僕のヒーローアカデミア×Fate Grand Order 作:小野屋陽一
side三人称
影達が暴れ、瓦礫が散乱する荒れた広場。既に事が終わり、警備ロボや、数人のヒーロー達が整備する。
「被害状況は?」
「避難した民間人にケガ人は無し。そして肝心のシステムにも異常無ありません…やはりいましたね。支持者が…」
「ああ…十二分に警戒していたつもりだった…」
その現場に塚内含めた武装した警察達も集い、被害状況を報告しあう。
「例の…影、でしたっけ?そいつらを呼び出すモノを渡していたらしく、何かあったら使うようにと指示されていたとか…呼び出した支持者たちは現在意識不明。最後に異形と化した人物も生気が無いくらい衰弱してます。」
「全く、何とも恐ろしい物だな。その影って存在は…」
塚内は現場を見回りながら呟く。そして映像越しで見ていた二人のヒーローを思い出す。
「その影を倒したヒーロー…藤丸姉弟は今どこに?」
「現在雄英高校の保健室に。リカバリーガールが治療しております。」
多くの避難民が要るため、効率よく治療出来るように大々的に改造された保健室。その一室にて、白いベッドに治療し終えた立香と立希が静かに寝ていた。
「「スゥー………スゥー………」」
一定間隔の呼吸音。既に治療を終えた姉弟にA組全員が見舞いに来ていた。
「この姉弟いっつも寝てねぇか?」
「見ろあの寝顔。やすらぎ過ぎだろ。ぜんっぜん起きねぇ。」
瀬呂が呟き、上鳴は寝ている立希の頬を何度もつく。
「それくらい疲労してたって事なのかな?」
「ヤオモモが調べた影の発生場所…文字通り日本中駆け巡ってたんだしこうなるのは確定じゃん」
立香の髪を優しく撫でながら言う葉隠に相槌を打つ耳郎。
「にしても…アレだな。何で藤丸達の攻撃だけがあの影達に効くんだ?」
砂糖含め、当然の疑問が渦巻く。何度も頷く峰田呟く。
「爆豪の爆破くらっても平気だったよな」
「ちっ…個性とはまた違ったもんじゃねぇのか?おい轟。知ってんぞ?あの神野ん時、テメェは立希とAFOとは違う別の敵と対峙してたらしいじゃねぇか…」
爆豪の指摘に皆、轟を見る。轟は姉弟を見ながら言う
「…ああ、確かにあの時、神野で俺と立希は、立香を救う為にその敵と戦った…けどアレは影とはまた違う…けど藤丸達はやけに固執していた…違うって言ったけど似た存在…だと思う「結局どっちなんだよ!!」悪ぃ…上手く言えねぇ…」
轟は神野と対峙した存在―魔神柱を思い浮かべるが、手がかりらしきものはない。謎が深まってしまう時だった。
「―その二つの存在に共通しているのは魔力を持っているって事だよ。」
『!』
皆がいる病室に一人入って来た。オレンジ髪を後ろで束ねた、白衣のような服を着た青年に誰もが驚いた。
「いや誰!?」
「はじめまして。雄英高校の1年A組の皆。僕はロマニ・アーキマン。そこで眠っている藤丸姉弟の…親代わり…かな?」
「藤丸姉弟の親…?」
ロマニは自己紹介しながら姉弟の元へ歩き、容態を調べ始める。その真剣な表情と医者としての動作に全員黙って見守る。
「…うん。魔力が無い以外は肉体機能に損傷無し。魔術回路も自己治癒能力でほぼ完治。あと少し経てば普通に目が覚めるね。さすがリカバリーガール。平凡な医者として羨ましい個性だね「世界中旅した君のどこが平凡なのだい?」いや、それ言われるとちょっと…ハハハ…」
「校長先生!?」
また一人、今度は根津校長が入っくる。会話から察するに互いに面識があると誰もが察した。根津校長はそのまま話を続ける。
「彼とは古い仲さ。私という存在が確立する頃に彼と出会い、以来彼がいる組織とは個人的に付き合いをしてたのさ!つまり協力者さ!」
「その組織って…全面戦争で最後の方、私達ヒーローに指示した人の組織ですか!?」
「てことはさっきの黒い欠片みたいな物も知ってるって事か!?」
「教えてください!あの影って一体なんなんですか!?」
「…影を倒す事が出来る藤丸姉弟は…何者なんですか…?」
疑問に思った事を次々とロマニに言うA組達。更に―
「俺達にも教えてくださいよ。その組織―特務機関特殊案件秘匿対策課の一人なんでしょ?貴方は」
「………」
「私からも頼む」
「ホークス!」
「親父…」
「オールマイト!」
話に聞きつけたホークスとエンデヴァー、オールマイトもやってくる。ロマニは困ったような顔付きになり自身の頬をかいた。そんな彼に根津校長はささやく。
「…いいんじゃないかい?話ても。ここまで来たんだ。藤丸姉弟含めた君達の事、彼らに打ち明けても。これから始まる戦いにおいて、君らの協力が何より必要不可欠なのだから。」
「…そうですね。僕らのトップには事前に言ってますので、話してもいいです。」
『!』
ロマニがそう答える。そして付け加える。
「ただ、これから話す事はこの世界…表舞台に公開する事の出来ない情報。更に藤丸姉弟の出生にも関わる事。分かりやすく言えばタブー中のタブー。それでも…君達ヒーローは知りたいのかい?」
さっきまで軟派な目つきが少し鋭くなり、口調も少し強くなったロマニ。しかし誰も一歩も引かず、立ち去ろうとしなかった。それを見てかロマニはふぅと一息吐き、そして藤丸姉弟を見ながら皆の問う。
「君達は、個性あふれる世界より前から、英雄(ヒーロー)がいた事は知ってるかい?」