Hololive SEED DESTINY─止まらない運命─   作:疲れた斬月

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遅くなりましたが、そらちゃんの誕生日記念回です。

シン「そら先輩の誕生日5/15だぞ?何で今更」

どうしてもやりたいネタがあったのですが、誕生日当日に間に合わず…

だから今書きます。

シン「何だそりゃ…」

それではどうぞ。


第4話「ドッキリにも限度がある」

5月14日、夕暮れ時。

 

既に外は太陽が西の空に傾いている。

 

茜色に染まる街中で、事務所に引き返すそらの姿があった。

 

「いけないいけない、スマホ忘れちゃった!」

 

どうやらスマホを事務所に置いて来たらしい。

 

まだそんなに離れていない場所で気付いたのが幸いだった。

 

5分も経たない内に事務所に到着し、扉を開けた…瞬間、シンとアスランが目の前に立ち塞がる。

 

「どうしたんですか?そら先輩」

 

「いや、スマホ忘れたから取りに戻っただけだよ?」

 

「やはりか…これだろう?」

 

そう言って、アスランがポケットからピンク色のカバーに覆われたスマホを取り出す。

 

「あ、ありがとう…」

 

感謝の言葉を述べながらも、その顔には怪訝な表情が浮かんでいる。

 

「…ど、どうした?」

 

「…ねぇ、もしかして何か隠してる?」

 

「「ッ!」」

 

2人の額から冷や汗が零れ落ちる。

 

「な、何でそう思ったんだ?」

 

「何か2人共、挙動不審っていうか…変だよ?」

 

───何故こういう時に限って鋭いんだ!

 

そう心の中で叫びながら、アスランが精一杯捻り出した嘘が…

 

「バレたか…いや、シンが君とデートしたいらしくてな」

 

…まさかのこれである。

 

「…えぇぇぇぇぇぇっ!?///」

 

「はぁぁ!?」

 

種類の違う動揺の声を上げるシンとそら。

 

反論しようとするシンの口を手で塞ぎ、ジェスチャーのみで意思を伝える。

 

 

 

 

 

 

※以下、『』の部分はアスランとシンがジェスチャーでやり取りしてます。

 

『良いから、黙って言う事を聞け!』

 

『ふざけんなよ!言い出しっぺのあんたがやれ!』

 

『後でバナナやるから』

 

『ウッキ~バナナだ~!って誰が猿だこの野郎!!』

 

『プロテインも付けてやる』

 

『負ける気がしねぇ!って俺は万丈龍〇(筋肉バカ)じゃねぇよ!?絶対やらないからな!』

 

『ならラブコ〇のぬいぐるみはどうだ?プレバンのヤツ』

 

『わかりました』

 

 

 

 

 

 

「〇✕△□▤▥▲▼►▶▨☆▣◁▷◈●◎~!?」

 

「そら先輩!」

 

声にならない悲鳴を上げて混乱しているそらの肩を掴み、精一杯のイケボで告げる。

 

「…明日、デートして下さい」

 

…シン本人に当然自覚は無いが、彼は超が付く程のイケメンである。

 

整っていながらも幼さの残る顔立ち。

 

ルビーの様な赤い瞳。

 

艶のある黒髪。

 

鈴村健一ボイス。

 

「は、はい…///」

 

堕ちない乙女がいる筈も無い。

 

 

 

 

「何とかやり過ごしたか…皆、作業を再開してくれ」

 

そらがスマホを受け取り、立ち去ったのを確認したアスランが呼び掛けると、物陰や机の下に隠れていたホロライブの面々が姿を現した。

 

「バレるかと思ったっス…」

 

「あぶねーのら…」

 

机の下からひょっこりと顔を出すボーイッシュな少女【大空スバル】とメルヘンチックな風貌の少女【姫森ルーナ】。

 

「お~い、頼まれた物注文して来たよ~」

 

そう言って事務所の扉を開けるのは猫の獣人【猫又おかゆ】と犬の獣人【戌神ころね】。

 

