Hololive SEED DESTINY─止まらない運命─ 作:疲れた斬月
ライセンスを賭けた戦いの行方は、果たして…
「…久しぶりに帰って気がするなぁ」
日本…中部国際空港。
数ヶ月間離れていた日本の地に、メルが再び踏み込んだ。
これから、シーズン最終戦が三重県の鈴鹿サーキットで開催される。
これが、ライセンスを手に入れるラストチャンス。
今回はシンとそらが観戦しに来る予定になっており、ますます負けられないという気持ちに拍車が掛かる。
「ダニエル選手!夜空メル選手をどう思いますか?」
到着ロビーを出た所で、ダニエルがマスコミにインタビューを受けている場面に遭遇する。
ダニエルはこちらの存在を知ってか知らずか、傲岸不遜な態度で答える。
「心配だよ。レースの安全を脅かしてる。他のレーサーに危険が及ばないか心配だね」
「彼女は勝てると思いますか?」
「無理だよ。表彰台には上がれないね…もうこの辺で良いだろう?悪いけど、時間が押しているんだ。失礼するよ」
「ほら、インタビューは終わりだ。下がって」
インタビューを切り上げ、チームリーダーがマスコミを押し退けて空けた道を通り、外に待っていた車に乗ってその場を後にするダニエル。
メルはその様子を透明な表情で眺めていた。
「気にするな。アイツは金持ちってだけ。腕はお前の方が格段に上だ」
「別に、気にしてないです。ただ…」
そこまで言った所でメルは一拍置き、言葉を紡ぐ。
「…ああ来ないと、倒し甲斐が無いですね」
その口元に笑みが浮かぶ。
彼女の笑う顔に何処か底冷えする様なものを感じるが、バレットはそれを努めて隠した。
そして当日の予選。
永遠は3番手、ダニエルは5番手。
そしてメルのタイムは6番手という結果に終わった。
現在は明日の決勝レースに向けて、マシンのセッティング中だ。
「良いぞ、タイムが上がってる。順調なペースで走れる様になって来たな」
「ありがとうございます。それにしても…走ってて楽しいですね、このコース」
「だろう?『神が作った』とまで言われて世界中のレーサーから愛されてるサーキットだからな。俺もここは中々気に入ってる」
「…楽しみですね。明日の決勝」
そう言ってメルは舌舐めずりをする。
彼女の顔に再び浮かぶ笑み。
まるで抜き身の日本刀を思わせる様な、戦闘狂の笑みだった。
「結構混んでるね…」
「全くですね」
多くの観客でごった返す鈴鹿サーキット。
メルの応援に駆けつけたシンとそらが、その余りの観客の数に舌を巻いていた。
彼女がレースに参戦するというシンのSNSでの発表が思った以上に反響を呼んでいるらしく、日本ではちょっとしたレースブームが巻き起こっている。
辺りには参加チームや大会運営委員会が設置したブースや美味しそうな匂いを漂わせる料理の屋台がずらりと並んでいる。
「メル先輩のピットに顔出ししに行きますか?」
「うん、そうしよっか」
「…はい、確認しました。どうぞお通り下さい」
スタッフにメルから貰ったパスを見せ、ピットへと繋がる入り口を潜り抜けるシンとそら。
TEAM NISMOのピットを見付けて中に入り、待機室の扉をノックする。
『どうぞ〜』
返事が来たのを確認し、2人は中に入る。
「…失礼します、メル先輩」
「久しぶり、メルちゃん」
「シン君、そら先輩…!」
既にレーシングスーツに身を纏っているメルが立ち上がり、駆け寄って来る。
ずっと会いたいと願っていた顔ぶれに、メルも喜びを隠せない。
嬉しそうな笑顔を浮かべながら、2人と順番にハグを交わす。
「観に来てくれたんだ…!」
「うん、折角日本でもやるんだから、やっぱり生で観たくて!」
「メル先輩も、元気そうで何よりです。ワールドツアーもずっとテレビで見てましたよ」
その言葉に、嬉しい様な恥ずかしい様な複雑な気分になるメル。
自分を信じてずっと見守ってくれていた事を喜ぶ反面、今までの情けない走りを見られていたのかと思うと何となく気まずさも感じてしまう。
現にこのレースが、ライセンスを手に入れるラストチャンスなのだ。
それを知ってか知らずか、シンがメルの肩に手を置く。
「…メル先輩、信じてますよ」
「頑張ってね、メルちゃん!」
2人からの激励を受け、メルの胸中に熱いものが湧き上がる。
家族でもある恋人と先輩からの信頼に対する喜びか。
それとも、間もなく始まる戦いへの飽くなき欲求か。
或いは、その両方か。
それが定かではないまま、メルは凶暴な笑みを浮かべて答える。
「…ライセンスはゲットするよ。必ず」
そう言い残して控室を後にするメルの背中を見送るシンとそら。
「良かったね。ちょっとずつだけど立ち直って来たみたいで」
安心した様なそらとは対照的に、シンはどこか不安げだ。
「さっきの…メル先輩の笑った顔…」
「顔?」
「何か…怖かったんです。メル先輩が、別人になっちまったみたいで…」
メルが出て行った出入り口の先を見据えながら、シンは心の内を吐露する。
―――――メル先輩をレースの世界に行かせた俺の判断は、本当に正しかったのか…?
