ガンダムビルドブレイカーズ after ZERO   作:有音 響

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うぃ〜す。どうも。
久しぶりの投稿かしら?知らんけど。
今回は結構力を入れたつもりですが、みなさんにはどうみえるか不安もあります。
では、とりあえずお読みになられてください。
話はそれからですね。はい。


第12話 本物の騎士〜あの日の決着〜

???「有音 零斗!お前と決着をつけに来た。」

レイト「なっ…なに?決着だと?」

???「そうだ。4年前のあの日の決着をなぁ!」

突然現れた男は何もない所に話しかける。

一部の人間以外には誰にも見えていないのだ。その存在が。

ケイジ「あの男、どこに向かって話しかけてるんすかね?」

ケイ「さぁ…?」

???「君たちの言葉は全て聞こえてるぞ!」

ケイジ「げっ…」

アキラ「私の名はカマイ アキラだ。武の道を極めんとする者だ!」

カマイ アキラ。カマイ兄弟の1人であり、彼は4年前にガンプラバトルの準決勝で零斗の乗るガンダムプラネッツナイトに敗れ、「リベンジを果たす!」と残し、零斗との再戦を臨む武士の道を進む男だ。(ビルドブレイカーズオルタナティブ第8話を参照)

ヒビキ「アキラさん、どういう事か教えてよ。ここに…兄さんがいるの…?」

アキラ「その通りだ。我が目にあの男の姿がはっきりと見えておる。」

何故見えているのかはわからないが、彼もまた零斗が見えているようだ。

シロウ「あの男、ただならぬオーラを感じる。武神のような強い力を…」

レイト「………」

アキラ「どうした!何故何も言わんのだ!私は貴様とのあの日の決着をつけるためにここに舞い戻ったのだぞ!」

レイト「俺は…戦いたくねぇ…」

アキラ「何故だ!今の私を見て震えてるのか!貴様はそんな器の男ではないはずだ!」

レイト「………」

アキラ「なんとか言ってみてはどうだ!有音 零斗!」

キノ「なんで何も言わないんですか?」

レイト「俺には戦う理由がない…。」

キノ「逃げるんですか?」

レイト「……」

キノ「ヒビキ君の前で負ける姿を見せるのがそんなに怖いんですか?」

アキラ「私の知る貴様はそんな男では無かった…。だが、私は貴様に勝つことが目的でここへ来たのだ。貴様に果し状を置いていく。明後日の0時、この会場で私は待っているぞ。」

そう告げて、アキラは姿を消した。

キノ「レイトさん、アレでいいんですか?」

レイト「………」

シロウ「何故何も言わないんだ?」

零斗は弟の響に存在していることがバレてしまい、この世界に残れる時間が限られてきてしまったのだ。もしかしたら、明日には消えてしまう。そんな恐怖を感じていた。零斗がこの世界に多くの未練を残している。だが、その未練の一つだった人間に存在を認識された時、この世界に拘束される理由が消えてしまうからだ。

このまま、存在がバレてしまえば、もうこの世界には戻れなくなる。

零斗は悩んでいるのだ。このままでいいのか、それとも…

ヒビキ「あのさ…キノさん。」

キノ「ヒビキ君…」

ヒビキ「本当に…兄さんがここにいるの?」

キノ「……そうだよ。レイトさんは、ずっと…あなたを見守る為にこの世界に残ってた。そして、僕の隣でガンプラを通して戦ってきた…。」

ヒビキ「そっか…それで、プラネッツナイトを使えたんだね…。」

キノ「アレは僕の力じゃない。レイトさんのおかげだから。」

ヒビキ「もし…兄さんがここに居るのなら…僕の声が届くのなら…僕は、もう一度だけ兄さんの闘っている姿を見たい。」

レイト「…ヒビキ。」

キノ「だそうですよ。あの果し状、受けるしかないですよね?」

レイト「そう…だな…。」

義之は少しだけ笑顔を見せ、

キノ「レイトさん、闘ってくれるそうですよ。」

ヒビキ「本当に?!」

キノ「もちろん。」

シロウ「よかったな。また兄貴のカッコいい姿が見れて。」

皆が話をすすめているところに水を差すかのように啓司が口をはさむ。

ケイジ「あのぉ…。レイトさんって人は誰なんすか?」

ケイ「アンタ…それすら知らないなんて…」

ヒビキ「無形のZEROって聞いたことあります?」

ケイジ「はい。ガンプラバトル大会の優勝が確実と呼ばれていたチームに居た人の別称っすよね?でも、その人って死んだっすよね?」

ヒビキ「そうだね。四年前に死んだ…。そして、その死んだ人は僕の兄なんだ。」

ケイジ「え…」

シロウ「ちなみに言うと、キノ君のコアガンダムもそいつが制作に携わってるらしいぜ?」

ケイジ「どおりで強いわけだ…」

シロウ「いや、プレイヤーの腕前にもよるからな。もしかすると、キノ君と一緒に操縦してたという事もありえるだろうな。」

ケイジ「なるほどぉ。」

ケイ「うーん…なんだか説明されてもうまくピンと来ないわね…」

キノ「この世界で起こり得ない事が起きてる訳ですからね…。」

シロウ「今日はもう遅いから早く帰りな。そうしないと、門閉められるぞ?」

ケイジ「げっ…!それはまずいっす!」

ケイ「みんな!急いで帰りましょ!」

キノ「は〜い。」

一同は早足で門の前まで走り出す。ある1人を除いては。

キノ「ヒビキ君?」

ヒビキ「ごめん…なんだか…信じられなくて…」

キノ「その気持ち、分かるよ。僕も四年くらい前にお兄ちゃんを亡くしてね…」

ヒビキ「お兄さんは、なんで死んだんですか?」

キノ「……殺されたんだ…父さんに。」

ヒビキ「……。」

キノ「僕は家の後を継ぐのが嫌で、自由になりたかった。だけど、父さん達は認めてくれなかった。それで、僕は父さんに殺されそうになった。だけど…僕を庇ってお兄ちゃんが殺されちゃってね…」

ヒビキ「そんな過去があったんですね…」

キノ「僕、レイトさんを見ていると、僕の死んだお兄ちゃんみたいな存在に見えるんです。」

ヒビキ「兄さんが…?」

キノ「そうです。たしかに、口が悪くて自由過ぎますけど…だけど…その優しさは本物で、お兄ちゃんと同じくらい大切に思ってくれて…たまに、ヒビキさんの話をしてくれたりするんですよ。あの時のレイトさん、すごく元気に語ってくれるんです。」

ヒビキ「兄さん…」

キノ「だから、僕はヒビキさんが本当の兄弟っていうのが羨ましいです。あんなに人思いで優しいお兄ちゃんが、死んでも尚そばに居てくれてるんですから。」

ヒビキ「……。」

キノ「さぁ、早く門に行きましょう。閉められたら、帰れなくなりますから。」

義之は響の手を取り、門に向かい歩き出す。

ヒビキ「キノさん…。」

キノ「はい?」

ヒビキ「これを兄さんに渡してほしい…」

そう言って、義之の空いている手に渡した。

キノ「これは…ダメですよ。これはヒビキさんの…」

ヒビキ「あの戦いが終わったら、返してもらえればいいから。」

キノ「…わかりました。必ず返しに行きますね。」

そう告げて、響から渡された物をポーチに仕舞い込んだ。

 

