下げて落とすつもりだったのに……
というわけで、チョー主役回。
長なったから前編後編に分けますた。
※天威の龍鬼神のダブルアタック効果を間違えていたので修正しました。コメントで教えて頂いて本当にありがたいです。
カチャカチャカチャと音を立て、ボルトを外し、カタカタカタと内蔵しているキーボードを入力。
黒塗りの車に置いてあったメイド服に着替え、何故かヘッドドレスではなく垂れた犬耳のボウシを被って戻ってきたシキが、カザリの命令で今回のデュエル用にデュエルテーブルの設定を弄っている。
その光景に、裕介は唖然としていた。
「…………小学生がマクロを即興で組めるってどういうことだよ。
知力がおかしいだろ」
「シキのご主人様がこの前やってたのを、教えてもらったの。」
「ええ…アイツ、ドチビ糞ドリルとか呼ばれてるわりに、ハイスペックなお嬢なのか……ガキとは思えねえ知力だな」
「カザリちゃん…?あの子は一人だとテレビの電源も入れられないの。」
「それは素直に知能を疑うな。」
「ここ、テレビ映らないから、仕方ないの。
出来たよ。ダガシヤさん。」
「シキ、これだけお姉様を待たせるとは、なっていませんわよ!」
「これだけ。(5分)」
「良いのよ、メイカ。
シキ、設定をありがとう。おかけで滞りなくデュエルが出来ますわ!」
「どういたしましてなの。カザリちゃん。」
「さ〜あ始めますわよ。お猿さん達!!
羽衣山の名の元に、しっかりと実力を教え込んで差し上げますわ〜!!おーっほっほっほっほ!」
「ああ!神々しいですわお姉様〜!」
「んじゃあ、改めてルールを確認すっぞガキ共。
LPは一人8000ずつ。チームのデュエリストが敗北した段階でエンドフェイズへ移行。
盤面、墓地は継続のまま次のプレイヤーに交代。この時、敗北分のダメージが超過している場合、交代したプレイヤーのライフポイントから差し引く。仮にダメージが8000.あるいは16000まで与えライフポイントが0となった場合、特別な処理もなくそのまま貫通して敗北するものとする。
エクゾディア等の特殊勝利をした場合、勝利プレイヤーの盤面、手札等を修正し、次のプレイヤーに影響は及ぼさないものとする。
分かったか?」
「異論はありません
「私も無いです。」
「オレも無いッス!パンツはおやつに入りますか!?」
「うーし、はじめっぞー(無視)。先鋒、前へでろー」
「メイカ、羽衣山の家系の者として、下々に力の差を教授して差し上げなさい!」
「はいっ、お姉様!!メイカは必ずお姉様のご期待に応えてみせます!!」
ドチビ糞ドリルの側からは、先鋒、葉山メイカ
そして、駄菓子屋側は
「頼んだぞ!チョー!!」
「おうよ。任せておけぇ」
何故か始める前からドヤ顔の矢吹チョーがエントリーだ。
「…………あの、チョーくん。本当に大丈夫?」
「何だよアイ〜カードもばっちり交換で手に入れて、完成間近のこのオレ様の最強デッキの、どこに不安を感じてるって言うんだぁ〜?」
「だ、だって……あのデッキ………」
「まあまあ見てろって。
あの勘違いしたドチビ糞ドリルの取り巻きを分からせて、ヒィヒィ言わせて調教してやるところをなぁ……!!」
両者、デュエルテーブルにデッキをセットする。
「あらあら。下民風情が随分身の丈に合わない自信を持っていますこと……。
猿回しのサルにもなりそうにないから、せいぜい雑巾として生涯を全うさせて上げますわ。これぞ羽衣山の慈悲です。」
「ふっふっふっ。なんだお嬢様、雑巾が欲しいのか?
