見て回避することは余裕も同然だった。

 熱線を紙一重で躱し続けながら、ジェノスとの距離を詰める。詰めて――

 

「次は足かしら?」

 

――片腕をもぎ取った。

 

 その鋭い角で、ジェノスの左腕を串刺しにし、加速した勢いでそのまま引き千切ったのだ。……並みの強さではない。だが――

 

「え? あれ……私の足は……?」

 

――足が無かった。

 

 モスキート娘の両足が消えていた。膝から下が無くなっていた。

 

「……」

 

 見れば、ジェノスがモスキート娘の両足を投げ捨てている。あの一瞬の攻防で、モスキート娘の両足を引き千切っていたのだ。

 結果だけ見れば痛み分け、しかし、片や生身の肉体に対して、もう片方はサイボーグの肉体。……サイボーグは余程の損傷でもない限り、戦闘続行に支障はない。痛みによって動きが鈍ることもないし、動揺することもない。

 ただただ冷静に、冷酷に敵を殲滅するために行動することが出来る。

 

「無駄だ。俺からは逃げられない」

 

 堪らず逃げようとするモスキート娘だが、ジェノスの追跡を振り切る事ができない。

 ジェノスが搭載している高性能なセンサーは、モスキート娘の姿を常に捉え続ける。何処に逃げても無駄だ。必ず排除する。

 

(何なのよアイツ。今のままじゃ殺されちゃいそうね)

 

 モスキート娘は悟る。……このままの状態では遅かれ早かれ殺されるだろう。

 故に、己の命令が届く範囲――半径50キロメートルの範囲に存在している蚊を全て呼び戻す。人間どもは隠れて血を吸わせていないようだけど、森や自然の動物たちは別だ。

 

――さぁ、来なさいアンタ達、溜め込んだジュースを私に注いでちょうだい。

 

 急速に集まった蚊の群れが、モスキート娘を覆い隠し、巨大な球体を形成していく。それはまるで成虫が誕生する前の繭のような、進化の前兆を思わせる光景だった。

 

「無駄だ……」

 

 奴にとって血液とはただの食糧ではないのか?……ならば、早急に終わらせる必要がある。

 残った片腕にエネルギーを集中させていく。片腕を奪われたのは痛いが、それでも焼却砲のフルパワーならば、あの群れごと怪人を撃破できるだろう。

 エネルギーの充填を秒で済ませ、いざ放とうと――

 

「ふおぉぉぉ!? なにあれぇぇぇ!?」

 

――撃てなかった。

 

「こ、子供っ!? こんなところにっ!」

 

 背後を思いっ切り振り返ったジェノスの視界に映ったのは、コスプレみたいな格好をしたツインテールの幼女。幼女は蚊の群れを見上げながら腕をブンブンっと振り回している。

 

「そこの君! 早く此処から離れるんだ!」

「ふぇ? おにいちゃんだぁれ?」

「サイタマさん!」

「ふぅ、やっと追いついたわ」

 

 遅れてやって来た二人の女性は、幼女の保護者だろうか?

 

「おい、そこの二人! 子供を連れて離れていろ! あの群れは意思を持っている! 気付かれれば襲ってくrっクソっ! 伏せろっ!」

 

 蚊の群れが落ちてくる。このままでは、あの三人が危ないっ!

 焼却砲の出力を更に引き上げ、一瞬で群れを焼き尽くせる出力まで持っていく。

 分の悪い賭けだ。……少しでも蚊が地面に落ちた瞬間、火がこの辺り一帯を焼き尽くすだろう。

 

「焼却ッ!」

 

 ジェノスの放つ渾身の焼却砲が、上空にて拡散するように広がる。

 貫通力を犠牲に、広範囲の敵を同時攻撃する為の機能だ。拡散するがゆえに威力は通常時よりも遥かに下回ることになるが、今回の対象はただの蚊である。……脆く、燃えやすい。貫通力は必要ない。

 

「ふぅ……何とか、上手く行ったか」

 

 ジェノスの思惑通り、地上に被害を与えること無く、蚊の群れを殲滅することに成功した。我ながら無茶をしたものだと思う。

 

「そこの三人、怪我はない……は?」

 

 取り敢えずこの一般人三人を保護しなければならないだろう。ジェノスはそのまま背後を振り返って固まった。

 

「くるしゅうないよ!」

「ま、念の為バリアを張っといたからね。あれぐらいだったら何の問題もなく防げたと思うよ」

「いざとなったら、私が吹き飛ばせばいいしね」

 

 三人を覆っている半透明のシールド。内蔵されている高性能センサーが、ジェノスの最大火力を用いても突破は不可能だという事実を告げている。……これは、どういう事だ?

