ガンダムビルドブレイカーズ after ZERO   作:有音 響

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こんにちは〜。
今回から、数回に渡りナレーションの指導…
ヨウスケ「んん?」
ナレーションの協力をしてくださる!東方不敗マスターアジアさんです!
ヨウスケ「このタワケェ!ナレーションはもっとしっかりとせんか!」
ペチンッ!
いたぁ〜…
ストーカー「では、皆さん、今回のお話へ〜!レディ!ゴー!」
ちょっ!勝手に進めないで!
あ、始まるよ〜!


第7話〜消えたキノの行方〜

夜の事だ。

キノ「はぁ…。ん…ん〜…。」

義之が背中を伸ばしていると…

ドンッ!ドンッ!

家の扉を叩くような音がした。

レイト「お〜い!もういいだろ!早く開けてくれよぉ!」

キノ「え〜…。」

レイト「お前だけゴルドラン見たんだろ?俺も見たかったんだよぉ!」

キノ「本当?」

レイト「本当だ!頼むから開けてくれぇ…!」

義之はゆっくり扉を開く

ガチャ…

レイト「キノぉ〜…」

だが…

バタンッ!

レイト「グヘェッ!」

すぐに閉めてしまった。

レイト「て…テメェ!」

キノ「へへへ。」

レイト「な…なぁ…開けてくれよ…」

キノ「冗談ですよ。ほら、早くお風呂入ろう。」

と、言って義之は零斗を家に入れた。

レイト「もう〜…」

キノ「あ、そうだ。お風呂上がったらゴルドラン見ます?」

レイト「もちろん見る!」

2人は楽しそうに会話をしながら脱衣所に向かった。

 

数時間後…

キノ「ふぁぁ…」

レイト「そろそろ寝る時間か?」

キノ「うん…。」

レイト「それじゃ、ベッドに行くか。」

零斗は義之をベッドを連れたいこうとした時…

ピンポーン…。

夜の遅くにインターホンが鳴ったのだ。

インターホンのカメラに映る人は、真っ黒い帽子に、暗くてよくは見えなかったが、紺色のようなコートを着ていた男だった。

その男を見た瞬間に義之の眠気が一瞬で覚めた。

レイト「こんな時間になんだよ…。」

と、零斗が扉に手を触れようとした時

キノ「ダメ…!」

レイト「ん?」

キノ「開けないで…」

義之がその手を止めた。

レイト「どうしたんだ?お前らしくねぇなぁ。」

キノ「いいから開けないで…」

扉を開けるのを止めようと義之は零斗にしがみついた

しがみつく義之を見た零斗は

レイト「大丈夫だ。キノ、お前は部屋の奥に居ろ。」

キノ「……でも…」

レイト「大丈夫だから。俺を信じろ。」

キノ「…うん。」

そして、義之を部屋の奥に隠れさせ、零斗は扉を開けた

レイト「こんな夜遅くになんのようだ?」

黒い帽子の男「すいません。この家に、この写真の女の子は居ませんか?」

男が見せてきた写真は、黒く長い髪で頭にはリボンを付けた、義之の顔に似た女の子の写真だった。

レイト「しらねぇな。そんなやつ、俺は一度も見たことねぇな。」

黒い帽子の男「本当に見た事無いんですか?」

レイト「見たことねぇよ。」

黒い帽子の男「嘘をついたりしてないんだね?」

レイト「しつこいぞ!見てねぇって言ってるだろ!」

零斗は怒り、扉を強く閉め、鍵をかけた。

黒い帽子の男「………。」

黒い帽子の男は何処かへ歩いて去っていった。

その後、家の中では

レイト「なんだあの男。気味わりぃな…。」

キノ「…もう…居なくなりました…?」

レイト「おう。もう大丈夫だ。」

キノ「よ…よかった…。」

レイト「なぁ、キノ。あの男はなんなんだ?」

キノ「………。」

レイト「何かあるなら教えてくれよ。」

キノ「…。それは…言えません…。」

レイト「なんで言えねぇんだ?」

キノ「……。」

レイト「…まあいい。今日はもう寝ろ。」

キノ「レイトさん…あの…」

レイト「言うな。言えない事情があんのに言わせたくはねぇから。」

キノ「…わかりました…。」

義之は少し暗い顔をして自部屋のベッドへ向かった。

そして…義之はベッドに横たわると、ひっそりと呟いた。

キノ「レイトさん…ごめんなさい…。僕は…もうここには留まる事はできないみたいです…。」

 

その頃、零斗は…

レイト「そろそろ、寝たかな…。」

彼は、義之が眠った時間を見計らい…

レイト「さて…事故が無いか見回って来るか。」

そう言って、零斗は窓から抜け出し、寝静まった夜の街へ飛んでいってしまった。

 

そして、零斗が戻って来たその時にはもう夜中の2時を過ぎていた。

レイト「今日も事故は無かったようだな。全く…ここの奴らは荒ぶった輩が多いんだよ…俺が死ぬ前まで夜中に毎週の如く酔っ払いと暴走族が人ん家に突っ込みやがって…俺ん家にも2回くらい突っ込んで来やがったしな…腹立つぜ…全く。」

と、愚痴をこぼしていた。

 

夜中に暴走族と酔っ払いが人の家に突撃するなんて…ここは修羅の国なのだろうか…?

