僕のヒーローアカデミア×Fate Grand Order 作:小野屋陽一
side三人称
戦闘訓練場。そこで鈍い音が何度も響き渡る。立希と立香の二人が体術のみで模擬戦をしていた。
「「っ…………」」
一度距離を置く姉弟。そしてじりじりと、間合いを詰め…
「ふっ!」
「っ!」
再度急接近。立香は立希の腕を掴もうとしたが、立希は弾く。その時だった
「ぐっ!」
立香の素早い蹴りが立希の後頭部に直撃。不意を突かれふらつく立希を、背後から襲う立香。立希は後ろ蹴りを放つが、立香はそれを読んで横に回避。
「さっきのお返し!!」
「!」
体勢が不安定になった立希を立香は掴んで一本背負いをするこれで勝負か決まったと誰もが思った時だった
「…なんのっ!!」
「マジか!」
立希は投げられる中、バランスを取って足から着地。そしてその反動で宙へ飛ぶ。そのまま立香を掴み、立香の右腕へと乗る。そして体全体で右腕に絡まり、重心を床に落とし、投げ返す。
「っ~~~!!!」
そのまま立希は立香の右腕を押さえ、両足で挟み、上半身を床に固定―腕ひしぎ十字固め。立香は右腕、上半身ともに固定され、なすすべがなかった……
「あ~~~…………”まいった”……参りました……」
立香はバシバシと地面を叩いて、試合を終わらせる。立希の勝利となった。
「「…いや思ったより体術極めてんなこの姉弟!!」」
峰田と上鳴が皆の気持ちを代弁したツッコミをした。
side立香
雄英仮説要塞トロイアに移動した私達。作戦決行まで残り1日。けどやる事は変わらず、特訓をする日々。今日も立希を使ってお互い身体強化の魔術を使っての模擬格闘をしていると、クラスの皆に見られていた。そんなに凄いか?コレ?
「いやもうプロ顔負けの体術だったぜ。」
「私もそれなりに動けるはずだけど立香ちゃん凄すぎや」
瀬呂君に麗日ちゃんが感嘆してくる。
「まぁ、英霊達に仕込まれましたから。世界中のありとあらゆる格闘術やら体術を叩き込まれたからね…それに身体強化の魔術も組み込めば威力が倍以上ですよ。」
身体の魔術回路を淡く光らせながら説くと更に感嘆され、少し気恥ずかしい。今は訓練の休憩中だ。
「そういやさ、聞くの忘れてたけどさ、日本中に出てたあの黒い奴等、『影』ってなんなの?」
そんな時、耳郎ちゃんが訊いてきた。あれ、説明してなかったっけ?
「世間が『影』って呼んでる存在は、こっちでは『シャドウサーヴァント』って呼んでるの。英霊に後一歩及ばなかった霊体・もしくは召喚者の実力不足や召喚陣の不備で影となった英霊の総称の事だよ。私らが召喚している英霊と違って、核となる魂や霊基を持たない抜け殻。明確な自意識はほぼ無く亡霊のようにさまよう存在なんだよね。」
「だから意思疎通とか出来なかったんだ…じゃあウチらの”個性”が通用しなかったのは?」
更に訊いて来る
「ロマニ曰く、個性って大概は遺伝子や身体機能の生体由来。対して魔術や魔力は世界の法則―根源や神秘にアクセスするエネルギーって言ってた。根本的に違うから効果が薄いらしいよ」
「「「????」」」
瀬呂君、麗日ちゃん、響香ちゃんが頭を傾げる。
「えーと、つまり。『個性は体の中で完結する力』で、『魔術は外から持ってきて使う力』。魔術がプログラムを書き換える行為で、個性はハードウェアそのもの。ソフトは変えられるけど、ハードは直接いじれないでしょ?だからシャドウサーヴァントは仮にも英霊。魔力、魔術を保持した存在。だから個性の力は効きにくい…かな?」
「言いたい事は分かりそう……ダメださっぱり分からん。」
瀬呂君にそう言われ、私は苦笑するしかない。うんロマニから聞いた私でも分かってないからダメだ。
「とにかく!シャドウサーヴァントには個性が効きにくい。魔術、魔力には効くって覚えて!でももう軒並み日本中に出て来たシャドウサーヴァントは立希と二人で滅したから出てこないと思うよ。分散した欠片がシャドウサーヴァントを呼び出す召喚陣の役割だったけど半分以上回収したから召喚陣の効力が無くなったしね」
「よかったぁ…」
安堵する麗日ちゃん。今度の戦いで大量に出たらかなり厄介だしね。そしてまた耳郎ちゃんが聞いて来る
「あと凄い気になってたけど…藤丸達がヒーローになる前から世界救ってたって…実際どんな事してたの?」
「んー?今回と同じで聖杯回収だよ。まぁ時代とか場所とか違うけどね…聞きたい?」
「「「聞きたい!」」」
「どうせなら皆にも聞かせようぜ!」
と、まぁなんやかんやで立希も巻き込み、『人理修復』の事を話す事に…え、タブー?もう色々知られたから別にいいでしょ。
side立希
唐突に皆から今までの旅の出来事を話して欲しいと言われた。一応ロマニに話していいか許可もらってだ。(ゲーティアとかソロモン云々は流石に言えないけど) 仮説要塞の団欒スペースにて話す事になった。
「えーと何話せばいいの?聖杯回収の事だけどいろんなとこ行ったし…」
「じゃあ印象に残ってる場所!」
頬をかきながら訊くと三奈が勢いよく挙手して言ってきた。自分と姉は少し悩み、お互いをチラリと見て同時に言う。
「「『絶対魔獣戦線 バビロニア』かなぁ…あ、やっぱり?」」
『何ソレ!?』
