ガンダムビルドブレイカーズ after ZERO 作:有音 響
まぁ…趣味がうまくいってないんですよねぇ…
絵もプラモも、カードゲームも全部うまくいかない時期でね…
なかなか続かないんですなぁ。
まぁ、そんな事は置いといて…
とりあえず読んでください
前回までのあらすじ
義之達は零斗の過去を知った。
語られる事のなかった真実の英雄譚、傷だらけの足跡の軌跡。
その彼にはさらなる秘密も存在していた。
【約束の剣】、零斗が使用した姿も2回ほどしかないと言われている彼だけの唯一無二の切り札。
そんな当時の彼の力を知る者も数少ない。
そこで天理は提案したのだった。[当時のレイト]と闘うことを…。
キノ「ま…待ってくださいアマリさん!」
天理はきょとんとした顔で首をかしげた。
アマリ「あら?どうしたのキノちゃん。私変な事言ったかしら?」
キノ「変な事も何も…」
義之は声を詰まらせながら続ける
キノ「レイトさんは、もう居ないんですよ。それに…コアガンダムαだって、修理もできるような状態では…」
天理は義之の手を取り、デバイスを取り上げた。
アマリ「大丈夫よ。キノちゃんと、ヒビキくんのデバイスを使えば。ね⭐︎」
響も驚いた顔をする。
その場に居た者達全員が不思議そうな顔をして見せた。
2人のデバイスを手に取った天理は、デバイスをフィールドにセットすると、システムをいじり始めた。
響はその姿に困惑し、疑問を投げる。
ヒビキ「アマリさん、何故システムを…?」
システムをいじりながら、天理は答えた。
アマリ「ここはね、レイト君、それからシャイニングゼロのヒカル君もシステムをいじっててね、そのついでで私も彼らからシステムの使い方を学んだのよ。このシステムに干渉する事は基本的にエンジニアくらいしかできないんだけど、彼等は独学でシステムに干渉する事をやってのけてね。そのおかげでイチカ、レイカのプラモトレースシステムも作る事に貢献できたのよ。」
蓮斗が割って入った。
レント「えぇ…。レイトさんの仲間ってとんでもない人ばっかり…」
アマリ「そんなことはないわよ。レイト君も最初はシステムをいじるのに一苦労してたから、彼はかなりの努力家よ。彼が使う前ココでシステムいじってたヒカル君もかなりヒーヒー言ってたからねぇ。」
レント「そしたら、いつの間にかスーパースペック集団になっていた…と。」
アマリ「そうなるわね。まぁ、レイカはあんまり細かい事は向かないから、レイカだけはそこは一歩劣るかも…?」
そう言いながら、システムを触って3分ほど経った。
そして…
アマリ「できたわ。」
シロウ「お姉さん、システムに何をしたのか教えてくれないか?」
アマリ「コレ?」
全員が顔を縦に振っている。
アマリ「キノちゃんのデータには、レイト君と一緒に闘っていた時のデータ。ヒビキ君のデータには、コアガンダムα、それに関連したアーマーのデータ、それから過去のレイト君の対戦記録からデータを抽出して、レイト君の全盛期のスペックに限りなく近づけたのよ。」
要するに、彼等のデバイスに残る零斗に関連したデータを集約させて零斗に限りなく近いデータの存在を作り出したのである。
零斗が最後に戦ったデータは義之のデバイスに残るのは、シロウとの対戦、さらにはGBNのブラックナイトのデータ。
コアガンダムαが最後に戦ったデータは、響のデバイスに残る好敵手であるアキラ、宿敵であるアスカとの決闘のデータだった。
そして、データがフィールドに映像として映りだす。
義之が初めて零斗と共に闘っていた頃のはちゃめちゃな対戦、アキラとの騎士道と武士道のぶつかり合い。
響が心を閉ざしていた頃に闘う姿、仲間と共に闘う記録、響を守る為に自分の身体を犠牲にして立ち向かうプラネッツナイトの姿が残されていた。
最後のデータから音声と共に動画が流れ始めた。
目の前に赤い装甲を輝かせながらも、傷だらけのガンプラがいた。ヴェンデッタだ…。
メインカメラを下に向けると、装甲が外れ、傷だらけとなったガンプラの体が映っている。アーマーにも酷いヒビが入っており、立つ事もやっとの様な姿だ。
メインカメラの隣に、コクピットの映像が映し出された。
響の姿がしっかりと映っている。
響「僕は…兄さんの様にはなれない…」
α『諦めるな。君の兄は…レイトはどんな時も諦めなかった。』
そんな言葉とともに、映像は流れ、相手と剣を交え闘う映像が情景を変えながら映っていく。
プラネッツナイトの最後の映像データには必殺技[プラネッツブレイヴ]が映り、敵を半壊にする映像が映る。その後…背後からテイルブレードがプラネッツナイトを貫いた。その姿を最後に映像がだんだん荒くなり、砂嵐が流れ始めた。
それでも、まだ音声は生きていた。
α『主…いや、レイトよ。私は…君との最後の約束を守りきれなかった…。だが…彼は…ヒビキは君の思うより…それ以上にずっと強くなってくれた。彼は…私の…私達の《誇り》だ。』
ヒビキ(…っ!!)
響の知らない音声がそこに残っていたのだ。
砂嵐の中、自分に声をかける響の声も残っていた。しかし、音声も半分ほど砂嵐となり、途切れ途切れだ…。
しかし、最後の音声だけは鮮明に残されていた。
α『大切にしてくれて…ありがとう。』
そして…映像と音声は完全に消えてしまった…
数秒の静寂がその場を包んだ。
レント「この映像が…レイトさんのコアガンダムの最期…」
ヒビキ「僕はあの時、何度も心が折れそうになった。そんな僕に立ち向かう勇気を与えてくれたのは、αだった。僕の力が及ばなかったから、あんな風な最後になってしまったけど…」
シロウ「だが、あの映像には、君の成長した姿に満足そうな言葉を残している。きっと、αは自分が居なくても平気だと悟ったのさ。」
ヒビキ「僕はまだまだですよ。」
アマリ「なら、余計にレイト君と闘ってみないとわかんないねぇ。」
天理は嬉しそうな表情で口を開く。
アマリ「君の成長している姿、お兄さんを相手にしたらどのくらい強くなっているかわかるでしょ?ささ!みんな準備して!」
天理は4人の背中を押しながら言った。
レント「え!ぼ、僕もですか!?」
アマリ「当たり前でしょ〜?あなた達みんなでレイト君の当時の強さを知らなきゃ!」
義之は少し心配そうな顔をする。
ZERO「不安なの?久しぶりにレイトに会えるんだよ?」
コイツはZERO。零斗のコアガンダムαの設計図を元に作られたαの兄弟にあたるガンプラだ。
キノ「不安しかないよ。僕たち、きっとボコボコにされる…」
ZERO「まぁ、そうだよねぇ。君と彼とじゃ天空と地底だもん。」
キノ「天と地ほどの差?」
ZERO「そうそれ。」
そんなこんなで4人は準備を始めた。
全員用意したのは、コアガンダム系列のガンプラだ。
響は自分のガンプラを持たない為、天理から借りたガンプラに乗る。
四郎と蓮斗はそれぞれ追加装備、アーマーを用意していた。
準備が済み、天理が声をかける。
アマリ「みんな、準備できたみたいね。フィールドの準備も済んだわ。スタンバイできたら発進できるわ。」
四郎が一足先に準備に取り掛かった。
そして、それぞれスタンバイシークエンスに入っていく。
システムは一応チームでの作戦になっていた。四郎がリーダーとして務めるようだ。
シロウ「みんな。レイトは一筋縄で済むほど簡単に倒せる相手じゃないぞ。心して立ち向かうんだ。」
レント「が…がんばります!」
義之は少しだけ考えるようなそぶりを見せる。
キノ「行きましょう。レイトさんを倒しに。」
ヒビキ「兄さんを…倒せるのかな…」
響は不安そうな声を漏らしていた。
そこにZEROが通信を飛ばした。
ZERO「大丈夫だよ。君だって強くなったんでしょ?」
ヒビキ「そ…そうだけど…それでも…」
ZERO「今の君なら、倒せるさ。きっとね。」
そうして、全員がスタンバイする。
四郎は最初にスタンバイを終え、発進する。
シロウ「天田 四郎!ガオファイガー、出るぞ!」
蓮斗も続いて発進した。
レント「一ノ瀬 蓮斗。シートゥウィンガンダム、出ます!」
ブラックZEROがスタンバイする為、足をかけた。
ZERO「キノ、準備はいい?」
キノ「うん。降霊 義之。ガンダムブラックZERO、行きます。」
最後に…響も準備をした。
ヒビキ「コアガンダムⅡ、それからナイトアーマー。僕は君達を完全に理解できてる訳じゃない。だけど、僕に力を貸してほしい。今の僕の力を示したいんだ。」
そう呟いていると、システムメッセージが送られてくる。
[大丈夫。君の力を信じているよ。]
メッセージが流れると、武装カーソルが輝いた。そのカーソルから、追加装備のカーソルが現れる。その追加装備を見て、響は驚くのだった…。
ヒビキ「これは……っ。……。ありがとう。信じてくれて。僕も恥のない闘いをするよ。」
そして、響はスタンバイに移った。
ヒビキ「有音 響。ナイトガンダムプラネテス、行きます!」
ナイトアーマーを装備したコアガンダムIIは、αとの差別化の為、別名を名付けられた。ついでに言うが、コアガンダムZEROがナイトアーマーを装備した時の名称はプラネッツナイトZEROとなる。
全員がフィールドに飛び立つと、フィールドがだんだんと形を変えていく。
フィールドはとてつもない広さの神殿の様な形へと変わり果てた。
コレも零斗が残したものなのだろうか…だとしたら、とんでもない事をしたものだ。
そのフィールドに驚く各々。
シロウ「な…なんてデカさの神殿だ。こんな場所にレイトがいるのか?」
四機が地面に足をついた。
その神殿の様なフィールドに驚きながら、全員が歩いてゆく。
そして、その奥には巨大な扉がいくつも置かれていた。
モニターには試練の間と表記されている。ここは、零斗が設けた試練の部屋の様だ。
目の前にある扉をみて、義之が言った。
キノ「見てください。あの扉、何か書いてあります。」
目の前に広がる大きな扉その扉の上には《誇》と刻まれている。
扉にはこう記されていた。
『3つの勇気の力を示せ。力示されし時、この扉開かれ。』
シロウ「3つの勇気…?」
扉にはそれぞれに刻まれた文字と、扉を開く為の文字が書かれている。
ひとつは《断罪》『過去に向き合いし者、背を向けず闘う事』
ひとつは《絆》『共に闘う者、息を合わせ立ち向かう事』
ひとつは《守護》『強き使命持ちし者、その身に刻まれし強き心を示す事』
それぞれの扉に異なる言葉が連ねられてる。
最初の問題は3つの扉を開く方法の様だ。
過去に向き合う者、共に闘う者、強き使命持つ者…
全員悩み始めた。
そこで、響は《守護》とある扉の前に皆を集めて提案した。
ヒビキ「とりあえず、扉をみんなで押してみよう。」
そうして、全員扉に手をかけた。その瞬間、扉にエラー音が流れる。
ヒビキ「やっぱ、単純な問題じゃない…か。」
そこへ、ZEROが声をかけた。蓮斗は基本的にガンプラの声を聞くことはできないが、ZEROは通信を通して、蓮斗にも伝わる様にシステムを解して言葉を言う。
ZERO「みんな。もしかしたら1人で扉を開けられるんじゃない?」
4人はみんな不思議な声を漏らす。
レント「今の声は誰…?」
シロウ「大丈夫だ。この声はキノ君のガンプラだ。」
キノ「それより、ZERO。1人でって…どういう事?」
ZERO「多分、このヒントは意味の該当する人だけが入れる。そういう事じゃないかな?」
シロウ「こんな扉を1人で開けるなんてどうやっても…」
ZEROは少しガクッとしながら、ため息混じりに答えた。
ZERO「開けるんじゃないよ。勝手に開くって事だよ。」
キノ「ZERO、僕達にわかる様に言って。」
ZEROは鼻息を荒くする様に言う。
ZERO「この《断罪》って扉、コレはレント君の事を指してると思うんだ。」
レント「へ…?僕?」
蓮斗はよくわからず言葉を漏らした。
ZERO「この扉、過去に向き合いし者、って意味、きっと過去のトラウマを持つ人や、過去に失敗をした人を指してる気がするんだ。」
キノ「なるほど…」
レント「キノさん!?わかったんですか!?」
義之は小さく頷きながら言った。
キノ「《絆》と、書いてある扉、コレは僕とZERO、あるいはヒビキさんとαを指してるはずです。つまり、僕かヒビキさんのいずれかがこの道を通る事ができる。そうだよね?」
ZERO「さっすが〜。でも、ヒビキ君は違うね。」
ヒビキ「え…?」
ZERO「君は今1人だから、君はこの扉の先に進む事はできないはずだからね。」
そこに四郎が割ってきた。
シロウ「ま…待て待て。その場合、俺はどうなる?消去法で俺は《守護》か、《誇》のどちらかって事になるが…」
ZERO「シロウさんは、《守護》で、合ってるはずだよ。この前の作戦でだって、必死になって守ろうとしていたんだから、きっとそれで開くはずだよ。」
シロウ「そ…そんなふわふわしたもので本当に開くのか…?」
そうして、それぞれが自身の持ち場についた。
ヒビキは待機し、各々が持ち場に着いた瞬間、扉がズズズ…と、重たい音を立てて開き始める。
どうやら、扉の問題は完全解答した様だった。
そして、響が言った。
ヒビキ「じゃあ、僕はこの扉の前で待つ事にするよ。みんな、頑張って。」
一方、電之商店では…
アマリ「こんなフィールド、今まで見た事ないわねぇ…。コレもレイト君が用意していたのかしら?それとも…さっき変にいじったせいかしら…?
