Hololive SEED DESTINY─止まらない運命─ 作:疲れた斬月
速いよホロライブさん。
「ここがホロライブプロダクションか…」
ホロライブ本社ビルの前。
1人の青年がビルを見上げ、口角を吊り上げる。
…否、中性的な容姿だが、声の高さから察するに女性である事が伺える。
「何かワクワクするね!」
弾む様な声色でそう言うのは、すぐ側にいるオレンジ色の髪の女性。
「此処にそらちゃんとAZKIちゃん、アイドルの皆さんが…!」
金髪のサイドテールの少女が期待に胸を踊らせ、
「大丈夫かなぁ?周りがインパクト強すぎてはじめ達場違いとか思われたりしない?」
『はじめ』と名乗る金髪ショートカットの少女が不安げに呟き、
「インパクト欲しいなら能面貸すけどいるかの?」
「「「「オメーはインパクトありすぎなんだよッ!!」」」」
能面を付けた女性に他4人から一斉にツッコミが入る。
「ん"んっ!」
中性的な見た目の女性が咳払いすると同時に、一同は気持ちを切り替える。
「じゃあ行こうか…【hololive ReGLOSS】、始動だよ!」
「…」
「シン、少し落ち着け」
一方その頃、事務所の中。
そわそわして落ち着きが無いシンをアスランがやんわりと宥める。
「落ち着けって言われても…初めての後輩ですよ?そわそわするなって言う方が無理ですって」
そう、今日は新しいメンバーがこのホロライブにやって来る日。
シンにとって、初めての後輩タレントができるのだ。
因みに件のプロジェクトとはまた別枠であり、普通に全員女性メンバーである。
名を【hololive ReGLOSS】と言うらしい。
そわそわしているシンにルイが声を掛ける。
「何の前情報も無く後輩できた私らよりマシでしょ」
「あはは…その節は大変ご迷惑をお掛けしました」
「緊張する必要なんて無いでござるよ」
苦笑しつつ謝罪するシンにいろはが励ましの言葉を掛け、
すると、事務所の出入り口がコンコン、とノックされる。
「あ、どうぞ〜!」
友人Aの呼び掛けに呼応する様に扉が開き、中に5人の女性達が入って来る。
「可愛い女の子と思った?残念青君でした!という事で、初めまして!【hololive ReGLOSS】の火威青です」
「可愛い!ポジティブ!ジーニアス!!一条莉々華です!」
「ドレミファソラシド〜!音楽家の卵、音瀬奏でーす!」
「寄ってらっしゃい見てらっしゃい!儒烏風亭らでんと申します!」
「ぶんぶんぶーん!押忍ッ!轟はじめです!」
「「「「「宜しくお願いしまーす!!」」」」」
元気良く挨拶する新人達。
その中でシンの視線が、1人のメンバーに釘付けになる。
「お…男…?」
「え?」
相手は火威青。
「…あ、【hololive another】のシン・アスカです!宜しく」
動揺してしまったが、気を取り直して挨拶を返すシン。
「宜しくお願いします、先輩!」
Re GLOSSのメンバーを代表して、青がシンと握手を交わす。
そして、新メンバーを歓迎する為の宴会が始まった。
様々な飾りで彩られた事務所の中、シンやちょこ、ルイやAZKIを筆頭とした料理上手組が用意した豪華なパーティー料理が並ぶ。
「ん〜♪んまぁ〜♪」
「そういやオメーみこより滑舌ふにゃふにゃだったな」
「まさかみこち超えが来るとは…」
「いやぁ〜、それ程でも♪」
「「褒めてねーよ」」
轟はじめがmicometの2人に滑舌を弄られたり。
「ほう…お前社長なのか!」
「はい!アパレル関連とか、色んな企業を経営してます!」
「我輩も秘密結社のボスだぞ!同じ社長として宜しくな!」
「でもウチの結社って何やってるんですか」
「…」
「「目 を 逸 ら す な」」
一条莉々花がラプラス、ルイとビジネス談義に花を咲かせたり。
「そーいやオメー、初配信で随分好き勝手やってたのらなぁ?」
「いや〜、トラブル起きちゃったもんで、それならいっそ派手にインパクト残してやった方が良いかなって」
「だからってスロカスヤニカス酒カスを公言するか」
「てかその能面何なのら?クロちゃのマネ?」
「沙花叉はヤニカス酒カスではねーよ!!」
らでんがスバルーナに初配信を弄られ、それがクロヱにまで飛び火する珍場面があったり。