 

「君たちは、一体――生体反応ッ!?」

「油断大敵、ねぇッ!」

「ぐはっ!?」

 

 センサーがソレを感知した瞬間、ジェノスは弾かれたように背後を振り返り――一瞬の内に、胴体を切り裂かれた。

 いつの間にか目の前に、あのモスキート娘が、全身を真っ赤に染め上げ、明らかに強力なパワーアップを果たしたモスキート娘が立っていた。

 

「ぐっ、血を集めていた理由は、これかッ」

「そうよ、私にとって血液は食糧であると同時に自身を強化するためのエネルギー源。……さっきまでの私とは思わないことねッ!」

 

 鎌のように発達した鋭利な爪を、無造作に横へと振り抜く。すると、振り抜いた直線状にあったビルが一瞬の内に弾け飛ぶ。

 

「くそッ、マシンガンブロォォォォォ!」

「無駄よ、無駄無駄」

「がはっ!? ぐッ!? ぎぃっ!?」

 

 打ち上げられ、まるでボール遊びのように、空中で幾度と無く吹き飛ばされ続ける。

 その度にジェノスのサイボーグの肉体が切り裂かれ、破壊されていく。活動に必要な重要機関は辛うじて無事ではあるが、それも時間の問題だ。このままでは己は機能停止に追い込まれることになるだろう。

 

――博士、済まない。

 

 残された選択肢は――自爆。

 自身のエネルギー源となっているコアを意図的にオーバーロードさせる。そして、発生する膨大な爆発力で、周囲ごとこの怪人を焼却する。それしか最早術はない。

 視界の端に、あの一般人? 達が映る。バリアを張ったのには驚いたが、それでもあのバリアでもこの自爆エネルギーに耐えきれるとは思えない。

 救った命を結果的に自分が奪う羽目になるとは、こんな様で正義のサイボーグ気取りかと自嘲する。……いや、心なし半ばで力尽きる自分にはお似合いの最後なのかも知れない。

 

――済まない。

 

「そろそろ止めに――ぐぎゃぁ」

 

――パンッ!

 

 そんな音とともにモスキート娘は地面に叩きつけられて、その虫生を終えた。享年二十と百三十五日でした。

 

「か、うぜぇ」

 

 手をパンパンと叩きながら、そんな事をのたまうのが、我らがレジェンド、サイタマちゃんであった。

 サイタマちゃんは虫が嫌いだ。嫌悪していると言っても良い。特に夏場に出てくる蚊という生き物は死ぬほど大嫌いだった。

 過去の記憶が蘇る。三年前、この姿になる前、トレーニングを初めてまだ間もない頃。……大量発生したアイツらのせいで、日々痒い思いをして過ごしたあの夏の絶望を、耳元を何度も行き交うのクソみたいな羽音を、睡眠時間を削ってくるあの悪魔のごとき所業をッ!

 故に――虫、死すべし。……蚊は特に。

 

「……ふぁっ!?」

 

 ジェノスは驚愕するしかない。

 何せ自分が苦戦していた蚊の怪人が、取るに足らんと言わんばかりに、幼女の平手打ち一発で叩き潰されたのだ、これに驚愕しないサイボーグはいない。

 

「ちょっと待ったっ!」

「ふぇ?」

「ぜ、是非名前を教えて欲しい!」

「え、サイタマだよ」

「……サイタマさんっ! 俺を弟子にして下さいっ!」

「え、うん。……んぇ?」

 

 

 

 

――翌日。

 

 

 

 

「改めまして、本日よりサイタマ先生の弟子になりました、ジェノスです。ご指導ご鞭撻の程、宜しくお願いします」

「おー、よろしくねっ!」

「ジェノス君で良かったかな? 私はティターン、サイタマさんの……あー、なんて言えばいいか、お世話係みたいな事をしている」

「妹と同じく、サイタマさんのお世話係みたいな事をしているノーレッジよ、宜しくねジェノス君」

 