それにしても、こんなフィールドを用意するなんて、レイト君も考えたものね。」
そんな事を言いながら、4人を映す画面を静かに見守っていた。
扉の開いた先、3機はそれぞれの前にある道に向かい進んでいく。
蓮斗が訪れた扉の先には広間が広がっていた。
かなりの大きさの広間であり、闘っても狭さを感じない様な大きさだ。
そして、広間の奥には、剣が立てかけられていた。《断罪》と刻まれた剣だ。
その近くから、一機のガンプラが顔を出した。コアガンダムαだ。
レイト「よく来たな。俺と会うのは初めてだよな。俺はレイト。よろしく頼むぜ。」
レント「レイトさんが…僕の前に…か…感激です…」
レイト「な…なんだかよくわかんねぇけど、嬉しいってんなら、何よりだ。」
レント「レイトさん、僕の前にいる貴方は、シャイニングゼロの時のレイトさんでしょうか?」
レイト「鋭いな。そうだ。俺はその時の力を再現したレイトのコピーだ。」
1番大会での記録が強く残っている頃の零斗だ。
侮る事はできず、少しでも油断を許されない相手が蓮斗の前に立ちはだかった。
四郎が入った扉の先には、コロッセオが広がっている。フィールドもかなり広く、空まで行く事も可能だ。
そして、コロッセオの王の席には《守護》と刻まれた剣が立てかけられている。
シロウ「ここか。」
一機のガンダムが前に降り立った。最初からアーマーを装備した零斗のガンプラだ。
サターンアーマーを装備し、こちらに向かい声をかけてきた。
レイト「よぉ。」
シロウ「君はAIになっても変わらないな。」
レイト「まぁな。だが、俺はAIとはいえ本人の能力に限りなく近い能力を持ってんだ。簡単には倒せねぇよ。」
四郎は言った。
シロウ「あぁ。そのくらいわかっているさ。だが、負ける事はできない!」
レイト「懐かしいな…。まるで、4年前必死になって夢を追いかけていた頃の自分を見てる様な気分だぜ。」
零斗のガンプラは指を使い挑発する仕草を見せた。
レイト「来い。アンタの力を俺に示して見ろ。」
四郎と一度対戦したデータまで持っている零斗だ。4年間のブランクをものともしない強さを持つ彼に勝てるのだろうか…?
義之が訪れた扉の先には、少し先に大きな桜の木が映り、近くにはレジスタンスの使っている拠点まで映していた。
間違いのないGBNでのデータだ。
キノ「ここって…」
ZERO「主の1番大事にしていた場所のデータ、だね。」
桜の木の前には、一本の剣が地面に刺さっている。
その剣には《絆》と刻まれている。零斗が最も愛用してきた剣だ。
そこに、騎士の様な姿をしたガンプラが現れた。
義之はその視線を察知し、ライフルを構えた。
振り向くとそこにはプラネッツナイトが居たのだ。
キノ「現れましたね。レイトさん。」
レイト「あぁ。久しぶりだな。キノ。」
その声を聞き、肩の力が抜けるのが染み付く様に感じ取れる。
キノ「貴方は変わっていませんね。」
レイト「そうか?記憶しか混同してないAIのデータなんだがなぁ…」
零斗は少し複雑な声を漏らす。
キノ「それでもです。貴方は、僕が知っているレイトさんと変わらないんですから。」
レイト「そうか。だがお前はだいぶ変わっちまってるが?」
零斗は義之のガンプラを見て違う印象を持っている。
零斗のデータは限りなく彼らの記憶にある存在に近い。しかし、零斗の残した黒いアーマーの記憶は入っていなかった。いや…データとして収集できてないから、存在そのものを知らない状態になっているのだった。
キノ「この記憶はないんですね…。」
レイト「AIとはいえ、限界があんのさ。」
キノ「このアーマーは、貴方が僕に残してくれたアーマーです。僕達の為に残した最後のプレゼント。」
レイト「本人は…そんだけ心配性だったんだろうな。」
キノ「えぇ。ですが、貴方もそのはずです。」
零斗は義之の言葉に不思議な感覚を覚えた。
キノ「貴方は僕達を試す為に今ここに居る。そうですよね?」
レイト「そうだな…レイトなら、必ずお前がどこまで成長したかを見ようとしただろうな。その役目を俺がやるって事か…。全くとんでもねぇ人間のデータをAIに読み込ませたものだ…。」
義之は愛想笑いをして、同情した。
キノ「それからもうひとつ聞いていいですか?」
零斗は疑問が頭をよぎった。
レイト「なんだ?俺が答えられる問題か?」
キノ「アキラさんとの対戦の記録は残っていますよね?」
レイト「あぁ。ヒビキのデバイスから出されたデータにあるな。」
キノ「あの時、貴方はなぜ【約束の剣】を使わなかったのですか?」
レイト「アレか…。少し曖昧だが、レイト本人の記憶に近い言い方をするなら、正々堂々、お互いの力だけで闘いたかった。ってとこだ。」
キノ「レイトさんもあの剣を使うのには少し思う所があった…?と。」
レイト「あの剣の別名は《女神の剣》、強き加護を受けた勝利を約束された剣だ。あの剣は必殺技を発動すると剣自体が華となって消えていく。だが、技さえ決まれば簡単に決着が着くという事だ。そんな剣を男同士の本気の闘いで使おうと思うか?」
キノ「レイトさんなら、使おうなんて思わないですね…」
レイト「そういう事だ。あの剣は最後の切り札という名に相応しい代物って事さ。」
そう言いながら、肩の力を抜く様な声が届く。
レイト「さて、おしゃべりはここまでだ。」
そう言うと、プラネッツナイトは剣をこちらに向けてくる。
レイト「キノ、お前の力を俺の前で示してみろ。」
義之は右手が震えている。
ZEROはそこに声をかけた。
ZERO「大丈夫。俺も居るから。」
ZEROの言葉を受け、義之は少しだけホッとした様な声を出した。
キノ「そうだね。僕達なら。」
ZERO「うん!行こう!キノ!」
断罪の大広間にて…
コアガンダムαはこちらに向かい足を走らせる。
シートゥウィンは構えた。
アーマーを装備しているシートゥウィンガンダムであれば、完全性能だけで見れば有利だ。しかし、零斗には狙いがあった。
背部にある2つの双剣を取り、迎え打とうとする。
その瞬間、コアガンダムαが目の前から消えた。いや、消えたのでは無い。足の間を通り、後ろに回っていた。
レント「な…消えた…!?」
その瞬間、背後からビームスプレーガンを3発撃ち込まれた。
レイト「隙だらけだぜ。」
振り向き様に剣を振りかざしたが、零斗はその攻撃すら見切っており、ジャンプしながら後ろへ下がる。
さらにバックパックに装備したビームキャノンを連射する。
しかし、キャノンの攻撃は全てかすりもしない。しかも当たる様なビームは、ビームサーベルの刃を使い、互いのビームの力で相殺させる荒業も成し遂げている。
レント「あ…あんなのありなの…!?」
レイト「へっ。まだまだだな。こんなんじゃ、俺を相手するには早すぎるんじゃねぇか?」
レント「な…なんだと…!」
性能差は明らかに蓮斗の方が高い。だが、技術力に押され、攻撃は全て見切られている。
レント(シートゥウィンには、加速デバイスが搭載されているとはいえ、これはそもそもスピード以前の話だ…零斗さん本人の適応力、いや…努力から来る実力…っ!)