「もしかしてそら先輩来とった?」

 

「ああ、スマホを先に見付けておいて良かった…」

 

ころねの問い掛けにアスランがそう答える傍らで、シンが頭を抱えながらしゃがみ込んでいた。

 

「デートって…どうすりゃ良いんだよ…」

 

恋人などいた事も無いシンは、唐突に決まったデートの予定に絶望してしまっていた。

 

ラ○コフに釣られ、衝動的に乗ってしまった自分の未熟さが呪わしい。

 

「デートって何の話~?」

 

「実は…かくかくしかじか」

 

「あ~、まぁ頑張ってね」

 

シンが事情を説明するが、おかゆは気の抜けた声で応援するだけだ。

 

「仕方ねーのら。どのみち明日はそらちゃ先輩を事務所に入れる訳にはいかねーのら」

 

「本当、難しく考える必要無いと思うっスよ?ほら、友達とどっか遊びに行く様な感覚で」

 

シンに同情し、せめてもの励ましとアドバイスの言葉を贈るスバルとルーナ。

 

「大丈夫だ、シン。最初は誰でも初めてだし、案外何とかなるものだ」

 

「あんたが言っても何も響かねぇよ!それに知ってんだぞ!?ラクス・クラインとデートした時に機械のパーツの店で自分の世界に没頭してた事!」

 

「おまっ、何故それを!?」

 

自分の中でもトップクラスの黒歴史を掘り返されて動揺するアスラン。

 

あの一件で危うくラクスとの婚約が破談になりそうになったのは言うまでも無い(結局有耶無耶になったが)。

 

「あ~、兎に角!ちゃんとラブ○フのぬいぐるみは用意してやるから、明日は任せたぞ!」

 

「あっ、おい!まだ話は終わって…」

 

逃げる様に作業に戻るアスラン。

 

───女性関連でコイツを頼るのは止めよう。

 

密かにそう決意したシンだった。

 

 

 

 

 

 

「早く来過ぎた…」

 

事務所から近い場所にあるバス停。

 

そらとの待ち合わせ場所に指定されているベンチに腰掛けるシンの姿があった。

 

服装は事務所で愛用しているタレント衣装(ザフトの赤服)ではなく、ジーンズに赤いスニーカー、オレンジのTシャツの上に白いパーカーといった完全なオフの服装である。

 

待ち合わせの時刻は9時の予定だったが、完全に緊張し切っていたシンはアホみたいに早く出てしまい、まだ時計は8時半を示したばかりである。

 

「落ち着け…今日1日そら先輩を事務所に近付けさせなければそれで良いんだ、友達と遊んでる様な感覚で大丈夫なんだ」

 

全力で自分に暗示を掛け続けるシン。

 

「あれ…シン君、もう来てたの?」

 

「!?」

 

背後から掛けられた声に反応して振り向くと、其所にはそらの姿が。

 

彼女もシンと同じく、両袖にリボンがあしらわれたピンク色の上着にフリルの付いたスカートというオフの服装であり、変装の為か眼鏡を掛け、髪をポニーテールに束ねている。

 

「あ、はい。ちょっと早く出過ぎちゃって」

 

幸い、今の独り言は聞かれていない様だ。

 

「ふふっ、私と一緒だね」

 

何処か可笑しそうに、それでいて少し恥ずかしそうに笑うそら。

 

余りの可愛らしさに思わず見惚れてしまいそうになる。

 

───って何考えてんだ、俺は!

