ド田舎で駄菓子屋でカード。ロマンを感じないか?
深い深い森の奥、周囲を山に囲まれた村がある。
老人過多、限界集落。
車などろくに走らず、牛は道を闊歩する。
テレビもない。ラジオもない。スマホのアンテナも立たない。
そんなど田舎に、ある年奇跡が起きた。
中途半端に田舎に憧れて覚悟もなく村に移住してきた家庭、元々その村に住んでいた数少ない若者夫婦。そう言った家々に、それぞれ子どもが生まれたのだ。
子どもは6人。男女3人ずつ。赤ん坊の頃からの知り合い同士。友達同士だ。
子どもたちは一緒に遊んだ。他に年の近い子どもがいなかったこともあるだろう。だが、そんなことなど関係なく、一緒にいる。
野を駆け回り、小川ではしゃぎ、虫を取り、飛び跳ねて。
ずっと一緒だ。
そんな子どもたちは思春期を迎える。通常なら、そろそろ性の自覚が生まれ、自分と異性の違いを意識し始めるころ。
理屈不明の気恥ずかしさなどから、男女で別れて遊ぶ頃合いだろう。
だが、そんな理屈も関係無く、学校帰りのバスの中、今日も6人の子どもたちは遊ぶ約束をしている。
走り回るでもなく、虫を取るでもなく。今、6人がハマっているものは、これまで村に存在しなかった玩具。
ソレを求めて今日も、バス停前にポツンと一つ建っている村に唯一ある駄子屋へ入っていった。
「「「「「「こんにちはー!!!!」」」」」」
大抵、こういった駄菓子屋にいるのは年老いた者がいるイメージだが、子どもたち6人を迎えたのは、年若い青年だった。
「おう。来たかガキども。」
咥えタバコに、目元には不健康なクマ。寝癖だらけの髪型。
何故かしっかりアイロンをかけてある服装以外は完全にヤバいやつだ。
「オッス、裕介のニイチャン!今日もイカした髪型だな!!オレも早くメッシュしてぇよ」
「おう、十年早えぞ。クソガキ」
前髪を貰ったワックスでハードにキメたヤンキーボーイ。
「こんにちは、裕介さん。そろそろ作り置きのご飯、なくなる頃ですよね?今日まとめて作っちゃいますね。」
「おう。ありがとうよ。いいんちょう。」
ながく綺麗な髪を後ろで2つに束ねたしっかりもの。
「ちゃーっす!裕介のアニキ!ちゃーっす!
店に女子のパンツの陳列がされる日はまだでしょうか!?そろそろ時代の夜明けが来ませんか!?」
「おう。まだだぞ。そんな夜明けが来る頃には、お前の命か性欲が枯れてるころだから今夜も安心して夜明けは忘れろ。バカガキ。」
糸目に太い眉、そしてエロに対する弛まぬ好奇心を持つ健康優良児。何よりパンツを愛する漢。
矢吹チョー
「裕介にぃー。久しぶりー会いたかったぞー!!
今日も頭ボサボサだな〜しっかり梳かしてやるからな〜。風呂も洗って沸かしてーあと、明日は学校お休みだし、朝から来て、服も洗って、アイロンかけてー布団も干してー部屋も私がしっかり綺麗にしといてやるからな〜ヨシヨシ。」
「おう。毎日来てるだろ。
あと、夕方に髪とかしても意味ねえ。
お前なんでいつもそんな世話焼きたがるんだよ。学校の係で充分だろ。飼育委員。」
暖色の髪をサイドテールにした元気いっぱいのロリ通妻。
日向アイ
「お邪魔いたします!!
本日もご指導ご鞭撻を、よろしくおねがいしますっ!!