レイト「コレだけでもう終わりか?」
レント「ま…まだだ!」
シートゥウィンが加速するそのスピードに一瞬驚いた零斗は相手に距離を詰める事を許してしまった。
だが、それにより相手に加速デバイスが組み込まれている事を見抜いた様だ。
距離を詰め、双剣を振りかざす。
その攻撃をコアガンダムαはシールドとビームサーベルで受け止めた。
ジリジリという音とともに、零斗は押されていく…
レイト「さ…流石にパワーで押し切れないか…!」
レント「いけぇぇぇっ!」
勢いに任せて押し込んで行く蓮斗の攻撃を見て、零斗は一瞬の隙をついた。
コアガンダムαがギリギリ通り抜けられる隙間を作り、武器をしまいながら隙間の中を通って攻撃を避けたのだ。
ズドォォォンッ!という音とともに、広間の床の装飾が割れていく…
レント「やったか…?」
しかし、目の前には何もなかったのだ。
そして、背後から声が聞こえた。
レイト「コアチェンジ!チェンジアース!」
ホログラムから作り出されたアーマーが装備され、白と青を基調とした標準サイズのガンプラに切り替わった。
アースリィR4に姿を変えると、相手に向かい蹴りをお見舞いした。
ドガッ!という鈍い音を立てながら、シートゥウィンは前方に倒れこんだ。
零斗は言った。
レイト「アースリィR4(リペア4)、コイツはαの標準形態。コイツに加速力は無いが、スペックはマーズアーマーと同等レベルのパワーを発揮できる。さぁ、第二ラウンドだ。」
レント「くっ…!諦める訳には…いかない!」
シートゥウィンが立ち上がると、それを目にした瞬間、零斗が距離を詰めてくる。先ほどのお返しとでも言うかの様に迫っていた。
蓮斗は向かってくるアースリィに向かい、自身も向かっていく。
零斗はその瞬間、相手がこちらに向かい激突する事を察知した。
相手が躊躇せずこちらに突撃し、零斗は瞬間回避を選択した。
突撃からは完全に外れた。しかし…
相手の背に向けてビームライフルを構えた時だ、相手側からビームが流れてくる。
その一瞬だ。アースリィのビームライフルをビームが貫いた。
咄嗟に零斗はアースリィの右腕部アーマーを切り離し、爆発によるダメージを抑えた。
アーマーは力無く地面に転がり、ビームライフルが煙を吐きながらドカーン!と爆発した。
視界を煙に遮られ、零斗は相手を見失った。
レイト「ちっ…!やってくれるぜ…!」
目の前の煙が消えると、眼前にまで迫っていたシートゥウィンを前にした。
レイト「しまった…!」
レント「うぉぉりゃぁぁぁっ!」
右手に持つ剣を振り下ろしてくる。
その瞬間、零斗は回避できない事を悟った。しかし、ここで諦める様な男では無い。
ガギィィィィンッ!という鈍い音とともに、火花が目の前で舞い踊る。
なんと、左腕のアーマーで剣からくる攻撃を受け止めていた。
左腕のアーマーを切り離した。左腕のアーマーは相手に真っ二つにされ、シートゥウィンの前で爆発し、跡形も無く消えていく…
零斗は次のアーマーに悩んでいた。
しかし、メッセージが届いた。
《私が今最善のアーマーを選択する》と。
零斗は鼻で笑うと、
レイト「そうか。なら、お前に託すぜα!リミテッドチェンジ!α+」
リミテッドα+は本来、零斗が使用する為のシステムではない。戦闘が苦手な優里でも、ある程度闘える様にする為の措置としてαの内部に組み込まれたシステムだ。
しかし、システムを作った零斗本人も使い方を知る為、ガンプラと力を合わせる技として使っているのだ。
腕部にはヴィーナス、背部にジュピター、肩部にサターン、脚部をマーズアーマーで構成した姿となる。
零斗の算段として、蓮斗の現在のスピードに対抗する為には、同じく加速デバイスを組み込み、近接戦に持ち込みながら立ち回る必要があると考えたのだ。
蓮斗の方は相手からの爆発の煙で足を取られ、換装させる時間を与えてしまった事を悩んでいた。
レント「まずいな…合体させるつもりなんて無かったのに…」
零斗のチェンジしたアーマーを見て、どう立ち回ると良いのか悩んでいる。
だが、時間とは無常なもの、零斗は蓮斗に向かい加速してくる。
零斗はシートゥウィンに向かい殴りかかろうとする。そこに双剣を立てて向かい打つ蓮斗。しかし、それは零斗の思惑通りだった。
剣を両方とも受け止めた零斗はそこから腕部のマルチミサイルポッドを剣に向けながら撃ち放った。
互いの前でボゴボゴと爆発音が流れ、目の前が完全に遮られた。
いち早く場を離れた零斗はヴィーナスアーマーの腕部を外しいる。完全に特攻して使い捨てる算段にハマり、蓮斗のシートゥウィンガンダムは近接武器を破壊されてしまった。
レント「クソ…双剣を両方とも破壊する為に誘導を…!」
そこに零斗が声を発する。
レイト「コレで終わりだとでも思ったか?」
ブレーカドリルを装備したアースアーマーの腕部がこちらに向かって飛んできていた。
蓮斗はその攻撃を見た瞬間、咄嗟に避けたが、バックパックウェポンに直撃し、肩アーマーと頭部アンテナにダメージを負うのだった。ガリガリと音を立てて、肩をかすめていき、キャノンを貫く。その瞬間背部から爆発を受け、シートゥウィンは態勢を大きく崩した。
レント「くっ…使えるものは全部使ってこちらを攻めてくる…レイトさんは、僕の想像している以上にずっと強い…だけど…諦めたくない…!」
煙が消え、視界が良くなった所で、零斗はシートゥウィンガンダムに向かい強烈な蹴りを浴びせた。
その蹴りからは、空を切るようなブゥゥウンッ!という音が鳴っていた。
大広間の奥の剣が突き刺さってる方へと蹴り飛ばされ、壁にぶち当たった。
レント「ぐはっ…。」
壁に当たり、ぐったりとする様に地面に倒れた。
レント「僕は…勝てない…のか…。」
力無く地面に倒れたシートゥウィンを見て、零斗は言った。
レイト「それで終わりか?」
レント「僕の…負けです…。あなたの様にはなれない…」
零斗は続けた。
レイト「お前は、そのまま逃げていいのか?」
レント「………。」
レイト「俺も逃げたいと思う事は何度もあった。だが、お前は逃げる事はできない。許されねぇ事だ。」
レント「逃げる事が…許されない…?」
レイト「そうだ…。俺は、彼女を助けられなかった。彼女を守る事ができなくて、何度も逃げようとした。だが、逃げても彼女は戻りはしない。そして、それが俺の罪だ。彼女を守れなかった事に対する罪と、現実から逃げ出そうとした。それが俺がその剣に刻んだ《断罪》(イマシメ)の意味だ。」
レント「自分の罪から逃げない為にそんな事を…」
レイト「あぁ。それに、お前にもあるんだろう?自らに科せた罪が。」
蓮斗の記憶にもあるのだ…
零斗と同じ様に友達を無くした記憶も…復讐の為に数えきれない人々に苦しい思いをさせたのも、義之が止めに入らなければGBNの全てを奪う事をしていたのも…どれも全て背を向ける事のできない自らの罪だ。
零斗は彼にもう一度自分に立ち向かう勇気を与えていた。
レント「僕は…貴方の様に強くはなれない…。でも、貴方に一歩でも近づきたい!僕は…逃げたくない!自分の犯した罪から目を背ける事はしない!自分の過ちからは逃げたりしない!」
広間の奥にある剣が反応した。鼓動をする様に剣から衝撃波が飛んでくる。
レント「な…なんだ…この風…!」
零斗は剣を見て言った。
レイト「そうか。コイツに託していいんだな。」
零斗はそう言うと、蓮斗に指示をした。
レイト「その剣を握れ。剣がお前になら、この力を委ねる事を許してくれるみてぇだ。」
レント「え…?ど…どういう事…?」
レイト「いいからさっさと握るんだ!」
レント「は…はい!」
蓮斗は剣を握ると、剣に秘められた記憶が流れてくる。
零斗が苦しんでいる記憶、涙を流す記憶、仲間と別れた記憶が…彼の背負いし罪が数々流れる。
その記憶に触れた蓮斗は言葉を吐いた。
レント「貴方は僕よりもずっとずっとたくさんの罪を背負いながら闘っていたんですね…。僕も《断罪》の名に恥じぬ様に自分の罪と向き合い、悪を裁く!」
剣が引き抜かれ、シートゥウィンのアーマーと身体のダメージを回復させた。肩や頭部、キックなどで凹んだり、受けていたかすり傷が修復された。双剣やキャノンの様な破損した武装は治せはしなかったものの、それでも母体が万全の状態に限りなく近い状態まで回復した事で、蓮斗はもう一度闘える事をみ身に染みる様に感じた。
零斗は告げた。
レイト「その剣を使って俺に力を示せ。」
蓮斗は手にした剣を見た。
レント(【勇気の剣】《断罪》、別名【裁きの剣】…僕が握る事を許された剣。)
レント「剣よ。僕に力を貸してほしい!レイトさんという壁を越える為に!」
そう言いながら、シートゥウィンガンダムは剣を握り、零斗に向かい進んでゆく。
零斗はマーズアーマーの腕部を装備し、双剣を握ると、鈍い音とともに、剣がぶつかりあった。
カァンッ!カァンッ!ギィィンッ!と鳴り響く剣のぶつかり合う音
互いの剣もぶつかるたびに火花を散らしている。
その剣からはお互いの負けないという意思がひしひしと伝わるかの様に空気をひりつかせる。
零斗はさらに双剣で果敢に攻めていく。
蓮斗も相手の攻撃を見切りながら、剣で受け止めていた。
両者共に全く遅れを取らない剣裁き
だが、零斗はリミテッドチェンジで対応している。
蓮斗は自分の限界まで力を発揮していた。
零斗は言った
レイト「やるじゃねぇか。まさかここまでやれるとは思わなかったぜ。」
蓮斗も剣を互いにぶつけながら言葉を挟む
レント「僕だって、負けてられないんです!あなたを倒して、彼らの待つ場所に行かなくちゃなりませんから!」
零斗はその言葉に若干の違和感を覚えつつも、剣を交えながら答える。
レイト「んなら、俺もそろそろ本気で相手をしてやっか!」
レント「な…なに…?!」
零斗は相手の剣を弾き、後ろに下がった。
その後、システムを発動させた。
レイト「エマージェンシーチェンジ!」
コアガンダムαのアーマーが全て解除され、ホログラムとなり目の前から消えていく。そして…ホログラムがコアガンダムαの周りを包み、アーマーの形を形成した。
目の前には騎士の様な姿のガンダムが現れるのだった。
蓮斗は息を呑んだ。
レント「プラネッツナイト…。」
目の前のガンダムから嵐が吹き荒れた。
とんでもないほどの緊張感とともに、目の前のガンダムが見せるその圧倒的な威圧感、あの日あの時、憧れを抱いた彼の姿だ。
だが、彼を目の前にすると、そんな憧れは脆くも砕け散る。
蓮斗は零斗の100%の本気を前に憧れなんて感情はもはや無い。
焦っている。焦っている所の話だろうか…もっと恐ろしい者を見ているかの様に思えた。
プラネッツナイトは形成された剣を手に取り、素早く振ると、剣から鈍い輝きを見せる。
その剣には《絆》の文字が刻まれている。
レイト「いくぜα。俺達の力を見せてやろうぜ。」
α「もちろんだ。」
その瞬間だ、一気に距離を詰めてきた。
レント「は…早い…っ!!!」
ガギィィィィンッ!