数時間後…

2人は家に帰り、模索していた。

零斗は闘う覚悟を決めたが、4年前の闘いを思い出し、あの時から更に強くなっているアキラにどう立ち向かうかを考えていたのだ。

レイト「プラネッツナイトの武装は複数の武装に変化して闘う事ができる。だが…それは逆に相手に弱点を見せているものと変わらねぇ。もっと他の武装を考えるしか…」

キノ「レイトさん、どうしたんですか?険しい顔をして。レイトさんらしくないですね。」

レイト「………。」

零斗は何も答えなかった。

義之は少しだけ強気な姿勢で行動に移る。

キノ「あ…あ〜。暑いなぁ〜。暑過ぎて全部脱いじゃおうかなぁ〜?」

レイト「白々しいし棒読みだぞ。」

キノ「なんだ…聞こえてたんだ…。」

義之は少しだけ顔をしかめた。

レイト「……。」

零斗はまた黙る。

義之は零斗を心配しているのだ。そして…零斗とずっと一緒に居たいと思っている。義之は心の奥底で、零斗が消えてしまう事に怖くなっていた。

少しでも長く居たいのだ。義之にとっては彼が最後の家族だから…

義之は零斗の背中に抱きついた。

レイト「邪魔だ…。気が散るだろ。」

キノ「邪魔でもいい。僕は…レイトさんと居たい…ずっと…一緒に居てほしい…」

レイト「………どけ。」

キノ「僕の方を見てくださいよ…。」

レイト「………。」

キノ「レイトさんは僕が嫌いなんですか?」

レイト「嫌いにならなきゃ…俺は…この先ずっと後悔を残したまま消えちまう事になる…」

零斗は自分が消える事を恐れていた。このまま消えれば後悔だけが山積みのままになる。アキラとの闘いを受け、勝つ事は零斗に対してプレッシャーなっていたのだ。

しかし、負けてしまえば、この世界に残れる理由にもなる。そう考えていた。

だが、零斗は負ける姿を弟である響に見せるわけにもいかなかった。響の追い続けたカッコいい兄の背中を汚す闘いだけはしてはいけないのだ。

レイト「俺は…どうすれば…」

キノ「(今、レイトさんの力になれるのは僕しかいないんだ…。僕がレイトさんの為に何か出来ることをしなきゃ…)」

2人はお互いに悩んでいた。

1人は世界から消える事を…

1人は消えてしまう彼の為にできる事を…

10数分が経った頃…

零斗は背中から抱きつく義之の温もりを感じた。

優しい暖かさが背中に広がる。

零斗はその暖かさにより、昔の自分を思い出す。

 

零斗「この身体はあと…どのくらいしか持たないんだ…?」

医者「………。せいぜい、長くても3、4ヶ月…だろうか。」

零斗「3ヶ月あるんなら…ガンプラバトルの大会まで…!」

医者「無茶を言うな。もう身体も限界まで達している…その心臓の状態で無理をすれば自分の首を絞めるようなものだ…。悪い事は言わない。だから…」

零斗「俺はあの大会で勝たなきゃいけねぇんだっ!3ヶ月後に決勝大会まで開催されるんだよ!だから…」

医者「どうしてそこまであの大会に出ようとするのだ…?」

零斗「もう二度と…誰も失いたくないんだ…俺は…強くなった結果を残して、みんなを…守らないといけないんだ…」

医者「……。彼女は…本当にそんな事を望んでいるのだろうか…。君が守れなかった事を悔やむ気持ちもわかる。だが…自殺した彼女が本当にそれを望むのだろうか?」

零斗「わからない…。死人の声が聞こえる訳じゃないんだから。でも…俺は…」

医者「……。なら、悔いの無い闘いをしなさい。自分の精一杯の力を。全力を。」

 

レイト「へっ…。俺は…生きてた頃、あんな無茶な事ばっかしてたんだっけな…。余命宣告までされちまってたのに、抗いに抗って…死ぬ瞬間まで体を動かそうと必死になって…[あと少しだけ動いてくれ]なんて手を伸ばして…。」

レイト「…。あの頃の俺は…どこに行っちまったんだろうな…。」

キノ「もう変わらなくてもいいんです。レイトさんは、レイトさんのままでいいんですよ。」

レイト「けどよ…今の俺は情けねぇよ…こんくらいの事で…」

義之は零斗の身体を強く締める。それは義之の何処にも行ってほしく無いという思いが込められているようにも感じた。

キノ「僕は…今のレイトさんが好きだよ。無理に戻らなくていいんです。レイトさんはレイトさんのままで…」

レイト「……。ありがとな。」

零斗は義之の顔を見ようと振り返った。

その瞬間、零斗は顔を真っ赤にしていたのだ。

キノ「どうしたんですか…?」

レイト「なんで上だけ脱いでんだよ…」

キノ「もしかして、僕の胸で興奮しちゃって顔を真っ赤に?」

レイト「だ…誰がお前みてぇなぺったんこの胸のやつに興奮するかよ!だいたい裸で抱きつくとかどうかしてるだろが!それが生きてる男だったら…」

キノ「グスッ…ひ…酷いです…」

レイト「ま…待て!違う!お…俺はお前の事を心配して…」

キノ「うぅ…」

レイト「すまん!そういう訳じゃねぇんだ。本当に俺はお前が心配で…」

キノ「………。」

義之は少し睨みつけるかのように見つめてきた。

レイト「そ…そんな目で見るんじゃねぇよ…」

キノ「ん……。」

義之は零斗の方は顔をむけて、目を閉じた。

レイト「な…なんだよ?その顔は。」

キノ「…………。」

レイト「し…仕方ねぇな…」

零斗は義之の顔ではなく、頬に口づけをした。

キノ「いじわる」

レイト「唇はまた後でな…」

キノ「お風呂に入ってる時にしてくれるんですね?」

レイト「ばっ…!馬鹿野郎!」

この2人はいつもこんな事ばかりしているが、互いにあまり仲良いとは思っていないそうな…

夜中…

レイト「…。何を躊躇っているんだ俺は…」

零斗は悩んでいた。闘う事を恐れていた。

これで終わってしまうと、零斗は残している未練を断ち切れないままこの世界を去る事になる。それをまだ未だに悔やんでいた。

レイト「俺が…こんな所で立ち止まっちまうなんてな…。」

零斗が1人呟いていると、1人の男が隣に来た。

シロウ「よう。」

レイト「なんだ…アンタか。」

シロウ「君がそんなに悩んでるって事は、よっぽどの事だな?」

レイト「わかってんだろ。俺が今、何を考えてるのか。」

シロウ「…。闘う事が怖いのか?」

レイト「………。あぁ…。」

シロウ「どうしてそこまで怖がるんだ。今日みたいにやればいいだろう?」

レイト「今回に限っては、そうもいかねぇんだ…。俺がこの世界に存在できなくなっちまうかもしれねぇんだよ…。」

シロウ「別にいいんじゃないのか?お前は幽霊で地縛霊のようになってこの世界に取り残されてる。なら、その鎖から…」

レイト「ちげぇんだよ…!俺は…弟やキノが心配なんだよ…それによ…ユリと居た思い出が…この世界から消えたら…それすら無くなっちまうかもしれねぇんだよ…」

シロウ「……。」

レイト「俺は…自分の好きで死んだ訳じゃねぇ。でもよ…俺はこの世界に留まることになって、ヒビキを見守り続けて、キノと暮らして…みんなとガンプラバトルをして…そんな大切な思い出が…こんな幽霊の俺にもあんだよ!それを失いたくなんかねぇ…俺は…もっとここに居たいんだ…」

シロウ「何故…お前はこの世界に居ようとするんだ?」

レイト「俺は…この思い出を…」

シロウ「違う。お前は、思い出を守る事より、目の前の目標に怯えているんだ。」

レイト「俺はそんな…!」

シロウ「自分が認めて無いだけかもしれないが、俺には闘う事を拒否する理由はいくつもあるように見えた。」

レイト「なんでお前はそんなことが言えんだ…俺でもねぇのに…」

シロウ「なんとなくでしか分からない。だが、お前は次の闘いを望まないのは、相手に怯えて、この世界から消える事に恐怖して、何も見えなくなっている。その見えない時が一番自分が強くなるチャンスじゃないのか?」