そんな自分への疑念が、シンの胸中に渦巻いていた。
各車がピットから出てスターティンググリッドに整列し、フォーメーションラップが始まる。
今回のレースは全40周。
じっくりとタイヤを温めながら、コースを一周してグリッドへと戻って来る。
そして…
《シグナルグリーン!レース開始です!!》
一気にアクセルを踏み込む。
咆哮を上げるエンジンと共に、景色が一気に後方へと流れて行く。
―――――この感覚。
ああ…やっぱり、サーキットは良い…!
徐々に経験を積み、確実にレースに慣れて来たメルは既に他の車に対して一々怖気づく事は無くなっていた。
コーナーを必要最低限の減速でするりするりと曲がり、後ろの車に決して前を譲らない。
そして、デグナーカーブを抜けた所で、前方にいるダニエルのランボルギーニを抜こうとした…その時。
「っ!?ぐっっ…!!」
突如、ダニエルが幅寄せをして車体を押し寄せて来た。
コックピットが激しく揺れ、耳障りな音が響く。
車体へのダメージを抑える為、ダニエルと距離を取ろうとした結果…メルはコースアウトし、車体をバリアに擦り付けてしまう。
その隙にダニエルはメルを置いて先に進んでしまい、メルは後ろにいた車3台の先行を許してしまった。
「あいつッ!!」
コースへ戻り、レースに復帰するメルだが、バリアに当たった際にGT-Rの左のサイドミラーがひしゃげ、半ばから折れてしまった。
『メル、マシンは大丈夫か!?』
頭に血が上りかけたメルの耳に入るバレットの無線が、再び冷静さを取り戻させる。
「…左のミラーが壊れましたけど、まだ走れます!」
『そうか。良いか、メル。ライセンスを手に入れられるのはこのレースが最後のチャンスだ。だが、お前ならきっとできる!自分を信じて走り抜け!!』
「…はい!!」
バレットの激励に気合いを入れた返事で応え、深呼吸して激昂した自身の心を落ち着かせる。
「…よし!」
アクセルを踏み込み、一気に加速。
―――――絶対に負けない!!