 

レイト「ふぁ〜…ねみぃな…そろそろ寝るか。」

零斗はベッドを持たない為、家の壁に寄りかかり、眠りだした。

 

朝5時頃

零斗は昨晩の見回りが遅くなり、この時間に起きる事ができなかった。

零斗が起きる事ができない間に、義之は目を覚まし…

キノ「朝か…。レイトさん…ごめんなさい。」

義之は身支度を済ませ、帽子を深々と被り…玄関の前に立つ。

キノ「お世話になりました…」

義之が家から出ようとした瞬間、カタンッ…と、何かが倒れた音がした。

倒れていたのは、コアガンダムZEROだった。

キノ「…。君は僕について来てくれるんだね。」

そう言って、コアガンダムZEROを胸ポケットにしまい、静かに扉を開けて姿を消した。

だが、彼女は知らなかった。この後起きる悲劇に…

 

義之が家を出て30分が経った頃、零斗はやっと目を覚ました。

レイト「ふぁ〜。ちょっと寝過ぎちまったか…。さて、キノのほっぺをいじってやろうっと。ヒヒヒ…」

零斗はにやにやしながら義之の部屋に向かっていた。

レイト「キぃ〜ノ〜?起きてるか〜…?寝てるみたいだな。ほ〜ら、起きろ〜。イタズラするぞぉ…?…そんなに起きねぇんなら…そりゃっ!」

と、ベッドに飛びついた。

レイト「あれ?キノぉ?」

ベッドに義之が寝てない事に零斗は気づき、家の中をくまなく探し始めた。

レイト「キノ!お〜い。何処だ?」

見つかるはずもなかった。なんせ、もうここにはいないのだから…。

 

その頃、義之は…

キノ「次は何処へ行こう…。」

と、呟いてると、後ろから昨晩見かけた黒い帽子の男が追って来ていた。

黒い帽子の男は、義之に近づき…

黒い帽子の男「やっと見つけたぞ。」

男の声を聞き、義之は一瞬立ち止まった。

キノ「…に…逃げなきゃ…」

段々男との距離が縮まる。

キノ「逃げないと…僕は…」

恐怖心を抑え込み、立ち止まっていた義之は走り出した。

黒い帽子の男「なっ…!ま…待て!」

義之は一心不乱に走った。

キノ「逃げなきゃ…少しでも遠くに…!」

だんだん黒い帽子の男と距離が開いてゆく。

そして、男の姿が見えなくなった頃…

キノ「ハァハァ…なんとか…撒けた…?早く…この街から出なきゃ…」

義之は、走り疲れ、ゆっくりだが、一歩ずつ歩き出す。

だが…

黒い帽子の男「残念だったな…」

黒い帽子の男に先回りされていた…

キノ「…!」

黒い帽子の男「さぁ、もう逃げるのはよしてこちらに来い。」

キノ「(逃げないと…絶対に逃げ切らないと…)…っ!」

義之は最後の力を振り絞り、全力で走り出した。

黒い帽子の男「ま…まだ逃げるつもりか!」

黒い帽子の男も義之を追いかける為に走り出す。

義之が逃げる先には交差点があった。青信号で点滅している訳でもなく、時間稼ぎはできそうに無い。だが、義之は走った。走らないと行けなかった。

義之が信号を渡り始めた時…ほんの一瞬の事だった。

ギィィィィッ!

キノ「…っ!」

ガンッ!

鈍い音が鳴り響いた後…

ビシャッ…

衝撃で何かが飛び散るような音が聞こえた。

 

レイト「…今の音…まさか…!」

鈍い音が聞こえた零斗は、家を飛び出し、街を走り抜けた。

 

義之は…トラックに跳ねられ…数メートル先に飛ばされたのだ。

義之が跳ねられた時、彼女が被っていた帽子も飛んでいった…

この時間帯は、人気が少ない為に、トラックが飛ばしている事が多かったのだ。

トラックの運転手「き…救急車!救急車を!」

義之は、運転手が救急車を呼んでいる間にも…

キノ「逃げ…なきゃ…」

義之は身体中から出血し、跳ねられた衝撃で左腕が折れていた。

左足も跳ねられた衝撃で歩ける状態では無かった。

それでも、彼女は帽子の男から逃げる為に、歩いた。

しかし、30メートルほど先で義之は力尽きた。そして…彼女は言った。

キノ「レ…ト…さん…たす……て…」

それから10分ほど経った頃…救急車が彼女が跳ねられた場所に到着した。

 

零斗が義之の居た場所に着いたのは、15分程過ぎた頃だった…

婦人「何?事故?!え…女の子が倒れてる!」

老婆「そうなのよ!私、見ちゃったのよ。トラックが飛ばしてて、信号を渡ってる時に女の子が轢かれた所を!」

レイト「まさか…キノ!キノォ!」

それを耳にした零斗は救急車の音の聞こえる方に向かった。

 