……なら、お前が履いてるスカートがあるじゃねえか。」
「口を利けなくしてくれる、下等生物!!」
「オレに
「「
「さて、あのドチビ糞ドリルより遥かに頭が選民思想に犯されてるっぽいピンクガキはなんなんだ?」
「あの女は葉山メイカ。羽衣山カザリの腰巾着で、同い年でありながらお姉様と呼んでいる妹分……?で--
とにかく羽衣山カザリを崇拝していて、それ以外の人間は身内でもあまり仲良くはしていないらしいのは、先程のシキという少女を見れば明らかかと思います。
そんな人間がクラスメイトと仲良くしている訳もなく、必ずしも嫌われているわけではない『ドチビ糞ドリル』とは僅かに異なり、同級生からは嫌悪の念を込めて
『傷んだ脳みそ』
と呼ばれているでゴザル。髪のところどころに紫が混じっているところから。」
「ドチビ糞ドリルから急に渾名IQ上げるじゃん。渾名仙人に弟子入りでもしたんか。」
「それだけ嫌悪感がいっぱいだったのだろうと思います…。
そんなわけで、クラスに彼女と話をしようとするクラスメイトは、羽衣山カザリを除いて0です。」
「ふーん。シキってやつは?」
「それが…彼女は学校で見たことがないのです。
おそらく、学外の羽衣山の関係者を連れてきたのかと。
ドチビ糞ドリルも、クラスメイトからの人望は無いですから。」
「哀しいな。」
「哀しいですね。」
「ええい黙れ下民ども!!耳障りだ!!
わたしのターン。メインフェイズ。
手札から『召喚僧サモンプリースト』を召喚。召喚時このカードは守備表示となります。
そして、このカードのもう一つの効果を発動。手札の魔法カードを一枚捨てることで、デッキからレベル4のモンスターをなんでも特殊召喚出来ますのよ。」
召喚僧サモンプリーストDEF1600
「誰とでも寝るジジイとか…全く興味ないな」
「そういう問題じゃねえだろチョー。
何でもレベル4モンスター出せるって事は、シンクロも、エクシーズも、リンクも簡単に出来るってことじゃねえか。」
「拙者達は6人合わせてもEXデッキのカードを殆ど持っていないから、イメージが湧きづらいのでゴザルよ。」
「そうだな!全く分からんな!!」
「うむ!右に同じだ!!」
「二人共…そんな力強く……」
「わたしはデッキからチューナーモンスター『ヴァイロン・プリズム』を特殊召喚。」
ヴァイロン・プリズム DEF1500
「チューナーモンスター!シンクロで来やがったな」
「メルが持っているカード以外では初めて見るでゴザルな。チューナーモンスター。」
「おーっほっほっほ!!やはりお猿さんですわねぇ!チューナーモンスター一枚で珍しがるだなんて!」
「全くもってその通りですわね、お姉様!
では、力ある者の努めとして、教授して差し上げますわ!シンクロ召喚を!
召喚僧サモンプリーストに、チューナーモンスターヴァイロン・プリズムをチューニング。
シンクロ召喚。レベル8--天威の龍鬼神!!」
天威の龍鬼神 ATK3000
「なんと!鬼の角に龍の鱗と尻尾を持ったモンスター。なんという威圧感だ…!!」
「すっげぇ!!かっこいいなぁー!」
「ふっふっふっ。真の強者ならこれくらい当然です!
そして、ここからがわたしの力ですわ!シンクロ召喚で墓地へ送られた『ヴァイロン・プリズム』の効果発動。ライフを500支払い、ヴァイロン・プリズムを天威の龍鬼神に装備カードとして装備します。」
メイカ LP7500
天威の龍鬼神 ATK3000
「装備します……って、あのモンスター、なんにも変わってないぞ…??」
「ふっふっふっ!お猿さんは目に見える物しか見えていないという最たる例ですわね。」
「お姉様の言うとおりですわ!
カードを一枚伏せて、ターン終了です。」
「んじゃ、オレのターンだな。ドロー。」
(まったく、下民に相応しい間抜け面ですこと。
このような薄汚れた店で手に入るようなカードで組んだデッキに、この天威の龍鬼神に対抗できるカードが入っているとでも言うのかしら?)