燃え上がる闘志に身を委ねながらも、冷静に、丁寧にメルは車を走らせ続ける。
レースも徐々に周回数を重ね、14周目。
それに伴って順位も着実に上げて行き、現在は5番手を走行している。
すぐ眼の前で3番手争いをしている永遠とダニエルに狙いを定め、2台の間を通り抜けようとマシンを滑り込ませる。
《ここで小町とキャパの3番手争いに夜空が割って入りました!2台の間の針の穴を通ろうとしています!》
しかし、そうは問屋が卸すまいと言わんばかりに車体に衝撃が走る。
「うっ!くっ…!」
ダニエルが再び幅寄せで車体を擦り付けて来たのだ。
更にマズい事に、自分のすぐ隣を永遠が走っている。
下手に動けば、彼女も巻き込み兼ねない。
『落ち着け、そのラインを外れるな!』
「わかってます!でも両側から挟まれてて…!!」
『なら…お前もやり返せ!』
その言葉を聞いた瞬間、メルの中で何かが弾け飛ぶ。
思考がひんやりと冴え渡り、視界が一気にクリアになる。
…そして、それと同時に、メルは即座に思い立った戦術を行動に移していた。
《おっと!?230号車がいきなり減速!!》
スプーンカーブに差し掛かった所で、自分を挟んでいた2台より僅かに早くブレーキング。
「っ、何だ!?」
「!!」
勢い余ってアウトに膨らんでしまう2台。
その一瞬を逃さず、見事に開いたイン側へマシンを潜り込ませる。
そして、コーナーを曲がり終える頃には、2台纏めて抜き去っていた。
「…じゃあね。おつかぷ!」
「あぁ…くそっ!!」
コックピットの中、ステアリングを叩きながら悔しがるダニエル。
その一方で。
「…そう来なくちゃ!」
初めてできた友達と、最高のライバルとして公式の舞台で勝負する悦びに、ヘルメットの中で口の端を吊り上げる永遠。
湧き上がる高揚感のまま、2人はマシンを走らせる。
「…図に乗るな、クビアイドル風情がァ!!」
そして頭に血を上らせるダニエル。
―――――負けられない。
「負けてたまるかぁぁぁぁぁぁッッ!!!」
明らかなオーバースピードで車を飛ばし、メルと永遠をあっさりと追い抜いた。
「あいつ、何やってるの!?」
「っ!あのバカ!!」
故に、彼は気付けなかった。
…その先に待ち構えていた
「なっ!?うわぁぁぁぁぁぁーーーーっっ!!」
慌ててブレーキを踏み、急速にシフトダウンするが、既に時遅し。
シケインを曲がる為に減速していた前のポルシェに激突し、2台は破片を撒き散らして大破した。
「マズい…!」
破片を踏まない様に、ハンドルを右へ左へと回すメル。
しかし、障害は地面に散らばっているものだけではない。
「っ!うわぁ!!」
飛んで来たタイヤがGT-Rのフロントガラスに直撃し、大きな罅を入れた。
クラッシュの影響により、
「バレットさん!キャパのタイヤが当たりました!!」
『ピットインしろ!丁度セーフティーカーが入った!!』
「はい!」
何とかマシンをピットロードに入れ、作業を開始する。
後ろを走っていた永遠も同じくピットインした様だ。
「前は見えるか?」
「見えます、問題ありません!」
「よし!」
給油とタイヤ交換を開始するピットクルー達。
もう少しで完了しようという所で、永遠のランボルギーニが横を通り過ぎて行く。
窓ガラスのチェックに時間を取られ、僅かに時間が掛ってしまい、ピットで逆転を許してしまった様だ。
その直後、此方も給油とタイヤ交換が終わり、ジャッキが下りてGT-Rのタイヤが地面に触れる。
『よし、レース再開だ!行け!』
ピットアウトと同時に
順位が8位まで転落しているが、ピットイン義務を済ませたチームの中では現在2番手に付けている。
その後、周回数を重ねる毎に多くのチームがピットイン義務を消化して行き、全てのチームが義務を終えた頃には順位は4位に落ち着いていた。
3位は永遠の青いランボルギーニ。
前との差は1秒も無く、レースも終盤戦へともつれ込む。
「バレットさん、お願いがあるんですけど」
『何だ?言ってみろ』
「…小町ちゃんと、勝負させて下さい」
眼の前の彼女を抜けば表彰台だ。
既に4位以上という目標は達成しているが…それだけで満足できるものではない。
嘗て交わした「今度はサーキットで勝負しよう」という約束。
それを…遂に果たす時が来た。
長い沈黙が流れ…バレットから返答の無線が入る。
『…良いだろう。ただし、無駄なリスクは犯すな。ここで順位を落とせば全て水の泡だ。俺が諦めろと言ったら諦めるんだ、良いな?』
「はい!」
正面を見据え、アクセルを踏み込む。
既に目と鼻の先に永遠の後ろ姿がある。
―――――決着を付けよう!
