【本編完結】レッドキャップ:ヴィランにTS転生した話   作:WhatSoon

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#97 レスト・イン・ピース part4

映像の中で君は……同僚である筈のエージェントを無慈悲に殺し、顔中に返り血を浴びていた。

 

……僕の妹と同じ顔した女が、だよ?

気が気じゃなかったさ、直ぐ様に手を回して僕の部下として配属させた。

手元に置いておきたかったんだ。

 

首領(ボス)にも話は通したけど「そうか」としか言われなかった。

……この時から、僕は彼の事をあまり信用していなかった。

重要な事を幾つも黙っていたからね……信用する事なんて出来る筈がない。

 

 

僕は『レッドキャップ』を教育する係としての立場を得た。

 

そして、君にスーツを与えた。

レッドキャップという名前に相応しい赤いマスクと、最高品質のプロテクターを。

 

別の幹部から不審に思われないように仕事も振った。

……君が一般市民を殺す事が少なかったのは何故だと思う?

 

妹の体で、そんな事をして欲しくなかったんだ。

人殺しなんて……僕のように罪人になって欲しくなかった。

だけど、だからと言って『レッドキャップ』を組織のメンバーは無視する事はない……だから、悪人の処分を優先的に回してたのさ。

 

可能な限り、だけどね。

目撃者は殺さなくてはならない……敵対者も。

 

それは仕方のない事だと、僕は割り切っていた。

実際に手を下すのは君なのにね。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

「つまり、君は……僕の命令で人を殺していたんだ」

 

「……お前の」

 

 

今まで殺して来た人間の顔、名前、声が浮かぶ。

喉まで来た吐き気を飲み込む。

 

代わりに言葉を吐く。

 

 

「……ティンカラー、お前は私が憎いのか?」

 

「君こそ、僕が憎くないのかい?」

 

 

銃口を向け合いながらも、共に引き金は引かない。

私は引けない……ここで死んでも良いとすら思っているからだ。

 

ティンカラーが引かないのは……妹の身体を傷つけたくないからか?

……いや、それなら何故、『S.H.I.E.L.D.』に私の身柄を渡すんだ?

 

 

「……答えは、最後まで聞いてからでも良いんじゃないかな?」

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

君に仕事をさせ続けて……数年。

 

僕は独自の情報網から、あるヒーローの名前を知ったんだ。

 

スパイダーマン……僕の妹が憧れていたヒーローだ。

エンシェント・ワンの言った通り、妹の妄想は現実で……未来まで見通していた。

 

僕は気になって調査したけれど……大したヒーローじゃなかった。

街の人が困っていたら助ける程度の、規模の小さいお節介焼き。

少し僕が調べれば正体すら暴けてしまう程の存在。

 

組織の敵にもならないような、小さな蜘蛛だ。

 

だけど、妹が憧れていたってだけで……僕の脳裏にずっと引っかかって居たんだ。

 

 

 

そして、一年前。

 

パニッシャーによって君の仮拠点が破壊された時……好機だと思ったんだ。

 

 

エンシェント・ワンは君の記憶を『消した』と言っていた。

実際に君は覚えていなかった……だけど、何かをキッカケに思い出すかも知れないと……思ったんだ。

 

君の脳波は僕の作った赤いマスクを通して回収していた。

 

君は……そう、特殊な能力を持った人間……特にヒーローと会う時に脳波が乱れていた。

 

理屈は分からないけれど、脳を刺激すれば失った記憶も戻るかも……なんて考えてたんだ。

 

 

だから、君の拠点をスパイダーマンの居るクイーンズへと移させた。

それに、スパイダーマンの正体であるピーター・パーカーと同じ学校に……クラスまで合わせて送り込んだ。

彼の隣室に拠点を指定したのも僕さ。

 

 

そして、想定通り……いや、想定より少し早く接触して、干渉し始めた君達を見た僕は……実物を見たくなったんだ。

僕の妹と同じ顔をしている女の……。

 

スーツを新調するついでに、僕は君を呼び出した。

 

マスクまで付けて、正体をバレないように注意してね。

記憶を失っていたとしても、不安だったんだ。

……あぁ、違うな、合わせる顔がないって思ってたのかもね。

 

 

とにかく、呼び出した君に何かと屁理屈を言って、マスクを脱がせて──

 

 

「……満足か、ティンカラー」

 

 

思わず、思考が停止してしまったんだ。

妹と同じ顔……肉体だと知っている。

声だって。

 

だけど、映像や写真では見ていても……実物を見るのは……違う。

 

僕は罪を突きつけられた気がしたよ。

今までして来た事は……非道な事だった。

妹は許してくれないだろう、とも。

 

酷く気分が落ち込んでね、君に不審がられてしまった。

 