零斗は救急車のある場所を見つけ、すぐに駆け寄る。

だが…

救急隊員「流石にこの出血じゃ助からないよ。」

救急隊員長「バカを言うな!助けるのが俺たちの使命なんだぞ!」

救急隊員「こんなに出血してて助かるなんて、無理です。この子は搬送中にはもう…」

レイト「そ…そんな…」

零斗はその事を聞いて絶望した。足元から崩れ落ちるようにして地面につく。

レイト「俺は…俺は…」

零斗は涙を流した。

レイト「ちくしょう…ちくしょ…うあぁぁぁぁぁぁっ…!」

零斗は泣いた…悲しみを抑えきれず、泣きじゃくった。

レイト「また…助けれねぇのか…もう俺は何も失いたくねぇのに…キノ…ごめんな…ごめんな…」

零斗は泣きながら何処かへ走ってゆく。零斗は救急車とは真逆の方向へ走っていった。

彼が行き着いた先にあったのは…海だった。

レイト「………」

零斗は少しずつ海水に体を沈めていく…

レイト「あの世にいけねぇんなら、海の底に消えちまった方がよっぽどマシだ…」

一歩、また一歩と歩き、彼は海に沈んでゆく。だが

???「待ちたまえ。君は、それでいいのかな?」

零斗を呼ぶ声がする。その声はどこかで聞いたような声だった。零斗は振り向くと…

アルマ「やぁ。レイト君。僕を覚えてるかい?」

レイト「あぁ。覚えてるぜ。あんたのおかげでガンプラバトルができるんだからな。蒼月有真(ソウゲツ アルマ)さんよ…」

彼の名は蒼月 有真(ソウゲツ アルマ)。この湯ノ森の市長だ。

彼はガンプラバトルを確立した人でもあり、レイカの妹、イチカとはかなりの仲良しで疑惑も浮上している。

そして…何故かこいつにも、俺が見えているようだ。

レイト「…お前も俺が見えんのか…?」

アルマ「生憎、昔から霊感が強い方でね。はっきりと見えていたよ。君が亡くなってから4年間の行動もずっとね。」

レイト「へっ…だからなんだってんだ。」

アルマ「まだ君にはやるべきことがあるはずだ。今の君は、君らしく無い。」

レイト「黙れ…テメェに俺の何がわかんだよ…」

アルマ「申し訳ないが君の全てを知っている訳では無い。」

レイト「なら俺に構ってねぇで、仕事しろよ…」

アルマ「そうもいかないのさ。まだ君にはこの湯ノ森に残ってもらいたいからね。」

レイト「……」

有真は常に笑顔を絶やさない人だが、一瞬だけ顔が変わった。

アルマ「レイト君、君もまたこの湯ノ森の市民だ。僕は市民を守る事が務めだよ。だから君を見捨てる事はできない。たとえ亡霊であったとしてもだ。わかってくれるかい?」

レイト「だが俺は…」

アルマ「いい加減にしてもらいたいものだ。君はいつまでも過去に囚われ続けている。今の君を見たら、ヒカル君やレイカ君、ましてやヒビキ君が君のそのような姿を見たら悲しむとは思わないのかな?」

一瞬、有真の覇気が大きく膨れ上がった。

感覚だけでもこのおっさんは、自分の守るものの為ならそこまでする人だという事がわかった。

そして…

レイト「ヒビキ…レイカ…ヒカル…」

零斗は3人の名前を口にし、彼等との思い出、果たせなかった約束、後悔を思い出していた。

 

思い出していると、3人の声が聞こえてくる…

レイカ「レイトさん、貴方と拳を交えた時、貴方のバトルに対する情熱、勝ちたいという真の強さ、それを知らされた。あの頃の貴方は何処に行ってしまったの?」

 

レイト「レイカ…」

 

ヒカル「おい。レイト!しっかりしろ!お前がしっかりしないでどうするんだ。そんな事でお前の目指していたものになれるのか?レイト、俺はお前の病気の事を知っていれば無茶させなかった。俺はまだそれを後悔している。だが、くよくよしてても仕方ないだろ?だから前に進む事を決めたのさ。だから、お前も諦めずに、自分の進むべき道へ進め。」

 

レイト「ヒカル…」

 

ヒビキ「兄さん…。僕、兄さんが居なくなってから、1人でいる事が多くなったんだ…。でも、兄さんが残してくれたコアガンダムのおかげでもう寂しく無くなった。おかげで、イチカやみんなと一緒に楽しく過ごせてる。兄さんは僕を1人にさせないために、コアガンダムを残してくれたんだって、やっとわかったんだ。兄さん、僕はもう大丈夫だから。兄さんの大切な人を助けてあげて。」

 

レイト「ヒビキ…」

 

幻想と言えど、彼等の声は零斗を突き動かした。海の中に沈んでいこうとしていた零斗は少しずつ浜へ戻り、有真の前に立った。

レイト「アルマさん…俺は…キノを助けられるんだろうか…」

アルマ「君なら…いや、君にしかできない事だ。彼女の処置と特別な個室はもう頼んである。あとは、彼女が目覚めるまで側で待ってあげてるといいよ。」

レイト「わかった…。」

アルマ「レイト君、学園の方には既に連絡してある。心配する事は無い。あと、このメモにキノ君が搬送された病院と個室が書いてある。本当は犯罪物だが、それを持ってて必要としてるのが幽霊なら法も関係ないさ。」

レイト「アンタ…やることすること全部めちゃくちゃだな…マジで何者なんだよ…」

アルマ「チーム戦元日本チャンプの1人さ。さぁ行きたまえ、時間は無いよ。」

レイト「何から何までありがとな。」

零斗は有真に最後にこう告げた。

レイト「今度、またアンタと手合わせしてぇからよ、どっかで出会えたらその時は頼むぜ。」

アルマ「君が市役所に来ればいい話だが…まぁ、それも良いね。僕でよければいつでも相手になるよ。」

零斗は少しだけ笑い、救急車が進んで行った方向へ走り出した。

 

アルマ「レイト君、僕らは君を見守っているよ。今までも、これからも。」

有真はそう呟いて、市役所の方へ帰って行った。

 

零斗が走り出してから約1時間…

有真に教えてもらった病院へ辿り着く。

病院の人達は誰にも零斗が見えていないらしく、零斗は病院のロビーで待たされる事も無く、病院内を歩き出した。

だが、流石に病院というだけはあり、人の生き死があるらしく…

ジジィ「わ…ワシ、何してたんじゃっけ?」

レイト「アンタは今死んじまったんだよ。」

ジジィ「あ〜。そうじゃった。今さっき心臓が止まって[ヒクッ!]ってなってぽっくり…。」

と、言って爺さんの魂が消えていった。

レイト「673人目…」

673人…この数字は零斗があの世へ送り出した人々の魂の数らしい。

その8割はボケたジジィとババァ、1割には酒を飲みすぎて急性アル中、心臓麻痺で死んだデブとサラリーマン、あと1割は欲に飢えたガキども達だったようだ。

1番酷かったのは15歳のガキが女子更衣室で着替えてる所に混じっていたらしい。(しかし、イチカやレイカが何者かの気配を察知し、更衣室の外へ飛ばした後に無理矢理成仏させたそうな。)

おばちゃん「そこの君ぃ。便所の場所を教えてくれないかな?今の子達は本当に無神経でねぇ。聞いても誰も返事もしやしないのよ。おばちゃんね、今の子供達の教育理念をちゃんと直さないといけないと思うのよぉ。なんでって?そりゃあもちr…ベラベラベラ…」