「ほ、本物のそらちゃんとAZKIちゃんに会えるなんて…!」
「そう言って貰えると嬉しいなぁ〜♪」
「近い内に一緒に歌ってみたとか撮ろうね!」
「ほ、本当に良いんですか!?うぅ…もう私死んでも良い…!!」
「「いや死んじゃダメだよ!?」」
感極まった奏がそらとAZKIを前に死んでも良い発言をしてツッコミを喰らったり。
「騒がしいですね…w」
「悪かったな、これがウチなんだよw」
そして、そんな様子を少し離れた所から眺める青。
2人分のジュースを持って来たシンが、片方を手渡す。
「俺もここ来たばっかりの頃は滅茶苦茶で煩くて、このノリについて行けるかな…って思ってたけどさ、慣れると滅茶苦茶楽しいんだよ」
「そ、そうなんですね…w」
「まぁ俺の場合、ここに来るまでが来るまでだったからさ」
「あ〜、ガンダムの世界出身でしたっけ?確かに地獄ですもんね」
前情報で知っていた青が納得する様に頷く。
此の世の地獄とも言えるガンダムの、その中でもトップクラスの民度の悪さを誇るC.Eで生まれ育てば、この世界が天国に見えるのも不思議ではない。
「ま、何か相談あったら乗るからさ」
「ありがとうございます、先輩」
「ああ、これから宜しくな!」
そう言って、シンは肩を組む様に青の右肩手を置く。
「ひゃあっ!?」
直後、青の背中が短い悲鳴と共にびくん、と跳ねた。
反射的にシンも青の肩から手を離してしまう。
「ど、どうした?」
心配になって声をかけるシンだが、何故か青の顔がほんのり赤い。
そこへアスランが口を挟んで来る。
「おいシン、新入りに早速セクハラか?流石に看過できないぞ」
「…は?セクハラ?」
首を傾げるシンに対し、アスランは「お前もかい」と言いたげに頭を掻きむしる。
「…青、説明してやってくれ」
アスランの言葉に頷き、財布から四角い長方形の紙の様なもの…運転免許証を取り出し、シンに見せる。
「…は!?」
そこに記載されている内容に、シンは唖然とする。
青も少し気恥ずかしそうに苦笑しつつ、打ち明ける。
「…僕、女なんだ」
「…はぁぁぁぁぁぁ!?」
衝撃の事実に変な叫び声を上げるシン。
コイツが…女!?
「まぁ、俺は偶然彼女の面接を担当したから知っていただけだがな…」
言いたい事はわからんでもない、とアスランも苦笑する。
つーか知ってたなら最初に言えや、とツッコんではいけない。
「あ、ご、ごめん!俺、まさか…っ」
女だとは思わずにとんだ失礼な事をしてしまった、と言い掛けて思わず口ごもる。
女だと思わなかった、などと女性に言うのは余りに失礼ではないか?
そんな事を言えば、彼女をさらに酷く傷付けてしまう事になるのではないか?
かと言って他にも何と言って謝罪すれば良いのか?
そう悩んで謝罪の言葉が出ずにいるシンに、青が微笑みながら返す。
「大丈夫ですよ、もう慣れてますから」
さも当然の様に言う青に、シンは愕然とする。
こんな女としての尊厳を壊される様な事を何度も経験しているというのか…?
「言われ慣れてるって…本当にそんなんで良いのかよ!?」
「あははは、何ならホストのバイトのスカウトもされた事あるし、一種の持ち味として活かしていこうかなって」
平然と笑って答える青。
その何処か渇いた様な笑みが、シンの心に火を点けた。
「…ちょっと来てくれるか?」
「え?え?」
シンは青の腕を取り、立たせると、ある人物の元へ向かう。
「そら先輩!」
「どうしたの?」
シンが青を連れて来たのはそらの元だった。
「…ちょっと手伝って欲しい事があるんですけど、良いですか」
「何?」
神妙な顔で告げるシン。
一呼吸置いてから、次の言葉を紡いだ。
「…俺、コイツを女にしたいんです」
「「…は?」」
どう聞いても事案ものの発言に、思わずそらと青は首を傾げた。
…設定紹介のシンのヒロイン欄に1人追加されている事に気付いた方はいらっしゃるでしょうか?
シン「因みに遅くなった理由は?」
ホロスタ登場回書こうとしたらリグロスデビューしちゃったんで内容を急遽変更しました()
お陰で文字数もちょい少なめになってしまいました。
シン「なら俺は許そう」
あ、許された!
シン「だがこの人が許すかな!?」
そら「…」
ゑゑゑ!?
そら「お話しよっか?」ニッコリ
ダレカタスケテー!!