剣が鈍い音を立てながらプラネッツナイトの攻撃を受け止めた。だが…!
ググググ…ッ!
同じタイプの剣を使っているはずだが、パワーで明らかに押されていく…
レント「コレが…プラネッツナイトの力…!!」
零斗は相手に向かい言った。
レイト「てめぇの力はこんなものなのか!その程度じゃ俺には勝てねぇぞ!」
どんどん力で押されていく。ついにシートゥウィンガンダムは相手の力に押されて片足を地面に着いた。
レント「くっ…ま…まだだ!」
そう言った途端、脚部に備えられたランチャーポッドから1発の対モビルアーマー様のミサイルが放たれた。
レイト「な…なんだと…!?」
プラネッツナイトの目の前で爆発し、蓮斗は攻撃から脱出する事ができた。
蓮斗はその爆発を見て、一瞬だけ気を許してしまった。
レント「や…やったか…?」
しかし、目の前に居たのは、全くの無傷と言っていいほどのプラネッツナイトの姿があった。
レント「そんな…あの直撃を受けて全くダメージが入ってないなんて…」
プラネッツナイトの強さは、零斗の技量もある。しかし、本当に恐ろしいのは、その耐久力の高さだ。プラネッツナイトのアーマーに傷を付けられた者は10人と居ないだろう。それ故に堅牢な騎士の力を知り、更に零斗の名が知れ渡ったのだ。
だが、耐久力と共にスピードも高い。まさに攻防一体とも言えるガンダムだ。
レイト「甘いな。そんなんじゃ、俺を倒すのは夢のまた夢だ。」
レント「くっ…!」
プラネッツナイトを倒すビジョンが全く見えない蓮斗。
零斗は一歩ずつ足を動かしながら近づいてゆく。
シートゥウィンは握った剣を振るう。
だが、剣先は震えている。
圧倒的な強さと、絶望的な壁…
希望を見出す事すらできないほどの力の差を思い知らされた。
蓮斗は目の前から逃げ出そうと思うほどに、零斗という超えられない壁を前に完全に戦意を無くそうとしていた…
そこに零斗は言った。
レイト「俺からも、自分の罪からも逃げるな。目の前の敵を…俺を倒せ。」
蓮斗は何度も逃げてきた。友達を亡くした時も全て、追い詰めた人と、その世界を恨んで、自分の無力さから目を背けていた。
零斗はそんな彼の前に向き合った。
プラネッツナイトはシートゥウィンの震える手を握る。
レイト「アンタの悔しさも、無力さも俺には分かる。だが、それは正当化されていい事じゃない。」
そう言いながら剣を見た。
レイト「その剣は自分の罪も、相手の罪も等しく裁く為のものだ。逃げずに向き合うんだ。」
本来の剣の名は、【勇気の剣】。立ち向かう勇気を与える剣だ。
プラネッツナイトが握る腕からは震えが止まった。
その時、蓮斗の中で一つの答えが出た様だ。
レント「そうだ…諦めたら、いつまでも貴方を超えることはできない。なら、超える為に立ち向かう!」
蓮斗がもう一度剣をしっかり握ると、剣の刃が鈍く輝く。
蓮斗は剣を握り、プラネッツナイトに剣を向けた。
レント「ユキ!僕に力を貸してくれ!君と一緒に歩んできた僕らの強さをレイトさんに示したいんだ!」
蓮斗が言葉を吐くと、剣は呼応する様に更なる輝きを見せた。
零斗はその姿を見て、ついに本気で相手をする様だ。
レイト「さぁこい!俺に全部をぶつけな!」
プラネッツナイトは【勇気の剣】《絆》を装備し、相手に向かい振るう。
レイト「せぇぇぇい!」
カァァァンッ!という音とともに、零斗の一撃を《断罪》刻まれた【勇気の剣】が受け止めた!
レイト「俺の攻撃を受け止めた?!」
蓮斗の目には、もう迷いは無くなった。
自分の全てを零斗にぶつけに行っている。その力は、零斗の本気にも匹敵するほどの力だ。
零斗も驚いていた。先ほどとは全くと言っていいほど、蓮斗のガンプラの力は上がっている。
零斗は攻撃を続けた。連続で素早い連撃をジャストガードと言っていいレベルで受け止め、受け流していく。
しかし、蓮斗の方も必死だ。零斗の攻撃が終わると、蓮斗が反撃で同じ様に素早い連撃を繰り出す。
零斗はプラネッツナイトを軽やかに後ろに下げながら攻撃を回避していく。
レント「はぁぁぁぁぁぁっ!」
素早い剣戟も零斗に見切られるが、その攻撃も零斗は回避するだけでやっとだ。
その攻撃を見切り、相手の動きが落ち着いた所で、少し距離をとった。
零斗は予想以上の攻撃に驚いた。
レイト「やるじゃねぇか。まさかここまでやれっとはな…。」
目の前にいるシートゥウィンガンダムは少しだけ様子がおかしかった。
機体の身体中からブォォォォ…という音が鳴り響き、全く動かない。
レント「はぁ…。はぁ……。はぁ…っ。」
蓮斗も相当体力を消費しており、さらにシートゥウィンは身体中から煙を発している。
オーバーヒートだ。先ほどの蓮斗の操縦に機体が追いつくのがやっとの様だ。
そして、蓮斗も限界まで力を使い、息を切らしている。
だが、戦場とは無情なものだ。
レイト「どうやら、アレが限界だった様だな。そろそろ引導を渡してもらうぜ。」
零斗は【勇気の剣】を空に向け掲げた。
剣に宇宙からの光が集約し始めた。
蓮斗は咄嗟に理解した。プラネッツナイトの必殺技が来ると。
シートゥウィンは片足を地面についた。
蓮斗「た…立つんだ!シートゥウィン!まだ終わるわけにはいかないんだ!」
だが、シートゥウィンのメインエンジンとリアクターは完全にショートし、全く動こうとしない。
プラネッツナイトがこちらに剣先を向けると、地面に光の道が一直線に作り出された。その道の真ん中にシートゥウィンが座り込んでいる。
プラネッツナイトはこちらに剣を向けた瞬間、加速してこちらに向かってきた。
レイト「必殺!プラネッツブレイヴ!」
光となったプラネッツナイトの横一閃の必殺技が目の前で光り、向かってくる。
レント「う…うわぁぁぁぁっ!」
蓮斗は情けない声を吐きながら、その攻撃を直に受けてしまった。
シャァァァァンッ…
と煌めく光とともに、シートゥウィンはその場に倒れ込み、決着が着いたのだった…。
ガンプラから降りて、零斗と蓮斗は顔をあわせた。
零斗は少し嬉しそうにニヤつきながら、言った。
レイト「へっ。まだまだだな。」
レント「やっぱ、レイトさんには勝てない…か。」
レイト「んなことはねぇぜ?」
レント「へ…?」
レイト「あのコアガンダムがオーバーヒートしてなかったら、俺の方もかなり怪しかったとこだ。プラネッツのスピードにアレだけ喰らいつくんだ。アンタもコイツも、まだまだ強くなれる。」
レント「れ…レイト様…」
レイト「な…なんだ!?変な呼び方すんじゃねぇよ!」
レント「僕がレイト様にこんな褒め言葉もらえるなんて思ってなくって…!嬉しくて!」
零斗はAIとは言いながらも、限りなく零斗に近い人格を再現している。
AIとは思えない様な人間らしいため息をつきながら、言った。
レイト「レント。お前の力は示された。元のフロアに戻りな。最後の扉の向こうで待ってるぜ。」
そう言いながら、零斗はホログラムとなり目の前から消えていった。
零斗が消えると、ポータルが現れた。ここから元の場所に戻れるのだろう。
ポータルの上に蓮斗は乗ると、一瞬でワープするのだった。
巨大なコロッセオにて…
2機は構えていた。
零斗が言葉を発した。
レイト「シロウ、アンタとそのコアガンダムの力、俺に見せてくれ!」
シロウ「君も大きい口を叩けるのはここまでだ!」
ガオファイガーが構えを解き、ブーストをかけた。
サタニクスもブーストをかけ、両者ともに掴み合った。
お互いに腕を掴み合い、パワーが拮抗する。
四郎はそのパワーに驚いた。
シロウ「そのアーマーでガオファイガーとパワーが互角とはな…!」
レイト「サタニクスはパワータイプのアーマーだからな!だが、コイツで互角とは想像以上だぜ…!」
お互いのパワーに全く差がなく、それ故に両者とも腕を離すと、次の攻撃に転じた。
サタニクスは肩に装備したドリルを腕に装備し、ガオファイガーは胸から光のリングを形成した。
零斗と四郎はお互いに技を放つ。
レイト「ドリルストライク!」
零斗は相手に向かいブーストを掛けながらまっすぐ突撃し、腕を振り上げる!
シロウ「ブロウクンッ!ファントムッ!」
光のリングに向かい、拳を突き出すと、ロケットのように相手へ向かい拳は飛んでいく!
力はお互いにぶつかり合うが、全くの拮抗。
攻撃は完全に相殺し、ドリルは拳からの力で芯先が吹き飛び、拳はドリルによりリングは形状を保てず崩れながら、拳は同時に狙っていた所から外れ、ガオファイガーの元へ戻った。
零斗は言った。
レイト「やるじゃねぇか!だが!まだまだ終わってねぇぜ!」
そう言うと、もう片方の肩に付けられたドリルを相手に狙いを付けて、相手に撃ち放った。
レイト「ドリルミサイルッ!」
四郎はその攻撃を見て、果敢に前進し、右足のドリルで迎え撃った。
シロウ「うおぉぉぉぉっ!」
ウィィィンッ!という音とともに両者のドリルがぶつかり合う。ドリルはお互いにぶつかりながら爆発を起こした。
四郎のガオファイガーの脚に備えられたドリルは爆発で壊れ、脚部の塗装も少しはげていた。
零斗の放ったドリルは爆発で完全に消失し、お互いに武装を一部無くしてしまった。
零斗は少し称賛する様に言った。
レイト「驚いたな…。足を持っていくつもりだったんだがな。これで破壊までいかねぇとはな。」
四郎も答える。
シロウ「ガオファイガーはそう簡単に破壊できないぞ!」
ガオファイガーは呼応する様に身体中から緑のエネルギーを放った。
レイト「へっ!そうじゃねぇと面白くねぇからな!」
零斗はコアガンダムαのアーマーを一部解除した。
レイト「リミテッドチェンジ!」
零斗はヴィートルーの腕部を装備し、ミサイルポッドを瞬時に連続で撃ち放った。
四郎はミサイルによる弾幕を目の前にし、光のリングを作る暇もない。
咄嗟に取ったのは防御技だった。
シロウ「プロテクトシェード!」
左腕から強力な磁場を発生させて見えないシールドを貼り出す。
ミサイルがそのシールドに向かい連続で向かってくる。
目の前で爆発していくミサイルを前に警告音が鳴り響く
システム[warning!プロテクトシェード耐久限界!]
