CHiYO NOTE   作:苺ジャム

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第四話 再会

「ライトさん、大丈夫ですか?!」

 

サクラチヨノオーが心配して声をかける。

 

しまった、思わず大声をあげてしまった。

 

「だ、大丈夫。はい、ノート。」

 

月はチヨノオーにノートを返す。

どうやらチヨノオーにはリュークは見えていないようだ。

 

「そ、それじゃあ、ライトさんに格言を差し上げます!!

えーっと…『にんじんは、いつ雨が降るか知らないものである。』!!」

 

………。

どういう意味なんだろうか。

 

「あ、ありがとう、それじゃあ僕はもう行くね」

 

「はい、お元気でー!!」

 

とりあえずどうにかその場を離れ、その日は家に帰った。

なぜかリュークもついてきたが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいリューク、どういうことだ?

僕が今この世界にいるのはリュークが関係してるのか?」

 

「いや、俺じゃない。あの時月を殺したと思ったら、急に目の前が真っ白になって、気がついたらあのノートの死神になってたんだ。」

 

リュークもこの状況を理解していないのか。

いよいよ八方塞がりだな。

 

「あのウマ娘には、お前の姿は見えてないのか?」

 

「あぁ、見えてないみたいだ。デスノートのルールで『ノートに触れた人間は死神が見えるようになる』ってのがあるだろ?

あれには他の生物は適応されないから、それと同じってことじゃないのか?」

 

「…やはりウマ娘は人間とは異なる生物、ということか…?

そもそもあのノートは何なんだ?あれはデスノートなのか?」

 

「いや、どうやら違うみたいだ。あのノートにはところどころに色んなやつの名前が書いてあったが、そいつらは死んでなかったからな。

だから正確に言えば、俺は今死神じゃないのかもな。」

 

「……前に文献で読んだことがあるが…

この状況はもうそうとしか…」

 

「お、月、心当たりがあるのか?」

 

「心当たりがある、というかそう考えるしかない状況ってだけだ。

リューク、僕の見立てが正しければここはパラレルワールドってやつだ。

デイヴィッド・ドイッチュ曰く、人間が生きてる世界は一つだけでなく、いくつかの多次元世界が同時に進行しているという理論だ。

僕たちはその無数に存在するパラレルワールドに迷い込んだということなんじゃないか?」

 

「そんなことが本当にあるのか?」

 

「あるのかもな。今僕たちがこうしている説明がこれでしかつかないんだ。非現実的な話だが、死神やウマ娘がいる時点で、もう十分非現実的だ。」

 

「なるほど、言えてるな。」

 

そう言ってリュークは笑う。

 

「一応聞いておく。リュークは今デスノートを持ってないんだな?」

 

「あぁ、持ってない。それどころかこの世界にはどうやら死神界もないらしい。一度死神界に行こうと思ったんだが、無かったからな。

まぁ、あんな何も無いところに戻りたいわけでもないけど…。」

 

「となると、この世界で僕がまたキラとして新世界を創る、というのは出来なさそうだね。残念だよ、リューク。」

 

「そんなこと俺に言われてもなぁ」

 

「とにかく、もう一度サクラチヨノオーに接触する。あのノートがデスノートでないにせよ、あのノートにはリュークが憑いてるんだ。普通のノートじゃない可能性は高い。」

 

「つっても、どうするんだ?月、あの子と接点なんてないだろ?」

 

「おいおいリューク、僕はトレーナー試験に合格し、晴れてトレーナーとなったんだ。あの学園でトレーナーをやっていれば、彼女との接点は作れるよ。」

 

「月、知らないのか?あのウマ娘とかいう奴らには、一人につきトレーナーが一人担当について、個別でトレーニングをさせたりするって話らしいぞ。接触するにしても、お前はあのサクラ…なんとかの担当トレーナーってやつになるしかないんじゃないか?」

 

「なっ、そうなのか?」

 

知らなかった。一般的なスポーツで言うトレーナーは、複数人の指導を出来るものだから、勘違いしていた。そういえば前に調べた時にも、『担当トレーナーと協力して~』のようなことが書いてあったな。

しかし、問題は無い。接触する方法はいくらでもある。

 

「でも問題ないよ、リューク。もし彼女に担当がいたとしても、僕が別のウマ娘のトレーナーになって、その立場から彼女に接触すればいい。チャンスはいくらでもある。」

 

そのためには、ウマ娘についての知識が必要だ。トレーナーと言うからには、恐らくウマ娘に対して様々なアドバイスやサポートを施すのだろう。現状、僕はそういった知識については無知に等しい。

 

「それじゃあまだお昼だし、昼食を済ませたら図書館に出かけよう。リューク、りんごでも食べるか?」

 

「おぉ、りんごがあるのか?じゃ、頂こう。人間界のりんごは格別に美味いからな。」

 

こうして、何の因果か再び出会った僕とリュークは、昼食を済ませた後、図書館へ向かうのだった。

 




【リューク】

死神と呼ばれる存在。なお、この作品『CHiYO NOTE』では死神としての力を失っている。

本来死神のみが持つアイテムだったデスノートを人間界へと落とした、全ての元凶とも言える存在。

そんな彼だが、意外と愛嬌があり、ファンからの人気は高い。
好物はリンゴ。食べないと禁断症状が出るらしい。

連載の方式について

  • 2000文字くらいで週3~5連載
  • 4000文字で週1~2連載
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