 何やかんやで、無事にサイタマの弟子になることが出来たジェノスは、現在サイタマの自宅に招かれていた。

 

「ふぉぉぉ! メカだぁ! ロボットだぁ!」

「あの、先生は何をしているのでしょうか?」

「あー気にしないで、サイボーグが物珍しくて興味津々なだけだから」

 

 ジェノスが困惑するのも無理はないだろう。

 何せ自分の師となった幼女が、いきなり目を輝かしながら、顔を引っ張ったり、腕の装甲をペチペチしだしたのだから。

 

「そういえば、ジェノちゃんなんでつよくなりたいの?」

「そうですね、先生には言っておくべきでしょう――」

 

 ジェノスは語った。……復讐に駆られた一人のサイボーグの人生を。

 四年前、まだ生身だった頃のジェノスは、家族と共に平穏で幸せな人生を歩んでいた。

 優しい母、真面目な父、甘えたがりの妹、ジェノスにとってこれ以上ないと言い切れる大切な人たちだった。今でも目を閉じれば鮮明にあの頃の幸せな時間を思い出せる、それほどジェノスにとって大事な場所だった。

 

――それが壊された。

 

 突如、街に出現した暴走サイボーグが、ジェノスの幸せを燃やし尽くしたのだ。

 家族で過ごした思い出深い我が家は、ただの瓦礫の山にされた。妹と遊んだ公園は吹き飛ばされてクレーターしか残らなかった。……そして、命よりも大事だった家族は目の前で消し炭にされた。

 ジェノス自身は奇跡的に助かったが半死半生、目の前で家族を失った絶望と、何も出来なかった自分自身の無力への怒りを抱いたままそのまま力尽きると想われた。

 しかし、そんなジェノスを救ったのが、クセーノ博士だった。クセーノ博士は、暴走サイボーグの狂行を止めるために旅を続ける正義の科学者。……そして、ジェノスは命を救ってくれた彼に、自分自身の身体を改造するように頼み込んだのだ。

 全ては家族を殺したあの暴走サイボーグを完全に破壊するために。

 

 こうして正義のサイボーグ戦士ジェノスは生まれたのだ。

 それから四年の歳月が経ち、ジェノスは暴走サイボーグに繋がる手がかりを探し求めながら、この世界に蔓延る悪と戦い続けてきた。

 これまで倒した怪物や、壊滅させてきた悪の組織は数知れず。……しかし、あの暴走サイボーグに繋がる手がかりは何一つとして見つからず、苛立ちと焦りばかりが募る日々を過ごしてきた。そう、いつからか彼は暴走サイボーグの虚像を追い掛けて悪と対峙していたのだ。

 そしてつい先日のあの蚊の事件、ジェノスは完全に油断していた。最早、あの暴走サイボーグ以外には負けるわけがないと、高を括り、相手の戦力を見誤ったのだ。底力を見せた蚊のバケモノに追い込まれ、危うくスクラップにされるところだった。

 

「――サイタマ先生が助けてくださらなかったら、あのまま破壊されていました、俺の命を救ってくれたこと感謝しています」

「だれかがこまっていたらたすけるのはあたりまえなんだよ!」

「サイタマさん、それ漫画のセリフですよね? 確かオーバーもがもが」

「てぃーちゃん、シィーッ!」

「私の妹と恩人がこんなにも尊い(目頭を抑えながらカメラパシャ)」

 

 頭を下げるジェノスを他所に自由でキュアキュアな三人である。

 

 

 

 

 

――どっかの山奥。

 

 

 

 

 

「何、モスキート娘が敗北しただと。……それも一撃で?」

 

 薄暗い部屋の中、多数のモニターから僅かに漏れ出る光が、辺りを不気味に照らし出している。

 此処は研究室だ。それも普通ではないマッドな研究者が怪しげな研究をしている研究室だった。ホルマリン漬けされているよく分からない生き物、意味不明な機械、知識量=とでも言いたげに所狭しと積み上げられた本の数々。……ザ・研究室とでも言いたげだな。

 

「所詮、奴も試作品というわけだ。……で、この少女がそうか」

「そのようですね」

 

 モニターには黄色のフリフリした服を身に纏った笑顔の幼女が映し出されていた。……盗撮、犯罪である。

 