レイト「(話のなげぇババァだ。)トイレはそこだ。右は曲がれば直ぐだぞ。」

おばちゃん「良い子だねぇ。ちゃんと教えてくれるなんてしっかりしてる子だね。そうだ。飴ちゃんあげr…」

ヒュッ…

火が消えるかのようにおばちゃんの魂が消えた。

レイト「ングング…ありがとなおばちゃん。モゴモゴ…674人目。」

零斗は一歩ずつ進んで行く。だが、突然立ち止まった。

レイト「ん…?」

少年「ジー…」

レイト「どうしたんだ?」

少年「ママ、僕を見て泣いてるの。」

少年はそう言って指を指す。

零斗が視線を向けた先には、少年の家族が泣いている姿だった。

その少年は今先程死んでしまったらしい。

レイト「……お母さんを撫でてあげな。」

少年「え…?」

レイト「お母さん、泣いてるから慰めて欲しいんだってよ。」

少年「ママ…」

そして、零斗は少年の背中を押して、母親の前まで連れていった。

少年の母「ショウちゃん…うぅ…グスッ」

少年の父「もう泣き止んでくれ。ショウタまで泣いてしまうだろ。」

少年「ママ…」

レイト「ほら。君の大切なお母さんだろ?慰めてあげようぜ。」

少年「うん。」

そうして、少年は母親の所まで近づき…

少年「ママ。だいじょーぶ。だいじょーぶ。」

少年は膝をついて泣いている母親の頭を撫でた。すると…

少年の母「ショウちゃん…?」

少年「ママ、泣かないで。」

少年の母「アナタ…ショウちゃんの声が聞こえるよ…」

少年の父「あぁ。俺にも聞こえた。泣かないでって。」

父親は霊感の強い人間だったようだ。きっと、少年が母親を見て心配しているのを見て泣き止むように言ってたのだろう。それから少年は…

少年「お兄ちゃん、ありがとう。ママ、泣き止んだ。」

そう告げて、少年は少しずつ消えていった…。

レイト「675人目…。」

と、口にしてその場を去ろうとする。

そこへある人の声が…

少年の父「そこの君。待ってくれ。」

少年の父が零斗を呼び止める。

レイト「…わりぃな。俺は幽霊だ。」

少年の父「そうだったのか。君も幽霊だったのか。」

レイト「あまり関わらねぇ方がいいぜ…。」

少年の父「これだけは言わせてくれ。ショウタを成仏させてくれてありがとう。」

と、少年の父親は言うと、零斗は後ろ向いて手を振った。

零斗は感謝された時にどう言う対応をするのがいいか分からず、手を振るだけにしたようだ。これが彼なりの「どういたしまして。」の表現なのだろう。

そうして、零斗は進む。病院の奥にたどり着き…

レイト「ここか。アルマ…本当にこんな個室を用意してくれたんだな…」

ポリポリ…

レイト「ちぇっ…今度借りをいつか返さねぇとな。」

零斗が扉の前に立って、つぶやいていると、2人の医師が出てくる。

医者A「なんとかなりましたね。」

医者B「そうだな。ギリギリだったみたいだ。彼女の服のガンプラのおかげで少しだけ衝撃を軽減できたみたいだ。」

医者A「いやぁ〜。あんな小さいガンプラで助かる人もいるんすねぇ。」

と、言いながら病室からどんどん離れて行った。

そして、零斗は2人がいなくなったのを確認し、病室に入り込んだ。

そこには、身体中に包帯を巻きつけ、酸素マスクを付けた義之が居た。

レイト「キノ…」

彼女のその痛々しい姿を見て、零斗の目には涙が浮かび上がった。

レイト「なんでこんな…」

零斗はそっと隣に近づき、義之の手を優しく掴んでこう言った。

レイト「なんで…なんで何も言わずに家を飛び出したんだよ…」

そんな事を言っても義之が目覚めるような気配は無い。

レイト「なぁ…目を覚ませよ…」

そう言って、零斗は数時間ほど義之の手を掴んで義之が目覚める事を祈っていた。

 

数時間後…

零斗は義之の頭を撫で彼女の着ていた服を触り始めた。

レイト「全く…血まみれじゃねぇか…。病院の奴らはそのまま持ち帰れって言う気かよ…。」

カラン…ッ…

レイト「ん?」

零斗は何か落ちた音に気づく。

レイト「これは…プラスチックの破片…?さっきの医者がなんか言ってたな…。…!?ま、まさか!」

零斗は何かに気付いて義之の来ていた衣服のポケットを漁った。

そして、あるものを見つけた。それは…

レイト「ZERO…。」

零斗が手にしたのは、ボロボロになって壊れかけていたコアガンダムZEROだった。

レイト「お前が、助けてくれたんだな…ありがとな。すぐに治してやるから。」

とは言ったものの、工具も何も持ってない状態の零斗はどうする事もできない。

レイト「まずは家に帰るっきゃねぇよな。それと、アマリさんのとこに行ってプラモを買わなきゃな。」

零斗はそう言って、義之の病室の鍵をかけ、家に向かって飛んでいった。

零斗は家に着き、最低限の工具を取り出し、電之商店に立ち寄った。

レイト「アマリさん。居ないか?」

アマリ「ん?あらぁ。レイト君。昨日ぶりね。」

レイト「どうも。早速なんだが…コアガンダムのキットは置いてないか?」

アマリ「あ〜…ごめんねぇ…今、在庫が無いのよぉ。」

レイト「そうか…。」

アマリ「あ、ちょっと待ってね。」

天鈴は店の奥へ消えて数分経った頃…

アマリ「レイト君、これ。」

レイト「あ…アマリさん!これは…っ!」

天鈴が渡したのは、コアガンダムIIの限定品のキットだった。それを渡された零斗は流石にこれはと思い、返そうとするが…

天鈴は首を振り

アマリ「レイト君、今キノちゃんが大変なんでしょ?」

レイト「な…なんでそれを…」

アマリ「だって、明け方に女の子が轢かれたって、今さっきのニュースで言ってたから。もしかしてって思って。」

レイト「……。」

アマリ「レイト君、このキットは貴方にあげるわ。貴方なら…いえ、貴方達なら、きっとうまく使ってくれると信じてるから。」

レイト「…ありがとう、アマリさん。この恩は必ず返します!」

アマリ「もう。そんなのは要らないわよ。でも、キノちゃんを助けてあげてよね。」

チュッ…

零斗の頬に天鈴はキスをした。

レイト「な…何すんだよ!」

アマリ「あら?初恋が私だって事、まだ覚えてるのよ?」

レイト「そ…そんな昔の事今頃言うなよ!」

アマリ「やっぱり思春期ねぇ〜。」

レイト「う…うるせぇ!」

………

レイト「あ…ありがとな。その…嬉しかった。…そんじゃ!」

零斗は店を飛び出していった。

アマリ「うふふ。もう行っちゃった。レイト君、頼んだわよ。」

 