レイト「チャンス…」

シロウ「そうだ。まだ闘っても無い状態で怯えて、本当に起きるかもわからない事に恐怖して、何も見えなくなっている。だが、それを乗り越えた時に自分は更に強くなれる。今が一番自分が強くなれるチャンスだとは思わないのか?」

レイト「だが…」

シロウ「言い訳をするのか?ならば今、お前と俺でガンプラバトルをするか?」

レイト「もうお前には負けねぇよ…」

シロウ「そうかな?使い手の調子でバトルは全く違う状況にだってなりゆる可能性があるんだぞ?もしそれで俺に負けたら、お前の迷いは断ち切らない限り、あの男には勝てはしない。」

レイト「やってやるよ…。」

零斗はコアガンダムZEROを、四郎は前回闘い、勝利を納めたコアガンダムGとガオーアーマーを使い、バトルの場に立つのだった。

だが…5分後…

以前にも同じよつな事が起きたが、それと全く同じ事が今起きたのだ。

コアガンダムZEROは苦しみ出した。それと同時に零斗にも身体に痛みを覚える。

レイト「ぐあああああああっ…!」

シロウ「だから言ったのさ。」

レイト「何故…何故なんだ…っ!」

零斗はただ勝てなかった訳では無い。

装備できたはずのプラネッツアーマーが使用不可能な状態となっていた。

レイト「何故だ!何故使えないんだ…!」

シロウ「お前がそのシステムを作ったはずだろ?なんでわからないんだ?」

レイト(そうだ…アルマの野郎が言っていた。「プラネッツナイトは信頼関係が無ければなれない。」って。)「…っ!今の俺は…信頼に値しないって言うのか…!」

シロウ「…。それも本当に騎士としての役目を果たす為に必要な事だからさ。君は今、焦りすぎて何も見えていない。そんな事では明後日…いや、もう日を通り越しているな。明日には決着をつけないといけないんだろ?それなのに何故そんなに焦るんだ。」

レイト「俺は…!俺は………うあぁぁぁぁっ!」

零斗は一心不乱になり、四郎に向かっていった。だが…

レイト「ZERO!どうした!動け!動くんだ!おい!」

コアガンダムZEROは機能停止したのだ。

機能を停止したのは、乗り手の意志ではなく…ZERO自身の意志でシャットダウンしたのだ。

レイト「っ…!なんでだよ…なんで動かねぇんだよ!」

零斗の目の前のモニターが光り、ある声が聞こえてきた。

「モウ…コレ以上ハ意味ガ無イ。君ハ、コノママ戦ッテモ勝テナイ。」

レイト「ZERO…」

シロウ「驚いたな…ガンプラが本当に意志を持っているなんて。もしかして、俺の乗ってるこのコアガンダムにも意志が…?」

そんな事を四郎が呟いていると、目の前のコアガンダムZEROは倒れ始めた。

シロウ「おっと!」

四郎の乗るコアガンダムに支えられたまま、バトルは終わってしまった。

レイト「………。」

シロウ「お前のガンプラも、その迷いを抱えたまま闘うのは難しいと判断してやった事だ。迷いが無ければ、本来なら俺が負けていたはずだ。」

レイト「……。あの男は、俺と俺のプラネッツナイトとの決着を付ける為に現れたはずだ…。俺が乗りこなせねぇんなら…俺は…」

シロウ「あと1日ある。それまでにどうにかしたらいいさ。」

そう告げて、四郎は去っていった。

零斗も家に戻り、眠りについた。

 

朝になり…

キノ「ふぁ〜…おはようございます…。むにゃむにゃ…」

レイト「おはよう。いつも早えぇな。」

キノ「早く寝たら、早く起きれるし、成長するからいい事が多いんですよ。」

レイト「なぁにが成長だ…ぺったんこの胸で俺よりも身長低いくせに。」

キノ「は?レイトさん、身長が低いのは認めますが、胸が小さいのは余計ですよ!」

レイト「本当の事を言っただけだろ?おこんなよ。」

キノ「僕の胸を触ったりしてるの誰だっけな…」

レイト「誰だろうなぁ?昨日はなんか背中にまな板が当たってたような…」

ビタンッ!

レイト「い…って!何しや…」

キノ「グスッ…」

義之はあまり泣くような子では無かったが、流石に耐えきれず目に涙を浮かべる。

キノ「もう知らないです!」

レイト「待て…!」

義之は零斗の作業部屋に籠ってしまった。

レイト「言い過ぎちまったな…あいつ、アレでも一応女だもんな…」

零斗は作業部屋に入った義之を呼び出す。

レイト「おーい、キノ。悪かったから、出てきてくれよ。」

キノ「…どうせ僕はまな板だから!」

かなりお怒りのようだ…

レイト「そ…そう言うなよ。お願い聞いてやるからよ。」

キノ「…。なら、アマリさんのお店に一緒に来て。」

レイト「え…。」

義之の機嫌を戻す為、仕方なくアマリさんの働く電之商店まで足を向けた零斗は…

アマリ「あらぁ!零斗君いらっしゃい!お姉さん、会いたかったのよぉ!」

レイト「ちょ…おわっ…!」

零斗は天理に抱きつかれて倒れてしまう。

レイト「ちょっ…あ…アマリさん…く…苦しい!胸が…おも…い…」

アマリ「あらぁ?やだぁ。レイト君ったら。やっぱりまだまだ思春期なお年頃なのね。」

そんな零斗を苦しむ姿を見ながら義之はにやついていた。

レイト「ちょ…キノ…助けてくれ…。」

キノ「え?こういうのが好きなんでしょ?僕と違って、[大きい]胸の人が好きなんですよねぇ?」

レイト「わかったから!俺が悪かったから許してくれ!頼む!」

義之はスッと手を差し伸べる。

零斗がその手をつかもうとした途端、その手は離れてしまった。

キノ「あぁ、ごめん。手が滑っちゃいました。」

レイト「て…てめぇ…」

キノ「あ、アマリさん、レイトさんがお店の物を持ってますよ?」

レイト「何言ってんだお前…」

アマリ「あら?何かしらこれ?ローション…?」

レイト「お…お前…!」

義之はニヤッと笑い、天理の持っていたローションを手に取る。

レイト「お前…何をしようとしてるんだ…」

義之はフタを開け、ローションを少しだけ手に乗せた。

ドロォっとした粘度の高い液体を見せながら、義之は口を開く。

キノ「コレ、どうしたらいいかな?」

レイト「おい…それだけはよせ…。」

この時の義之の顔は悪い女の顔をしていた。

とてもいつもの冷静な彼女とは思えないほど、悪い笑みを浮かべていた。

キノ「どうしようかなぁ。」

レイト「も…もうこんな事やめて仲良くしようぜ…?な?」

アマリ「女の子を泣かせる子悪い子にはもう少しお仕置きしないとねぇ。そうでしょ?キノちゃん。」

キノ「そうですよね。アマリさん。」

女性陣2人は零斗の方へ顔を向けてニヤッと不敵な笑みを作る。

彼女達はグルだったようだ。

レイト「や…やめろぉ!」

 

