僕のヒーローアカデミア×Fate Grand Order   作:小野屋陽一

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第102話

side三人称

「『クハハハハハハ!!!』」

高笑いする藤丸立希に、普段の性格を知っている者達は困惑する。

「り、立希…?」

おそるおそる声を掛ける芦戸。それに対し立希は―

「ハハハハ…三奈大丈夫?」

―高笑いを止め、普段の落ち着いた態度へと戻り、芦戸に手を差し伸べる

「急にスンってなった!?」

「お前こそ情緒大丈夫か!?」

急に落ち着いた立希に上鳴と峰田がツッコんだ。立希はA組のメンバーを見渡し言う。

「皆久しぶり!色々と言いたい事はあるだろうけど…今はこの状況を解決しないとだね。三奈、皆の所に下がってて。あの敵達は自分らじゃないと倒せないから」

「う、うん…大丈夫…なんだよね…?」

不安そうな芦戸に対し、立香は落ち着いた態度で応える。そして

「うん。それじゃあ…『マスターの親愛なる友に向けた牙、我の復讐の炎にて絶やしてやろうぞ!!』」

立希と別の男性の重なった声が重なった声が響き、羽織っていたロングコートをはためかし、立希は躊躇なく影達の集団へ向かう。そして瓦礫と化した広場に、『黒い炎』が舞い散る。その炎は影達を燃やし尽くす。

「―ぜぇい!」

立希は両手に『黒い炎』を纏わせながら高速移動。影達の集団へと向かい、腕を薙ぎ払う。腕に纏わせた炎は容赦なく、悉く影達を燃やし尽くす。

―慈悲などいらぬ!―

立希は『投影』にて『エドモン』と憑依。小説『モンテ・クリスト伯』の主人公で、世界一有名な復讐者を宿す立希は怨念の炎を持って攻撃し続ける。

「■―「遅いっ!!」」

影達が刃を向けるよりも早く、立希は掴み燃やして消滅させる。

「す、すごい…」

「俺達が手こずっていたアイツらをこうも簡単に倒すなんて…!」

「つーかあんなスゲぇこと出来たのかよ!!」

今まで雄英高校で共に過ごしていたA組のメンバーは立希の動きに驚嘆していた。戦闘訓練をしていたとはいえ明らかに動きが違う事に誰もが動揺していた。

「っ!!」

そんな中、立希は動きを止めない。近くにいた影達を倒し終え、今度は遠くにいる影達に攻撃開始。地面を両手で叩くと同時、遠くにいた影達の足元からプラズマが発生。多くの影達を消滅させる。

「「「「」■■■■■!!!!」」」

さっきまで駆け付けたヒーロー達を目標にしていた影達は標的を立希に変更。弓を持つ影達は矢を、杖を持つ影達は砲撃を始める。

「甘い!」

それを立希は跳躍で回避し、そのまま再度腕に纏わせた炎にて攻撃してきた影達に撃ち放ち反撃。大半の影達は瓦解する。

「やった!」

目に見える範囲内にいた影達が消滅し、喜びの声が出た時だ。着地した立希の背後からナイフを持った影が忍びよった。

「立希!後ろ!!」

そう芦戸が大声をあげる。

「―問題ない」

誰かが呟いた。

「■―」

ナイフを持った影の頭上の空間が歪み、そこから『黒い槍』が出現。容赦なく影を突き刺し消滅する。立希は何事も無かったかのように立ち上がり、声を掛ける。

「ナイス援護。姉」

『!』

立希が声を掛けた方向をA組の皆は見る。

「…久しぶりに来たけど、大分変わってて困惑してるんだけど…ここ本当に雄英高校?」

白髪に水色の瞳、黒く長い十字魔槍を持ち現れた。姿が多少違えど、そこには藤丸立香がいた。

「藤丸姉!」

「立香!」

「お前ら今まで何処にいたんだよー!!」

再会に藤丸姉弟に駆け寄ろうとした皆だが、それを二人は制する。

「悪いけど感動の再開は後にして!」

「まだ終わってないから!」

『!!』

その言葉を聞き、皆周囲を見ると、いつの間にか影達が大量に召喚され、囲まれていた。その間、藤丸姉弟は耳に指を添え、通信をしていた。そして頷き、行動を開始する。

『■■■■■■!!?』

「『情けはかけぬ。存分に、朽ち果てよ』」

立希が影の一体に特攻し、黒い炎を燃やし、そのまま近くにいた影に再度攻撃を仕掛け続け、注意を引く。

「力を貸して。『アーチャー』」

その隙に立香は『英霊召喚』。呼ばれた者は即座に囲んでいた影達に『赤黒い斬撃』のような攻撃を浴びせ駆逐する。

「ふーん?これが今回のおもちゃ?自由にいじって壊せってこと?」

アーチャー、『バーヴァン・シー』妖精騎士の一人であり、男を誑かして破滅に追いやる吸血妖精。紅のドレスを身に纏う少女は何処か乱暴で粗雑な口調で立香の横に立つ。そして立香を睨む。

