ペンギン急便との合同作戦中 深夜 龍門市街
マフィアが無線機で仲間と連絡を取っている。
「こちらは三差路、異常なし。」
「わかった。なら予定通りの作戦で行動しろ」
「ちょ、ちょっと待て! 作戦ってなんだっけ?」
「あ? お前マジで言ってる?」
「いやぁ、ちょっと確認するだけだって。龍門にはあんまり詳しくないもんでな。」
「安魂祭は0時過ぎから恒例のイベントが始まる。俺らの任務は人々がイベントで街を留守にしている間を狙って、ペンギン急便の連中を倒すことだろうが!」
「じゃあボスの━━━。」
「ウルセぇな。あれこれ聞くなよ。これは命令だ。いいから言われた通りにしてりゃあいいんだよ。早くしろ!」
「······そういうことだ。俺のことは殺さない。約束だろ?」
「もっちろん。ありがとね、お兄さん。それじゃおやすみ~。」
エクシアがマフィアを殴って気絶させる。
隠密性と機動力が高い代わりに防弾性能が低い装備から通常装備に着替えた彼はエクシアと共に行動していた。
「(コイツを路地裏に隠すか。)」
彼は路地裏に気絶しているマフィアを隠した。
「もしもしテキサス、聞こえる~?」
その後、彼はテキサスと無線機で会話するエクシアの周囲を確認しつつ通信に耳を傾けていた。
「こちらの状況と同じだな。奴らはチームを分散させた。ただリーダー自らが戦闘に参加するからには、必ずもう一人が司令塔になり、部隊の配置を指揮しているはず。そいつを探し出し、対処すれば全て終わりだな。」
「もしも~し? テキサスさん? 龍門の中心街に到着しました。だけど、本当に人が多いですよ。」
「敵の動向に注意しろ。」
「わかりました~! 街の仲間たちに監視してもらいますので······。あれっ待ってボス、フロートの上に行くの? うわ、ちょっと待って······。」
「······クロワッサン、バイソン、聞こえるか?」
「テキサスさんが仰っていた、その司令塔に関して、少し意外な発見がありました。」
「······バイソンはん、頭低くしぃや。あの箱の後ろに隠れるで、見つからんようにな。」
「あっ、はい。テキサスさん、また後で報告します。」
その時、クロワッサンが居る方向から発砲音が聞こえた。
「(クロワッサンが居る方面からだな、マフィアのルートを確認したら応援に向かうべきだな…)」
周囲の確認を終えた彼は再び通信に耳を傾けた。
「······向こうはトラブルが発生したようだ。エクシア、マフィアのルートの確認が終わったら、クロワッサンと合流して。」
「了解~。」
「ソラ、そっちはどうだ?」
「えっと······。彼らの動向は複雑ですが、二つのチームに別れて行動しているみたいです。多分、罠かと━━━」
「そんなに複雑なことではありませんよ。敵の内部に問題が発生したようです。これはチャンスです。」
「きゃっ! びっくりした!」
「······お前、戻ってきていたのか。なぜ仲間内のチャンネルをハッキングしているんだ。普通に通信をすればいいだろう。」
「こうする方が早いので。」
「ところでキミはいまどこにいるの?」
「ザ·サッドカフェですよ。今日は休日であることをつい先ほど思い出してしまってね。本来の業務を取りやめ、こちらのイベントに参加することにしました。クロワッサンとあの新人くんの座標については、皆さんにはもう送ってありますよ。いや龍門ネットの通信速度は本当に気持ちいい程早いですね。」
「······わかった。各自の任務を遂行したら、それぞれ彼らのサポートに向かってくれ。これは反撃の絶好の機会だ。」
深夜 龍門市街受け取った座標付近
激しい戦闘の音が聞こえる。
「(激しく戦っている、これはマズイかもしれないな…)」
「エクシア。壁を爆破して最短距離で行くぞ、壁から離れてくれ。」
「了解~。」
彼は導爆線を壁に取り付け、壁を破壊した。
「ハローゥ! 来ちゃったよ!」
「(カポネもアッサリ見付かったな…)」
「······これは。全員揃ったようだな。」
「うーん、この感じは最終決戦ってやつかな? ちょっと早くない?」
「問題ない。こんな茶番は早く解決するに限るからな。ボスの命令通り、縛り上げて河に流してやろう。」
「フッ、混乱すればするほど都合がいいぜ。どうやら、ここから無事に抜け出せた奴だけが、今夜の勝者になるようだな。」
乱戦が始まった。
深夜 龍門市街
テキサスがガンビーノに連続で斬り掛かる。
「はぁ、はぁっ······。」
「まだだ。まだ終わっちゃいねぇぞ。ペンギン急便よ。」
「キミたちって、何だかんだ言っても仲がいいんだね?」
「チッ!」
「ちょ、ウチの方に来んといてぇな! ハンマーお見舞いしたるで。」
ガンビーノの近辺に誰かの攻撃が着弾する。
「うわっ! テメェ一体どっちの味方だ!?」
「お、俺がやったんじゃないです! あの天使が!」
「えへ、ハズしちゃった。まぁいっか。」
「今のうちに━━━おっと! お前、俺の方に向かってなにぶった切ろうとしてんだ!?」
「悪い、俺やっぱりボスに従うべきだと思って!!」
「待て、俺もだぞ!」
「ナニっ?」
「なに寝てんだお前ら? 死んでねぇ奴はさっさと起きやがれ!」
「は、はい!」
「ねー部下にパワハラは良くないと思うけど? ちゃんと傷病手当って完備してる?」
「······状況は少し混乱しているが、要は黒服の連中を全部倒せばいいんだな?」
テキサスがマフィアに斬り掛かる。
「なんか本当にゴチャゴチャになってるね。」