2時間後…

なんやかんやあり、家に帰る途中の事だ。

レイト「…ったく。散々な目に遭わせやがって…」

キノ「クスクス…プッ。あはははっ!」

レイト「わ…笑うんじゃねぇ!」

キノ「だって…幽霊だからかからないはずなのに絶望したような顔して…っはははっ!」

レイト「腹立つぜ…全くよ…。」

キノ「まあ、そう怒らないでくださいよ。あ、そうだ。あそこのゲームセンターで遊んでいきませんか?」

レイト「なんでそんな事をすんだ?」

キノ「ま…まあ、気分晴らしに。どうですか?」

レイト「俺はできねぇから楽しんできな。」

キノ「はぁい。じゃあ、僕だけで楽しんできますね。あ、もしも遊びたくなったら僕の体を使ってゲームしていいですからね。」

レイト「へいへい。」

と、乗り気では無さそうな返事をし、義之は1人ゲームセンターの中に消えていった。

零斗はゲームセンターの中をポツリポツリと歩いてゆく。

そこで、とある女性を見かけた。

白い衣服に長い髪の毛で、格闘ゲームに夢中になっている姿を見たのだ。

???「オラオラオラオラァ!」

システム音「YOU WIN!」

???「っしゃぁっ!どうだ!見たか俺の実力!」

と、1人呟く女性を見て

レイト「全く…うるせぇなぁ。ゲームに熱くなり過ぎだ。」

と、つぶやいた。

その時…

???「あん?なんだよ兄ちゃん、私とやるってのか?」

レイト「俺はガンプラバトル以外しねぇ…って!お前!」

???「んぁ?どうしたんだよ。間抜けな顔しやがって。」

レイト「お、お前…!俺が見えてんのか?!」

???「何言ってんだお前?」

零斗は幽霊のはずだが、相手の女には姿がしっかりと見えていたのだ。

レイト「俺、幽霊だぞ?なんで見えてんだよ?!」

???「細かい事は気にすんなよ。」

レイト「細かい…いや、この際どうでもいい。お前、何者だ。」

???「あ?何者だって聞く前に自分が名乗るのが礼儀だろ。」

レイト「そうだな…。俺は有音 零斗だ。」

???「え…?んな事あるんかよ…」

レイト「どうしたんだ?」

レイト(女)「私も零斗ってんだよ。」

レイト「な…なんだと?!」

レイト(女)「私以外にもそんな名前のやつがいるなんてなぁ!驚いちまった!」

レイト「おいおい…こんな偶然があっていいのかよ…」

数十分後…

レイト(女)「そうか。アンタ、そんな大切な試合が控えてんのか。」

レイト「あぁ…。」

レイト(女)「だが、同じ私なら負けはしねぇな!」

レイト「そのつもりだがよ…」

レイト(女)「何をそんなに怖気付いてんだよ?一度は勝った相手なんだろ?なら勝てんだろ?」

レイト「俺は、幽霊なんだぞ?この世界に未練を残したまま死んで、今も尚彷徨ってんだよ。そんな俺が、もしその戦いで勝ったら俺の未練は減り、この世界に居られなくなっちまう。だからって言って負けたくはねぇし…だが…今の俺じゃ勝てねぇのも事実だ…。」

レイト(女)「なら、クヨクヨすんじゃねぇよ!何かを得る為には何かを捨てる覚悟をしねぇでどうすんだ!私も前が見えなくなって今のテメェみたいになった時もあったけどよ…それでも、自分の果たすべきものは果たせよ!この世界に居られなくなったって!それを怖がってたって前には進めねぇよ!同じ名前の私ならもっと頑張れよ!前に進めよ!」

その言葉を受けた零斗は自分の中に繋がれた鎖のような何かが切れた気がした。

レイト「(俺は、ずっと先の事ばかりを考えすぎて、怖くて進むことを拒んでいた…だが、このまま動かねぇで後悔をするなら、後悔が無くなるまで全力で前へ進めばいい!そうだ!俺は大切な事を忘れていた。)」

レイト「…そうだな。怖がってたって何も始まらねぇ。俺は、前へ進む!例えこの世界から消えちまっても!俺は俺の役目を決着を…果たす!」

レイト(女)「そうだ!その勢いだ!私!」

レイト「ありがとな。女の俺。」

2人の零斗は互いに清々しい顔をし、向き合った。

そして…遠くから1人の女性が女の零斗を呼んでいた。

???「お〜い!レイト!何してんだ!早く帰るぞぉ!」

レイト(女)「あ、仲間が呼んでやがる。そんじゃあな!またどっかで会おうぜ!」

レイト「おう!またな!」

零斗の不安は無くなり、いつの間にか険しかった表情も元に戻っていた。

 

キノ「レイトさん、ここに居たんですね。」

レイト「お、キノ。ゲームは楽しめたか?」

キノ「はい!ん?レイトさん、さっきより顔が柔らかくなってませんか?」

レイト「まあ、そうかもな。触ってみるか?」

キノ「いいんですか?」

レイト「全然構わ…い…いててて!」

ビヨーン!と顔を引き伸ばし、ヒラメみたいな形になるまで顔を伸ばしていた。

レイト「い…いへぇからやめへぇ…!」

キノ「あはははっ!気持ち悪〜い!」

と、言いながら義之は手を離し…

ペチン!

レイト「いっててて…」

キノ「幽霊にも痛みの感情があるんですね。」

と、いちゃつきながら、帰り道に立っていた。

 

そして、夜になり…

レイト「アイツとは、今回でケリをつけなきゃな。さっき完成したこいつと…ZEROから俺の信頼を取り戻し、プラネッツアーマーで決着をつける!」

作業部屋で意気込むと、義之が入ってきた。

キノ「レイトさん、そろそろ寝ましょう?」

レイト「そうだな。明日の為に備えて寝るか。」

 

そして…夜更けに…

シロウ「やっと、決心がついたようだな。これで、俺も安心して明日の戦いを見ることができそうだ。」

???「あの幽霊がどれくらい強いのか私も拝見するとしよう。」

シロウ「心配は無い。零斗はかなり強いから。戦った俺が補償する!」

???「勇者王と呼ばれた貴様がそこまで強いと認める男…か。面白い。明日の戦い、どんな戦いを見せるか、楽しみにしているぞ。」

 

朝になり、眩しい日差しがカーテンの間からさしこんでくる。

レイト「もう朝か。一日ってのはあっという間だな。」

キノ「レイトさん、おはようございます。」

零斗は笑顔を見せながら、義之に抱きつく。

レイト「おはよう。」

キノ「な…なんですか…いつもと違って気持ち悪いですよ…?」

レイト「なんて言われようが…どうでもいい。あと少し…ほんの少しだけ、俺にこの時間を味合わせてくれ…。」

キノ「え…?いつものレイトさんらしく無いですよ?」

レイト「なぁ…キノ…」

キノ「はい?」

レイト「お前と過ごしたこの数ヶ月、楽しかったぜ…。」

キノ「え…」

 

 

キノ(この時の僕は、まだ何も知らなかった。これがレイトさんと過ごす最後の1日になるなんて…知る由も無かった。)

 

 

昼間…会場にて…午前11時58分

アキラ「あと2分…」

2分後…

レイト「待たせたな。」

アキラ「待っていたぞ。」

レイト「なんだよ。せっかく時間ギリギリに来て呆れさせてやろうと思ったのによ。」

アキラ「ふん…。貴様なら必ずやってくると信じていたからな。」

レイト「そうかい。昨日まで俺は、お前と戦うことに不安を感じていたんだがな。だが、今は違う。今の俺は…わくわくしてんだよ。この戦いは…ある意味で俺にとって特別な戦いになるからな!」