小生は如何なる修行も大好きでありますからして!!」
「おう。今日もうるせえな。頭冷やせ。大バカ」
白髪の坊主頭、首には常にタオル。頭を使うときは頭突きする時。
修行するために目指すものを探しているので、とりあえず修行しているバカ。目的は過程にあり。……考えることはやめてるらしい。
阿修羅ゲキ
「お邪魔するでゴザル。
相変わらず、不健康そうで気が滅入る顔だ、裕介
我が家から持ってきたクスリは、体質に合わぬのか?倒れられても困るので、もう少しカラダを気遣ってもらいたいでゴザル。」
「おう。お前のところのクスリは苦すぎて口に合わねえから、そういう意味じゃカラダには全く合ってねえぞ。
あと、ガキに心配されるほど落ちぶれてねえよ。ニンジャ。」
口元を何かしらで隠し表情が見えづらいが、誰よりも仲間思いな忍者の末裔。あと女子の方。
以上の6名は、今日もしっかり挨拶をしたのち、駄菓子をそれぞれお小遣いで購入する。
家の手伝いで手に入れたものや、働いて手に入れたもの。様々だ。
そんな子どもたちの本当の目的は……。
「はいまいどありー。んじゃ、これが今日の駄菓子屋〜裕〜の特別サービス品。
--カードが入った店舗オリジナルパック(一つ7枚入り)だ。」
「「「「「「やったー!」」」」」」
店主裕介が、昔の村の外でデュエリストだった頃に集めたカードのオリジナルパック。
今、村の子どもたちの中で頭一つ抜けて流行っているカードゲーム。デュエルモンスターズだ。
「オッシャ。ウルトラレアだ!早速デッキに入れてみるか」
「わぁ、可愛いカードですっ」
「エッチなおねいさんゲットおおーー!!!!」
「お、強そうなカードだ。がおー」
「おおっ!新しいカードッッ!みなぎって来るぞおおー!!!!」
「いいカードでごじゃる…」
それぞれに都合の良いカードが行き渡ったようで、反応は好感触だ。
とは言え、もともと駄菓子屋の店主が子どもたちに相性がいいカードを探してそれぞれ専用に用意しているので、この結果はある意味当たり前のことなのだが。
「そんじゃあさっそく、新しい相棒のチカラを試させて貰うぜ。
オイ、誰か相手してくれよ。」
「応ッッ!!ならばここは小生が相手をしよう!!!!」
「よっしゃ。それじゃあお前ら、決闘場へ行こうぜ!」
「わたし、裕介さんのご飯作らないと。裕介さん。お台所お借りしますね。」
「おう。」
「あっ、裕介にぃ、ちょっと爪伸びてるぞ。切ってやるよ。
爪切り爪切りー。」
「俺は要介護者か……別にいいけど。」
「裕介
先日、御祖母様から整体のいろはを学んだところだ。
未熟者の拙者では、大した効果は無いかもしれないが……気休め程度にはなるだろう。」
「おう。それは真面目に嬉しいな。力が足りないなら背に乗って足踏みするやつでもいいぞ。」
「子どもに踏まれることを希望するアニキ……上級者だぜ…」
げ ん
こ つ
「ガキに背中踏まれると気持ちよくなるのが、大人になるということだ。またの名は老化だ。痛みと共に覚えておけ、バカガキ。将来役に立つ知識だぞ。」
「お…オッス…勉強させてもらいました……っ!!」
「オイオイ、なんだよお前らー。結局来てんのオレたちだけかよ。
まあ、別にいいけど。隣の部屋だし。」
「男同士の戦場。これもまた修行だぞ、リュウ!!
さあ、いざ拳を交えようぞ!!」
「オレたちのデッキ、拳交えるモンスターいたっけか?」
「それもまた修行だあああああー!!!!」
「あーはいはい。そんじゃあ、これ以上テンション下がる前に始めるぜ。」
「応ッッ!!!!」
リュウとゲキ。
両者ともにデッキを取り出して、部屋の中央に置かれている大きな黒いテーブルに置いた。
すると、それまで真っ黒だったテーブルが、モンスターゾーン、魔法罠ゾーン、ペンデュラムゾーン、EXモンスターゾーンに区切られて明かりが点いて、テーブルの中心地にソリッドビジョンが現れた。
「おおーっ!!いつ見てもワクワクするよなぁ、このデュエルテーブル」
「うむ!!これぞまさに戦場だ!」
「両者手札5枚ドロー。」
「ライフポイントは8000」
「行くぜ、ゲキ!!」
「来い、リュウ!!」
「--デュエル!!!!」
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臥竜リュウ
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森園メル
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矢吹チョー
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日向アイ
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阿修羅ゲキ
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風間コタロウ