「これは良いサンプルになりそうだ。無理矢理にでも彼女の身体を調べさせてもらおう。使者を送って彼女を招待しろ」

 

 誘拐、犯罪である。

 

「我々の進化の家に、ね」

 

 クールな笑みを浮かべる彼の眼前にあるモニターには、ローアングルから撮られた幼女の姿が映し出されていた。ピッチピチのスパッツが健康的な色気を醸し出している。……もしかしなくてもロリk。

 

 

 

 

 

――戻ってきましたZ市

 

 

 

 

 

「先生の強さの秘密を教えていただけないでしょうか?」

「いいよー!」

「軽い、軽いよサイタマさん!」

「で、ジェノちゃんいくつ?」

「スルー!? お姉ちゃんそんな子に育てた覚えないよ!?」

「……サイタマさんのお姉ちゃんがティターン、ティターンは私の妹。……ハッ!? サイタマさんは私の妹だった!?」

 

 此処はカオスな空間ですね。

 

「19です」

「おお、わかいね! ぴっちぴちだね! ジェノちゃんならすぐにつよくなれるねっ!」

「本当ですかっ!?」

「わたしはことしでにじゅうごだけど、トレーニングをはじめたのは、にじゅうさんのなつだったよ!」

「……失礼ですが先生、もう一度だけ年齢を聞いても良いでしょうか? 俺としたことが、聞き間違いをしてしまったようでして」

 

 ジェノスは混乱しているッ!

 

「え、にじゅうごだよ?」

「……先生、気を遣っていただけるのは嬉しいのですが、俺は本気で強くなるためなら、プライドなんていくらでも捨てられます」

「あージェノス君、サイタマさんの言ってることは本当だよ?」

「……しかし、この身長などを考えると、成人している女性として考えるには色々と問題が」

「……良いかなジェノス君、これから私は君にとても非現実的で理解し難い事を説明する」

「あ、それならあたしがするよっ!」

「サイタマさんが話すと余計に混乱するから、ダメです」

「(´・ω・`)(ショボーン)」

 

 しょんぼりとした表情で壁に向かって体育座りする幼女を他所に、ノーレッジが現状分かっている事を説明していく。

 サイタマさんという人間が、元はただの成人男性だという事。何やかんやあってスーパーな幼女になってしまったこと。

 そんな彼女のよく分からない力によって、ティターンとノーレッジも救われて女体化したこと。

 全ての意味不明な事柄を紙芝居形式で説明してのけた。

 

「……(ぽかーん)」

「しょ、処理落ちしている」

「情報量が多すぎて困惑しているみたいね。……当然よね、私も当事者じゃなかったら彼と同じようになっているでしょうし」

「え、先生が元男? いや、しかし先生は今は幼い少女で……」

 

 今にも煙を上げかねない勢いで困惑を露わにしている。

 

「ジェノス君、一つ良いことを教えるよ。サイタマさんとこれから付き合っていく上で大事な心構えだ」

「は、はい」

「サイタマさんだから仕方がない」

「先生だから仕方がない?」

「そう、サイタマさんが何かをして理解できない事が起こったら、もうその時点で考えるのを止める。……サイタマさんがやったことだから仕方ない、そう納得する事よ」

 

 理解出来ないものを理解しようとするから余計に混乱していくのだ。……それが、サイタマと一緒に過ごす内にノーレッジが得た答えである。

 この世を支配する物理的法則、進化論、生物的なアレやソレやを始めとした何やかんやを真っ向から切って捨てる意味不明な新人類を相手にして既存の知識は毛ほども役には立たないのだ。

 特にこの身を女へと変えたプリティでキュアキュアな奇跡については全く以て理解が出来ない。……そもそも力を使っている本人が全く理解できていないのだ。他人が理解できなくて当然とも言える。

 

「しかし、弟子となる以上は先生について理解することが大事だとっ!」

「ハッキリ言って、私達程度に理解できると思う?」

「……先生だから仕方ない。一先ずはそれで納得する事にします」

「それが利口よ。……さて、話は終わったわね」

「どーん!」

「うわっと!? せ、先生?」

 

 背中からジェノスに向かって突撃をかましたのは、二十五歳児であるサイタマちゃんその人である。

 そのまま、サイタマはジェノスの背中をよじ登り、その肩に腰を落ち着ける。……所謂、肩ぐるまの体勢になっていた。

 