アキラ「そうか。そこまでの覚悟を決めたのか。ならば!私もその覚悟に応えた戦いを!」

2人は会場に歩み寄り、バトルフィールドの電源が入る。

零斗を応援する人達が後から続々と会場内へ入ってくる。

そこには、響や義之の姿もあった。

キノ「レイトさん!」

レイト「よう。待ってたぜ。お前が居なきゃ俺は戦えねぇからよ。」

キノ「レイトさん、今回は僕の身体を貸す事はできません。」

義之から出た言葉はかなり衝撃的だった。

レイト「なんでだよ?じゃあどうやって…」

と、言っていると、ある1人の男が近寄ってきた。

ヒビキ「キノさん、ここに居るの?」

キノ「うん。今、目の前に君のお兄さん、レイトさんがいます。」

ヒビキ「兄さん…戦うなら僕の身体を使ってよ。聞こえてるかわからないけど、僕は…兄さんと同じ血を持った兄弟だから…きっと…何かの役に立てるはずだから…」

レイト「………。」

キノ「だそうですよ?零斗さん。」

レイト「わかってる。こんな事言われたら、拒否なんかできねぇよ。」

キノ「そうですね。あ、そうだった。ガンプラを渡してなかった。」

そう言って、零斗にガンプラを渡した。

零斗はそのガンプラを見て、とても驚いた顔をしていた。

レイト「これは…α…!」

零斗の手に渡されたのは零斗の愛機であるコアガンダムαだったのだ。

キノ「この前、ヒビキさんに渡されてたけど、当日に渡した方がいいかなって。」

レイト「………。」

零斗は涙を流していた。

レイト「俺の最後の戦いを見届けてくれるんだな…」

零斗は涙を拭き取り、深呼吸をする。

レイト「ヨシ。行くぞ!」

零斗は響の身体へ憑依した。

零斗は生きていた頃の感覚を、本当の自分の身体のように動く事を嬉しく感じていた。

レイト「(感じるぞ…ヒビキ…お前がαと戦ってきた記憶…数々の苦難に立ち向かい、立ち上がってきた姿が…ヒビキ…俺の闘いを…身体に…記憶に刻み込んでくれ!)」

零斗はガンプラをセットし、コントローラーに手をかける。

レイト「この感覚…本当に生きている時のようだ…」

その時、ガンプラの声が頭に響いた。

α「君ともう一度闘える事を光栄に思う。」

レイト「あぁ。俺もだ…」

コアガンダムαはゆっくりと動き出し、スタンバイモードに入る。

レイト「ユリ…見ていてくれ。俺と作ったコアガンダムαの姿を…俺たち兄弟の力を…そして…俺の最後の戦いを!」

アキラもガンプラをセットアップし始めた。

アキラ「レイト、君が死んだ時、私は私の目指す武の頂を見失ってしまった。だが、今こうやって魂だけの存在として私の前に現れ、再び剣を交えようとはな!それでこそ!私が認めた騎士だ!」

sin・スサノオをゆっくりと動かし、スタンバイモードに移り始める。

アキラ「レイトよ!私の目が狂ってないのならば、貴様は私が想像するよりももっとずっと強くなっているはずだ!そして!私はそんな貴様の首を打ち取り、真の武の頂を極めん!」

互いにスタンバイモードに移行が完了し、発進シークエンスに移った。

両者が出撃の掛け声を言い放った。

レイト「レイト!コアガンダムα!行くぜぇっ!」

アキラ「カマイ アキラ!Sin・スサノオ!いざ尋常に!参る!」

2人は共に発進し、バトルフィールドに降り立った。

アキラ「久しいな!アリネ レイトよ!君とこうやってまた闘える日が来ようとは!」

レイト(憑)「あぁ!俺もだ!お前と会わなかったら、こんなにも暖かい気持ちと共に戦う事はできなかった。お前のおかげで俺は最高の状態で闘える!」

アキラ「そうか…!だが、その小さいガンダムはあの準決勝で戦った頃と何も変わってないのだな。」

レイト(憑)「甘く見るんじゃねぇ!こいつは、俺が戦ってきた記憶、ユリとの思い出、ヒビキが紡いできた意志と共にある!あの時のコアガンダムαだと思うな!背負ってるものが違げぇんだよ!」

Sin・スサノオは刀を構え、アキラは言葉を放つ。

アキラ「ならば…!その実力を準備運動として見極めさせてもらう!」

Sin・スサノオはトランザムシステムを搭載しているが、システムに頼らず、ものすごいスピードで切りかかる!

ザンッ!

近くに生えている木々が真空波で真っ二つにされ倒れていく。

だが、真空波の直線上にはコアガンダムαの姿は無かった。

アキラ「流石は私が認めた好敵手!」

レイト(憑)「お前のスサノオ、まだ準備運動が足りてねぇんじゃねぇのか?」

アキラ「そのようだ。私も腕が鈍っていたものでね!」

そう言い合いながら、2人は剣戟を避けていた。

互いにブランクの時期があり、攻撃を避けつつも、その攻撃は全て一つ一つが完全なる見切りのような状態で避けられていた。だが、Sin・スサノオも剣を振る速度が徐々に上がっているのも見えた。

2人が完全に体が温まった状態へとなった。

α「主よ、今なら…プラネッツアーマーの最大の力を…いや、それ以上の力を発揮出来るかもしれない。」

レイト(憑)「そうか!わかったぜ!」

零斗はプラネッツアーマーのコードを承認させ、青空高くに飛び立った。

レイト(憑)「コード承認!コアチェンジ!エマージェンシーtoプラネッツナイト!」

ホログラムより形成されたアーマーが装備されてゆく…

アキラ「そうだ!その騎士の姿を待っていたぞ!」

アーマーが全て装備され、地上に降り立った。

ズドォォンッ!

地上に降り立った瞬間、足元から大きな衝撃波が生まれ、一時的な砂嵐が吹き荒れる。

砂嵐が止み、目の前を向くと騎士のような姿のガンダムが目の前に現れる。

宇宙を思わせる紫色の脚鎧、白と青の空をかたどった腕鎧と肩鎧、赤く燃えるマントを羽織ったガンダムが目の前に堂々と立っていた。

レイト「ガンダムプラネッツナイト。騎士の名の下に使命を果たす!」

アキラ「会いたかったぞ!宇宙の騎士よ!」

ガンダムプラネッツナイトの登場により、アキラの心に更に火がつく。

レイト(憑)「決着をつけさせてもらうぜ!」

アキラ「来い!有音 零斗ぉぉぉぉっ!」

互いにブーストを加速させ、ぶつかり合う

Sin・スサノオのGN粒子散布量が上がる。

どうやら、機体の性能も感情に左右され、強くなっているようだった。

それはまるで、ガンプラと一つに繋がっているようだった。

Sin・スサノオの刀を盾で受けたが、そのパワーに驚愕していた。

レイト「流石だ…!俺と互角に闘った強者だ!ガンプラを通してヒシヒシ伝わるぜ…!」

アキラ「当たり前だ!私は君を打ち倒し、真の武士道を極める為にここまで強くなって帰ってきたのだからな!」

零斗はニヤッと笑い、空を見る。

レイト「俺もこの為に新しい武器を作ってきたぜ!」

空から一本の武器が落ちてきた。そして、武器は地面に突き刺さったのである。その武器を手に取り、盾を構える。

アキラ「ほぉ。槍か。騎士らしい武器を持ってきたではないか。」

レイト「まあ、まだ全然使い方に慣れてねぇからよ、試し斬りの相手になってもらうぜ!」

アキラ「ならば、我が刀の前では無力である事を教えてしんぜよう!」

2人は互いに向き合い、本気の勝負をする為、身構えた。

 