……だけど、僕はやるべき事をやるって決めていた。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

「あの時、君に渡した電子メジャーだ」

 

 

ティンカラーが机に無造作に置かれていた、丸い輪の形をした機械を手に取った。

 

 

「これは体のサイズを測るだけじゃない……人体を透過して血管や骨、筋肉繊維、内臓……ありとあらゆる物の情報を得られる」

 

 

リングを机に戻した。

 

 

「それこそ、君の完全な複製品(レプリカ)が作れる程にね」

 

 

私の脳裏には、物言わぬ私の人形があった。

 

 

「……あのLMD(ライフ・モデル・デコイ)は」

 

「そう、あの時のデータで作ったんだ……この時はまだ、作る予定じゃなかったけどね」

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

僕は君の脳裏に存在している妹の人格を引き出し、上書こうとしていた。

それによって妹は蘇ると、そう思っていた。

 

家族で暮らしていた時代の記憶だけ残して、他は全て消す。

そうすれば以前の妹と同様の存在になるって……思っていた。

 

だけど、脳の情報を集めても手掛かりは掴めない。

 

 

……ジャージマフィアの時を覚えているかい?

スパイダーマンが何故間に合ったと思う?

警官達に情報を回し、それを彼に傍受させたからさ。

当の警官達は現場に到着する前に死んでいるけどね。

 

そうやって幾つかの刺激を与えて……君は……スパイダーマンを助けるために組織に隠れて、リザードと戦った。

 

 

あの時、僕は初めて知った。

君『も』スパイダーマンに憧れていた。

 

 

君が僕に詰め寄られて、困ったような顔をしていて……。

 

あの時、僕は君に処分を下すために呼んだのに……。

 

 

もう、君の事は殺せなくなってしまった。

妹だとは思えなかったけど、それでも……別人だとしても、大事に思えたんだよ。

 

君の姿を見て同情したんじゃない。

僕は妹の面影ある君の『人格』に、同情してしまった。

僕は……もう、手を出せなくなっていた。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

「だから、君のLMD(ライフ・モデル・デコイ)を作ったんだ。有機物で……なるべく、人間と同様に」

 

 

ティンカラーが疲れたように笑う。

 

 

「……復旧した記憶をLMD(ライフ・モデル・デコイ)に入れる事で君と妹を両立しようとしたんだ」

 

 

ティンカラーが視線を下げた。

 

 

「スーツをフィッティングさせている間に、君の脳をスキャンした。未来の技術は凄いんだよ?一時間あれば記憶のバックアップだって取れるほどに」

 

 

私は妙に時間の掛かる……スーツのフィッティング作業を思い出した。

 

 

「だけど、どれだけ解析しても、妹はどこにも居なかった……」

 

 

ティンカラーが表情を歪めた。

 

 

「君に幾つもの任務を与えて、何度、記憶を刺激しても……蘇らない」

 

「…………」

 

「それはそうさ。僕が『思い出していた』と思っていた記憶は……眠っていた記憶を呼び覚ましていた訳じゃなかった。君が新たに『別の宇宙』から引き出した記憶だった」

 

 

……私は下唇を噛んだ。

彼は私を苦しめていたが……私も彼を苦しめていたのだ。

 

 

「僕の妹は……エンシェント・ワンの言った通り、削除されていたんだ」

 

 

ティンカラーの目は濁っている。

そこが見えない程に……どれだけ苦悩してきたのか、計り知れない程に。

 

 

「……失った物は、もう戻らない。簡単な話で、当然の事だった」

 

 

ティンカラーが深くため息を吐いた。

 

 

「……ティンカラー」

 

「どうだい?碌な人間じゃないだろう?」

 

「……あぁ」

 

 

悩んだ末に肯定した。

そんな私の返答に満足して、ティンカラーは笑った。

 

 

「僕は『死んだ方がいい人間』だと思わないかい?」

 

「あぁ」

 

 

その肯定に、ティンカラーが力なく笑った。

……私は目を少し瞑り、口を開いた。

 

 

「だが──

 

 

目を開いて、真っ直ぐにティンカラーを見た。

 

 

「私はお前に感謝している。ティンカラー」

 

「……そうかい?」

 

「お前が何を思っていたとしても、何を考えていたとしても……私を地獄から救ってくれたのはお前だ」

 

 

あの白い部屋で殺し合うだけの生活から、私にプライベートな時間を与えて……そして、友人を作る機会までくれた。

恨む理由はない。

 

私の言葉にティンカラーが眉を顰めた。

 

 

「……そういう返答が欲しくて、こんな話をした訳じゃないんだけど」

 

「それなら──

 

 

私は少し間を置いて、口を開いた。

 

 

「どうして、私にドレスをくれたんだ?」

 

 