「時代は紀元前2655年ごろで、場所はメソポタミア。そこでは人類最古の文明の一つ、都市国家ウルクがあって、そこを英雄王のギルガメッシュが統治していたんだ」
「ギルガメッシュ!紀元前、シュメルの都市国家ウルクを治めていた半神半人の王!伝説だけではなく実在したとされる、人類最古の物語『ギルガメシュ叙事詩』に記された王ですわ!」
久しぶりの八百万さんの博識が披露された。補足知識助かる。
「えーと、それでウルク周辺に大量の魔獣が出現して、人類を襲っている。さらに、ウルクだけじゃなくて人類そのものを滅ぼそうとする巨大な勢力が存在していて…ウルクは巨大な城壁を築いて、魔獣たちの侵攻を必死に食い止めていたんだよね。これが『絶対魔獣戦線』。そして―」
それからかなり長い話をする。自分、姉、自分、姉と交互に語る。ギルガメッシュが聖杯を所持していて、三女神同盟でなんとかイシュタル、エレシュキガル、ケツァルコアトルを仲間にし、ティアマトかと思いきやゴルゴーンで、マーリン、レオニダス、アナ、牛若丸、弁慶…仲間の命かけた戦い。ラフムのこと、ウルクの総力戦、ティアマトとの長い戦い。とにかく最後まで語った。笑いあり、涙ありの今でも波乱万丈な出来事だと思う。気付けば皆聞き入っていた。
「―で、ギリギリだったけど王様からよくやったと褒められて、その褒美で無事聖杯回収出来たんだよね。」
「投げて渡されるとは思わなかったけど」
いつの間にか用意されていたペットボトルお茶を飲んで一区切りすると、拍手と歓声が来る。
「う、うおぉぉ!すっげぇ!!」
「英雄王かっこよすぎんだろ!?兵士も、一般市民も、子供も、明日も生きるために戦う。ってよぉ!」
「ジャガーマンおもろすぎだろ…藤丸よく口説いて仲間にしたなぁ」
「ケツァルコアトルの所とか2人して体張り過ぎじゃん」
「シドゥリさんって…もう…」
「ラフムってめっちゃ許せねぇ…」
「弁慶…お前よく立ちあがったよマジで…」
「エレシュキガル…凄い尊い…花の件とか…」
「ティアマトかなり理不尽すぎだろ…」
皆色んな反応してくれる。
「とまぁこんな感じな旅を、今日までしてきました。けど普段はここまで重くない…はずだよ。」
「重いって…てかそんなに何回も人類史の危機?って来てるの?」
苦笑気味の耳郎さんが訊いてきた。自分と姉は頷く。
「毎年来てるよね。年4回以上は来てるよ。もはや定イベ」
「そんなゲームみたいな…」
「ちょいちょい水着姿の英霊あるでしょ?アレが夏イベで霊気が夏使用に変化したのがあの姿なんだよね…毎年誰が水着姿になるのか楽しみもあったりする。」
「えぇー…」
姉の答えに何とも言えない反応をする耳郎さん
「水着になって何したんだ?」
「えーと…ハワイで漫画描いて同人誌販売会やって売り上げがダメななら時間が巻き戻って再販売した。」
「何で!?」
鋭児郎君に聞かれ、答えたらツッコまれた。
「季節イベントが多いんだよね。ハロウィンとかクリスマスとかお正月とかバレンタインとか…その時その時で新しい英霊が現れたり、水着みたいに霊気が変わる英霊が出たりとか」
「お正月とか気付いらたベッドの上に聖杯があったりするんだよね…」
「生きてるだけで凄いのかよ」
姉と2人でうんうん頷きながら言うと瀬呂君にツッコまれた。すると、麗日が何か気付いた表情をする。
「えっと…じゃあ立香ちゃん達は雄英に入学した後でも旅してたの!?」
「勿論。旅…基レイシフトすると時間の流れが違うから向こうで数ヶ月経過してもこっちでは数日しか掛かっていないのがザラよ。」
「雄英高校、日曜しか休みないから被った時はヒヤヒヤしたよ。『あ、宿題忘れてたヤバい』ってね」
「宿題より世界の危機に対して不安になれよ!!」
電気君にツッコまれ、賑やかになる。それからも話せるところは話して、自分と姉が体験した旅物語は大いに盛り上がった。
その日の夜
「はー語った語った。2036年のドバイに行ったら実は月面でしたって言ったら皆宇宙猫状態になったよね」
「バレンタインは話さなくても良かったでしょ…峰田君がめっちゃ血涙流してたし…」
自分が使ってる部屋で姉と今日の事を話す…小型装置に魔力溜めながら。机の上に6本の小型装置が並べられ、ベッドの上には今度の作戦で使用する戦闘衣装が入ったケースが置かれてある。今しがたダ・ヴィンチちゃんから転送されたものだ。
「ふぅー…塵も積もれば山となる…今日まで6本…7本目行くかな?」
「んーこの感じだとギリかな?1本でも多く作りたいよね。それで明日の戦闘を左右するかもしれないって考えると余計にね…勝てるよね?」
いつになく不安そうに姉だ。
「勝てるよ。今日語ってさ、自分達ってけっこう命かけてさ、ヤバい時は何度もあって…でも頑張って今まで上手く行ってここまで来たんだよ。だから明日の戦闘も勝てるよ。勝って人類を救ける。いつもの事さ」
そんな姉を励ます。正直自分も不安だけど、今更言っても意味はない。なら勝てると信じて動くまでだ。
「…そうだね。さっさと欠片回収して、今回のオーダーを終わらせよう。」
「うん」
―そして遂に
作戦決行
「―行こうか」
当日
投票にてRWBYに票が入ってて知ってる人いるんだーって思いました。
とても嬉しかったです。