四郎は困っていた。
シロウ(これ以上プロテクトシェードでの防御は推奨できない…!だが、今解除してしまえば、弾幕を直に受ける。どうすればいい…!)
ミサイルはまだまだ飛んでくる。そこへ零斗のサタニクスリミテッドも向かってくる。
背中にはジュピターヴのブースターを装備し、加速してくる。
背中のブースターを外し、腕を切り離すと、ブースターに備え付けられた腕部を取り付けてこちらに向けてビーム刄を突き立てながら突撃してきている。
四郎は一瞬の作戦を考え言った。
シロウ「イチかバチかだ!」
零斗がこちらに向かってくる!
まだまだ距離を縮めてくる。
警告音も鳴り響く。だが、まだ動かない。
零斗の射程に入った。完全に攻撃が当たる所まで迫っている。
そして、四郎は動きだした。
シロウ「フュージョンアウト!」
そう言った瞬間、ガオファイガーのアーマーがパージし、コアガンダムGの姿となり、攻撃を一瞬で回避した。
レイト「なに…っ!?」
零斗はその一瞬の高度な回避を見て、驚きを隠せない。そして、零斗が打ち込んだミサイルは零斗が突撃した事により、零斗のコアガンダムα自身にぶつかり、爆発に飲まれた。
零斗は爆発に飲まれ、その間に四郎はもう一度合体しなおした。
シロウ「フュージョンアゲイン!」
そう言うと、完全に合体し直し、輝く光を放った。
零斗の周りには真っ黒い黒煙と、コロッセオの地面の土が舞い上がり、土煙が舞っている。
そして、その煙が消えると、アーマーにダメージを負ったコアガンダムαが立っている。
だが、零斗は笑っていた。
レイト「へっへへ。まさかここまでやるとはな。」
零斗の声には余裕があった。四郎はその声を聞き、かなり困った声を漏らす。
シロウ「アレだけの弾幕を受けて置いてここまでの余裕…コレが彼の本気か。」
零斗はさらに言う。
レイト「本気…?おいおい。誰が本気を出したなんて言った?」
四郎は驚いてしまう。
シロウ「なんだと…!?」
零斗はまだ本気すら出していなかった。それでガオファイガーと互角なのだ。零斗の本気は未知数だ…。
アキラとの対戦を見ていた四郎はアキラとの対戦が見ているのと、実際に受けるのとでは全く想像付かないほど強いと確信した。
シロウ「レイト、俺は君をかなり軽く見ていた様だな…。まさかここまでの強さとは思わなかった。」
零斗は四郎の開き直る声を聞き、少しだけ変な気持ちになった。
レイト「まぁな…。それに、俺が本気を出してなかったことにだって、理由はあんのさ。」
シロウ「理由…だと?」
零斗の言葉に疑問を抱く。
レイト「あぁ。俺はシャイニングゼロのチームに加わってから、レイカ達と連戦、組み手、トレーニングとなんでもやっててな。アイツらとやり合うにはそれなりに強くならねぇといけねぇだろ?」
シロウ「確かにそうだが…だが、それで本気を出さないのとなんの意味が…」
零斗は一拍置いて言った。
レイト「アンタはレイカと戦ったことねぇんだっけな。レイカが本気を出して闘っている姿、見たことねぇだろ?」
四郎は反発する様に言った。
シロウ「レイカ君が戦っている所は何度か見ているさ!だが、彼女も本気を出してないって言うつもりか?それは彼女に失礼では…」
零斗が言葉を切った。
レイト「レイカ、アイツが本気で闘ってる所なんて、俺やヒカルとやり合う時以外じゃほとんどねぇぜ?」
四郎は零斗の言葉が信じられなかった。
シロウ「バカな…!彼女はイチカ君と闘っている時はウキウキで…!」
レイト「レイカはイチカとの対戦してやっと9割近くの力を出している。だが、それでもフルパワーではない。」
シロウ「…っ!!!」
四郎は声が出なかった。
レイト「アイツは自分の強さに絶対的と言っていいほどの自信を持っている。だが、慢心する事もあれば、迷う事もあった。レイカはまだまだ多感な女の子だ。そんなやつが満足する為には俺達がアイツと張り合えるほど強くなるしかねぇだろってな。それに…俺は、アイツらに救われた。レイカとヒカルは、俺の目を覚させてくれた。ユリを守れなくて自信を無くしていた時に、アイツらは俺に自分の背中を託してくれた。「俺になら背中を安心して預けられる。」ってな。だから、俺はアイツらの背中を守る為、アイツらの恥にならない為に強くなったのさ。」
四郎は零斗の言葉に反論した。
シロウ「だが、それが君やレイカ君の本気の話には直結しないはずだ。いったいどういう…」
零斗はさらに言った。
レイト「俺は、レイカと本気でぶつかる事で、アイツが[本気でやれる相手]の意味を理解した。強すぎても戦いを楽しむことができない辛さをな。レイカは本気でぶつかれる人が居ねぇんだ。アイツはまだそれで悩んでんじゃねぇのか?」
零斗の強さは仲間と同じ位置まで上がる事だけじゃない。仲間の悩みを理解し、解消する為に自分から彼女と同じ土俵まで立つ事を選んだ。
それ故にまだまだ本気を隠していた。零斗はそれでも対戦は楽しんでいる。そこだけは零斗とレイカの心情のあり方が違っている様だ。
レイカの強さは双子の妹を守る為でもあるが、彼女は自分の本気とやり合える人が少ない事に悩んでいる。
さらには、レイカは対戦に出ると100%勝つと言われて学校内でも乱入したりすれば冷めた目で見られる。
そして、零斗が死に、ヒカルが姿を消した事でその状況は強く露見しているのだ。
四郎は理解した。零斗はただ強いわけではなく、優しさや仲間思いからくる心境を持って得た強さでもあったのだと。
シロウ「君は、本当にお人好しだな。口の悪ささえ無ければ本気で良い人間だったんだな。」
レイト「口が悪いってのは余計だ。アイツらは俺の希望であり、大切な仲間だ。そんな奴らに背を向けて寝てられるわけねぇだろ。」
シロウ「だが、そんな君だから、みんなが憧れて、君の様に強くなりたいと思い、背中を追いかける訳だ。君は、本当にすごい人だよ。」
零斗はちょっと顔を赤くしている
レイト「な…なんだよ!褒めたって、俺は本気はまだださねぇぞ!」
四郎はふーんという様に声を出す。
シロウ「なるほどな。俺がもう少し本気でぶつかれば、君も本気を出すんだな?」
レイト「へ…?」
零斗は情けない声を漏らした。
四郎はガオファイガーの腕を開き、必殺技の呪文を唱える。
シロウ「ヘル!アンド!ヘブン!」
両腕から輝くエネルギーが相反する様に腕に集約していく!
零斗はその攻撃の瞬間にたじろぐ。
レイト「ま…マジかよアイツ!」
シロウ「ゲム・ギル・ガン・ゴォ・グフォ…!」
両腕を合わせて握ると瞬間、両者を包み込む様に竜巻がフィールドに現れた。
零斗はその攻撃に構えた。
零斗は同時にαに向けて言った。
レイト「α!俺にタイミングを合わせろ!」
αは目を光らせながら答えた。
α「あぁ!君を信じよう!」
竜巻の威力に耐えながら、零斗は前方から来るガオファイガーを迎えた。
シロウ「うおぉぉぉぉっ!」
零斗はタイミングを計る。
レイト「3…」
四郎はだんだんと迫っている。
レイト「2…」
さらに、四郎は迫っていた。スピード掛けてこちらに向かい直進してくる!
レイト「1…!」
シロウ「これで!終わりだぁぁぁぁっ!」
四郎が叫んだ瞬間、零斗はタイミングを合わせて言った。
レイト「今だ!アーマーアウト!」
そう言った瞬間、アーマーが切り離された。
攻撃が当たるギリギリまで引き寄せながら、アーマーが外れる勢いを使い、ヘルアンドヘブンを避けたのだ。
零斗は四郎に向かって言った。
レイト「[さっきの]お返しだ!」
そう言った途端、コアガンダムαは蹴りをお見舞いした。
背中を蹴られた事で、体勢を崩し、ヘルアンドヘブンは外れ、竜巻のフィールドは完全に打ち払われた。
のけぞったガオファイガーは零斗の方へ視線を向けた。
だが、目の前に居たのは、騎士の姿をしたガンダムだけだった。
レイト「さぁて、反撃の時間だ!」
零斗のコアガンダムαは、プラネッツナイトの姿に変わっていた。
あの一瞬、目を離している瞬間に合体を完了していたのだ。
剣を携え、零斗は四郎の方へ向かっていく。
剣がガオファイガーの装甲にぶつかった。だが、ガゴォンという音だけが反響し、ダメージになっている様な様子が無かった。
レイト「な…っ!?」
零斗は驚いた。【勇気の剣】は、かなり鋭い零斗が愛用する剣だ。だが、そんな剣ですら、鈍い音だけを反響させるほどの硬い装甲を持つ、四郎のガオファイガーを前に、零斗も驚愕を隠せていないのだった。
シロウ「どうやら、君も慢心していた様だね!」
そう言うとともに、四郎はプラネッツナイトの胸部に向けて右の拳を突き出すと、右腕はとてつもないスピードで回転し始めた。
レイト「ま…まずい…!」
零斗は避けようとした。だが、ガオファイガーが左腕を使い、相手の肩を掴んだ。
そして、四郎が右腕を放った。
シロウ「ブロウクンッ!マグナムッ!」
拳が放たれるのとともに、左腕を離すと、プラネッツナイトは右腕と一緒に空に撃ち飛ばされた。
レイト「くっ…!ま…まだだ!」
零斗はプラネッツナイトのブーストを逆噴射させ、相手の拳のスピードに同調させる様に速度を合わせていく。
零斗はスピードを同調させながらその攻撃から回避したのだ。
そして、コロッセオの地面に落ちていく…
盾を下に向けて降り、ズドーンッ!という音と同時に、零斗は降り立った。
ガオファイガーの拳も同時に戻ってきたことにより、零斗は四郎に向き合った。
レイト「今のは効いたぜ…。あそこまで捨て身でやってくれっとはな。」
シロウ「君を相手に捨て身でぶつからなければどうしようもないだろう。」
四郎の言う通りだ。零斗のガンダムには全くダメージが入ってないのだ。お互いに堅牢な装甲を持っており、生半可な攻撃では全くダメージにもならないのだ…。
零斗も四郎もこのままやっていても泥試合になるのは目に見えている。
そして、四郎は口を出した。
シロウ「アレを使うしかない。」
四郎はそう言うと、用意していた追加装備を呼び出した。
スタンバイゲートからオレンジ色の機体が飛び出した。
零斗はそれを見た時、鼻で笑い出す。
レイト「サポートメカだと?俺を相手にんなもんで形勢が変わると思ってんのか?」
四郎は笑った。
シロウ「もちろんだ。君を確実に倒せる必殺の切り札だ!」
サポートメカは四郎に向けてメッセージを飛ばす。
[承認してください]と書いてあった。
四郎は躊躇する事なく、承認した。
そして、空を飛びながらサポートメカに向かった。
シロウ「いくぜ!ハンマーコネクトォッ!」
サポートメカがハンマーと巨大な拳に分離する!