零斗は義之の寝ている病室に戻り、広い室内に置いてある机を使い、コアガンダムZEROの修理を始めた。

時々、数十分ほど義之が目覚めるのを祈り、手を握ったりして彼女が目覚めるのを待った。

そうして…日付は変わり…

レイト「いつのまにか、1日が終わっちまったのか…」

零斗が呟き、

レイト「ZEROはなんとか治せたが…アイツは…」

まだ義之は目を覚ましてないようだ。

レイト「…。俺、本当に何をしてたんだろうな…こんな結果になるなんてよ…」

零斗は1人で呟いき、涙をこぼす。

レイト「キノ…目を覚ましてくれ。俺は、お前まで失いたくない。」

彼は小さい頃の友達、自分の死により弟の心を失ってしまった。彼はそれをずっと後悔している。

だから、これ以上大切なものを失いたくないのだ。

レイト「助けてくれ…キノを助けてくれ…たのむ…」

そう言って、義之の手を掴んで祈り続けていた。そして、零斗は…疲弊が祟って深い眠りについてしまった…。

 

夜明け前…

レイト「お…俺、眠っちまってたのか…。」

零斗は側で眠る義之を見た。

レイト「まだ目を覚さねぇか…。なぁ、神よ。この世界に存在してるんなら頼む…俺はどうなってもいいから、こいつだけは助けてくれ…」

零斗の心からの本音が溢れる。

そして、奇跡は起きた。

キノ「れ…レイト…さん…?」

レイト「…!」

彼女の声を聞こえ、

レイト「夢…なのか…?」

キノ「レイトさん…夢なんかじゃないですよ…エヘヘ…」

零斗の目には笑顔を見せる義之が写った。その笑顔を見て零斗は涙を流した。

レイト「夢じゃねぇんだ…よかった…よかった…!」

零斗は感情を抑えきれず、泣きじゃくった。

キノ「レイトさん、泣かないでよ。」

義之が横たわるベッドに飛び込み、抱きつく。

キノ「ちょ…レイトさん!重たいよ!痛い痛い!」

レイト「キノ!よかった…本当に…生きてんだな…!よかったぁ…」

キノ「レイトさん…そんなに僕を心配してたんですか…?」

レイト「あったり前だ!お前が一日ずっと目を覚さねぇから本当に心配したんだぞ!」

キノ「そんなに心配してたんですか。」

レイト「おう!」

キノ「いつもは正直に言おうとしないのになぁ。」

レイト「……う…うるせぇ!これとそれとは別だ…」

キノ「少しくらい素直になればいいのに。」

レイト「………。は…恥ずかしいから言いたくない…。」

義之はにやけた。

レイト「何にやついてんだよ?」

キノ「別に〜?」

レイト「だが…お前まで失う事にならなくてよかった…。」

キノ「レイトさんが守ってくれたからだよ。」

レイト「俺は何もしてない。ZEROがお前を護ったのさ。」

キノ「でも、あの子を作ったのは僕達だから、結局レイトさんに守られた事になるよ。」

レイト「……。ありがとな。」

2人は、互いに見つめ合い、笑顔をつくった。

 

それから数十分後…

レイト「なあ、なんであんな時間に家から飛び出してったのか教えてくれないか?」

キノ「……。」

レイト「一昨日の夜に来たあの男が関係してるのか?」

キノ「……。」

レイト「教えてくれ。俺は、お前の力になりたいんだ。」

キノ「…わかりました。あまり言いたくは無いんですが、レイトさんになら…。」

レイト「ありがとう。」

キノ「静かに聞いてくださいね。」

義之は話始めた

キノ「僕の名前、降霊義之(フレイ キノ)は、偽名なんです。本当の名前は関谷 梨ノ(セキヤ リノ)。そして…これは私の過去の話…」

 

おっと。ここからは私のでばn…トンッ…

ヨウスケ「お前にはまだ早い。うぉっほん。…さて、みなさん。ここからは私が説明していきましょう。」

ストーカー「関谷 梨ノ(セキヤ リノ)、彼女は4年前の誕生日を迎える日に、彼女の運命は変わり出したのです。どんな風に変わったのか…。それでは、レディー!ゴー!」

 