 

忘れてはいけない。

 

今日のデートは飽くまで仲間達の『準備』が整うまでの時間稼ぎ。

 

言ってしまえば茶番劇なのだ。

 

そう意識を改めた所で、丁度良くバスがやって来る。

 

「…ちょっと早いですけど、行きますか?」

 

「うん、そうしよっか」

 

そして2人はバスに乗り込み、町へ繰り出して行った。

 

 

 

 

デートを開始して数時間。

 

街中の洋服屋で服を着せ替えっこしたり、ゲーセンでレースゲームやリズムゲームに興じたり、甘味処で和の雰囲気を楽しみながらスイーツを堪能したり。

 

シンも少しずつではあるが、緊張が解れ、そらとのデートを楽しむ余裕が生まれ始めた。

 

今は水族館で海洋生物を観賞している。

 

「…深海の魚って、こんな姿してるんだな」

 

「シン君、こういうの好きなの?」

 

「いや、そういう訳じゃないですけど…C.Eの頃には絶滅してた魚とかもそこそこいるんで、結構興味深いなぁって」

 

そう言って水槽の中身を見ながら歩くシン。

 

普段は特に興味の無いものでも、もうお目に掛かる事ができない筈のものをこうして生で見る事ができるというのは中々新鮮で面白い。

 

「…あ、そろそろイルカショー始まるよ!」

 

そう言って速足で会場に向かうそらにシンも続いた。

 

 

 

 

「ありがとうございました!頑張ってくれたイルカさん達に大きな拍手をお願いします!」

 

トレーナーの挨拶に合わせる様なタイミングでイルカ達がジャンプを披露し、拍手が沸き起こる。

 

「凄かったね~!」

 

「言葉も通じないのに、こんなパフォーマンスができるなんて…」

 

素直な感嘆の言葉を述べるシン。

 

意志疎通のできない他の生き物と絆を育み、訓練を重ね、こうして演目を披露するのは並大抵の努力では不可能だろう。

 

ホロライブ(ウチ)で言えば6期生の【沙花叉クロヱ】ならやれるのだろうか。

 

否、彼女は鯱の獣人だからイルカ達もビビって逃げてしまうか?

 

等とどうでも良い事を考えていると、シンのスマホにLI○Eの通知が届く。

 

アスランからだ。

 

『そろそろ準備が終わる。時間稼ぎは後少しだけで十分だ』

 

それを見て、シンも『了解』と返答を送り、最後の目的地へとそらを誘う。

 

「そら先輩、最後は彼処に行きませんか?」

 

 

 

 

シンとそらが最後にやって来たのは、同じ水族館の敷地内にある観覧車。

 

簡単ではあるが遊園地も兼ねて営業しており、そこそこの数のアトラクションがある。

 

特に観覧車は綺麗な海や街並みを一望できると評判であり、カップルに大人気との事だ。

 

「はぁ~、楽しかったぁ…!今日はありがとうね」

 

「いえ、楽しんで貰えたなら俺も何よりですよ」

 

向かい合って座るシンとそら。

 

景色を眺めつつも談笑していたが、やがて話す事が無くなったのか、ゴンドラの中には静寂が流れる。

 

それでも居心地の悪さは全く感じられず、寧ろ暖かい空気が流れていた。

 

「…シン君、隣に行っても良い?」

 

「あ、はい」

 

真ん中から左側にずれるシン。

 

空けられた右側にそらが座る。

 

膝の上には観覧車に乗る直前に寄った土産物屋でシンが買ったイルカのぬいぐるみを抱えている。

 

ふと、そらがシンの肩に凭れ掛かった。

 

「!?」

 

「ねぇ、降りるまで…こうしてても良いかな」

 

自分の肩に触れる彼女の温もりと鼻腔をくすぐる心地良い匂いに戸惑いながらも、シンはゆっくりと頷いた。

 

 

 

 

「ねぇ、まだ帰らないの?」

 

「すいません、見せたい物があるんで」

 

観覧車を降り、水族館を出た2人だったが、シンに引っ張られる形でそらはホロライブの事務所へとやって来ていた。

 

階段を上り、入り口の扉の前へとそらを連れて来る。

 

「…開けて下さい」

 

「?」

 

言われるがままに扉を開け、中に入るそら。

 

同時に四方から破裂音が響き、飛び散った銀紙とチャフがそらに襲い掛かった。

 

「ひゃっ!?」

 

 

 

 

「「「「「「「お誕生日おめでとう!!」」」」」」」

 

「…え!?」

 

呆気に取られるそら。

 