ガッシャァァンッ!という音とともに、右腕に装備された。
シロウ「プロト・ゴルディオン!ハンマーッ!」
装備した瞬間、ガオファイガーは金色に光輝き、緑色の光も身体中から張り巡らされる様に飛ばしていた。
四郎のハンマーは100%の力を発揮している訳ではない。しかし、それでもその輝きは100%に近いほどの出力を放っている。
そして、零斗に向けて言った。
シロウ「こいつで、終わらせる!」
ガオファイガーがプラネッツナイトの方へ向かって行った。
零斗は相手の攻撃を見る。
シロウ「うおぉぉぉぉっ!」
ハンマーを振りかざした。
零斗は背後のコロッセオの壁まで下がりながら、相手を引き寄せ、避けた。
四郎の振り下ろしたハンマーはコロッセオの壁にぶつかると、壁がキラキラと光に変換されていった。
レイト「ま…マジかよ…!アイツあんなものまで!」
シロウ「まだまだぁぁぁぁっ!」
四郎は零斗の方に向き直ると、直進する!
零斗はこれ以上避けても無駄だと理解し、盾を前に構えた。
そして、ハンマーを盾で受けた!しかし、盾はだんだんと光へと変わってゆく…。
レイト「た…盾が…!」
四郎はそのまま盾を光へと変換させ、零斗は防御する盾を失った。
レイト(誓いの盾があんな簡単に…)
シロウ「これで終わりじゃないぞ!」
レイト「なにっ!?」
ガオファイガーはまだまだ全くエネルギー切れの様子すらない。
零斗はあまりのパワフルさに驚いた。
そして、零斗も一つの選択を迫られることになった。
四郎はガオファイガーを加速させてプラネッツナイトに迫ってくる。
零斗は今度は【勇気の剣】で迎え撃った。
レイト「この剣で受け止めきれねぇのか…っ!」
シロウ「コイツは、君が言う人々を守る為の力だ!ヒビキ君やキノ君達を守る為の俺の切り札だ!」
零斗はその言葉を聞いた瞬間、覚悟を決めた。
レイト「そうか…。アンタの守りたいって思いが詰まった切り札なんだな…。」
勇気の剣はだんだんと光へと変わり、刀身も崩れていく…
レイト「シロウ!信じて良いんだな!その力を!お前のその想いを!」
シロウ「今ここで君を光に変えてそれを証明する!」
零斗は左腕にホログラムから形成された剣を手に取った。
レイト「なら、俺もその力に応えねぇとな!」
そう言って、勇気の剣は光に変わり、消えてしまった。しかし、左腕から剣を携え、更にハンマーにぶつけた。
その剣の刃は白く輝いている。
零斗が手にした剣は【約束の剣】だった。
ゴルディオンハンマーが突然押し出されていく。
零斗の方を見ると、剣が白い光を放っている事に気がつく。
シロウ「ついに使ったか!【約束の剣(プロミスソード)】っ!」
レイト「俺に…この剣を使わせるなんてな…。コイツを使ったのは、お前で3人目だ!」
零斗のAIは本人に限りなく近く作られており、まるで本当に零斗と闘っている様な言葉だった。
レイト「ユリ、俺に力を貸してくれ!」
そう言うと、【約束の剣】が光が強く増していった。
光に変えるハンマーと、花へと変える剣が互いに力が相反し、拮抗した。
レイト「はぁぁぁぁぁっ!」
シロウ「おぉぉぉぉぉっ!」
二つの圧倒的な力がぶつかり合う!
そして、ついに動いたのだ。
【約束の剣】がゴルディオンハンマーを花へと変えていく!
しかし、【約束の剣】も光へと消えていく…
互いの力が強烈な事により、お互いの武器すらその力で相殺されていくのだ…
そして、零斗は一歩足を出した。
【約束の剣】を、ハンマーに向けて突き出した。
レイト「これで…!どうだあぁっ!」
と、言い零斗はハンマーを花に昇華させた。
四郎はハンマーが完全に花へと変わり、花びらとなり空に舞い上がっていき、武器を失った。
シロウ「な…っ!ゴルディオンハンマーが打ち破られるなんて…っ!」
そして、プラネッツナイトが手にしていた【約束の剣】は、光とともに、手から消えていった。
レイト「ユリ…。ありがとう。限界までこたえてくれて。」
零斗はホログラムから《守護》と刻まれた【勇気の剣】を手に取った。
四郎はガオファイガーを立たせ、構えた。
零斗は剣を振ると、覚悟を決めた。
レイト「シロウ。アンタの力を認める。だが、俺は負ける事はできねぇんだ。俺の残った全てをお前にぶつける!」
シロウ「全く…。君は本当に強いな。だが、俺も彼等の為にあっさりと負ける訳にはいかないんだ!」
零斗も四郎も同じように強い信念を持っていた。
レイト「行くぜ…!剣よ!俺に限界以上の力を与えよ!《限界突破》(オーバーアップ)!」
そう言うと、プラネッツナイトは赤く輝く光を纏い、剣もギラリと光をまとった。
四郎は次こそ確実に決める為、マーグハンドを解除すると、もう一度両腕を広げて構えた。
シロウ「ヘル!アンド!ヘブン!」
零斗も剣を前に構えた。
身体に纏う光と空から光を集めると、剣は月光の様に光を放った。
シロウ「ゲム・ギル・ガン・ゴォ・グフォ…!」
四郎は呪文を唱えると、竜巻を両者を包み込んだ!
シロウ「うおぉぉぉぉっ!」
レイト「せぇぇぇえぇい!」
お互いに直進し、ぶつかっていく!
プラネッツナイトの剣とガオファイガーの拳がぶつかりあうと、お互いの機体はだんだんと身体中にヒビが入り、パラパラと砕けていく。
シロウ「俺は!勇者として!負ける訳にはいかない!」
レイト「ユリが繋いだこの勝機!逃すわけにはいかねぇ!」
互いの力は更に力を増し、プラネッツナイトの肩や背中のアーマーは砂の様に形を保てなくなり、ガオファイガーはアーマー全体の色がはげ、エネルギーが至る所から吹き出す。
そして、ついに動いた。プラネッツナイトの剣がヘルアンドヘブンを打ち砕き、ガオファイガーの左肩に突き刺さった。
シロウ「な…っ!」
レイト「これで!終わりだぁぁぁっ!」
その瞬間、プラネッツナイトは停止したのだ。
レイト「んな…っ!?」
プラネッツナイトは限界を解放し過ぎた事により、オーバーヒートを起こしたのだ。
そして、ガオファイガーはその場に足をついて、動かなくなった。お互いにエネルギーを使い果たし、動かなくなった。
竜巻がフィールドから消え、両者ともに動かなくなった。
動かなくなった2機を見て、零斗はつぶやく。
レイト「俺の…負けだな。」
そこにαがため息まじりの声を発した。
α「レイトよ。今回は、君の勝ちだ。」
レイト「何言ってんだ。俺の負けだ。お前は完全に起動できねぇんだ。結果は…」
α「いいや、君は勝ったのさ。君は、まだこの大地で立っている。私の知る騎士道を行く者は、最後まで立っていた者が勝者だ。つまり、君はこの闘いの勝者さ。」
レイト「α…。」
四郎もその通信に割り込んだ。
シロウ「あぁ。君の勝ちだ。」
レイト「お…お前までんな事を…!」
シロウ「あのまま続いてたって、俺は君に勝つビジョンが見えなかった。俺もまだまだ力不足ってことさ。」
レイト「んな事ねぇぜ。」
シロウ「え?」
レイト「アンタは、俺に本気の力を出させ、そんな俺と互角にやり合えんだ。いつだって逆転する可能性すらあったって事さ。」
四郎は少し照れくさそうに言った。
シロウ「よしてくれよ。褒められるのには慣れてないんだ。」
零斗は小さな声で言う。
レイト「シロウ。アンタになら、ヒビキを…キノ達を安心して預けられる。」
シロウ「ん?なにか言ったか?」
零斗は少し笑いながら、最後の言葉を伝えた。
レイト「いいや。なんでもねぇよ。これでお前の力は示された。また後で会おうぜ。」
プラネッツナイトは動かないままホログラムとなり、目の前から消えていった…。
そして、立てかけられた剣は、いつのまにかその場から消えていた。しかし、その剣のあった場所にポータルが現れていた。
シロウ「レイト。次は絶対に俺が勝つからな。」
ガオファイガーの右腕を振り上げ、四郎はそう宣言していた。
桜の木のある思い出の場所にて…
レイト「さぁ、来い!キノ!ZERO!お前らがどれだけ強くなったか俺に見せてくれ!」
零斗は強く言った。まるで、義之とZEROが強くなって現れた事を喜んでいるかのような声だった。
ZERO「キノ、気をつけて。レイトは多分自分間合いに詰めてくるはずだよ!」
キノ「わかってる。僕は距離を詰められない様にするしかない。」
義之はブラックZEROのスプレーガンを構えた。
圧倒的な手数の連射を始めた。
ピシュンピシュン…という音が連続で鳴り響く。
プラネッツナイトに向けて、ビームはどんどん当たっていく。しかし、ダメージになっているような姿は無かった。
ZERO「ひゅ〜。硬いねぇ。」
呑気な声を漏らすZERO
キノ「流石に硬いな…」
零斗は余裕の声を漏らした。
レイト「お前らの力はこんなもんか?ガッカリしちまうぜ…」
ZERO「ちょっとぉ、それってどういう意味?」
キノ「ZERO、乗ったらダメだよ。」
ZERO「キノ!あんな事言われてムカつかないの?」
義之は相手の考えを見透かすかの様に答える。
キノ「レイトさんは僕らを敢えて挑発して、本気を伺っているのさ。彼の思惑にかかったらダメだよ。」
そんな話をしていると、零斗が割り込んだ。
レイト「やっぱ、キノは俺の事をよく見てんな。」
零斗はなんだか嬉しそうに言う。
そこに義之は答えた。
キノ「レイトさん、あなたも僕もよぉく見てましたよね?人の胸をジロジロ見てましたよね?」
零斗は顔を真っ赤にして答える。
レイト「な…っ!て、てめぇ!それは今関係ねぇだろ!」
義之はAIであるはずの零斗のデータを前に個人的な話を持ち込んだが、相手はその話にのってきた。それを瞬時に察知すると、さらに煽る。
キノ「関係はありますよ?僕を倒した後に僕を抱こうとか、キスしようとか思う人なんですから。」
零斗は恥ずかしさで顔を真っ赤にしたまま、こちらに向かってブーストをかけた。
レイト「手加減なんて必要ねぇよな!その口塞いでやる!」
そう言う零斗を見て、ZEROは言った。
ZERO「あ〜あ。怒らせちゃった。」
キノ「ちょ…ちょっとやり過ぎちゃったかな…」
義之は焦る様な声を漏らすと、
ZERO「やり過ぎどころじゃないよ!めちゃくちゃ怒らせてるじゃん!」
ZEROは悲鳴の様に答えた。
その間も零斗はブーストをかけてこちらに向かう。
プラネッツナイトが剣を振り抜くと、目の前で緊急停止した。