一方、観客側は…

ケイジ「うおぉぉぉぉっ!プラネッツナイトだ!テレビ見たあのガンプラだ!すっげぇぇぇっ!」

キノ「………。」

啓司は零斗が生前にプラネッツナイトを使っていた姿を見たことあるようだ。

ケイ「うるさいなぁ。男って、侍とか騎士とか本当好きよねぇ。」

と、ぼやいていた。

圭衣がぼやいてる時、丁度また観客席に1人入ってくる。

レイカ「あら。プラネッツナイトなんて…。懐かしいガンプラがあるじゃん。それに、ヒビキ君が操縦してるみたいだけど、彼が操縦してるような感じではないようね。」

キノ「えっと…貴方は…レイカさん…でしたっけ?」

レイカ「そうよぉ。私は、この湯ノ森で1番強いガンプラファイターよ。」

キノ「何故貴方のような方がここに…?」

レイカ「………。なんだか、胸騒ぎがしたのよ。」

キノ「胸騒ぎ…?」

レイカ「えぇ。私はね、4年前にこの湯ノ森の代表として、ガンプラバトルの大会へ出たのよ。私達は、順調に勝ち続けて、決勝戦まで勝ち進んだの。けど…仲間の1人が心臓病で亡くなってしまってね…」

キノ「……その人って…レイトさんですか?」

レイカ「そうよ。彼は強かった。私と互角に闘って、私でさえ負けると思うほど強い人だった。彼は、私と一緒に大会に出てくれたわ。そこで、あのプラネッツナイトとも共闘したわ。本当に強かった。でも…なんで私達に病気の事を言ってくれなかったんだろうって、ずっと胸に引っかかってるの…。」

キノ「………。きっと、レイトさんは心配をかけたくなかったんだと思います。僕は彼ではないからわかりませんが、彼は…レイトさんは本当に人に優しくて、誰よりも人を大切にしていた人だって思うんです。だからこそ、無茶をして大会に出てたんですよ。自分のせいで大会を辞退させたくなかったから。」

レイカ「…そうね。彼ならやりかねないわね。意地が悪くて、口も悪くて…だけど、そんな芯の強さを知って私は彼等と共に大会に出る事を決めたんだから。」

零華は義之と零斗の昔話をしながら試合を観戦していた。

そして…零華はなんとなくわかっていた。目の前の試合で戦っているのは、響ではなく零斗だという事を。

シロウ「どうやら、まだ始まったばかりのようだな。」

キノ「シロウさん。」

シロウ「やぁ。っと、そっちの綺麗な子はキノ君の友達かい?」

レイカ「デンノ レイカよ。よろしくね。」

シロウ「君がかの有名な電之姉妹の人か。俺はアメダ シロウ。よろしく。」

と、あいさつをしていると、ケイジ達が割り込み

ケイジ「あ、シロウさん!今さっき、あのコアガンダムが変身したっすよ!今からが本気の勝負みたいっす!」

シロウ「そうか。ちょうどいいタイミングだったようだね。」

と、口にすると、義之が試合を見ながら怖い顔をしているのを目にする。

キノ「………。」

シロウ「彼が心配なのかい?」

キノ「いいえ。心配なんかしてません。勝つと信じてますから。」

シロウ「じゃあ、どうしてそんなに険しい顔をするんだい?」

キノ「この闘いは…これ以上は目を離せないからです。」

 

バトルフィールドにて…

新しく携えた槍を振りかざし、Sin・スサノオと互角の勝負を見せる零斗

だが、その槍の攻撃すらも刀で軽く受け流すアキラの能力に苦戦を強いられていた。

アキラ「どうした!新しい武器といえど、この程度か!」

レイト「んな訳ねぇだろ!こいつはまだ本当の力を見せてないだけだ!」

アキラ「(確かにこれだけで本気の攻撃とは言えない…!だが、こんな短調の攻撃でいつまでも…!)」

アキラはだんだん近くに攻め寄っていく。

だが、零斗は焦る姿を見せなかった。むしろチャンスだと見ていた。

だんだんと近くなり、武器の攻撃が当たらなくなるほど近くなった。

アキラ「もらった!」

レイト「そうだ!この時を待ってたぜ!」

アキラ「なに…っ!?」

槍の攻撃が当たらなくなるまで引きつけたのはこの為だったのだ。

プラネッツナイトは槍を真上に向かい振り上げる。

その時、アキラは全てを悟った。

槍の後側に小さい刃がある事に。

アキラ「なっ…!」

アキラは咄嗟に回避し、距離を取る。

アキラ「な…なるほどな!あえて攻撃範囲外まで近づけて、不意をつく作戦だったのか!」

レイト「以外と簡単にわかるもんなんだな。」

アキラ「私は武を極めん者だ。そのくらい一度で見切れる!」

レイト「やっぱりすげぇな。お前。」

アキラ「(だが、私の武器の攻撃範囲外からの攻撃は非常に厳しい。だが、逆に近づき過ぎるとこちらがダメージを受ける事となる。ならば、更に距離を取り、相手が近づいて攻撃した隙を見計らって…!)」

アキラはSin・スサノオのGNドライヴを更に散布させ、加速する。

加速しながら、槍の届かない範囲へ移動した。

レイト「お前ならそうすると狙っていたぜ。」

零斗は槍をアキラの方へ向け構えた。

レイト「これで…どうだ!」

槍の先端がワイヤーに繋がれたままアキラの方へ向けて突っ込んでいく。

アキラ「なに…っ!」

刀で受け流し、応戦するも、対抗する手段を全て封じられてしまったのだ。

近づけば裏槍により反撃を受け、距離を取れば遠隔操作攻撃により、奇妙な攻撃に翻弄される。

これが零斗の目論んだ作戦だったのだ。

だが、アキラにはその攻撃すらも早い段階で見切られてしまった。

槍の攻撃を回避しながら、アキラは相手の攻撃パターンを読み、ついにその攻撃の欠点に気づくのだった。

零斗「どうしたぁ!テメェはこんな攻撃に手も足も出ないのか!?」

アキラ「いや…もう見切った!」

その途端、遠隔攻撃を回避し、ワイヤーを切り裂いた。

零斗「何…?!」

Sin・スサノオがだんだん距離を詰めていく。

零斗は裏槍を使い、相手の攻撃を受け止める。

しかし、リーチが短く攻撃力も低かった為、槍はこの攻撃により破壊されてしまった。

バキッ…

レイト「ぐっ…!?」

アキラ「隙ありっ!」

零斗はスサノオの攻撃を盾で受け止めた。

アキラ「流石の判断力…!だが、それでは私に攻撃はできまい!」

レイト「まだだ!剣はここにある!」

アキラ「とんだ戯言をっ…!」

零斗の言葉は戯言でなかったのだ。何故なら、もう目の前で形成されていたからだ。プラネッツアーマーと同様に剣もホログラムより形が形成され、次の時にはもう攻撃が可能な状態となっていた。

レイト「…そこだっ!」

アキラ「なんだと…!」

キィィィィンッ!

刀と剣が互いに攻撃を弾きあい鈍い金属音が響く。それは、互いの力が強い事、互いに勝とうとする事を物語る威力だった。

レイト「やるなっ…!」

アキラ「それでこそ私が認めた相手…!」

レイト「このっ…!」

アキラ「ならば私も!」

2人が武器を互いにぶつけ合い、フィールドを超え会場内にまで鳴り響く。

2人の攻撃は次第にスピードを増し、地上で戦っていたはずが、空中で戦っていた。

両者共に引けを取らず、攻防一体の戦いは続いた。

レイト「はぁぁぁぁっ!」

アキラ「でぇりゃぁぁぁぁっ!」

空にある雲さえ2人の攻撃による衝撃波により、どんどん払われていく。

アキラは零斗との戦いの中で言葉をこぼす。

アキラ「そうだ…!これを求めていた!この戦いを…!君との決着を!私は今、最高に嬉しいぞ!こんなにも楽しい戦いは初めてだ!」

零斗は次に言葉を発した。

レイト「俺もだ…!俺も沢山の強い奴らと戦って来た…!レイカ、ヒカル、シロウ…だが、お前は俺を震わせてくれる!アキラ、俺は本当はずっとお前と闘う事を恐れていた。俺の時は四年前に止まってしまった。その四年間にお前は更に強くなって今ここに現れた。俺はそれが怖かった。そして…お前に勝てたとしても、この世界に未練を沢山残したまま消えてしまうと恐れていた。だが今は消える消えないなんかどうでもいい!俺はこんなにも熱く震えるバトルができている。それだけで嬉しいんだ!」