「それとも…ただ理解する知能が無いだけかし」
「--『アメーバ』を召喚!!」
「--!??」
「アメーバですって!??」
「………凄い…なの。」
「ふっ…ピーチクうるせぇ口は、塞ぐに限る。魔法カード『強制転移』を発動。」
アメーバ
星1 水属性 水族
300/350
①フィールドで表側で存在するこのカードが相手の場に移った時、相手は、2000ポイントのダメージを受ける。
この効果はフィールドに表側で存在する限り一度しか使用できない。
強制転移
通常魔法
互いのプレイヤーは自身のモンスター1体を選ぶ。
そのモンスター2体のコントロールを入れ替える。
このターン、入れ替えたモンスターの表示形式は変更出来ない。
「げ…下劣な戦法を…ッッ!!」
「お喋りな口を塞ぐには、まだご褒美が足りねえか。
ほら、自分のモンスターを選びな。
おーっとっと。お互いモンスターが一体しかいないんだったなぁ〜せっかくだから、オレは相手にダメージを与えられるアメーバを選ぶぜぇ。」
「下民が……っっ天威の龍鬼神を選ぶ!!」
物理的に受け渡すしかないデュエルテーブルのデュエル。
お互いにカードを持ち、手渡しに近寄る。
「ほら。アメーバを受ける権利をくれてやるよぉ。」
「赦さない……!お前は絶対に赦さないッッ!!!!」
ドヤ顔のチョーと、悪鬼のような表情のメイカ。
双方、方向性の異なる闇が滲み出る空気の中、デュエルが進行される。
「さぁーて、アメーバの効果が強制発動して、お嬢様に2000ポイントのダメージをプレゼントだ。」
メイカ LP5500
「よっしゃ!チョーが先制しやがった!!」
「うむ!!しかも相手の場はアメーバだけだ!」
「リバースカードが気になる場面ではあるでゴザルが……」
「でも元々相手のモンスターだ!破壊されても問題ない!!」
「うん。ここは攻撃してもいいと思う!」
「勿論バトルだ!おら行け龍鬼神。アメーバに攻撃だ!!」
「天威の龍鬼神に装備されているヴァイロン・プリズムの効果……ダメージステップの間、装備モンスターの攻撃力を1000ポイントアップする………。」
「あ、そうなんだ。効果読めねえから普通に知らんかったわ。」
天威の龍鬼神 ATK4000
アメーバ ATK300
「ぐううぅぅ……ッッ!!!」
メイカLP2300
「天威の龍鬼神は効果モンスターを墓地へ送ると攻撃力を破壊したモンスターの攻撃力分上げてもう一度モンスターに攻撃出来るか……けど、攻撃する相手モンスターがいない。命拾いしたなぁお嬢様よぉ〜?カードを4枚伏せて、ターンエンドだ!」
「赦さない…ッッ!よくも……よくも……お姉様の前でこのような辱めを……ッッ!!!
ドロー!デッキの上から10枚を裏側で除外して、手札から『強欲で貪欲な壺』を発動!!2枚ドロー!
レスキューラビットを召喚!!効果発動!!
『ヂェミナイ・エルフ』を2体デッキから特殊召喚!」
『ヂェミナイ・エルフ』 ATK1900
「気持ち良すぎて我を忘れたか?
ほらおかわりだ。特殊召喚成功時、罠カード発動!」
「何だと!?」
「罠カード、『自業自得』。」
「自業自得…相手モンスター一体につき500ポイントのダメージを与えるカードか!!だがその程度で…!!」
「チェーン。仕込み爆弾」
「更なるバーンカードだと!?」
「メイカ、落ち着きなさい!それでもまだライフは100残ります!!アナタならそれで充分なはずですわ!!」
「はい!勿論ですお姉様!!」
「さらに
「何ですって!?」
「自業自得で1000ポイントのダメージ。仕込み爆弾は相手の場のカード一枚に付き300ポイントのダメージ。テメエの場には合計4枚だから1200
そして、連鎖爆撃はチェーンが積まれるごとに与えるダメージを400追加する。つまり1200ポイント合計で総合ダメージは3400。
オレの勝ちだな。」
「すげえな、チョーのやつ。ダメージ0で勝っちまいやがった!」
「しかも相手の強力なモンスターまで奪ったぞ!!」
「ふっ……ふふふ…何を勝った気でいるんだ愚民がアアアアァァァーー!!!!手札を一枚捨てて、リバースカードオープン!!『レインボーライフ』!!」
レインボーライフの発動宣言により、それまでの両者の優劣は、天地がひっくり返るが如く変わる。それは、これまで狩る側の顔をしていたチョーの表情の変化からも明らかだった。
「れ、レインボーライフ……そのカードは……ッッ!!」
「不味い、チョーのデッキの弱点そのもののカードでゴザル!!」
「ありゃーたしか、受けたダメージ全てを回復に変えるっつー変態チックなカードだったか…」
「あっ--はぁーはっはっはっは!!!!!まずは連鎖爆撃の効果の1200分ライフを回復!!!」
メイカ LP3500
「ちっ…何でそんなピンポイントに都合の悪いカードが…っ!!」
「アハハハハハハー!!!!そして連鎖爆撃の1200。自業自得の1000ポイント分、ライフを回復しますわーー!!」
メイカ LP5700
「まずい!せっかくチョーが与えたダメージが回復されちゃった!!」
「いや、大丈夫だ。レインボーライフの回復はこのターンのみ。
次のターンからはまたオレのダメージカードが火を吹くぜ!!」
「下民、下民、下民!!これだから下々は愚かですわぁー!!