過去の回想

「私の名前はリノ。私の家族はお父さんとお母さん、お兄ちゃんと私の4人で過ごしていたの。

私の家族はみんな霊感が強くて、幽霊が見えていたの。私もそうだった。私は小さい頃は幽霊と人間の区別が付かなかった。

だから、私は大人になったら、この家や街を飛び出して、もっと広い世界を見たいって思ってた。その夢は意外と早く叶うなんて思いもしなかったけど…

リノ「もうすぐ12歳の誕生日かぁ。」

リノの兄「リノもだいぶ大人に近づいて来たなぁ。」

リノ「お兄ちゃんももうすぐ大人でしょ。もっとしっかりしてよ。」

リノの兄「心配しなくても平気さ。」

この人はお兄ちゃんの関谷 麗寺(セキヤ レイジ)16歳。私の大好きなお兄ちゃん。趣味はバイクに乗る事。

レイジ「ねぇリノ。大人になったらリノは何をしたいんだ?」

リノ「うーん…私は、もっと広い世界を見にいきたい!」

レイジ「そっかぁ。もし大人になったら俺のバイクを使って旅に出なよ。」

リノ「いいの?」

レイジ「うん!」

リノ「ありがとう!嬉しいなぁ!」

そんな話をして、誕生日までの時間を過ごしていたの。

でも、私の言葉が家族を引き裂く事になるなんて思ってもなかった。

数日後…

リノ「今日は誕生日。嬉しいなぁ。」

私が1人で浮かれていると、みんなの声がした。

リノの父「何を言ってるんだ!リノにはこの家を継がせるんだ!絶対に旅になんて出さないぞ!」

レイジ「親父!そんな事を言うなよ!後継には俺が居るだろ!」

リノの父「何を言っている!男は巫女にはなれないんだぞ!お前は後継できないんだ!諦めろ!」

リノの母「そうよ、レイジ。リノにはこの家を継がせないといけないの。」

お父さんとお母さんの家系は巫女の家系。だから、女の子である私を巫女としてどうしても継がせないといけなかった。

でも、お兄ちゃんは私の好きな事をさせたいから反発していた。

レイジ「なんで俺じゃダメなんだ!」

リノの父「お前が男だからだ!」

レイジ「どうして!」

リノの母「レイジ。リノにこの家の為に夢を諦めさせて。」

私にもその話は聞こえていた。だから…

リノ「嫌だ。私、もっと広い世界を見てみたい。」

リノの父「自分が何を言ってるのかわかっているのか!」

リノの母「そうよ!早くお父さんに冗談ですって謝りなさい!」

リノ「嫌だ!私は自由になりたいの!」

レイジ「リノ…。」

それから数秒の静寂に包まれ…

リノの父「そうか…。なら、好きにしろ。」

リノの母「お…お父さん!」

お父さんは家の中に消えていった。

それからね…

レイジ「やったな!これで大人になったら自由になれるぞ!」

リノ「ありがとう。お兄ちゃん。」

レイジ「リノの為ならなんだってするさ!お兄ちゃんだからな!」

そう話していた。

それからお兄ちゃんのバイクに乗れるように練習をしようとしていたら、お父さんが現れて…

リノの父「リノ。こっちに来なさい。」

リノ「え…?」

リノの父「リノ。もう一度だけ聞くよ。リノはこの家を継ぐつもりはあるかい?」

リノ「私は自由になりたい。だから、継げないの。」

リノの父「そうか…。なら、こうするしか無いね。」

そう言って、お父さんは包丁を取り出した。

レイジ「リノ!逃げろっ!」

リノの父「この家の為に…死ね。」

グサッ…!ものすごい勢いで血しぶきが飛んだ。私の顔にもその血が付いた。

レイジ「が…ぐぁっ…」

お兄ちゃんが私を庇って包丁で刺された…それから…

リノの父「お前がっ!あんな事を言わなければっ!」

グサッ…!グサッ!

リノの父「こんな事にはならなかった!お前がこの家を壊したんだ!出来損ないの!ガキがぁっっっっっ!」

この時にはもう…お兄ちゃんは息をしていなかった。それでも、お兄ちゃんの身体に包丁を突き刺し続けた。お父さんの袖や服にはお兄ちゃんのらしき血がべったり付いていた。

お兄ちゃんは身体を何度も突き刺されて、内臓が飛び出ていた。

それを見た私は怖くなった。「次は私が殺される」その事で頭がいっぱいになって、動けなかった。

だけど…

???「早く逃げて!貴方は死んでもいいの?!」

リノ「私はまだ…死にたく無い…」

???「なら逃げて!はやく!」

私は、一心不乱の状態でお兄ちゃんのバイクに乗って、お父さん達の元から逃げ出した。

大人になる前に、あの街から飛び出した。広い世界を見にいきたいという夢は、12歳の誕生日に叶ったの。

あの時、私を助けてくれたのは幽霊だと気づいたのは、街が見えなくなるくらい遠くまで来た頃だった。

リノ「ありがとう。」

???「いいのよ。貴方のような子供が死ぬにはまだ早すぎるから。お兄さんを助けられなくてごめんね…。」

リノ「いいの。私、もう1人でも怖くないから。」

ユリ「そっか。あ、まだ私の名前を言ってなかったね。私の名前はユリ。一年前、とある事情で死んでしまって、未練が絶てないままこの世界を彷徨ってる幽霊よ。貴方の名前は…?」

リノ「私の名前は…」

あの時、何を思ったのか、私は偽名を名乗ってしまった。

キノ「私の名前は、キノ。」

ユリ「キノちゃんか。いいお名前だね。貴方を見てたら、仲良しだったお友達の事を思い出しちゃった。」

キノ「…?」

ユリ「なんでもないのよ。」

キノ「…???」

ユリ「気にしないで。さ、キノちゃん。貴方はもう自由だから。好きなようにこの世界を見て回っておいで。」

キノ「うん!」

それから…僕は4年間、旅をして回った。父や母から逃げる為に、遠くに。

その中でいろんな人と出会った。

オトコ「カミーユって名前の何が悪いって言うんだ!」

俗物大好きっ子「黙れ俗物!」

泣き虫議員「誰が投票しても…!オンナジャァオンナジャァ思って…ウワハハハッハッーッ!この世のウワーッハッ!アーンアンアンアンッ!」

議員見てるガキ「ナンダコノオッサン!」

蜘蛛男と呼ばれた男「家なき少女に涙する男に咽び泣く男に心打たれ泣く男への復讐に燃える男の兄弟、格闘技世界チャンピオン!スパイダーマッ!」

叩き売りの男「売っちゃうんだなぁ!これがっ!」

道端に倒れる男「止まるんじゃねぇぞ…」

頭打った芸人「レジギ…ガガガガガガッ!ギガギガフンフンフガガガガガガッ!」

僕が旅をしていた4年間、僕は色々なものや人を見てきた。そして…

不動産屋「君の言っている希望のおうちはここが1番ベストかな。ここからだとだいぶ離れているけど…それに、そのバイクももう限界なんじゃ…?」

キノ「これは、大好きだった兄の形見なんです。だから、それでも乗りますよ。」

不動産屋「なら、私が君の家までこれを持っていくよ。その間、君は歩いてそこまでいけるかい?」

キノ「わかりました。」

不動産屋「よし。じゃあ、このバイクの修理代はこちらが出しておくから、君は少しでも早く着くようにこの住所まで行くといいよ。」

キノ「ありがとうございます。では、僕は先に行って待ってますね。」

そして…僕は湯ノ森に着いた。

そこで僕は運命的な出会いをした。零斗さんと言う幽霊に…」

 

ストーカー「いかがだったでしょうか。彼女は数々の修羅場を越えて、今ここにいるのです。では、次回もレディ…g…」ゴンッ!