アキラ「そうか…!ならば!その想いに答えなければならんな…!」

 

4年前…

アキラ「(レイトが…死んだ…)」

私はその言葉を聞いて、その事で頭がいっぱいになった。

リョウタ「彼、心臓が悪くて医者にも言われていたそうよ。でも…それを隠してまで大会に出ていた…。そして…ついに彼の身体は限界を迎え、彼は…」

アキラ「(信じない…信じないぞ…!そんなの絶対に…!)」

私の身体は勝手に動いていた。

リョウタ「アキラ…どこへいくのっ!」

アキラは荷物をあらかたまとめ、どこかへ出ていく。

アキラ「心配はいらない。修行にいくだけ。」

アキラ「(そんなはずは無い…!絶対に…レイトが死ぬなんて…!)」

私は修行を重ね、沢山のガンプラファイターに挑み、勝ち続けた。

だが、アリネ レイトという存在との戦いには全く及ばなかった。

追い詰められ、負ける事も少なくは無かった。だが負けた時、彼との戦いの事を思い出すたび、大した事のない負け方をしていた。

私は修行をし、相手にリベンジを果たした。だが、やはりしょうもない戦いにしかならなかった。

そう、私を満足させるのは彼しかいない。アリネ レイト。その男ではないといけない。だから、ずっと修行を繰り返した。

そして…今に至る。

 

アキラ「レイト。私には君しかいないんだ。私を楽しませてくれるのは君しか居ない!私は!君との戦いを越えるものは無いのだ!君が!私を1番楽しませてくれる!君だけなんだ…っ!」

レイト「嬉しい事を言うやつだ…俺は本来、この世界にいちゃいけないやつだってのによ。」

アキラ「だから…私はここで決着をつける!トランザム!」

Sin・スサノオが赤く光り、スピードが上がった。

レイト「α、まだ戦えるよな?」

α「まだまだ行ける。君の力に応えられるだけの力はあるはずだ。」

レイト「なら、もう少しだけ力を借りるぞ!」

零斗はそう呟くと、空に向かい叫ぶ。

レイト「剣よ!我が問いに答え、我が剣となり、盾となれ!」

そう叫んだ途端、ホログラムから更に三本の剣が形成され、プラネッツナイトの周りを漂う。

アキラ「そんなものまでできたのか。だが…それでこのスサノオを止めることはできん…!」

レイト「どうかな…!やってみなきゃわかんねぇぜ!」

Sin・スサノオは更にスピードを増し、攻撃を仕掛ける。

アキラ「切り捨てごめん…!」

だが、プラネッツナイトの周りを飛ぶ剣が攻撃を全て受け止めた。

カァァァンッ!

アキラ「なに…っ!」

更によろけた所からプラネッツナイトが攻撃を仕掛ける。

レイト「そこだ…っ!」

しかしSin・スサノオはトランザム中の為、攻撃は回避された。

スサノオは残像を残し、目の前から消える。

次の瞬間背後を取られ、切り付けにかかる!

しかし、剣が攻撃を受け止め、アキラも零斗も攻撃を当てることができない状況になった。

零斗は攻撃を受け止め、アキラは攻撃を回避し、またしても攻防一体の戦いが続く。

それから数分が経つ頃、零斗は一瞬をスキを作ってしまう。

レイト「ここ…っ!」

アキラ「やはりな…っ!」

零斗は攻撃を仕掛けた。だが、アキラは逆にその攻撃を受ける姿勢に入り、受け止める。

レイト「なっ…!?」

アキラ「見せたな…!その隙を待っていた!」

アキラは脇腹の方に蹴りをお見舞いした。

レイト「ぐっ…!」

素早い蹴りを入れられて、プラネッツナイトは地面に叩き落とされた。

レイト「くっ…くそ…迂闊だったか…」

アキラ「その程度か。君はそれくらいで終わるようなやつか?」

レイト「ま…まだだ…っ!」

零斗は立ち上がろうとするが、身体に違和感を感じ、止まってしまう。

レイト(な…何故だ…体が…うまく動かない…響の身体に馴染み過ぎたからか…?)

アキラ「動かぬならこちらから参るぞ!」

と、言いsin ・スサノオが斬りかかる。

レイト「受けるしかねぇ…!」

零斗は盾を構え、受ける態勢に入った。

しかし…

ザシュッ!

レイト「た…盾がっ…!?」

更に追い込むように蹴り飛ばした。

レイト「ぐぁぁぁぁ!」

ザザザッ…!

レイト「こ…このままじゃ…」

 

零斗はだんだん追い込まれ、焦りを見せていた。

零斗は負ける事を恐れ始める。

レイト「ま…負けちまうのか…俺は…」

 

その時、零斗の目の前は真っ暗になった。

だが、それは気絶をしたわけでは無い。

ユリ「レイト君…!レイト君!」

レイト「その声は…ユリ…なのか?」

亡くなったはずの優里の声が聞こえたのだ。

ユリ「まだ負けてない!立ち上がるの!この子はまだ諦めてないよ!」

レイト「α…そうだとしても、俺は…もう…」

零斗はそれでも立ち上がることができなかった。

???「何を言っている!昔のお前はこんなことでは諦めなかったぞ!」

どこかから男の声が響く。その声の正体に零斗は気付く。

レイト「ヒカル…」

ヒカル「立ち上がれ!まだ勝負は終わっていない!」

更にどこかから女の声が聞こえてきた。

レイカ「レイト、貴方なら勝てる。私達は一緒に戦って、勝利を勝ち取り、築き上げてきたものはそんな簡単には折れはしない!」

レイト「レイカ…」

そして…零斗の胸の奥から声が聞こえてくる。

ヒビキ「兄さん!兄さんとコアガンダムαが最強だって、僕は知ってるよ!だから…諦めないで!」

レイト「ヒビキ…」

後ろから女の子が零斗に言葉をかけた。

キノ「レイトさん…」

レイト「キノ…」

キノ「勝ってください。僕もZEROも…みんながあなたの勝利を願ってるんです。だから…」

 

零斗の目の前が明るい光に照らされる。

レイト「なぁ…α…まだ…いけるよな?」

α「かなりダメージを受けているが、君の為なら限界以上の力を引き出してみせる。」

レイト「そうか…。そうだな。」

零斗はゆっくりとコントローラーを動かし、立ち上がる。

レイト「俺は…1人じゃない。俺は…俺たちは…みんなで勝つんだ!」

α「そうだ。これは1人の力ではない。沢山の人々の想いを背負い、ここにいる!」

零斗はプラネッツナイトを立たせ、一言言い放つ!

レイト「行くぞ…!俺達みんなで築いた力の全てをぶつけるぞ!」

ピカーン…ッ!