装備魔法『ワンダー・ワンド』をヂェミナイ・エルフ一体に装備!そして装備モンスターごとリリースすることで、2枚ドロー!
手札から簡易融合を発動!ライフを1000払い、EXデッキから融合モンスターを特殊召喚しますの!
チューナー融合モンスター、魔顯召獣-アンシャラボラスを特殊召喚!!」
「これで、またヤツの場にはレベル4のモンスターと、チューナーモンスターが揃ったか!」
「これで準備は整った!!!!お前たちがわたし一人に完全敗北する瞬間ですの!!もう二度とわたしを倒せるなどと夢を見ることすら叶いませんのよおー!!!!!
ヂェミナイ・エルフに、魔顯召獣-アンシャラボラスをチューニング!!
シンクロ召喚!レベル8 ギガンテック・ファイター!!!!!!」
ギガンテック・ファイターATK2800
「さあ行きなさい!!ギガンテック・ファイター!!!!」
「うわ。マジで詰んだじゃねーか。」
状況に味方側で唯一瞬時に気づいた裕介が、ポツリと一言呟いた。
「裕介
「んー…強いっつーか……条件が揃うと必殺のカードだな。」
「必殺だって!?どんなカードなんだ裕介にぃ!!教えてくれ!」
「効果自体は極めてシンプル。戦闘破壊されたら、墓地から戦士族モンスターを特殊召喚出来る。
あと、墓地の戦士族モンスター1体につき、攻撃力100アップ。以上。」
「( ‘・ᯅ・`)???
それって強いのか?裕介にぃ」
「いや、別に。こいつ自体は大したことないぞ。」
「……………………戦士族を墓地から特殊召喚出来る……戦士族……。
ときに、裕介
「戦士族。」
「なるほど!!つまり、ギガンテック・ファイターも特殊召喚出来るわけですな!
「正解。」
「つまり…
「--!!!!何度でも蘇る……ハッ!そういうことでゴザルか!!」
「おっ、分かったかニンジャ。褒美に撫で撫でしてやろう。」
「ふにゃぁー……や、やめるでゴザルよ!
つまり、ギガンテック・ファイターより攻撃力の高いモンスターとバトルすれば何度でも蘇る。すなわち…チョー!そのモンスターを早く破壊--」
「--な、なんじゃコリャアアアアーーー!!!????」
「遅かったみてえだな。」
「ふっふっふっふっふっ……しかと見なさい!!下民ども!!
これが、上に立つ者の真の姿!何者にも犯し難い天上の力ですわ!!!!」
メイカ LP ∞
「攻撃力の高いモンスターに攻撃しても、本来ならダメージを受ける。
だが、それがレインボーライフで回復出来るようになってしまえば、ギガンテック・ファイターで格上に挑むだけで、文字通り無限にライフを回復出来る。
こうなっちまったらもう、どんなデュエリストだってライフを削りきれない。
詰んだわ。」
続く。
改めて好きなキャラクターに入れて下さい。
-
臥竜リュウ
-
森園メル
-
矢吹チョー
-
日向アイ
-
阿修羅ゲキ
-
風間コタロウ