「じゃあ、さっそくパトロールにいくよ! わがでしよ!」

「夕飯までには帰ってきてくださいね?」

「あいさー! ジェノちゃんごぉー!」

「あ、はい。しっかり捕まっていてくださいね」

 

 パトロール開始である。

 

 

――パトロール中。

 

 

「俺は進化の家のナンバー4! カマキュrぐわぁぁぁぁぁ!?」

「いえのまえでうるさくすんなっ!」

「中々の戦闘力を持った怪人を一撃っ!? 流石です先生!」

 

 パトロール終了である!

 扉を開けてすぐ目の前にいたのはカマキリの姿をした怪人である。

 サイタマちゃんの家の前で音量調節機能がぶっ壊れたラジカセの如く大きな声で名乗りを上げ始めた彼は、機嫌を損ねたサイタマちゃんの平手内一撃で蒸発した。……名乗ることすら出来なかった可哀相なカマキュなんとかさんのご冥福をお祈りします。

 

「先生、他にも怪人がいるようですね。……周辺に四体の反応があります」

「んぅー? どうしよっか?」

「先生の手を煩わせる程ではありません、俺が片付けてきます。……あの、先生? 降りてもらわないと戦えないのですが?」

「やだっ! ぜったいうごかないもん!」

「っ!? 成る程、このままの状態で戦うことも修行の一環だと、そういうことですね!」

「うんっ!(ドヤ顔)」

 

 単純に肩車楽しいだけである。

 

「き、貴様らっ! 何だその格好は! ふざけているのか!」

「ふんっ、ふざけてなどいない。これは先生から俺に出された修行だっ!」

「先生? 修行だと? 何を言っているのだ貴様ぁ! この獣王を前に生意気な口を聞くとは、余程命が惜しくないようだなぁ!」

「待て、よく見ろ獣王。あの金髪の男が背負っている少女が殺さずに生け捕りにしろと言われたターゲットだ。……あれほど密着されていては、邪魔な奴を排除するのは難しいぞ」

「ぐぬぅ!? ならばどうするのだっ、グランドドラゴン!」

 

 グランドドラゴン。……ドラゴンだとカッコよく言ってはいるが、ただのモグラである。

 

「茶番は終わったか? こっちから仕掛けさせてもらうぞ!」

「な!?」

「マシンガンッブロォォォォォオ!」

 

 瞬時に獣王の懐に飛び込み、その土手っ腹に向かって無数の連続パンチをお見舞する。

 手応えあり、鈍い感触や何かが砕けた音から、獣王の肋骨の数本は確実にイッただろう。

 

「ぬぐぅ!? こ、こしゃくなっ! 獅子斬!」

「遅いっ! 焼却砲!」

「ぎぃあぁぁぁぁぁ!?」

 

 鋭い爪による斬撃を容易く回避し、顔面に向かって十八番の焼却砲を食らわせる。超至近距離から食らったら、さしもの獣王も大ダメージは逃れられない。その顔面は悲惨の一言、皮膚は全て焼きただれ、筋繊維すら剥き出しになる程に焼き爛れてしまった。

 

「き、貴様ぁ! この獣王にッ! この獣王にぃぃぃ!」

「ふぇぇぇ!?」

「ッ!? 先生ッ!――」

 

 獣王のゾンビの様な顔面を直視して涙目になったサイタマちゃん。そのサイタマちゃんの姿を見て、ジェノスが感じたのは激情だった。

 今までの人生の中で一二を争うであろう激情だった。激しく燃えたぎるマグマのごとく怒りが溢れ出す。

 

――「このクソ野郎、先生を泣かせやがったッ!」

 

「がぼっ!?」

「――万死に値するッ!」

「――ッ!?」

 

 獣王の顔面を尋常ではない力で鷲掴み、そのまま口内目掛けて超威力の焼却砲を叩き込んだ。……心無しか、威力が先程の数倍、いや、数十倍以上まで高まっている。

 

「先生、安心してください。恐いオバケは俺が排除しました!」

「おぉー! ジェノちゃんつおいにぇ〜!(ジェノちゃん強いね〜!)」

 

 ジェノスはこの日、一つの壁を超えた。別に超えなくても良い壁を超えてしまった。

 