プラネッツナイトはその言葉に応えるように目を光らせた。

プラネッツナイトの周りから気迫のような強い風が吹き荒れる。

sin・スサノオはその風を受け、少しのけぞった。

アキラ「その気迫…っ!私が最初に戦った時と同じ感覚…!ついに、見せたな!本当の力を!」

レイト「行くぞ…!アキラ!」

アキラ「来い…!アリネ レイトぉ!」

2人は更にスピードを増し、互いの武器をぶつける。

だんだんとスピードが上がり、赤い閃光と青い閃光となり、ぶつかる。

レイト「まだだ…っ!まだ終わりはしない!」

アキラ「これ以上は君のそのガンダムでは追いつけはしない!」

二つの閃光は地上へ落ち、大地を砕きながらぶつかりあっていく。

だんだん、スピードは落ち、今一度互いに面と面を向き合う。

レイト「くっ…エネルギーが…」

アキラ「GN粒子量が限界まできたか…」

両機共にエネルギーを使い果たし、ギリギリの状態になっていた。

レイト「どうやら…次の一撃で、決着をつけねぇといけねぇみてぇだ。」

アキラ「そうか…。私と同じか。」

レイト「ふっ…」

アキラ「何故笑うのだ。もう限界だというのに。」

レイト「いや…こんなにも楽しいバトルが最後になるなんてなって、思ってよ。」

アキラ「…ふはは。やはり君は私を楽しませてくれる。こんなに楽しい戦いはな。」

そう言いつつ、2人は互いに最後の一撃の構えをとる。

レイト「ヒビキ…その身に刻め。この俺の必殺技を…!」

アキラ「レイトよ。これが我が武士道の最後の花道。しかと受け止めよ!」

 

二つのガンプラを中心に風が吹き荒れ、空の雲すら吹き飛ばす。

レイト「宇宙よ…我が剣にその力を与え、勝利を道を示せ!」

プラネッツナイトの剣が光り輝き、宇宙からの光を受け止める

アキラ「我、主君の為に命燃やし、勝利と栄光を取らんとせし。」

sin・スサノオの刀が赤く輝き、GN粒子を纏ったと共に、トランザム状態になる。

そのトランザムは更に光を増し、真トランザムと呼ばれる姿に変わる。

二つの力により、自分たちの周囲より外の大地が崩れていく。

そして、ついに力のぶつかる時が来た

レイト「これが最後にして最強の必殺だ!」

アキラ「我が武士道に一点の曇り無し!」

レイト「一撃必殺!プラネッツアサルトブレイブ!」

アキラ「百花繚乱!横一文字斬り!」

両機は共にぶつかりあう!

2人「はぁぁぁぁぁぁっ!」

そして…一瞬でそのぶつかり合いは終わり、互いに一直線上に斬り合った。

両機とも動きが止まり、その少し後に動きを見せた。

プラネッツナイトの左腕、左脇にダメージを受け、左腕は壊れて落ちてしまった。

 

会場はその瞬間ざわついた。

ケイジ「あぁっ…!」

シロウ「これは勝負あったな…」

キノ(レイトさん…!)

 

だが、その後、sin・スサノオにも動きがあった。

sin・スサノオも左脇にダメージを負っていた。そして…

パリーン…と音を立て、sin・スサノオの仮面が崩れ落ちた。

プラネッツナイトは攻撃をした体型のまま、立ったまま動かなくなってしまった。

だが、バトル終了の合図はならない。

アキラ「お見事…。その騎士道精神…それこそ私の追い求めたもの。」

レイト「………。」

そう言い、sin・スサノオの右腕で腰につけていた短刀を抜き取った。

アキラ「私も、その精神に応えて、潔く負けを認めよう。」

そう言いながら、コクピット部分に短刀を突き刺した。

そして…バトルエンドのコールが鳴り響く。

 

その頃…零斗は真っ白な世界に居た。

レイト「来たか…。」

ヒビキ「うん。」

レイト「ありがとな。最高のバトルができた。」

ヒビキ「もう…行っちゃうの…?」

レイト「…あぁ。これ以上はもういられねぇんだ。」

ヒビキ「そっか…。」

響は涙を溢しながら言った。

零斗はそんな響を見て、抱きしめる。

レイト「泣くなよ。もう、お前は1人じゃねぇんだ。」

ヒビキ「だって…だって…」

レイト「お前には、俺とユリが作ったαがいる。イチカがいる。沢山の友達がいる…。だから、もう大丈夫だ。」

ヒビキ「うっ…うぅ…兄さん…」

レイト「世話のやける弟だな…本当によ…」

零斗は涙を流しながらぎゅっと抱きしめた。

レイト「もう…行かなきゃな。」

そう言って、零斗の身体はだんだんと消えていく。

響は目の前で行く零斗に向かい、最後に一言だけ言った。

ヒビキ「兄さん、カッコよかったよ。」

零斗は普段は見せない笑顔を作り、完全に…その身体は消えて無くなってしまった。

響にはその時「見守っているぜ。」と声が聞こえていたようだった。

 

バトルが終わり、響はガンプラを回収した。

そんな響に義之は近寄っていく。

キノ「レイトさん。」

ヒビキ「………。」

キノ「レイトさん…?」

ヒビキ「兄さんは…もう居ないよ。」

キノ「え…?」

ヒビキ「兄さんは…消えてしまったよ。」

キノ「………。そうですか。」

他の人達も響に近寄って行く。

ケイジ「すごかったっすね!あの戦い!」

ケイ「こら。突然知らない人に話しかけられて驚いちゃってるわよ?」

シロウ「ナイスファイトだったね。」

レイカ「流石はレイト君の弟ってだけはあるわね。」

と、響の周りはだんだん人が集まっていった。

アキラは戦いが終わったと同時にその場から消えていた。自分のやるべき事を果たし、誰にも見つからずに去って行った。

 

義之は1人、人がいない所へ行き、泣き崩れた。

キノ「何も言わないで消えるなんて…ずるいよ…一言くらい…言わせてくださいよ…」

 

その日から、時は立ち…

約、3週間ほど過ぎた頃…

レイト「ここは…天国…か?」

零斗は天国に着いたと思い、周りを見渡した。

そこで、あるものを目にした。

レイト「ここは…ユリとαと一緒に約束した…あの桜の木…」

零斗は約束の桜の木の前に居たのだ。

その隣には…

α「どうやら、君もここに着いたようだね。」

レイト「α…お前まで…」

α「訳あって、私も形を失ってしまったのだ。」

レイト「じゃあ、今ヒビキには…」

α「心配しなくていい。彼は…いや、ヒビキは私と君の意思を受け継いだ新しいガンプラがある。」

レイト「…そうか。アイツもついに自分のガンプラが完成したんだな。」

α「私達は、ここで彼の勇姿を見守るとしよう。」

そう呟いていると、謎の次元の裂け目が現れ、そこから数機のガンプラが降り立った。

???「へぇ。ここが、人を殺し放題って言うGBNの世界か。それじゃ、殺戮をしてまわるか!」

謎のガンプラが近くの木々を焼き払い、近隣の人々を殺し始める。

いわゆるマスダイバーと呼ばれる不正アクセスをしてGBNに入り込む悪者達だ。

それを間近で見た零斗は言った。

レイト「どうやら、俺達には見守るだけの時間は無いみてぇだ。こいつらを潰さねぇとダメなようだ。」

α「そうだな。きっと、彼は私達が見ていなくても大丈夫。それより、私達はこの場所を守らなくてはな。」

レイト「この桜の木だけは…絶対守り抜く!行くぞα!」

そう言って、零斗はαに乗り、マスダイバー達を倒しに空へ舞い上がった。

〜つづく〜




あとがきって何を書けばいいのかいまだによくわからんっすねぇ。
あ、みなさんお疲れ様ですぁねぇ。はぁい!
はい。茶番は置いといて。どうでしたか?

今回は少し長いですが、まあ、色々なものが混ざってよかったのでは…?と。

まあ、次回もお楽しみください。

〜次回〜
英雄の魂は消えた。そんな湯ノ森はいつも通りの平穏な日々が続いていた。
だが、ある噂が上がっていたのだ。
GBNで桜の木の下に黒い鎧を着たガンダムの噂が…
次回、〜黒騎士(ブラックナイト)〜
それは、世界の均衡を守る偽りの騎士…
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