僕のヒーローアカデミア×Fate Grand Order   作:小野屋陽一

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戦闘描写、難しいです。


第13話

side立香

「はぁー…いよいよ準決勝……かぁ…」

スタジアムの修理が終わり、私は待合室からスタジアムに向かう廊下を歩いている。相手は轟君。個性は『半冷半熱』。本人は氷しか使っていなかった…でもそれは緑谷君の戦いまでの話。もしこれから炎も使われるとなると…ヤバイかもしれない…

「(オルタ、相手は私と同い年だけど強いよ。大丈夫?)」

「(愚問だ。蹴散らす)」

心強い。オルタに習って気持ちを切り替える。よし…

「―君が藤丸立香だな」

「!」

後ろから声を掛けられた。振り向くと…そこには№2ヒーロー『エンデヴァー』―轟君のお父さんが立っていた

「な、何か用ですか…?」

巨体から放たれる圧に、私は言いよどみながら聞く。エンデヴァーは私を見下ろしながら言い放つ。

「担当直入に言う。先の試合。焦凍は『左』を使った。だがまだ操作はまるでなってない。そこで…この試合で焦凍に『左』を使わせて欲しい。」

…はい?

「えっと……何故ですか?」

一応聞いてみる。するとエンデヴァーは笑った。

「決まっている。あいつは完璧な『俺の上位互換』となる!そして覇道を歩ませる!オールマイトを超える『義務』がある!故に…君はテストベッドとして戦ってくれ。」

「……………そうですか」

理解する。あの時、轟君が親の話で不機嫌になった事が…意味がようやく分かった。なら私の答えは決まった。

「くれぐれも、みっともない試合はしな―「嫌です」―何?」

答えはNO。腹が立つ。覇道を歩ませる?覇道ね…いつも言ってるノッブのほうがまだ…かなりマシだ!エンデヴァーは…家族を…実の息子を…自分の道具のようにしか見てない!だから!

「轟君は…あなたの所有物じゃない」

「…どいつもこいつもっ…!」

そう言い切るとエンデヴァーは苦虫を潰したような顔付きになる…もしかして前の試合にも緑谷君に言っていた?

「(成程…緑谷君にも同じ事言って、私に同じ事言われたんだな…) 家庭事情にとやかくは言いません…が、一つだけ言います……子供は親の道具じゃない!!もっかい道徳学んできたらどうですか!?」

私は大声で言ってから、全力疾走でスタジアムに向かう。

「(言っちゃった!いいよね!?どうせ個人的に会うことないだろうし!?流石にあれは人間性疑うって!)」

「(よく言った。マスター)」

道徳的間違ってない…と言い聞かせて戦いに専念する

 

 

side三人称

「……………………ちぃ」

離れていく立香を見送るエンデヴァーは小さく舌打ちをする。

 

 

side立香

『さぁさぁ!準決勝の始まりだァ!決勝に行くのはどっちだ!!氷と炎の強個性!轟!!対!偉人召喚での代理戦!藤丸姉!!』

「………………」

「………………」

轟君と静かに対面する。彼の顔は…どことなく暗い。

「…さっき、轟君のお父さん…エンデヴァーに会ったよ」

そんな彼に、私はさっきの出来事を教える。轟君はピクリと反応した

「…何?」

「何でも、テストベッドで戦ってくれって頼まれた。『左』を使わせろって」

「っ…あいつ…「でも断った。嫌だって言った」…っ!」

静かな表情から怒りの表情。そして今は驚愕の表情。コロコロ表情が変わる轟君が少し可愛くて微笑んでしまう。

「そんな暗い顔してないでさ。今はこの体育祭を楽しめばいいじゃん。炎を使うかは轟君次第…トーナメントが始まる前に私が言った事、覚えてる?」

―自分がやりたいようにすればいいんじゃない?―

「………ああ、そうだな…」

あ、少し明るくなった……かな?

