Hololive SEED DESTINY─止まらない運命─   作:疲れた斬月

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皆様お久しぶりです。

本当はメルちゃんのその後について書きたいのですが、前回ほったらかしにしていた話があったので、こちらを優先しました。

新人もデビューしちゃったので、こっちも書き進める事にします。

シンが青君を女にするお話です。


第21話「女は秘密を着飾って美しくなる」

「女にしたい!って言うから何かと思ったら…」

 

「すいません、他にしっくり来る言い回しが思い付かなくて」

 

「僕を可愛くしたい!じゃダメだったんですか?」

 

そら、シン、青の3人がやって来たのは地元の大型ショッピングモール。

 

スーパーや衣服店、本屋にレストラン、CDショップに果てには映画館まで揃っており、此処にさえ来れば1日暇せず過ごす事も可能な程だ。

 

今回は先日のシンの女にしたい発言(問題発言)を実行に移すべく、3人でやって来たのである。

 

「待ち合わせの喫茶店は…おっ」

 

店内に設置された案内図を元に待ち合わせ場所へ向かおうとしたシンの元に、何かが羽音を立てて飛んで来る。

 

それは、やけに大型の青い蜻蛉…の様なメカだった。

 

「何これ?」

 

「ロボット…みたいですね、蜻蛉の」

 

そらと青が不思議そうに眺める中、シンだけは至って冷静だ。

 

「あの人のか…案内してくれるか?」

 

蜻蛉型メカはシンの問いに返事する様に電子音を鳴らすと、羽を動かして宙に浮く。

 

そして、ゆっくりと何処かへ飛び始めた。

 

「…あれについて行けば良いんですか?」

 

「そういう事だ、じゃ行くぞ」

 

3人は蜻蛉の後を追い、歩みを進めた。

 

 

 

 

 

蜻蛉の案内の元、3人がやって来たのはショッピングモール内の喫茶店。

 

「…お、いたいた!風間さん!」

 

「「かざま?」」

 

何故いろはが関係するのだろうか?と2人が首を傾げる。

 

しかし、彼が示した先に座っていたのは、ギターケースを携えた成人男性だった。

 

「来たか…俺に美しくして欲しい女性が」

 

「あの…貴方は?」

 

「花から花へと渡る風…メイクアップアーティストの【風間大介】と申します」

 

そらの問いに応える様に、男性は名乗る。

 

「トップアイドルである貴女のメイクを担当する時が来るとは、恐悦至極でs…ん?」

 

ふと、大介の言葉が止まり、視線がそらの隣にいた青に向けられる。

 

そして青の顔を数十秒程見詰めた後、首を傾げつつ言葉を紡いだ。

 

「いや…もしかして、()()の方か?」

 

「「!!」」

 

何と、彼は一目で青が女性であると見抜いてしまった。

 

「よくわかりましたね」

 

「いや、この距離に近づくまでは気付けませんでしたよ。どうやら私の眼はまだまだ未熟の様だ」

 

驚愕する青に淡々とした態度で謙遜の言葉を述べる大介。

 

だが寧ろ青は初見で自分を女だと見抜けただけで凄い、と内心で舌を巻く。

 

「こいつ、今までも何度も男と間違えられて、ある意味女としての尊厳を踏みにじられかねない扱いを受けて来たみたいで…」

 

「何!?それはまた…何と可哀想に…!」

 

シンの説明に大介は涙を浮かべながら、理不尽な境遇に拳を震わせる。

 

そして徐ろに青の手を取り、懸命に語りかける。

 

「安心して下さい。この私が、貴女を絶世の美女に仕上げてみせましょう!さぁ、座って」

 

「は、はぁ…」

 

青が席に座るのを見届けると、大介は傍に置いてあるギターケースを開く。

 

中に入っていたのは、山の様な化粧道具の数々。

 

「風間流奥義…【アルティメット・メイクアップ】!」

 

そこからの彼の手際は、神業としか言いようが無かった。

 

アイシャドウ、ファンデーション、口紅などを巧みに使い、青の顔に華々しい彩りを加えて行く。

 

 

 

 

「…さぁ、終わりましたよ」

 

開始から数分後、工程の最後に香水を吹きかけた大介が終わりを告げ、青に鏡を手渡す。

 

「…こ…これが…僕…!?」

 

メイクが終わり、鏡に映ったのは…紛う事無き()()の顔だった。

 

元の中性的な容姿を、より女性らしさが際立つ様にし、クールな雰囲気でありながらも何処か可愛らしさのある顔立ちに。

 

彼女の元のルックスも相まって【大人の女性】という言葉がよく似合う。

 

「す、凄い…綺麗…!」

 

隣にいたそらも、余りの輝かしさに息を呑む。

 