はい!貴方の出番は終わり!

ヨウスケ「貴様!」

早く話を戻すよ!

ヨウスケ「グヌヌヌ…」

 

レイト「そうか…お前の過去にそんなことがあったなんてな…」

キノ「そして…昨日、僕の家に現れたのが…」

レイト「お前を殺そうとした父親…そうなんだな?」

キノ「………。」

義之は何も言わなかったが、うなづいた。

レイト「聞いてたか?アルマさんよぉ?」

病室の外で聞いてるのを知っていたようだ。

ビクッ…

恐る恐る有真は扉を開け…

アルマ「あ…あぁ。な、なんだ。僕の気配に気づいて居たのか。」

レイト「まあな。」

キノ「レイトさん…」

レイト「どうした?」

キノ「ごめんなさい…偽名まで使うつもりは無かったんです…」

レイト「気にすんな。」

キノ「だけど…」

レイト「キノ、お前の本当の名前がキノじゃなくても、俺や俺たちの中ではお前はずっとキノだ。」

キノ「…レイトさん…」

レイト「それに、お前は自分自身を捨てる為に偽名を名乗って居たんだろ?なら、今の名前が今の本当のお前なんじゃないのか?」

アルマ「いいことを言うじゃないかレイト君。暴れん坊将軍だった君がこんなに大人になってただなんて思いもしなかった。霊になっても成長してるあたりは君らしいな。レイト君。」

レイト「へっ。俺もまさか死んでまで歳を取るなんて思っても無かったわ!」

義之は少しだけにやけた。

レイト「ん…?」

キノ「いや、中良さそうだから。」

レイト「まあ、レイカの野郎とイチカ達との腐れ縁だからな…」

アルマ「そうだね。」

それから数十分ほど経ち…

アルマ「それでは僕は仕事に戻るよ。市長っていうのは意外と忙しいものだからね。」

レイト「じゃあな。またお見舞いに来やがれ〜。」

そう言って、有真は病室を立ち去った。

有真が帰ろうとしてる時、黒い帽子の男とすれ違う。

アルマ「あの男、見たこと無いが、デバイスの情報にもあのような顔の男は…!まさか!!」

有真が何かに気づいたその頃…

レイト「ほらよ。ZEROは元通り治ったぜ。」

キノ「ありがとう。レイトさん。」

レイト「気にするな。俺たち2人の分身なんだから、このくらい当然の事だ。」

なお、あの2人はいつも通り話していた。

カツカツカツ…

一歩ずつ踏み出す足跡が響く

そして、義之のいる病室の前まで来た。

トントントン…

ドアをノックする音がする。

レイト「なんだ?アルマか?」

零斗は扉を開けた。

零斗はノックしたのが有真だと思っていたが、それは一昨日の夜に現れた黒い帽子の男だった。

黒い帽子の男「リノ。やっと見つけたぞ。」

レイト「お…お前は!」

キノ「と…父さん…」

黒い帽子の男は梨ノの父親だった。

リノの父「四年ぶりだね、リノ。いや、今は偽名を使ってるんだってねぇ?キノ。」

レイト「それ以上踏み入れたら殺すぞ!」

リノの父「ん〜?俺はこいつの父親だぞ?関係ないやつが口出しするなぁぁぁぁっ!」

ガンッ!零斗は突き飛ばされ、壁にぶつかった。

レイト「ガッ…!」

キノ「レイトさん…!」

リノの父「さぁ。リノ。四年ぶりに再開できて嬉しいよぉ。でも、それもこれで終わりだよ?」

そう言ってリノの父親は包丁を取り出す。

リノの父「ほら。これを覚えているかい?これは、君の"兄"、レイジの血が付いた包丁だぞぉ?よかったなぁ。お兄ちゃんの血はまだしっかりと付いたままだから、死んでも寂しくないよなぁぁぁぁっ!」

キノ「ひ…っ!いや…いやぁ!」

リノの父「死ねぇっっっっ!」

零斗は立ち上がり、

レイト「やめろ!」

咄嗟に駆け出していた。

義之に包丁を突き刺そうとした瞬間…

グサリ…!