「さて、貴様達に聞きたい事がある。……何故、先生を狙った?」

「ひぃ!? 獣王が、獣王が負けるなんてっ!」

「答えろ、さもなければ――排除する」

 

 ついでにサイタマちゃんのセコムとしても覚醒した。……その表情鬼神の如し、サイタマちゃんを肩車していなかったら、とてもじゃないがヒーローには見えない程の阿修羅っぷりである。

 

「貴様ハ危険ダ!――ヌッ!?」

「もう一体いたか。……だが、無意味だ」

 

 背後から奇襲を仕掛けてきた敵の振り下ろした拳を、その場から一歩も動くこと無く受け止める。

 

「サイボーグか。……貴様に聞きたいことがある」

「我ハ、進化ノ家ノナンバー3、サイボーグゴリラダ、オ前二話ス事ハ、ナイ」

「……」

 

 無言で、ジェノスは今の自分が撃てる全力の焼却砲を空に向かってぶっ放した。

 

「ハ?」

 

 茜色に染まる空。……轟々と燃え盛る熱線が、空を赤く染め上げた為に生まれた光景だった。それはまさに地上に現れし太陽。尋常ではないエネルギーの塊がZ市上空を燃やし尽くしていた。

 

「で、話して生き延びるか、話さずに消されるか、どちらか好きな方を選べ」

「えっらべぇー!」

「……話しますんで、勘弁して下さい」

 

 サイボーグゴリラを始めとした怪人たちが軒並み土下座の姿勢にシフトしたのは言うまでもない。

 

 

――ゴリラお話中。

 

 

「――成る程、進化の家という組織の長である男が、先生の強さの秘密を知りたいがために誘拐しようとした、と。……身の程知らずのクズが」

「へ、へい。……あ、痛い、痛いですお嬢さん」

「ゴリラさんだぁ!」

 

 サイボーグゴリラから襲撃の理由を聞いたジェノスはその目座らせながら、よりその怒りの炎を激しく燃え上がらせる。

 先生はまだまだ幼い少女なんだぞ、その先生を言うに事欠いて誘拐し、身体を隅々まで調べ尽くすだと?成る程、これがロリコンか。……消すぞ、貴様ら。

 ジェノスが怒りを募らせる中、サイタマちゃんは暢気にサイボーグゴリラの顔面で遊んでいる。

 

「先生、急用を思い出しましたので、少しこのゴリラと遊んでいて貰えませんか?」

「うんっ! いいよー!」

「……サイボーグゴリラと言ったな、それと他の怪人共」

「「ッ!?」」

「俺が戻るまでの間、どんな手段を使っても先生を守り抜け。……もし、何かあれば――」

 

――コ ロ ス。

 

「「りょ、了解ですッ! サーッ!」」

「では、先生、いってきます」

「いってらっしゃい! おみやげあったらおねがいねっ!」

「はいっ!」

 

 

――どっかの山奥。

 

 

「ふむ、此処が進化の家か」

 

 数分後、ジェノスの姿はZ市から遥か離れた山奥にあった。

 そんな何処とも知れぬ山奥には、巨大な人口建造物が建っていた。……そう、件の進化の家が誇る研究所である。

 

「まどろっこしいな――焼却ッ!」

 

 ジェノス容赦なしである。

 建造物があった建物周辺の山ごとまとめて消し飛ばしてしまった。……ジェノスの言い分としては「先生の身体を狙う変態に情けなど無用」との事。

 

「地下か。……小賢しいな、逃さんぞ変態め」

 

 地下への道を踏み砕き、そのまま奥の方へと進撃を開始する。

 焼却砲を撃った反動で身体に溜まった熱を放出しながら進むその姿は羅刹の如し。……敵対する者達があまりにも哀れである。

 

「接近反応が二つ。……どちらかが首謀者か?」

「おらぁ! 邪魔だぁ!――ぬぉ!?」

 

 接近してきた何者かは、ジェノスの姿を見た途端、その巨大な腕をハンマーの様に叩きつける。……しかし、オカシイことに手応えが全くない。

 

「単純だな――焼却!」

「ぬ、ぬおぉぉぉぉぉ!?」

 

 何者かの一撃を容易く回避したジェノスは熱線を放った。熱線は何者かに直撃し、そのまま物凄い勢いで地下施設の壁を砕きながら吹き飛ばした。

 