「てか、何お母様の力使ってんのよ!アンタ如きがお母様の力を使わないでくれる!?お母様が可哀そうなのよ!」

「『口を慎みなさいバーヴァンシー。今はそのような事を言っている場合じゃないのは明白の事』」

「お母様!?い、いつからそこに!?」

立香から凛とした声が響く。その言葉にバーヴァンシーは態度を改め、さらには冷や汗をかき始める。

「『今しがたです。そろそろ妻の体が酷使し過ぎてるので代わりにと…バーヴァンシー、力を貸しなさい。そうすれば先ほどの事は見なかった事にしましょう』」

「わ、わかっ…分かりました!!いくわよ!アンタら邪魔!!」

バーヴァンシーは立香―基、『降霊』していた『モルガン』の指示に従い、闘争を開始。影達の横を通り過ぎると遅れて複数の赤い斬撃が現れ斬り刻む。

「『アコーロン』」

モルガンも行動開始。唱えると黒い波が現れ影達を巻き込み流し込む。

「おい立希!お母様の役に立て!」

「分かったよ!!」

バーヴァンシーの撃ち放つ斬撃と立希が纏う怨念の炎にて影達の動きを抑制、一か所に集める。影達が集った上空に立香の肉体を借りたモルガンが上空に手を翳す。

「『光栄に思え。私の、本気です』ッ」

巨大な白い槍が螺旋を描きながら影達の頭上に落下。その衝撃で地面に満ちている黒い液体ごと全てを薙ぎ払った。

「あッはは!一網打尽!!さっすがお母様!!」

バーヴァンシーは意気揚々と立香の所へ戻る。

「すげぇ…!」

「俺達が苦戦していた敵を一瞬で…!」

藤丸姉弟の活躍に息を呑むA組の皆と現着したヒーロー達。そうしている間に立希はグローブに備わっている探知機にて周囲を探る。

「この辺りに反応が…あった!」

立希は反応があった方へ駆ける。そこには先ほど緑谷が蹴り飛ばした黒い欠片が落ちていた。影達は既にいなく、回収しようと近づいた時だ、欠片が落ちていた付近の瓦礫から人影が現れる。

「うわぁ!ひ、ひぃ!!だ、ダメだぁああ!」

「だ、誰!?」

突然現れたやせ細った男性。涙なのか鼻水なのか顔からでるもの全部だしながら、転びかけながらも黒い欠片を拾い、立希から距離をとる。

「それは危険な物だ!大人しくそれを自分に渡して!!」

「嫌だ!あの方にもらった物なんだ!コレがないと俺は生きていけない!!」

立希の訴えを、黒い欠片を握っている拳、立っている脚を震わせながらも強い拒否をする男性。

「(気が引けるけど強硬手段!!)」

説得は不可能と思い立希は一気に男性の元へ駆け、強引にでも欠片を回収しようと動いた。

「い、いい…嫌だぁああああああ!!!!亜阿ア吾ぁあ゛!?!?!?」

「っ!?」

男性が甲高い悲鳴に近い声を荒げた時だ、黒い欠片が反応する。黒い液体を勢いよく噴き出す。そのままその男性を包む。ヤバいと直感した立希は足を止めた時、立希の顔に拳が襲う

「んぐっ!?」

「藤丸!!」

「立希!!!」

不意打ち。拳を喰らった立希は地面にバウンドしながら瓦礫にぶつかる。数人が立希の所へ駆ける。

「無事かおい!?」

切島は瓦礫をどかし立希の無事を確認する。

「大丈夫…咄嗟に腕でガードしたから…それよりもアッチがヤバいなぁ…」

「!!」

「亜阿ア吾ぁああああああ!!!!!!!!!!!!!!」

黒い液体に包まれた男性。やせ細った体型が一変。オールマイト顔負けのボディと化し、二回りも巨大化し、鋭い六つの瞳が開き、咆哮する。

「な、何だよアレぇ…完全にバケモンじゃねぇか…!!」

仰々しい異形に上鳴は恐怖する。しかし異形化した男性に対し、藤丸姉弟は溜息を吐いた

「あぁもう、またですか…」

「ワンパターン過ぎ。」

「ア゛!?」

モルガンに変わってもらい、立香は魔槍から黒い剣に変え、その場で振るうと衝撃波が男性に襲う。巨体に斬撃の痕が残る。

「『瞼を閉じよ。そして、眠れ』」

そして次に立希はスキル『鋼鉄の決意』を発動。身体強化し一足で懐に入り両手をその斬撃の痕に突き刺し、勢いよく黒い欠片を取り除く。

「回収完了」

「ぁぁぁ…―」

異形化した男性はあっという間に元の姿…というよりやせ細った状態になり気絶した。これにて一先ず戦闘が終わったと誰もが思った時だった。

「「っ」」

「おい藤丸!?」

「立香!」

「立香さん!?」

「立希!!」

「藤丸君!」

その場で膝を付く立香に、蹲る立希。さっきまで普通通りだった二人だが、今は荒い呼吸をして、お互い憑依していた英霊は解除され、体表に全身に巡る『魔術回路』が淡く光っていた。

「今日…まで…ほぼ休み無しだったし、そろそろ魔力が限界…っ」

「良く…持った方というか…ああもうお休み。」

『おいぃ!?』

「あーあ、ヤダヤダ。みっともなーい…ま、しばらく休んじゃえば―」

バーヴァン・シーが退却と同時、気を失う藤丸姉弟。急ぎ二人の救護作業をするA組だった。




また不定期です。すまん。
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