私は黒いカジュアルなドレスを思い出した。

ピーターと別れた時にも着ていた、ドレス。

 

 

「……どうだって良いだろう?」

 

「私に休みを与えようとしたのは何故だ?」

 

 

夏期休暇中、仕事を割り振らないようにしていた。

お陰で、私はピーター達と夏期旅行に行く事が出来た。

 

 

「……それも、どうだって良いだろう?」

 

「ハーマンを何故、助けた?私を守ろうとしたのは何故だ?」

 

「…………」

 

「何故優しくする?何故気にかける?どうしてだ?」

 

 

幾つもの疑問を並べる。

だけど、何となく……私は答えを分かっていた。

 

 

「……何が言いたいんだい?」

 

「どうでも良くない……ティンカラー、お前は私を──

 

「違う」

 

 

ティンカラーは首を振った。

 

 

「君を妹と重ねていただけに過ぎない……君の思うような優しい人間じゃない」

 

 

私はティンカラーに構えていた銃口を下ろした。

元から撃つつもりは無かった……だから、この行為に意味はない。

 

ただ、もう銃口すら向けたくない。

 

 

「それなら今すぐに私を撃て、ティンカラー」

 

「…………」

 

「撃って逃げれば良い」

 

 

ティンカラーは険しい顔をするだけで、引き金は引かない。

私は、その様子を見て鼻で笑った。

 

 

「それが答えだろう?」

 

 

返答はない。

無言こそが、肯定だった。

 

 

「……まぁ、そうだね。認めるよ」

 

 

……私は逆に質問をする事にした。

 

 

「ティンカラー、私はどうなんだ?お前なんかよりも、余程『死んだ方がいい人間』だ」

 

 

私は自嘲しつつ、一歩引いた。

 

 

「私は脅威を呼ぶ存在なんだろう?」

 

「…………」

 

「記憶を持って生きているだけで、人に不幸を撒き散らす存在なのだろう?」

 

「……いいや、違う」

 

 

ティンカラーは首を振った。

濁った目は私を見ていた。

 

 

「僕は二度と自分の力不足で……大切な人を失わないために生きてきた……今なら、そう言える」

 

 

帰ってきた言葉に、私は小さく頷いた。

 

 

「ティンカラー」

 

「僕はね、君に……生きて欲しいんだ」

 

「……私に?」

 

「死んだ妹と同じ存在じゃなくても良い……世界に災厄を振り撒くとしても……僕は悪人だ、そんなの関係ないね」

 

 

ティンカラーが銃口を上に向けた。

そして、笑った。

 

 

「……君は死んだ僕の妹ではない」

 

「そうだな」

 

「だけど……君も妹だ」

 

「……そうか?」

 

 

私は首を傾げた。

 

 

「妹は二人いる。それでいいんだ……」

 

 

ティンカラーが苦笑した。

力なく、だけど救われたように。

 

 

「君は死んだ妹とは別人だ……だけど、君も妹だ」

 

「……だが」

 

「僕にとっての話だ。君は僕を兄だと思わなくても良いさ」

 

 

ティンカラーの言葉に眉を顰めて……それでも、私は否定しない。

否定してはならないと思った。

 

彼は満足そうに頷いて……口を開いた。

 

 

「僕の本名は『フランクリン・ワトソン』だ。父の名前は『フィリップ』、母は『デイジー』」

 

 

脈絡のない発言に、私は反応出来なかった。

何を言いたいのか分からなかった。

 

 

「妹の名前は……いや、いいや。君には君の人生がある……囚われる必要はない……だけど、そういう人間がいたって事は覚えていてほしいんだ」

 

 

そう言って、ティンカラーは笑った。

意味が分からなくて……私は口を開こうとして──

 

 

「僕の死体は好きにしていい……君が生きるためなら、どうしたっていい」

 

「……何を、言ってるんだ?」

 

 

その言葉に思考を止めた。

 

ティンカラーが手に持ったハンドガンを、自身の頭に向け──

 

 

「やめっ──

 

「君は幸せに生きるんだ……ミシェル・ジェーン」

 

 

発砲音。

 

 

ゆっくりと、目の前で、倒れていく。

 

 

血が、撒き散らされた。

脳漿を……。

 

 

壁に赤い花が咲いて、身体は地面に倒れた。

 

私が伸ばした手は間に合わず……宙を彷徨った。

 

 

急に、静かになった。

 

 

先程まで、戯けるように話していた男が、話さなくなった。

ジリジリと何か、機械が動いている音だけが耳に響く。

 

 

「え、あっ……」

 

 

動かない。

喋らない。

笑わない。

 

私にもう、皮肉を言う事もない。

優しくしてくれる事はない。

 

 

「は、はっ……そんなっ……え……」

 

 

視界に綺麗過ぎる赤色が散っていて……私は呼吸を乱した。

 

 

「なんで……ティンカラー、お前……何故……なんで」

 

 

意味が分からない。

何故、死ぬ必要があった?