「ん。よかった(これで炎も使われたら嫌だなぁ…頼むから氷だけ使って!ホント!!)」

口では安心した事を言ってるけど、内心では冷や汗がダラダラと流れ出る。

『準備はいいか!!?START!!』

ここでスタート合図が来た。

 

 

side三人称

スタート合図と同時、二人も同時に動く。

「っ!!」

「セイバー!」

「―よかろう」

轟は『氷結』を立香に放つ。迫りくる氷結に対し、立香は自身の前に霊体状態の『セイバー・オルタ』を実体化し、オルタは剣で氷を粉砕し防ぐ。

「ちぃ…っ!!」

「「!」」

轟は氷結を死角とし上空から接近していた。右足でかかと落としを放った。

「甘い!」

オルタは剣で蹴りを防ぐ。だがそれと同時に剣が氷に包まれる。

『轟!武器を氷漬け!!戦力を削いだ!!』

『現状、藤丸姉よりはあの女騎士が厄介だからな。先に潰した方が楽だろ。』

実況・解説と共に多少、観客からどよめきの声が響く。立香は自信を落ち着かせながら冷静に判断する。

「(よしよし…そのままオルタの方を注目して!) オルタ!」

「問題無い!フン!」

「っ!(氷漬けにしても斬りに来るか!!)」

轟は直ぐに剣から離れる。が、オルタは一気に轟に接近し、凍らせた剣で斬りかかった

「ゼァ!」

「っ!」

オルタは真横に振りかぶる。轟は上半身を後ろに移動させ回避。そのままバク転をしながら『氷結』を放つ。

「ふん!」

オルタは迫って来た氷結を氷漬けにされた剣で強引に破壊。氷と氷をぶつけ、剣に張り付いた氷を引き剥がした。

「そこだっ!」

「うっ……ぐっ!」

その隙に、轟はオルタの後ろに先回りし、右手に纏わせた氷をオルタのバイザーに当たった!

『轟!あの女騎士を翻弄ーー!!』

「(すっご…あのオルタと渡り合ってる…)」

これにはオルタも驚愕。瞳を大きく見開く

「っ……目障りだっ…」

オルタはバイザーを投げ捨てる。金の瞳が現れ、轟を睨む。

「マスター…『宝具』の許―「させねぇ!」―ええい邪魔だ!!」

オルタは宝具を展開しようと立香に命令を促そうとしたが、その前に轟がそれを妨害する。

「さっきの大技は厄介だ…だがそれにはタメが必要だ……こんな接近戦で使えるはずがねぇ…っ!」

「貴様…っ!!」

剣を振るい、何とかオルタは距離を取ろうとするが、轟は攻めの『氷結』を展開。距離を遠ざけさせないように近接を挑む

「(左は……っ…) まだ考えが纏まらねぇ……」

「何をブツブツ言っている…私に挑んだ事を後悔するが―「オルタ!ごめん!交代!!」なっ…」

ここで、立香が動いた。まさかのセイバー・オルタを退出させる。

「!」

『おおっと藤丸姉!!ここで女騎士を呼び戻した!!』

「ごめん…後でバーガー2ダースね…」

「…ちっ―」

「(今が好機っ!)」

不服そうな顔でセイバー・オルタは消える。轟はこれが好機だと思い、再び立香に向けて『氷結』を放つ!

「(っ…これで後は無くなった…) 決勝とかもう考えない…今はこの試合に勝つことだけを考える!『バーサーカー』!」

今日最後の、3体目の英霊召喚。立香は右手を上へと掲げた。

「―私の出番か……砕けよ!!」

「!!」

と同時、氷結が立香を覆った…かに思われた。一瞬にして砕かれる。立香の前に新たな英霊が現れる。両手足に部分的甲冑が備わり、手には鎖のついたモーニングスター。他は大事な所以外は一切身に纏っていない服装。屈強な肉体を持った女性が現れる。

『ここでまた新たな人物ぅう!!ってまた服装うっすい奴だなぁ!?オイ!?』

プレゼン・マイクは英霊を見て大声でツッコミをするのだった。

「轟君…先に謝っておくね……ペンテシレイアさんも…本当にごめん!」

「何?」

唐突に轟に謝罪した立香。そのまま右手を前に突き出し―『令呪』を唱えた

「『令呪を持って命ずる!試合が終わるまで…目の前の敵を『アキレウス』と認識しろ!』」

そんな命令を聞いた英霊―ペンテシレイアは冷静な顔付きが見る見るうちに怒りの形相へと変わった。

「……!!!き、貴様っ!!…―レウス……アアアアアアァアアキレウスゥウウウウウウウウ!!!!!!!!」

「っ!!何つー声出しやがるっ!!」

『目の色が変わったぁああ!!?てか何だこの悍ましい気は!?』

『馬鹿野郎…悍ましいってもんじゃねぇぞ……』

咆哮。スタジアムが軽くゆれ、ぷれ、プレゼン・マイク、相澤は勿論の事、観客全員恐れおののいた。

 