零斗の身体に包丁が突き刺された。

キノ「れ…レイトさん…!嫌…いやぁぁぁぁっ!」

義之は叫び、泣き出した。

リノの父「よかったなぁ。これで、3人だ!もう寂しくないよなぁっ!」

と、包丁を義之に突きつけようとした時

リノの父「ぬぅ…!な…何故抜けんのだ?ば…バカなっ!」

レイト「ヘヘヘヘッ…」

リノの父「き、貴様!まだ生きてるのか!」

レイト「何を言うかと思えば…。」

リノの父「んあ?」

レイト「お前、本当に霊媒師や巫女の家の人間か?」

リノの父「なんだとっ!」

レイト「俺、もうとっくに死んでんだよ!」

リノの父「な…なにぃ!」

梨ノの父親は零斗の腹に刺さった包丁を引き抜こうとするが…

レイト「おらぁっ!」

零斗に脛を蹴られ、その場に倒れ込んだ。

リノの父「いてっ…!クアァァァッ!」

義之は自分の生みの親を見て義之は

キノ「(だっさ…)」

と、思っていた。

リノの父「な…何をする!」

男がそう言った瞬間、零斗は自分の腹に刺さった包丁を男の首元に近づけ…

リノの父「ひっ…」

レイト「お前は、こいつの兄貴を容赦なく突き刺して殺したんだろ?お前がそんな事を言える立場じゃねぇだろ?」

リノの父「だ…だまr…」

レイト「黙るのはお前の方だ!それ以上一言でも喋ってみやがれ!お前の首と胴は真っ二つになるぞ!」

男は黙り込み…

レイト「最後に言いたい事はあんのか?」

リノの父「た…助けてくれ…!頼む!」

レイト「甘ったれんじゃねぇぞ!お前は自分の子供を殺して、自分は生き残ろうってか!」

男は泣き出し、

リノの父「た…頼む…助けてくれ…」

レイト「自分だけ助かるなんて思うんじゃねぇぞ…!今すぐ楽に…!」

アルマ「待ちたまえレイト君、この程度の男に亡霊であるとはいえ君に人殺しの名前を付ける訳にはいかないな。」

レイト「あ、アルマ…。」

アルマ「ふむ…。レイト君、この男の処分は僕に任せてもらおうか。」

レイト「逃したりしねぇだろうな?」

アルマ「まさか。レイト君やキノ君、湯ノ森の市民を脅かす人間は誰一人として許さないよ。君の場合は…本来なら軽い刑罰かもしれないが、それ相応の覚悟をしておくように。これ以上罪を重ねると、終身刑くらいになるかもしれないよ?」

リノの父「そ…そんな!」

アルマ「レイト君、その包丁を下ろしたまえ。」

レイト「命拾いしたな…。」

零斗は包丁を床に落とした。

リノの父「く…くく。隙だらけだ!」

男は零斗が置いた包丁を掴み取った。

レイト「あ…あのクソ野郎!」

男は有真の隙を狙って刺そうとした。

リノの父「俺には家を守る責務がある!それを邪魔するものは何人たりとも許さん!死ねぇえぇっ!」

アルマ「ふんっ…!」

そう言って突っ込んでくる男の腕を掴み、一本背負いで投げ飛ばした。

アルマ「なら、僕にもこの市を守る責務がある。殺人に殺人未遂が加わり、本当に終身刑になるかもしれないね。」

有真は使われていないカーテンを使い、猿轡と縄を作り上げた。

アルマ「では行こうか。二人の恋の旅路を邪魔する訳にはいかない。人の恋路の邪魔する奴は馬に蹴られて地獄に落ちる風習があるし、この男がそうだね。」

そう言って、男の手首の縄を引きずり連れていった。

リノの父「い!痛い!助けて!尻が!尻がぁっ!」

レイト「ざまぁみろ…。」

 

それから…

キノ「レイトさん、ありがとう。」

レイト「…。俺は俺の守りたい者の為に尽くしただけだ。」

キノ「素直じゃないね。」

レイト「う…うるせぇ!」

キノ「でも、そういう所が好きだよ。」

レイト「キノ…。」

そして2人が互いに向き合い、だんだん顔を近づけていく…

そして、唇が触れ合う瞬間…

バタンッ!

2人(ビクッ!)

ケイジ「キノさぁん!お見舞いをお見舞いしに来たっす!」

ケイ「ケイジさん!寒いからやめて!冷房効いてる部屋にそんな寒いギャグかますのは寒すぎるよ!」

キノ「ふ…2人とも!」

シロウ「やぁキノ君!元気かい!」

頭悪そうな奴らが3人押しかけて来た。

キノ「シロウさんまで!」

レイト「なんでここが…あ!アルマの野郎!」

零斗と義之は有真の優しさを恨んだ。

2人(絶対に許さない!)

アルマ「へっくしゅん!な…なんか急に寒気が…」

男「俺は尻が熱い!」

 

病室では…

ケイジ「へっへ〜!これでキノさんは俺に縁ができた訳だ!」

ケイ「それを言うなら恩でしょ〜?」

ケイジ「どっちでもいいっす!縁ができたことに変わりない!」

ケイ「もう〜。キノさん、こんなアホンダラは無視しましょう〜。」

ケイジ「おい!俺はアホンダラじゃない!」

ケイ「じゃあ何よ?アホじゃないならなんなのよ!」

シロウ「こいつは怪人縁結びだ!」

ケイジ「そうそう!怪人縁結び…って!違うっす!」

3人は義之を置いてガヤガヤ話し始めた。

キノ「あはは…。」

レイト「全く…いつもいつもうるせぇ奴らだな…」

キノ「でも…」

レイト「ん?」

キノ「楽しいからいいよね。」

零斗は目を瞑り、少しだけ笑い…

レイト「ふっ…。そうだな。」

 

俺は有音 零斗。

四年前に死んだ者だ。

そんな俺にもこの世界に留まる理由はある。

そして…また一つ増えた。

降霊 義之を幸せにする事。

 

キノ「レイトさん。」

レイト「なんだ?」

キノ「ちょっと名前を呼んだだけですよ。」

レイト「ふっ…全く…」

〜続く〜




どうも。今回は申し訳ないです…かなり出すまでに時間が掛かってしまいました…
ヨウスケ「貴様ァ!自分が何をしたかわかっておるのかァ!」
あ、これ?(拳くらいの大きさの石)
ヨウスケ「万に一つワシが死んだ時、貴様はどうするつもりだったのだ!」
え?貴方死なないでしょ?
ヨウスケ「ダァァァァァクネス!フィンガァァァァッ!」
あ!待って!嘘嘘!嘘だからぁ!
ギャァァァァァッ!あれ?生きてる?
ヨウスケ「爆発!」
チュドーンッ!
ギィエェェェェェッ!

じ…次回ぃ…

「あと1日ですね…」
「安心しろ。ちゃんと秘策は用意している。」
「やぁ!心配で今日も来たよ!」
「ここでやるんですね…」
「俺達は2人で1つ。お前のフォローは俺がする。」
〜次回〜
決戦の日〜キノとレイトとシロウの戦い〜
「ヘル!アンド!ヘブン!」
『「これが俺(僕)達2人の力だ!」』
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