レイト「な…っ!α!なぜ止まんだよ!」
αは答える。
α「落ち着け、レイトよ。」
ZEROは不思議そうに声を漏らした。
ZERO「ほぇ〜。操縦者に逆らうなんてびっくり。」
零斗は吠えるように言う。
レイト「コレは俺たちの戦いだ!邪魔は許さねぇぞ!」
αは宥めるように言った。
α「レイト。君の戦いは私の戦いでもあるのだ。もう少し落ち着いて戦うんだ。」
そう言うと、ブラックZEROの方へ向いて言った。
α「キノ君、君もだ。彼を煽って闘うのを否定するつもりはない。だが、やり過ぎは良くはない。君たちはお互いを良く知り合った存在なのだ。もっとフェアに闘うべきだ。」
義之はそう言われて、ちょっと反省した。
キノ「αさん、ごめんなさい。少しやり過ぎちゃいましたね。」
ZERO「全く、夫婦でなんて恥ずかしい姿を晒してるんだろうねぇ。」
レイト「夫婦じゃねぇ!」
キノ「夫婦じゃないよ!」
ZEROは前からも後ろからもデカい声を浴びせられた。
ZERO「うぅ。こわいこわい。」
αがため息をつきながら言った。
α「では、仕切り直しだ。フェアじゃない闘いは良くない。レイト、もう一度一からやり直そう。」
レイト「しゃあねぇな…。αがここまで試合に干渉するなんて初めてだしな。キノ、あとで覚えとけよ。」
キノ「うぅ…。」
ZERO「あちゃあ…」
α「レイト。君もだ。次にまた変に挑発に乗ったら、次は君を追い出す。」
レイト「ま…待てよ!俺無しで試合したら意味ねぇだろ!」
α「ならば落ち着くんだ。私も君がユリと同じくらい大切に思う彼女の力を知りたいんだ。」
そして、プラネッツナイトは元の位置へ戻る。まるで命拾いをしたかのような提案で試合は最初っからのやり直しになった。
だが、数分後…
零斗は余裕で圧倒していた。それもそうだ。
零斗と義之の戦闘スタイルは真逆。そして長く戦い続けている零斗の方が明らかに立ち回りも有利なのだ。
零斗の最も有利な間合いに詰められない様にある程度距離をとりながら立ち回ろうとするものの、見透かされたかのように先回りされた。
レイト「お前の動きはだいたい読めてるぜ。」
そう言いながら、義之が立ち回る間合いを読み、先回りして距離を詰めていた。零斗は余裕を見せている。
キノ「レイトさん、あなた超能力でもあるんですか…」
義之は零斗と距離をとりながら問う。
レイト「んなもんねぇよ。ただ、俺はお前と一緒に戦って、なんとなく感じるのさ。お前ならここに行くだろうってのがな。」
キノ「流石ですね。」
レイト「開き直って褒めるなんてな。」
キノ「褒めていませんよ。よく人の事を見てるんだなと思って。」
零斗は少し揺らいだ。
彼はただのAIのはずだ。それなのに、なぜか心があるかの様に動きを止めてしまったのだ。
レイト「元の記憶のレイトってのは、仲間の事をよく見てたんだな。」
キノ「えぇ。彼は本当によく見ていますよ。家族も、友達も、みんなの事をずっと見ていましたから。」
そして、目の前に来た零斗は言った。
レイト「君の知っているレイトとの記憶を俺に教えてくれないか?彼がどんな風に今まで過ごしていたのか、教えてほしい。」
零斗がそんな言葉を口にした。
義之は目の前にいる零斗に言った。
キノ「いいですよ。この試練が終わった後で。」
零斗は少し嬉しそうな顔を作った。
そして、義之に向かい言う。
レイト「さぁ!来な!もう小細工は無しだ!」
α「彼女を勝たせないつもりなのか…?」
レイト「アイツはきっと手を抜いてたら、俺が本気じゃない事に気がつくはずだ。せめて7割くらい力を出してやってやらねぇとアイツは俺に何か言うはずだ。」
そう言うと、プラネッツナイトは両手に鈍く光る剣を手にした。
そして、ブラックZEROの方に直進してくる。
キノ「ZERO、行くよ。」
ZERO「OK。アサルトフォームだね!」
ZEROが口にすると、身体中の武装が解除され、軽装備化した姿に切り替わった。さらに、右肩にマウントしている大型剣を手に取る。
キノ「ZEROモード発動!」
ブラックZEROの目が輝き、辺りから強い衝撃波を作り出した。
ブラックZERO全体の機能周りが一時的に強化された。
ZERO「キノ。長くても 3分だよ。」
義之が答える。
キノ「 3分もあったら充分さ。」
ZERO「ひゅー。カッコいい。」
零斗の方は相手がスタイルを変更した事に気付くと、αが言った。
α「レイト。あのガンダムから通信妨害のエネルギーが散布されている。あのガンダム、想像以上に厄介な相手だ。」
レイト「大丈夫だ。1対1では関係ない。」
α「それ以上の問題だ。」
レイト「ん?」
零斗はαの言葉に困惑する。
α「今、私達はメインカメラ以外からのセンサー、アラート、システムは全て反応してないという事だ。」
零斗はその言葉を聴き、両腕にある【勇気の剣】以外の武装を取り出そうとするが、システムが反応しない。αの言葉は本当の様だ。
彼らは今、仲間や外部からの連絡をとる手段を無くし、視覚外攻撃へのセンサーが反応せず、その他のアーマーや武装を呼び出す事もできなくなった。
レイト「アイツら、やってくれるじゃねぇか。」
α「私達は今、絶海の孤島に取り残されている状態とでも言うべきか…」
レイト「俺達を本気で倒すつもりみてぇだな。これくらいのハンデ、どうにかして見せっさ!」
ブラックZEROがこちらに向けてスピードを上げる。
零斗はそれに反応する様に、こちらも加速する。
しかし…
ブラックZEROは目の前で飛び上がると、銃を構える。
宙で体勢を180度変えながらプラネッツナイトに向けてライフルを打ち付ける。
センサーが反応せず、どれほどのダメージを受けているのか把握できない。
レイト「く…っ!この程度!」
零斗はメインカメラを相手にしっかり向けて、追いかけている。
すると、背中から被弾を受けた。
レイト「ぐあっ…!」
突然背中側から揺れ、膝をつく。
レイト「今度はなんだ…!」
空中に目を向けると、周りにはブラックZEROからパージされた武装がビット状に形を変えて攻撃していたのだ。
レイト「そうか。コレが狙いだったのか。」
零斗は何かに確信を抱いた。
α「何かわかったのか。」
レイト「あぁ。アイツらの武装、センサーに引っかからず、確実に攻撃する為に、システムを妨害してんだよ。」
α「だが、それならビットを破壊したらいいだけのはずだ。」
レイト「違ぇよ。ビットを攻撃してたら、逆に今度はアイツが俺達を攻撃してくる。つまり、片方を相手してる間にもう片方から一方的に攻める作戦って訳だ。」
α「そうか。視覚外のシステムを無力化させる事で、死角を作らせて確実にダメージを与えるため。そういう事だな?」
レイト「あぁ。間違いなく。な。」
義之の目論みは零斗を倒す事ではない。
零斗に確実にダメージを与えさせる事が目的だ。
その作戦は相手を妨害させているだけではなく、戦術的な有利を取っているものだった。
零斗は完全に不利な状況だ…
いったいどうすればいいのだろうか…
零斗は悩みながらも言った。
レイト「α。」
α「どうしたのだ。」
レイト「お前、片腕持ってかれるくらいの覚悟、あるか?」
αは悩みながらも答えた。
α「何故そんな事を聞く?何か作戦があるという事か?」
零斗も少し不安な口調で答えた。
レイト「あぁ。かなり武の悪い賭けになるけどな。」
α「…。面白い。そこまでして賭けるほどの事なのだな。私も乗ろう。」
零斗は嬉しそうに答えた。
レイト「α、今俺たちは一心同体だ!俺に100%合わせろよ!」
α「分かっている!」
そう答えると、プラネッツナイトは加速する。
ブラックZEROに向けてスピードを上げて突き進んでゆく。
キノ「来る…!」
ZEROは言った。
ZERO「そんなの!俺たちの術中だよ!」
そう言いながら4機のビットを使い、プラネッツナイトの周りを囲いこもうとする。
αはビットを見て答えた。
α「レイト!右肩付近と真上に気をつけろ!」
レイト「分かってるさ!」
その言葉と共に急減速をし、ビットの攻撃を避ける。
α「左だ!」
左腕に装備している【勇気の剣】で相手の攻撃を受け止める。
まるで、お互いがお互いの身体を動かしているかの様に動きがピッタリとあう。
ZEROはそんな光景を見て、びっくりした様な声を漏らす。
ZERO「えぇ…なんなんだあの人達…」
義之はZEROに言った。
キノ「このままだとビットが持たない。僕らも行くよ。」
ZERO「わ…分かった!」
ブラックZEROが近づいてゆく。
肩にビームガトリングをマウントしたまま、プラネッツナイトに向けて弾幕を放った。
レイト「ちぃっ…!」
零斗は咄嗟にシールドを前に向け、攻撃を受け止めた。
ブラックZEROがさらに攻撃を仕掛ける。腕部に装備しているビームスプレーガン二丁を使い、肩のガトリングとともに打ち付けていた。
プラネッツナイトはビットとライフルからの攻撃を全て相手にしている。
もはや対応しているだけでも至難の業だ。
零斗は自身の側を浮遊しているビットを相手にするだけでも必死なのに、さらにここまで攻撃を仕掛けられては余裕すらない。
そして、ついに一瞬の隙を晒してしまった。
ビットを振り払うために盾を振った瞬間だった。
ガシャァンッ!という音と共に左肩にビットが突き刺さる様に食い込んだ。
レイト「っ…!!」
α「レイト!前を見るんだ!」
その時、零斗の眼前にはエネルギーをチャージしているビームバズーカを装備したブラックZEROが居た。
零斗はαに指示をだす。
レイト「α!盾を切り離して左腕を外せ!」
ガシャッという音とともに左腕がパーツごと切り離された。
左腕は地面に力無く落ち、ビットはブラックZEROの方に向かい飛んでゆく。
そして、先に外した盾を左足で蹴り上げ、右腕に装備した。
ブラックZEROが狙いを定めている時だった。
ZERO「エネルギーフルパワー。いつでも良いよ!」
プラネッツナイトに照準を合わせて言い放つ。
キノ「そこだ…っ!」
ピンク色の極太の光が撃ち放たれた。
それはもう…とんでもないほどのエネルギーの塊がプラネッツナイトに一直線に目掛けて飛び込んでくる。
零斗は盾を構えて、プラネッツナイトの身体を最大まで小さくたたみ、攻撃を凌ぐ!