 

side立希

「馬鹿姉!轟君殺す気か!!?」

「え!?あの人そんなにヤバいの!?」

観客席にて、自分は大声で言う。序盤はセイバー・オルタでいい戦いを繰り広げて安心して見ていられたのに、今は冷や汗がだらだら流れる。

「普通だったら…いや普通でも結構強いのに狂人化したらマジでヤバイっ!」

「立希!お前の姉が呼んだ女性は誰なんだ!?」

慌てる自分に、鋭児郎君が聞いて来た。自分は一息ついて答える。

「…『ペンテシレイア』。ギリシャ神話におけるアマゾネスの女王。ペンテシレイアはアマゾネスの軍勢を率いてトロイア側に加勢し、アカイア軍と戦った…そこで彼女にとって最悪の事件が起こった…」

「最悪?なんなん?」

近くにいた麗日さんが聞いてくる

「彼女を倒した人物…アキレウス。彼は彼女を倒し、死に際に言った…『美しい』って」

「へ?それのどこが最悪なの?」

三奈さんも聞いて来た。まぁ普通だったらそう思うだろう。

「彼女は『戦士』として戦った。『女』を見せていたわけじゃない。もし、真の戦士との死闘を終えたなら、勇者は敵を見て安堵するかもしれない…『倒せた』とか『自分は死ななくてよかった』とか…『もう起き上がってくるな』とか…でもアキレウスは違かった。『美しい』って言ったんだよ。彼女に。つまり…彼女は彼女自身の持つ『戦士』としての『誇り』をアキレウスによって『踏み弄られた』って事だよ…それ以降、彼女は『アキレウス』という言葉を聞くだけで…見ただけで…ああなる…」

「アアアアアアアキレウスゥウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!!!!!!!」

おっかしいなー…スタジアムゆれてない?咆哮って建物ゆらせる事できたっけ?

 

 

side三人称

「(オルタと充分戦えてるし!令呪もまだ2画ある!だから大丈夫なはず!……はず…) なんだけど…」

「貴様…貴様貴様貴様貴様貴様貴様キサマキサマキサマキサマキサマキサマだけアアアアアア!!!!!!!絶対絶対絶対絶対絶対ゼッタイゼッタイゼッッッッッッッッタイにユルサナイィイイイイ!!!!!」