「素晴らしい…今の貴女は、まさに…高嶺の…えっと」

 

「花、でしょ!」

 

大介が言葉に詰まっていた所、店の中に入って来た1人の少女がツッコミを入れる。

 

「そうそう、それだ」

 

「この娘は?」

 

「ゴン。私の助手さ」

 

そらの問い掛けにそう答える大介に、ゴンと呼ばれた少女は口を尖らせて文句を言う。

 

「その呼び方やめてって!もう名無しの権兵衛は卒業したんだから!私には百合子って名前がちゃんとあるの!」

 

「あぁ、渾名だったんだね」

 

そう言ってゴン(百合子)の頭をそっと撫でるそら。

 

「それじゃ、俺達はこの辺で」

 

「ああ、頑張ってくれ」

 

そう言って、3人は大介と別れて店を出た。

 

「ふっ…やはり、己を磨く女性は何時見ても美しい」

 

「すいませーん、苺パフェとオレンジジュース下さーい」

 

「勝手に注文するな!!」

 

 

 

 

 

 

大介と別れた3人が次にやって来たのは洋服売り場。

 

女性物の衣類が所狭しと並べられているスペースで、衣服を見繕っていた。

 

「う〜ん、あんまり派手すぎるのもなぁ…でも女の子っぽさが無さすぎるのも論外だし…」

 

唸りながら衣服の数々を眺めるそら。

 

女性の好みを理解し難い男の自分1人より、やはりこういう事は女性を連れて来た方がやりやすいなとシンは内心で呟く。

 

「…よし!これと、これにしよう!!」

 

そらは幾つかの衣服を手に取り、青を試着室へと連れ込む。

 

「早速着てみよっか!ついて来て!」

 

「ちょ、待っ…ア"ア"ア"ア"ア"ーーーーーーーー!!」

 

それから約数十分、青はそらの着せ替え人形にされたのだった。

 

 

 

 

 

日もすっかり傾き、時刻は夕方の4時。

 

「ただいま〜!」

 

「今戻りました」

 

事務所の扉を開き、中に入るそらとシンにアスランが声を掛ける。

 

「お帰り。青は?彼女も一緒じゃなかったか」

 

その言葉にシンとそらは顔を見合わせ、にやりと笑う。

 

「青君〜!入っていいよ〜!」

 

扉の外に声を掛けるそら。

 

すると、扉をくぐって1人の【女性】が入って来た。

 

「…は?」

 

唖然とするアスランとReGLOSSの面々。

 

「青君、イメチェンしました〜!」

 

発表するそらによってお披露目される青の姿。

 

化粧が施されて女らしさを際立たせた顔に、服装も黒いニーハイブーツに白いスカート、ファーの付いたカーディガンを羽織っており、大人っぽさと可愛らしさが両立した女性ものの衣服を纏っている。

 

「こ…これ、青君…!?」

 

「変わりちゅぎだでゃ…」

 

莉々華が目を見開き、はじめは舌を巻いた影響でただでさえ悪い滑舌がさらに酷くなっている。

 

「可愛い…!」

 

「うそ〜ん…」

 

感激する奏と、呆けるらでん。

 

各々がリアクションを見せる中、青がプルプルと肩を震わせる。

 

「…じゃない

 

「え?」

 

 

 

 

 

 

「…やっぱこんなの僕じゃなーーーーーーーい!!」

 

そう言って青は服を脱ぎ捨てた。

 

「「「「「「「えーーーーーーー!?」」」」」」」

 

驚愕の声を上げる一同。

 

シンとアスランがそらと莉々華に目隠しをされながら、青を問いただす。

 

「何で!?折角男っぽくなくなったのに…!」

 

「また男に間違えられるぞ!?」

 

元の服に着替えながら、青は早口で文句を言う。

 

「僕は初めからこのキャラで売ろうとしてたの!女の子リスナーにウハウハされる気満々だったの!!今から女の子っぽくなっても違和感しか無いんだぁ!!」

 

「「「「「「え〜…」」」」」」

 

プンスカと怒りを露わにする青に、呆れてものも言えなくなる一同。

 

脱ぎ捨てられた服を見て、シンとそらは共に呟いた。

 

「「()達の苦労って、一体何だったんだろう…」」

 

アスランと他のReGLOSSの面々も、疲れた様な表情で溜息を吐いたのだった。

 

 

 

 

 

「まぁ、でも…」

 

そんな中、青は誰にも気付かれる事無く脱ぎ捨てた服を眺める。

 

そして、こう心の中で呟いた。

 

―――――僕を女扱いしてくれる人が1人ぐらいいるのも、悪くないかな?




あんまりにも酷い事が連続して起きたので厄除けに行きました。
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