「地下にコレほど広大な空間があったとはな」

「へぇ〜? お前、中々やるじゃねぇか」

「お前は?」

「俺は阿修羅カブトっ! この進化の家の最高戦力ってやつだぁ!」

 

 吹き飛ばされた何者か――阿修羅カブトと名乗ったソレは、とてつもない怪物だった。

 筋骨隆々の肉体、その肉体はカブトムシを彷彿とさせる甲殻で覆われている。……感じ取れる威圧感も桁違い、少なくとも、あの蚊のバケモノ、血を吸って凶悪な怪人となったあの蚊のバケモノよりも遥か格上の怪人だ。

 

「となると、そこにいる死にかけの男が首謀者のジーナスか」

「何だぁ? こんなカスに用があったのかよ?」

「その男がうちの先生。……見た目的には十かそこらの少女を拉致監禁しようとしてな」

「あぁん? おいおい、ジーナスよぉ。オメェ、いつの間にそんな変態になっちまったんだぁ?」

「ち、違うっ! 私は変態などではないっ! 単純に彼女の強さの秘密が知りたかっただけだ!」

 

 必死に言い訳をするジーナス容疑者。

 

「言い訳をしても無駄だぞ、既にサイボーグゴリラから聞いている。……先生の写真をアルバムに入れてニヤニヤしていたそうじゃないか」

「誤解だ! 新人類の可能性がある彼女のサンプルが取れたから嬉しかっただけで他意は全く無い!」

「ローアングルからのものもあったらしいな」

「そ、それはべべ別に私の趣味ではない、スパッツが可愛らしいとか、その小ぶりのお尻もまたキュートだとか、私の守備範囲であるこじんまりとした小さな胸に興奮を覚えていただとか、そんな事実は何処にもありはしない!……あ」

 

 語るに落ちるとはこのことだろう。

 

「……ギルティ、お前をコロス」

「……ジーナス、オメェダメだろそりゃ、流石に擁護できねぇぜ」

「う、五月蝿いッ! 貴様らに俺の何が分かるっ! 世間から爪弾き者にされた俺の気持ちが分かって堪るかっ! ああ、そうだとも私はロリコンだっ! 新人類計画、通称『世界総ロリ化計画』を実行に移そうとするくらいロリが好きさっ! その何が悪いっ! ロリは良いっ! ロリは良いんだよッ! あの無垢に輝く笑顔、その庇護欲を誘う小さな身体、それに手を出す背徳感が堪らないっ! その点、あの少女は完璧だったッ! ディ・モールトベネ! 最高だねッ! あの穢れを知らない無邪気な笑顔もッ! あのピチピチなスパッツから姿を表した輝かんばかりの真っ白で瑞々しい素足もその全てが完成形の美しさを持っていた、アレが、アレこそが俺の求めていた理想のロリ、そう、俺のお嫁さんにふさわ――「死ね」ぐわぁぁぁぁぁ、ロリは不滅なりぃぃぃ!?」

 

 あんまりにも聞くに耐えない言葉の羅列を並べるジーナスを、ジェノスは一撃で消し炭にした。……先生を汚そうとするゴミは排除する、弟子ならば当然である。

 

「邪悪は滅びた」

「……ハァ、何か白けちまったな。久々に熱い戦いが出来ると持ったんだがなあ?」

「阿修羅カブトとか言ったか? 聞く限り、かなり常識的な印象を受けたが、お前の様な奴が何故変態の温床みたいなこんな場所にいる?」

「あー話せば長くなるんだが」

 

 阿修羅カブト曰く。

 普通の人間だった彼をジーナスは言葉巧みに騙して地下施設に監禁。……例の新人類計画とやらの実験体にされていたらしい。

 当然、結果は失敗に終わり。人間とは似ても似つかないバケモノにされてしまったそうだ。

 このまま、地下施設を出たとしても怪人として扱われてヒーローに追われる日々を送る羽目になる。……怪人になったとはいえ、人間として生きた記憶は未だに鮮明に残っている。ヒーローを目指して頑張っていた人間としての記憶が、彼には残っているのだ。

 