目の前で、ホロライブの面々が自分を取り囲む様にしてクラッカーを鳴らしていた。

 

辺りを見回すと、事務所は辺り一面派手な装飾で覆われており、テーブルの上には寿司やらピザやらフライドチキンやらオードブルやら、多種多様なパーティー料理にショートケーキ、チョコレートケーキ、モンブランの3種類のホールケーキが所狭しと並べられている。

 

「この為に今日1日、そら先輩を事務所から遠ざけてました!」

 

ホロライブ4期生の悪魔【常闇トワ】が悪戯が大成功した子供の様に笑う。

 

「え?じゃあ、シン君…まさか!?」

 

「…すいません、全部これの準備が終わるまでの時間稼ぎでした!」

 

凄まじい勢いで頭を下げ、謝罪するシン。

 

「な…何だもう~~~~!ビックリした~!」

 

その場に崩れ落ちながらケラケラと笑うそら。

 

其所に友人Aがホロライブの面々から贈られた数々のプレゼントの箱が載った台車を押してやって来る。

 

「ほら、早くしないと料理冷めるよ」

 

「うん!皆、今日はありがとう!」

 

皆に笑顔で感謝の言葉を述べるそらを満足げに見詰めているシンの肩をアスランが叩いた。

 

「シン、お前も今日はご苦労だったな。ほら、約束の品だ」

 

そう言ってアスランが差し出したのは、○ブコフのぬいぐるみと…

 

「これ、サイク□トロンドライバー!?」

 

「かなり無茶な事をさせてしまったからな。俺からの個人的な餞別だ」

 

そう言って申し訳無さそうに苦笑するアスランに、シンは悪戯っぽく返す。

 

「何言ってんですか?あんたの無茶振りに答えたのなんて、これが初めてじゃないですよ」

 

「あはは、それを言われると弱いな…」

 

「2人共~!早く来ないと食べ物無くなっちゃうよ~!」

 

そらの呼び掛けに反応し、2人もパーティーの輪の中に入って行った。

 

…因みにバナナとプロテインもちゃんと後で渡された。

 

 

 

 

 

大量に用意された料理も殆ど空になり、誕生日パーティーも落ち着いて来た頃。

 

事務所の屋上で夜風に当たるシンの姿があった。

 

「あ~、疲れた…」

 

妙に長い1日だった。

 

疲れた身体に夜の涼しい空気が沁み渡って行くのを感じる。

 

「あれ?シン君?」

 

ふと声が聞こえ、振り向くとそらが立っていた。

 

「何やってるの?」

 

「いや、ちょっと夜風に当たりに…そら先輩は?」

 

「私も同じ、かな」

 

そう言って、シンの隣に立つ様に柵に凭れ掛かる。

 

「その…本当すいませんでした」

 

「え?」

 

「今日1日、ずっと騙してて…」

 

しおらしい声で謝罪するシンだが、そらの表情は太陽の様に眩しく、穏やかだった。

 

「気にしなくて良いよ!今日の()()()、私も凄く楽しかったし」

 

その答えを聞き、まるで靄が掛かった様なシンの表情も漸く清々しい笑顔に変わった。

 

「そう言って貰えて何よりです。じゃあ俺、今日はもう帰りますね。流石に疲れました」

 

「うん、おやすみ」

 

「おやすみなさい。そら先輩もあんまり遅くならない様にして下さいね」

 

別れの挨拶を告げて屋上を後にするシン。

 

「…鈍感だなぁ」

 

残されたそらの呟きは夜の闇に溶け込む様に消えた。




そらちゃんとのフラグを立たせたかっただけ。

反省も後悔もしてない。

オーマジオウ「遺言はそれで十分か?」

え!?シン!?もしかしてそのオーマジオウの中身シン!?

『終焉ノ刻…』

いやそらちゃん可愛いから別に良いじゃn

『逢 魔 時 王 必 殺 撃』

ギャース!!

トワ「それじゃあ皆さん、3!2!1!」

ドォォォォォォォォン(爆殺)

そら「…また見てね!」
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