 

いや、分かる。

分かりたくないだけだ。

 

彼の死体が、私に必要だからだ。

 

 

「私の為に……お前の、妹……私の、何故……」

 

 

ティンカラーは私を『新しい妹』と言った。

共に過ごした思い出がある訳じゃないのに。

私は世界に迷惑をかける存在なのに。

 

どうして、ティンカラーが死ぬ必要があるんだ?

 

私が、ただ生き延びる為だけに……私がお前を殺さなくて済むように……自らの手で?

 

 

「……そ、そんなのっ、そんな……」

 

 

幸せに生きろ?

そんな価値は私にはない。

 

だけど、それを否定する事は、ティンカラーの最後の想いを踏み躙る事じゃないのか?

 

……あぁ、いや、違う。

ティンカラーが何の考えもなく、こんな事をする訳がない。

そうだ、違う。

違う、違う、違う!

 

 

「こ、これは……LMD(ライフ・モデル・デコイ)なんだろう?聞こえているんだろ?ティンカラー……!」

 

 

周りを見渡す……物音はない。

残酷な程の静寂が、部屋を包んでいた。

 

 

「……ティンカラー?」

 

 

分かっている。

これは本物だ。

 

これが偽物なら……こんな私を悲しませる為だけに、こんな事をする必要はない。

 

ティンカラーは無駄な事を嫌う。

もし行うとしても……私に相談して、行う筈だ。

 

だから、分かってしまう。

これは……目の前にある、死体は──

 

 

「……ぁ、あぁ……」

 

 

本物だ。

 

 

「…………」

 

 

私は膝から崩れ落ちそうになる感覚を、抑えながら……ティンカラーに近付く。

 

……薄く、笑っていた。

手を使って、瞼を閉じさせる。

 

眠るように、死んでいる。

 

彼は、死んで当然の人間だったのだろう。

……でも、こんな理由で死んで良いのだろうか?

 

私なんかの為に、死ぬなんて。

 

そんなの。

 

 

「そんなの、って……」

 

 

ない。

 

あり得ない。

おかしい。

普通じゃない。

 

体液が涙腺から出る。

喉が痛む。

 

咳き込む。

 

 

「……生きろ、生きろ……なんて」

 

 

幸せに生きる?

 

 

「そんなの、耐えられない……」

 

 

罪の意識が私を苛む。

 

死にたい。

終わりにしたい。

 

何もかも。

 

だけど、死ねない。

死んだら、ティンカラーの命を無駄にした事になる。

 

ティンカラーだけじゃない。

今まで私が殺してきた、踏み台にしてきた命を、無駄にする。

 

 

だけど、私は死ぬべきだ。

 

だけど、死ねない。

 

だけど、だけど……。

 

 

「生き、なきゃ……」

 

 

……私はナイフを抜き取る。

 

組織は、ティンカラーの首を持ってくるように指示していた。

 

 

ナイフを……ティンカラーの、ティンカラーだった死体に押し当てる。

メンテナンスを怠って刃こぼれしたナイフは、皮膚と筋肉繊維を傷付けるだけで、綺麗に切断する事は出来なかった。

 

 

力を込めて、引く。

 

 

押す。

 

 

引く。

 

 

引いて、押して、引いて、押す。

 

 

 

ぶちぶちと千切れるような感触が手に残る。

 

 

……やがて、ティンカラーの頭と身体は分かれて、私は……それを抱き抱えた。

 

今まで死体を見ても、何も思わなかった。

それは真に大切な人ではなかっただけだ。

こんなにも苦しい。

こんなにも悲しい。

 

ティンカラーは……私が気付いていなかっただけで……私にとって、大切な存在だったんだ。

 

そんな相手を、私が殺したようなものだ。

死体を辱めた。

 

……手に残った感触に、私は──

 

 

「うっ──

 

 

吐いた。

 

 

「お、えっ……ぐ、はっ……」

 

 

ティンカラーの頭が、床を転がる。

床に付着した血で汚れる。

 

 

血と、涙と、吐瀉物が混ざる。

 

 

「はっ、はぁっ……う、ごほっ」

 

 

息を荒らげて、咳き込む。

 

死にたい……だけど、自死は出来ない。

ティンカラーに生きろと望まれてしまった。

 

それは呪いだ。

安易に死を選ばせてくれない、呪い。

 

 

「誰か……」

 

 

だから、私は他人に望む事しかできない。

 

 

「誰か……私を……」

 

 

終わらせてくれる事を。

 

 

「私を、殺してくれ……」

 

 

私の全てを終わらせて、解放してくれる相手を。

 

 

私は探していた。

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