その意思を永遠に伝える為、ヘッドライトをパッシングさせる。
言葉で言っている訳ではないので、自分のメッセージが届いているかどうかはわからない。
だが、そのメッセージが確かに伝わっている事を、彼女のランボルギーニのハザードランプが伝えていた。
『永遠、すぐ後ろに
バックモニターに映るGT-Rがヘッドライトをパッシングさせるのを、永遠が確認する。
言葉が聞こえる訳ではない。
だが、彼女が何を伝えたいかはよくわかる。
…ハザードランプを点灯させて返事を送り、にやりと笑う。
―――――上等だ。かかって来い!
《さぁ、レースもいよいよ終盤戦に突入という所で、3番手走行中の小町永遠に夜空メルが牙を剥きます!》
残り10周。
メインストレートの客席で観戦していたシンとそらの眼前を、爆音を上げて疾走する青いランボルギーニ。
そのすぐ後ろをメルの白いGT-Rが猛追して行く。
「差が縮まって来た…!」
こいつを抜けば表彰台という事実に、シンとそらの感情が昂る。
第1、第2コーナーに突っ込む2台。
メルがイン側を突いて抜こうとするが、永遠は次に待ち構えるS字コーナーを利用して互いのインアウトのポジションを入れ替え、抜かせまいと必死に粘る。
そのまま逆バンクからターン7へと勝負はもつれ込み、再びメルがイン側からマシンをねじ込み、永遠よりも前に出た。
しかし永遠は全く焦る様子を見せず、GT-Rの後ろにぴたりと自分のマシンを付けて慎重に次のチャンスを狙う。
そしてヘアピンカーブ、ブロックし切れないと判断したメルがクロスラインによるカウンターを狙ってマシンをアウト側に振った所で永遠がイン側にマシンを入れ、するりと抜き返す。
クロスラインで抜き返す事に失敗した事を悟った途端、メルの脳内は既に次の策を導き出していた。
スプーンカーブでの勝負は一旦預け、そこを超えた所に待ち構えていたバックストレートで勝負を仕掛ける。
スリップストリームを使って着実に距離を縮め、その先に待ち構えている130Rを、リスクを承知でやや飛ばし気味のスピードで曲がる事で永遠よりも前に出る。
抜いては抜かれ、抜かれてはまた抜き返す一進一退の勝負に、観客達は完全に魅了されていた。
《何という凄まじい攻防!!これが今シーズンデビューしたばかりのルーキー同士の戦いだというのでしょうか!?》
実況も興奮を隠し切れず、上ずった声で叫ぶ。
「すげぇ…!」
「どっちも頑張れー!」
感嘆の声を漏らすシンと声援を送るそらの眼の前で、2台のマシンが横に並んだまま咆哮を上げて疾走する。
その後、2台は結局3周もの間ずっと鎬を削り続けたが…やがて、その秤が徐々に傾き始めた。
永遠とのバトルを開始してから4周目に突入した頃。
「タイヤがグリップしない…!」
GT-Rのタイヤが摩耗し始め、グリップ性能が衰えて来たのだ。
何度も姿勢を崩しそうになりながらも、それを巧みに抑えながら永遠に喰い付いて行くメル。
何としても勝ちたい…そう思いながらマシンを走らせていた所で、メルに通信が入る。
『メル、勝負はそこまでだ』
「っ、バレットさん!?」
『タイヤがそろそろ限界だろう』
…完全に見破られていた。
彼女と勝負する為に、できるだけバレない様にしようと努めていたのだが。
『お前はよくやった。誰にも文句は言わせん…だが、ここで順位を落としたら全てが水の泡だ!今後もレースで走りたいのなら、小町と勝負したいのなら…悔しいだろうが、この勝負は諦めるんだ』
「…っ、わかりました」
そう答えて、タイヤを保たせる走行法に切り替えるメル。
少しずつ遠ざかる
《小町永遠が完全に前に出ました!3番手争いはこれで決着した様です!》
「あー、ダメだったか〜!」
「タイヤが限界っぽかったですからね…堅実に4位取りに行く方に切り替えたみたいだ」
