CHiYO NOTE   作:苺ジャム

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第三話 いざ、トレセン学園へ

昨日はよく眠れた。と、言いたい所だが、そうでもない。

考えることが多すぎたからだろう。

 

「朝6時に家を出発、ここまでは計画通りだな。」

トレセン学園までの経路は昨日のうちに調べておいた。

うちからトレセン学園まではそこまで長い時間はかからないようだ。

 

 

 

 

早速駅から電車に乗り、トレセン学園を目指す。

学園に近づくにつれ、恐らく合格発表を見に行くであろう人達が電車に乗り合わせてきた。大半がスーツを着て、ソワソワとぎこちなくしている。

どうやら府中のトレーナーになることはかなり難易度の高いことらしい。東大合格レベルの知識が必要になるとか。

まぁ僕は過去に東応大学を首席で合格している。

ただ知力を問われるだけの試験なら突破出来ている筈だ。

そんなことを考えているうちに、トレセン学園の最寄り駅、府中駅に着いた。

 

「やはりほとんどの人がここで降りるか」

 

よく見るとチラホラとウマ娘もいる。この世界ではウマ娘は至って普通に人間と共存しているのか。かなりの走力や力を持っているだけあって人間とはまた違う地位にいると思ったんだが。

僕の創ろうとしていた新世界に近いものを感じる。

 

電車を降りて駅を出て、しばらく歩くとトレセン学園が見えてきた。

ウマ娘が大勢いるかと思ったが、そうでもなかった。今日はトレーナーの合格発表の日だし、やはり学園は休みになっているのだろう。

7時半から学園が解放され、学園内に張り出してあるボードで合否が分かる様になっているようだ。

ネットでも合否が見られるらしかったのだが、一度トレセン学園を実際に見ておきたかったので直接見に来る事にした。

 

「ここがトレセン学園か

かなり広いな…気を抜くと迷いそうだ」

 

かなりの敷地面積を誇るとあったが、噂に違わず、といった感じか。

そしてすぐに合否発表が掲示されている場所へと着いた。

月は自分の番号を探す。

 

128、128…

 

 

 

 

 

 

 

 

…あった。

 

「…ふぅ」

安堵の息が漏れる。東応大学の合格発表の時より緊張した。

あの時と違って、試験を受けた記憶がなかったからだ。

 

とりあえず合格だったわけだし、書類を受け取って今後の為にウマ娘やここについてもっと詳しく調べる必要があるな。

 

すると、一人の女性が近づいてきた。

 

「すみません、夜神さん」

 

「? 僕に何か用ですか?」

 

「すみません、私、駿川たづなと申します。

ここトレセン学園で理事長秘書を務めております。」

 

「駿川たづなさん…分かりました。覚えておきましょう。

ところで、どうして僕を呼び止めたんですか?」

 

「夜神さん、いや試験に合格したので夜神トレーナー、が正しいですね。夜神トレーナーは今回の筆記試験でトップの成績で合格でしたので、声をかけさせて頂きました。こちら、合格者用の書類です。」

 

たづなさんは僕に書類を手渡してきた。

こちらから取りに行く手間が省けた。

しかし、理事長秘書に呼び止められるとは。幸先が良いのか悪いのか。

 

「書類、わざわざありがとうございます、恐縮ですが、今日は試験の結果を見に来ただけなので、失礼します。」

 

「はい、それでは三日後の新人トレーナーへの説明会でお会いしましょう」

 

次に僕がトレセン学園に来る時は、三日後の新人説明会か。

三日もあれば、色々調べるには十分か。

 

そうして学園を後にしようとした時、前から来た一人のウマ娘とぶつかった。

こっちは避けようとした。が、思いのほかスピードが速かった。

やはり人間基準の考え方だと足元を掬われるな…

 

「す、すいません!!おケガないですか?」

 

「あぁ、大丈夫…」 あれ、この子は…

 

「昨日、の…」

 

そう、コンビニの前で絡まれていたウマ娘だった。

ピンクの髪が特徴的だったし、昨日の今日の出来事だったので、覚えていた。

 

「君の名前は?」

 

「えっ、わ、私ですか?『サクラチヨノオー』って言います!」

 

「サクラチヨノオー、ね。覚えておくよ。

僕は今日からトレーナーになった夜神月と言います。

月と書いてライトと読ませるんだ。変わってるでしょ?」

 

「ライトさん、ですね!ご親切にありがとうございます!

そうだ、お近づきのしるしにここは格言をひとつ…」

 

彼女はそう言うと、カバンからノートを取り出し、パラパラとめくる。

 

「っ、そのノートは?!」

 

「えっ、そんなにこのノートが気になるんですか?」

 

しまった、僕としたことが取り乱してしまった。

 

「い、いや…個人的にノートにはいい思い出が…」

 

「そうなんですか?おっと…」

 

バサッ、と音を立ててノートが落ちた。

 

「ノートは大事に扱わなきゃ、ほら…」

 

月はノートを手に取り、チヨノオーに渡そうとする。

 

しかし、月がノートに触れた瞬間。今まで見えなかったはずのものが見えた。

 

「うわぁぁぁ!!!」

 

それは、今まで月が何度も見てきたもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死神、リュークだった。

連載の方式について

  • 2000文字くらいで週3~5連載
  • 4000文字で週1~2連載
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