「そうです━━━えっ!? モスティマさん?」
「(味方か…)」
「君たちも元気そうで何よりだ。あそこの彼が臨時で仲間に加わったスタルカーくんかい?」
「······そうだ。なぜここに?」
「ボスに来るように言われてさ」
ガンビーノがカポネに斬り掛かる。
「チッ、あの変なサンクタ人か。」
「そこをどけ!」
ガンビーノがモスティマに斬り掛かる。
「━━━っ。」
「やれやれ、ちょっと冷静になろうか。ここで勝ったところで何の意味があるんだい? お互い一歩引いた方がいいと思うけどね。」
「あの女、ボスの攻撃を受け止めた!?」
「違う! あれはアーツユニットだ! ボス、気をつけてください! そいつは術師です!」
「······正面から当たるのを避けたのは正解だったな······。おい、まだ奴らに近づくなよ!」
「······お前のようなサンクタは見たことがねぇ。いや、サルカズか? お前は一体何なんだ?」
「普通のトランスポーターだけどね。そう見えない?」
「誤魔化すんじゃねぇぞ!」
ガンビーノがモスティマに連続で斬り掛かるが避けられる。
「あ、ちょっと休憩······。って言って聞くような人じゃないか。」
「テメェ、ナメてんのか!?」
ガンビーノがモスティマに斬り掛かるがアーツユニットに防がれる。
「みんな、変わりないみたいで良かったよ。前に会ったときからだいぶ経つよね?」
「おい、よそ見してんじゃねぇぞ!」
ガンビーノがモスティマに斬り掛かる。
「せやな、何年やったっけ? それともまだ数ヶ月やった?」
クロワッサンがハンマーでマフィアを吹き飛ばす。
「ぐあっ!」
「毎日が充実してるから、時間なんて忘れちゃうもんね。」
エクシアと彼がゴム弾をマフィアに撃ち込む。
「······だいたい四年三ヶ月だよ、モスティマ。」
「ふむ、じゃあ本当に久しぶりだ。」
「━━━っ。」
「その顔はやめて。君がそんなシリアスな顔してると病気かと思ってしまうからね。」
「ちょっと! これ感動の再開じゃないの!?」
「感動かどうかは置いといて、今は昔話している場合じゃないみたいだね。」
「本当にここでやるつもりか?」
「ちょっとした運動にピッタリなだけさ。」
「······ならいい。手加減はしてやれ。」
「大丈夫。それに、もう一人のお客さんが私を待ってるんでね。」
「━━━?」
モスティマがアーツをマフィアへ撃ち込む。
「毎回見て思うんだけど、なんであんな軽くアーツユニットを振っただけで、こんな天変地異みたいな効果が出るんだろう。」
「せやな。あのマフィアたちも、ポッカーンとしとるわ。」
「ふーっ、今のうちにもうちょっと敵の数を減らしておくべき?」
エクシアがゴム弾をマフィアに撃ち込む。
「どうした? 続けないのかい?」
「······お前の腕は確かに凄まじいけどよ、そう簡単に逃げられると思うなよ。」
「そんなに殺気立つものじゃないよ。こんなの食後の運動なんだからさ━━━おや。」
「(…何が起きた?)」
「な、なんだ今の炎が固まっちまった?」
「······イースくんが近くを通ったみたいだね。やっぱりさっさと決着をつけようか。」
「なにひとりでブツブツ言ってやがる? 相手は俺だ!」
ガンビーノがモスティマに斬り掛かる。
「そんなに焦ったらダメだよ。ファミリーのボスとして、選局をコントロールするのに良くないからね。」
「チッ! お前の余裕ぶっこいた態度は本当に頭に来るんだよ!」
モスティマがアーツをマフィアに撃ち込む。
「アーツだ! 避けろ!」
「お前が行っても邪魔になるだけだ。俺たちは残りのペンギン急便を片付けるんだ!」
「······私たちも軽く見られたものだ。彼らには教育が必要だな。」
「はいな! いくでぇ━━━!」
「これがトランスポーター、モスティマ······。トランスポーター······他社のトランスポーターってみんなこんな感じなのかな? あれ、風が吹いてきた?」
「━━━風? テキサス、撤退するんだ! 早く!」
「分かった!」
突然、地面が揺れる。
「(マズイぞ!)」
「おい、まさか地震か!? あの術師、何をした?」
「まったく、年寄りは本当にせっかちなんだから。」
また、地面が揺れる。
「逃がすか━━━。」
更に地面が揺れる。
「うわっ━━━。」
「チッ、これはアーツだ、一旦退くぞ!」
「砂嵐? こんなところで?」
「なんや状況がおかしない!?」
「テキサスさん! ここが出口です!」
「バイソンとモスティマは? うっ!」
「砂嵐ではぐれちゃった、あたし見てくる!」
「エクシア、単独行動はマズイぞ!」
「待て、エクシア! ━━━っ。まったく、モスティマが関わるとすぐ頭がのぼせ上がるな。」
地面が崩れ始める。
「地面が崩落するぞ! 急げ!」
彼はテキサスとソラ、クロワッサンと共に砂嵐の外へ脱出した。
「(あの老人は! …まさか、あの老人が鼠王だったのか…)」
砂嵐の中で鼠王を目撃しつつ。
ちょっとした解説
スタルカーが道を尋ねた相手は鼠王でした。
隠密性と機動力が高い代わりに防弾性能が低い装備はScoutの装備にソックリです。
余談ですが、通常装備のスタルカーの見た目はCOD:MW(2019)に登場するベリカンというオペレーターのウッドマンというスキンに極めて近いです。
相違点は、
自作のマウントで4眼式ナイトビジョンをヘルメットに取り付けている。
防弾バイザーの下にガスマスクを装備している。
の2つです。