残念そうに肩を落とすそらだが、シンは至って冷静にレースを観察する。
「でも、メル先輩の目標は4位以上で終わる事だから、まだ終わってないですよ」
「そうだね…頑張れ!メルちゃん!」
更にレースは進み、遂にファイナルラップを迎える。
『メル!ファイナルラップだ!何としても持ち堪えろ!!』
「はいッ!!」
既に永遠との差は1周で埋めるのは難しい程開いてしまっており、逆に5番手を走っている車が少しずつ近付いて来ている。
タイヤを労りつつ、できる限りペースを落とさない様に、細心の注意を払いながら走る。
先程まではあっという間だった1周が、酷く長く感じる。
「お願い…保って…!」
そう祈りながらコーナーを1つ1つ確実に曲がり、サーキットを回る。
130Rへと差し掛かり、最終コーナー前のシケインが見えて来る。
あれを曲がればもう一息だ。
シケインを曲がり、最終コーナーを立ち上がり、メインストレートへ帰還し…遂にチェッカーを受けた。
『よくやった!4位だ!!』
インカム越しに聞こえるバレットの声。
メルはふーっ、と深く勢いを吐き…
「よしっ!!」
コックピットの中でガッツポーズをした。
ライバルとの戦いには敗れてしまったが、これでFIAライセンスが手に入る。
これで…レースを続けられるんだ!
レースが終わり、ピットへ帰還するメル。
「ごめんなさい…小町ちゃんに勝てなかった…」
コックピットを降り、ピットクルーに謝るが、彼らは朗らかな笑顔で彼女を出迎える。
「何言ってんだ!4位ってノルマはきっちり達成したじゃないか!」
「これでFIAライセンスゲットだ!おめでとう!」
「よくやったな!ひよっこ!」
口々に称賛の言葉を贈るクルー達。
その中からバレットが姿を現し、メルの頭を撫でる。
「諦める様に指示したのは俺だ、責任を感じる必要は無いぞ。だが…これで本当にプロレーサーの一員だ。よく頑張った!」
「っ、ありがとうございます!」
口を綻ばせるメル。
歓喜のムードに浸る中、近くを永遠が通り過ぎる。
「あ、小町ちゃ…」
声を掛けようとするが、明らかに不機嫌なオーラを纏わせてメルを素通りする。
そして…
「っ!」
「ぐっ!」
辺りに、渇いた音が響いた。
自陣のピットから恨めしそうに眺めていたダニエルの頬に、永遠が平手を放ったのだ。
「…何のつもり?」
「何の話だ?」
「惚けないで!!」
声を荒げて胸ぐらを掴む永遠。
「死ぬ所だった!メルも!!貴方も!!」
「これがレースってもんだ!」
「レースはゲームじゃないし、車はオモチャじゃない!!卑劣な走り方しかできない奴に、ここで走る資格なんか無い!!」
「っ!この七光…言わせておけば!!」
拳を振り上げるダニエル。
永遠もそれに応じ、拳を振り上げる。
2人が同時に拳を放ち…
「小町ちゃん、ダメ!ストップ!」
「いい加減にしろクソガキが!」
メルが永遠を後ろから羽交い締めにし、バレットがダニエルの拳を掴んで抑える。
「メル!だって、こいつ!!」
「完走すらできなかったヤツなんか気にしちゃダメ!小町ちゃんは表彰台に載ったんだから!!」
「っ…!メルがそう言うなら…」
拳を下ろす永遠。
ダニエルの方もチームのクルーに宥められながらピットの奥へと姿を消す。
「…おめでとう、小町ちゃん。全然敵わなかった」
「そんな事無い。メルも凄く強くなってる」
握手を交わす2人。
「…今日の勝負、楽しかった。またやろう」
「うん!次はメルが勝つからね!」
「ダメ。次も私が勝つ」
そう言って、2人はふふっ、と楽しそうに笑った。
レース終了。
永遠には敗れたものの、4位のノルマは見事達成しました。
メルちゃんが某ブレイヴ使いじみた戦闘狂になりつつありますが、2、3話ぐらい後の話で詳しく説明させて頂きます。