レイト、α「うおぉぉぉっ!」
爆発音が流れながら、その巨大なビームは10秒とかからないうちに姿をけした。
辺りには、ビームのエネルギーにより、衝撃波がながれ、空から桜が舞い散って、辺りには黒い煙が充満していた。
そして、ZEROが疲れたかの様に答えた。
ZERO「時間切れ〜。」
それと同時にブラックZEROから放たれていたエネルギー波は消え、舞っていたビットは元の場所に装備されていく。
義之は周囲を疑いながらみる。
キノ「やったか…?」
前方を見ると、黒い煙からシルエットが映る。
キノ「な…っ!そんな!」
目の前には、プラネッツナイトが真っ黒くチリの様に消えてゆく盾を持ちながら目の前で構えていたのだ。機体の本体にはさほどダメージを受けてない。あの盾がほとんどのビームを受け止めている事が見てわかるほどだった。
α「私の盾は、主を守る為のもの。その主の為ならば、どんな攻撃も耐え凌ぐ。」
レイト「α。助かったぜ。お前の盾には何度救われたか…」
そう言いながら、零斗はプラネッツナイトを地面に降ろした。
そして、力無く落ちている左腕を掴み、肩に取り付けた。
その瞬間、システムが復旧し、コクピット内が輝きを取り戻す。
さらに落とした剣も手に取り、プラネッツナイトは万全な状態に戻ったのだ。
レイト「ここからだな。」
α「あぁ。」
レイト「ここからは俺達の時間だ!」
α 「ここからは私達の時間だ!」
その途端、プラネッツナイトはものすごい勢いでブラックZEROに距離を詰めた。
キノ「んな…っ!」
ZERO「は…はやい!」
ブラックZEROはダガーで攻撃を受け止めるが、プラネッツナイトのその速さに驚愕する。
ZERO「なんて速さ…!俺でなきゃ見逃していたかもね!」
キノ「ZERO!もう一度アサルトフォームで戦うしかない!」
ZERO「分かってるって!」
そう言うとまた武装を解除し、4機のビットが現れた。
ブラックZEROが装備を整え、マウントしてあった小型の斧を手に取り、もう片方の手にはビームダガーを装備した。
だが、今の零斗達には全くの無力であった。
レイト「α!さっきのでやれてたんだ!もう大丈夫だよな!」
α「もちろんだ!今はどこから攻撃が来ても対処できる!」
プラネッツナイトはビット4機を相手に赤子と戯れるかの様に軽く避けている。
そこにさらにブラックZEROが飛び込んできた。
ブラックZEROが左手に持った斧を振り下ろすと、プラネッツナイトはそれをしっかり剣で受け止めた。
キノ「く…っ!反応が速い!」
レイト「その程度のパワーじゃ!俺達は止められねぇよ!」
零斗はそう言いながら、プラネッツナイトのブースターの出力を上げて押し込んでゆく!
義之も負けていられない。
ZEROの判断で、ビットをプラネッツナイトに向けて飛ばす。
だが、プラネッツナイトは一瞬でその攻撃に適応し、ブラックZEROから離れた瞬間、ビットに攻撃を向けて、切り払った。
そして、その剣はビットを一振りで真っ二つに切断するのだ。
ZERO「う…嘘でしょ!?」
一つ、また一つと切断し、4機あったビットを全て切りさばいた。
そして、零斗はブラックZEROに向き直った。
レイト「もう小細工は無しだ。コレで終わらせる!」
二振りの剣が鈍い光を放つと、一直線上に光の道を作り出した。
キノ「まずいね…これ…」
だが、その光から放たれる圧倒的な威圧感を前に、ブラックZEROは足掻く力すら起きなかった。
剣先を両方ともこちらに向けると、零斗はブラックZEROに向けて直進する!
レイト「必殺!プラネッツ《双》(ダブル)ブレイヴ!」
ブラックZEROはそのまま抵抗もせずその攻撃をもろともくらう…はずだった。
零斗は、突き刺さる目の前で止めていた。
キノ「え…?」
ZERO「な…なんで!?トドメは?!」
零斗はちょっと恥ずかしそうに言った。
レイト「ま…まぁ、お前ら強くなってるみてぇだから、今回はトドメまでは刺さないでおいてやる。ま、力は示されたからな。合格だ。」
キノ「え…なにこの戦いに負けて試合に勝ったみたいな終わり方…」
レイト「文句あっかぁ?」
キノ「い…いえ。別に…」
2人は機体から降りて、話をはじめる。
レイト「しっかし…お前らがあそこまでやるなんてよ。流石に8割以上の力でキノと向き合う事になるなんてな。」
と、そこにZEROが割って入る。
ZERO「あ…それでも8割なんだね。」
レイト「うっせぇ!こんだけ出させるだけすげぇって思え!」
義之は笑顔を作り言った。
キノ「にしても…AIでも、レイトさんは変わらず強いですね。」
零斗は顔を赤くして答えた。
レイト「キノ。お前も、強くなったな。」
義之は首を振りながら答える。
キノ「僕の力だけじゃありません。ヒビキさんに、シロウさん、学校のみんな、部活の人達…それからZEROに助けられて僕はここまで辿り着けました。もちろん、これもレイトさんのおかげですよ。」
零斗はそれを聞けただけで嬉しそうだった。
レイト「お前もたくさんの奴らと絆があるんだな。」
キノ「レイトさんも、シュウゴさんという良い親友がいるじゃないですか。」
零斗はびっくりした顔をして聞いた。
レイト「な…っ!?なんでお前シュウの事知ってんだよ!?」
キノ「アマリさんから聞きましたよ。レイトさんの昔の事全部。」
レイト「な…なんでよりによってコイツに…」
義之は頬を膨らませた。
キノ「僕には聞かせたくない話だったとでも?」
レイト「い…いやいや!んな事はねぇって!」
義之はまだ少し怒った様子の顔を作っている。
レイト「わ…わかったって!本当は…お前にはこの話もやるつもりだったさ。だが、聞いて気持ちのいい話じゃねぇから、言えなかっただけだよ。」
零斗は義之の頭をぽんぽんとさする。
レイト「悪かったな…。ちゃんと本当の事言わなくて…。」
義之は言った。
キノ「なんか、本当のレイトさんみたいで気持ち悪い…。本当にあなたAIですか?」
レイト「お前!それはレイト本人に失礼だろ!」
そして、なんだかんだ言いながら、話を続けると、ひょんな事を聞いた。
キノ「レイトさん、なんで、僕らを1人ずつ試す様な事をやってるんですか?」
レイト「あ…あぁ〜…。それは…ヒビキに仲間ができた時に、1人ずつ力を試すつもりだったんだ。まぁ、今回はアマリのねぇちゃんがちょっとシステムいじってるみてぇだから、4人の力を試す様にシステムが少し変わってるみてぇだが…おおよそ俺の思った通りってとこか。」
キノ「ちなみにですが…、レイトさんはこの後ヒビキさんとも闘うんですか?」
レイト「いいや。俺の出番はここまでだ。お前と、他の奴らも全員の力は示されたしな。」
キノ「では…ヒビキさんの相手は…」
レイト「扉の先を見てのお楽しみさ。」
零斗は立ち上がり、義之に向けて言った。
レイト「んじゃあな。また後で会おうぜ。」
キノ「ど、どこへ行くんですか?」
レイト「大丈夫だ。次の場所で待ってるだけだ。」
キノ「あの大きな扉…」
レイト「そういう事だ。あ、忘れてたな。」
キノ「…ん?」
レイト「またあとで、お前と本物のレイトの思い出、聞かせてくれよな。」
そう言いながら、零斗はプラネッツナイトとともに目の前から消えていった。
キノ「ZERO。」
ZERO「なぁに?」
キノ「レイトさん、強かったね。」
ZERO「まだまだ、俺達じゃ敵わない相手だったね。」
零斗を見て義之達は零斗という大きな壁を目の当たりにし、感想を持った。
全員がポータルから戻ってくると、響が声をかけた。
ヒビキ「みんな!どうだった?」
レント「僕は負けました…。レイトさん、本当に強い人だった…」
シロウ「俺も負けた。あと少しって所だったんだが…彼は俺の
想像を遥かに超えるほど強かった。」
キノ「僕も同じく。レイトさんは一筋縄では倒せませんね…」
全員負けたとの事だ。
ヒビキ「そっか…。やっぱ、兄さんは強いや。」
その時、閉ざされていた最後の扉が開く。
響はその扉をみて言った。
ヒビキ「最後の扉が開いた!みんな、いこう。」
4人は自分の機体を操作し、扉の奥へ進んでゆく。
そして…
扉の奥へ進むと、とんでもなく巨大な円形のフィールドが形成されていた。
とてつもなく広いフィールド。
先ほど3人が闘っていた所とは比にならない広さだ。
中央には剣を地に刺して佇むガンダムが居る。
そのガンダムはプラネッツナイトだ。そして、話を始める。
α「よく来た。力を示し者たちよ。」
響はその声に聞き覚えがあった。
ヒビキ「α?」
αは首をこくりと動かした。
α「あぁ。私だ。君とまた会えるなんてな。私は嬉しいよ。」
響は聞いた。
ヒビキ「これが最後の試練なんだよね?兄さんは?」
αは答える。
α「残念だが、今回はレイトには席を外してもらっている。」
そう言うと、零斗は足元に居た。
レイト「よ。お前ら。」
ヒビキ「どうして、兄さんは闘わないの?」
α「私のワガママに付き合ってもらったのさ。」
響は困惑した。
ヒビキ「え…?」
全く意味がわからない響、何故零斗は響を前に闘わないのか…
だが、αは答えた。
α「私が…君の相手だ。ヒビキよ。」
ヒビキ「αが…?」
α「そうさ。私が。私自身が君と闘うのだ。」
つづく…
いかがでしたでしょうか?
今回の話は、レイトという人物の記憶が相手となりました。
この作品の原作側では彼以上にバケモンみたいなスペックの人もいますが、それにも見劣りしない様な人物像が見えてきたのかなと思います。
それから、
次は中間にとあるエピソードを差し込むつもりです。
次の話と関係のある物のストーリーです。
まぁ、次回もお楽しみにね。
次回予告
響の前に闘いを申し込んだのは、コアガンダムαそのものだった。
零斗は彼らの闘いを見守る事を選択し、戦いの場には出ないと言うのだ…
αが何故、自ら闘うのか、響はαの真意を知り、αの想いに答える事となる。
次回[最後の審判〜託された騎士の誇り〜]
幕間の章
エピソードα〜使命と絆の物語〜