Hololive SEED DESTINY─止まらない運命─   作:疲れた斬月

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ホロぐらのパロディになります。

尚、配役はオリジナルから大きく変更しております。


第13話「石田彰の中ではアスランは31位で犬より下らしい」

「あ、犬がいる!」

 

「可愛い~!」

 

ある日の事務所。

 

何処からか現れた犬にメロメロになっているホロライブ4期生の羊の獣人『角巻わため』とゴリラの獣人(撲殺)…天使『天音かなた』の姿があった。

 

「でも、何でこんな所に犬が?」

 

「シン君何か知らないの?」

 

「いや、俺が来た頃にはもういたんで…」

 

何時の間にか事務所の中にいた犬。

 

誰かが連れ込んだ訳でもないらしく、3人は首を傾げる。

 

…この3人は気付いていないが、実はこの犬、アスランである。

 

「(皆気付いてくれ!俺だ!アスランだ!)」

 

 

 

 

時を遡る事、数時間前。

 

「ふぅ…これで一段落着いたな」

 

誰も居なくなった真っ暗な事務所の中でパソコンを操作するアスランの姿があった。

 

彼は現在、2ヶ月後に控えたシンの初のワンマンライブの準備に勤しんでおり、柄にも無く明朝まで残業しているのもその為である。

 

「…いや、あの作業もやってしまえるな。もう少し続けよう」

 

休憩に入る事も無く次の作業を開始するアスラン。

 

大事な弟分の初ライブなのだ。

 

できる限り最高レベルの完成度で迎えたい。

 

その方がシンも観客も喜ぶ筈だ。

 

「とは言ったものの、流石に疲れたな…ふぁ~…」

 

欠伸をしながら首をゴキゴキと鳴らす。

 

正直な話、既に早過ぎている位には準備の方は進んでいるのだが、できるだけ早い内にノルマを終わらせ、その上で改良すべき点やバージョンアップできる点はやってしまおうという魂胆でやっている為、加減というものを知らないかの如き勢いで進めているのだ。

 

だが、流石にノンストップで作業を続けていた為か、疲れが溜まって来ていた。

 

「仕方無い…少し休むか」

 

そう言って仮眠室へ向かう為に席を立ったその時、自分の机の上にある物が置かれている事に気付いた。

 

「これ…クッキーか?こんな物あったか…?」

 

何時の間にか犬の形をした数枚のクッキーが載った小皿が置かれていた。

 

1枚摘まみ上げてまじまじと見詰め、その後に事務所を見回すアスラン。

 

「誰が置いたんだ…?」

 

やはり自分以外誰もいない。

 

きっと友人Aかのどか辺りが差し入れとして置いてくれたんだろう。

 

アスランは疲れた頭でそう結論付ける事にした。

 

「後で礼を言わなければな」

 

そう言って、アスランはクッキーを齧った…齧ってしまった。

 

 

 

 

そして、今に至る。

 

「(何なんだあのクッキーは!?誰だあんな所に置いたヤツは!?)」

 

「…何か言いたげですね」

 

「お腹減ってるのかな?」

 

「(違う!腹は減ってるが違うんだ!気付け!)」

 

シンとかなたの会話を全力で首を横に振って否定するアスランだが、当然の如くその想いは届いていない。

 

 

 

 

 

 

「「「「(何やってんだあの人)」」」」

 

否、フブキ、ミオ、ころね、こよりの犬科4人組には届いていた。

 

彼女達は気付いているが、決してそれを口にしない。

 

何故なら…

 

「「「(面白そうだから放っとこ)」」」

 

この考えがリンクしているからである。

 

「(楽しんでるな、この状況を…)」

 

…唯一の良心であるミオだけは違った様だが。

 

 

 

 

 

「食い物探したんですけど、葱とチョコしかありませんでした」

 

「(何故ピンポイントで危険なヤツしか残ってないんだ!?)」

 

最早わざとか、とツッコミたい衝動に駆られるアスラン。

 

シンはわざとではない…筈である。

 

多分、きっと、そうだと思いたい。

 

皆さんも犬に餌をやる時はちゃんと調べましょう。

 

「ほ~らお食べ~」

 

「(ええい!)イヌヌワン!!」

 

「うわっ!?吠えた!」

 

葱とチョコを手ににじり寄ってくるかなたに威嚇の咆哮を上げると、彼女はビビって後退りする。

 

「腹減ってるんじゃないみたいですね」

 

「トイレ行きたいのかもねぇ」

 

「でも犬のトイレなんてここにはありませんよ?」

 

「なら彼処があるじゃん」

 

「(そんなの砂か何かで良い!そもそもトイレでもない!!)」

 

相も変わらず、的外れな話をしている3人にアスランのツッコミが飛ぶ。

 

「隣に廃材置き場あったじゃない?」

 

「(何て所でさせようとしてるんだお前はぁぁ!?)」

 

かなたの発言にツッコミを入れるアスランだが、当然の如く届く訳が無い。

 

事実上ツッコミ不在の恐怖が完全に醸成されていた。

 

すると、シンが何かに気付いて声を張り上げる。

 

「あ、そうだ!フブキ先輩達なら何かわかるんじゃないですか?」

 

「(そうか!彼女達なら今の俺の言葉がわかる筈!よくやった、シン!!)」

 

シンの思いがけない助け船に歓喜するアスラン。

 

彼女達なら自分がアスランである事も理解している筈だ。

 

暗闇の中に差し込んだ希望の光に歓喜する。

 

「廃材置き場大好きって」←フブキ

 

「貴女方に一生尽くしますって」←ミオ

 

「餌は生の豚が良いって」←ころね

 

「好きなだけ実験動物として使って下さいって」←こより

 

「(コイツらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!)」

 

やりたい放題に吹き替える犬科4人組に盛大に怒号をぶつけるアスラン。

 

所詮彼女達はホロライブ。

 

芸人魂には逆らえないのである。

 

「(鬼かコイツら!)」

 

ころねとこよりに視線を向け、心の中でそう叫ぶミオ。

 

悪乗りした時点でお前もお前だよ、とかツッコんではいけない。

 

 

 

 

 

「あれ?」

 

「わため先輩?どうかしました?」

 

「あそこ!」

 

わためが指差した方向を見ると、犬化したアスランにそっくりなもう1匹の犬がいた。

 

「(もう1匹?まさか、俺以外にも…)」

 

あのクッキーを食べてしまった者がいるのだろうか?

 

なら協力して元に戻す方法を探さねばならない。

 

…因みに、もう1匹の犬の正体は。

 

「(どうやら余だけではなかった様だな)」←あやめ

 

「(お前かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!)」

 

翌朝起きたら2人共元に戻っていたそうな。




「石田彰がアスランを犬以下呼ばわりしてた」っていう話のソースを見つけて衝動的に書きたくなった。

反省も後悔もしてない。

因みに残ったクッキーは作者とスタッフが美味しく頂きました。
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