令呪によって狂人化したペンテシレイアは血走った目で轟を睨み、吠える…これをみたし立香は

「(狂人化し過ぎじゃ…)」

やりすぎたと感じていたのだった。

「何だこいつ……俺はアキレウスじゃねぇ…」

「ウソヲ……ツクナァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」

「っ!!」

獣のような咆哮と同時にペンテシレイアは轟に突撃する。轟は『氷結』を放つ

「邪魔ダァアア!!」

しかしペンテシレイア。その氷結を拳で粉砕する。

「何!?」

『拳で突破ァアア!!なんつー怪力なんだぁオイ!?』

実況ともに、轟は驚愕する。肉体のみで破られるとは思いもしなかった。

「砕ケロォ!!」

その勢いのままペンテシレイアは手にしていたモーニングスターを振り回し、轟に投げつける

「っ!「爆ゼロォ!!!」なっ―」

目の前に来たモーニングスターを凍らせ防ぐ轟。だが防いだと同時に上空からペンテシレイアが襲い掛かる。両手にはカギ爪が装備されて、振りかざされる。

「ちぃ…!!」

轟はすぐに後退。袖の一部がカギ爪に引っかかり、破れる。それでも何とか回避する事が出来た…が、これでペンテシレイアの攻撃が終わるわけではなかった。

「ガァァ!!」

「っ!?ぐっ!」

先ほど凍ったモーニングスター。ペンテシレイアは強引に鎖を引っ張り地面にくっついていた氷ごとぶん回したのだった。不利な体勢で避けていた轟に直撃し、吹っ飛ぶ。

『またまた怪力を発揮ぃーー!!人間かよ!?』

「っ!」

轟は吹っ飛ばされつつも、地面に触れる。すると『カーブした氷壁』を作り、リングアウトを防ぐ。

「アキレウス…アアアアアアキレウススゥウウウウウウウウ!!!」

「だからちげぇ…っつっても聞こえてねぇか…」

「(大丈夫だよね…轟君…死なないよね!?)」

遠目でハラハラしながら立香は二人の戦闘を見ていた。いつでも令呪を使えるように構えている。

「はぁー……仕方ねぇ……これで決めるっ!」

「貴様……貴様ァ……!」

「ちょ!?勝手に『宝具』許可されてる!?って轟君立ち向かう気満々!!」

轟の右半分に霜が出現。そしてじわじわと地面に氷が張られる。この行動で予想できるのは、一回戦目で見せたあの『大氷結』。

「アア……ウァァァ……―」

対してペンテシレイア。だらりと上半身の力を抜く…そして自身に眠るアキレウスへの復讐心と、強さを求める戦士としての精神、軍神アレスの血、それら全てを瞬間的に励起させ、体中から闘気を放出し始める。

「ふぅー…………ゼヤァッ!!」

「―『アウトレイジ・アマゾーン』!!」

圧倒的大質量の氷が展開。同時にペンテシレイア。その氷壁に特攻。『宝具』を放つ。ありとあらゆる武器と肉体で攻撃しまくり、氷壁の攻撃を相殺し合う!!

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」

ガリガリと氷を削る。そして光りが見えた頃、獣のように噛み付くように氷壁から姿を飛び出した!!

「―っ!?」

だがそこに、轟の姿は無かった。

 

 

side立香

「うっわ!さっぶ!!」

轟君がペンテシレイアさんに『大氷壁』を放った。けど『宝具』を使ったペンテシレイアさんならきっと凍りつけにはなっていないはず…

「うーん…氷壁で二人が見え―「見つけたぞ…」!?」

私は驚愕した。後ろを振り向くとそこには…体半分霜状態の轟君がいた。そして私の片足を薄い氷で拘束していた

「ま、まさか…」

「あの黒い女騎士といい…あのわけわかんねぇ女といい……わざと派手な奴ぶつけてお前に注視させねぇように動いてたな……この氷壁はあの女とお前を離れさせるため……そして俺がお前に近づくために出させてもらった!!」

「(バレた!!) 令じゅ―「させねぇ!!」っあ!」

令呪を使ってペンテシレイアさんを呼び戻そうとした。けどそれよりも早く右手を氷で拘束された

「そして…本体を叩けば……っ!」

「あー……ここまでかぁ……」

次の瞬間、途轍もない寒さが私を襲った―

 

『藤丸さん!行動不能!轟君の勝利!!』

―ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!―

一瞬だけ、意識が飛んだ。そして気が付けば、勝負が終わり、観客の声が響いていた。

『狂人化した女相手によく頑張ったぁ!!』

プレゼン・マイク先生の拍手の入った実況

『あの大氷壁を使い、死角からの本体に強襲…合理的でいい判断だった。』

坦々と話す相澤先生の解説。

「(ああ…私、負けたんだ)」

ようやく理解した。そして令呪の効果が無くなり、ペンテシレイアさんも元に戻る。

「―はっ!…私は……!マスター!!無事か!?」

「ごめんね……ペンテシレイアさん……うぅめっちゃ寒い…」

「悪ぃ…今溶かす」

瀬呂君…とまではいかないけど私は今凍りつけにされている。そして先ほどから轟がゆっくりと左の『炎』で溶かしてもらっていた。

「…本当にごめんなさい…轟君…ペンテシレイアさん……一応ね、言うけど…アレが私なりの全身全霊で…」

「そうか……」

「ああ……いや、いい。問題無い。貴様はこの女王のマスターなのだ。それなりの威厳と強さを見せて貰わねばこちらも困る」

深く反省し、二人に謝る。色々と言われるかと思ったけど、すんなりと許してくれてほっとする。

「そっか……」

ゆっくりと、轟君が氷を溶かしてくれる。何故か知らないけど自然に笑えてきた。

「どうした?」

「あはは…なんだろ?轟君の炎…すごく暖かい……別に無理して戦いに使わなくても、こうやった用途でもいいんじゃないかなって思って…」

「………そうか」

ちょっと目を見開いた轟君。ほんの僅かに口角をあげ微笑んでいた。

「そろそろ、私は戻るとしよう。少年。なかなか骨のある強者であった―」

そう言ってペンテシレイアさんはゆっくりと消えた……って事はその分の魔力消費が来る―

「…も、ダメ…」

「藤丸!?」

消費分の疲労が一気に押し寄せた。その後の記憶は無い…

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