「だからよぉ、俺はこの地下に引っ込んでいたのさぁ。ある程度、命令に従順な振りしてりゃひでぇ扱いもされねぇしな」

「はなしはきかせてもらったぁ!」

「ッ!? せ、先生? いつの間に?」

「ゴリラさんにきいたらおしえてくれたぁ!」

 

 何処から湧いて出た貴様。……神出鬼没なサイタマちゃんである。

 

「オメェがソイツの先生ってやつかぁ……へぇ、なるほどなぁ、コイツが先生って言うだけあって馬鹿みてぇにつえぇじゃねぇか」

「えへへ! いきなりですが! かぶとむしにてーあんがあります!」

「あ?」

「ゆー、ヒーローになっちゃいなよー!」

「はっ!? そうかっ、その手がありましたねっ!」

 

 そう、サイタマちゃんは例のアレをやろうとしているのである。

 

「イメージするのは、ヒーローになったじぶん!――ヒーロー、ドリームカムトゥルー!」

「ひ、ヒーロー、ドリームカムトゥルー?」

「ヒーロー、ドリーm「ジェノちゃんは、シィーッねっ!」、そんな、先生!?」

 

 悲痛な叫びを上げるジェノスをガン無視して続ける。

 

「ありったけのことばをこめて! いっちげきひっさつ! あくをうつ、きのれいめぇ! きゅあれじぇんどぉ!」

「科学が生み出した究極の力! 正義の目覚めは今此処に! キュアアシュラ!」

「うしなったかこをのりこえた! いだいなニューヒーローがうまれる!」

 

 光が地下施設を満たすしていく。……その光は、阿修羅カブトを中心として巻き起こる。

 悪の科学によって無理矢理改造された醜い肉体は、そのシルエットを徐々に変えていく。……まるで、彼の身に起こったあらゆる悲劇を無かった事にするように、その姿をバケモノのそれからヒトのソレへと変えていく。そう――

 

「科学が生んだ究極の力! 新たな時代を守り抜く! パワードプリキュア!」

 

――性別すらも変えて(お約束)。

 

 阿修羅カブトだった者は、元の面影どころか、過去の面影すら感じさせない完全無欠な幼女に変わってしまった。

 茶色と紫色を交互に取り入れた可愛らしいゴスロリファッションにその身を包み込みんだその姿からは、彼女が元は災害レベル竜のカブトムシ怪人だったとは、誰も夢にも思わないことだろう。……サイタマちゃんよりも更に身長が低い。

 

「な、なんじゃこりゃあぁぁぁ!?」

「こ、これがノーレッジさん達が言っていた、プリキュアっ!?」

「へんしんだぜぇぇぇ! わはははははっ!」

 

 わはははははっではない、いい加減にしろ幼女。

 

「きょうからきみはあたしのいもーとね! そゆわけでてっしゅー!」

「はい? って、にゃあぁぁぁぁぁ!?」

「待って下さい先生!」

 

 自分の身に起こった事態に混乱する阿修羅カブト。……もとい阿修羅ちゃんを回収して、そのままダッシュするサイタマちゃん。

 その後ろを弟子である過保護なジェノスは追い掛ける。

 

 

 

 

――過保護なサイボーグ――

 

 

 

 

 後日、何やかんやあって、阿修羅ちゃんは正式にサイタマちゃんの妹としてサイタマんちに住むことになった。

……そして、その弟子であるジェノスも何故か同居することになった。

 ジェノス自身は「男女七三にして同衾ならずという言葉があります先生!」と言って遠慮したが、最後の最後でサイタマちゃんの泣き落としの前に屈したそうな。……余程サイタマちゃんに気に入られたようだ。良かった弟子。

 なお、先生の妹という事になった阿修羅ちゃんが、ジェノスの過保護の対象に加わったのは言うまでもないだろう、ちゃんちゃん。

 

 





イケメンと幼女の組み合わせ良いよねーほのぼのするんじゃあー

はい、伝説の欠片からの切り出し第二弾です。
いやーやはりジェノスは過激なのが似合うよね。
この作品では過激派を拗らせるあまり、性能の限界を突破して意味の分からない強さになっています。
え? バランス? おまいは何を言っているんだ?

最強の弟子は最強、それで良いじゃない。それが良いじゃない。
そのうち更に過激派を拗らせるために、色んなイベントサイタマに対するジェノスの感情を引き上げてやる。絶対に、絶対ニダ!
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