僕のヒーローアカデミア×Fate Grand Order   作:小野屋陽一

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第18話

side立香

今私は、突然現れた脳無達が暴れ、瓦礫だらけとなった保須市の町を駆け巡る。

「えーと…ここらへん?だったかな?」

「(何処に向かっているんだい?マスター?)」

「緑谷君から来たメールの場所。けどあんまり場所把握してないから軽く迷ってる」

避難誘導をし終えた私はマーリンを霊体化させ、移動する。走っていると、近くで轟音がなった。

「!アレは…」

「―虚仮脅しに低温とはいえ、意識を保ったままでいられるのは初めてだな。」

『ア゛……ア゛……』

そこにはエンデヴァー…と知らない黄色が目立つのマントとヒーロースーツを着たおじいさん。そして火傷を多々負った脳無のすがたがいた。

「あんた気を付けろ!こいつは…」

『アアア!!!』

おじいさんが大声を出すと同時に脳無が炎を放出。そして体を大きくし、口から木の根のように放出した舌をエンデヴァーに放つ。けどその攻撃は届かず、ジェットのような速さで動き、その脳無を踏み付けるおじさんの姿が見えた。

「はっや…」

「道路割っちまった…久々だと加減がなぁ…」

「ちっ…なんだやるじゃないかご老人…む」

「!」

ここでエンデヴァーが私の存在に気付いた…私情はこの際関係ない。今はヒーローとしてここにいるんだから。行く。

「藤丸立香…何故貴様がここにいる」

「今は『魔導ヒーロー メイジ』です…避難誘導し終え、友達から来た一斉送信先の住所に向かっていた所でした。あの…轟君は?」

周囲を見るが、彼の姿がいなかった。もしかして既にこのメールの場所に?

「…焦凍は今別の所にいる。貴様も…そこに行くところだろう。そこのご老人を連れて早く行け!」

「でもそこの脳無は」

「加勢はこのエンデヴァー一人で事足りる」

はっきりと言い切った。やっぱりこういうヒーローな部分は、№2ヒーローだ。

「お嬢ちゃん。そこに儂もつれてって―!」

その時だった。

『ア゛…ア゛アアア!!!!』

「!?」

「まだ生きていたか…っ!だが遅い!!」

埋もれた地面から這い上がって来た脳無。エンデヴァーがその脳無に向けて『炎』を放とうと腕を前に出した。

「マーリン!」

私はサポートしようとマーリンを実体化させ、スキルを使わせる。

「ん?ああいいとも。」

『夢幻のカリスマ』と『英雄作成』をエンデヴァーに向け唱える。そしてエンデヴァーから『大火力の炎の弾』が放たれた!

「―これは…」

『ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!?!?!?!?!?!?』

モロに炎を浴びた脳無。体は黒焦げとなり…倒れる間も無く、その場で完全に行動停止した。

「ご苦労様」

「ふぅ…」

上手く付与し、私は安心する。おじいさんはエンデヴァーの火力を見て感嘆していた。

「ひゃあ…なんつー火力じゃ…」

「……貴様、今私に何をした?」

ギロリと睨まれるようにエンデヴァーは私に聞いて来た。あまりの顔面の迫力にビビった。

「ひぇ!!え、えと簡単に言えばサポートです!エンデヴァーの身体能力と個性を底上げしました!暫くはさっきみたいな大火力が放てます!!」

「………成程。感謝する」

あの顔付きで迫られるとホントビビる…そしてエンデヴァーは本当に一人で加勢しに行き、私はおじいさん―『グラントリノ』さんと一緒にメールで知らされた場所に行く。

 

 

side立希

次はマルタさん!彼女なら分かってくれる。なんせ自分が初めて召喚した英霊かつ最も信頼を寄せている!だから手加減をしてもらって…

「ヤルってんならとことんヤルわよ。ナメんなっての!」

「ナメてませんよぉおお!!!うおらぁああああああ!!!!」

…無いんだよなぁ!!マルタさんとステゴロ。そして今は某奇妙な冒険よろしくとまでは言わないけどラッシュの速さ比べをしている。

「ノッてきたわよ!ハレルヤッ!」

「ちょっと待って!?手加減忘れて―ガハァ!!?」

さっきより速く、鋭い拳が水月―所謂人体急所に入って宙を舞う。あぁ…

「あ……あぁ~やっちゃった……わたしったらなんてことを……ま、マスター!起きて下さい!今治療を…」

当然自分はK.Oされ、意識が飛んだ…

 

 

side立香

「その住所じゃとすぐそこ―む!?んなっ…何でお前がここに!」

「グラントリノ!!と藤丸さ―「座ってろつったろ!!」ん!!?」

おじいさんの案内でようやく着いた。

「藤丸クン…」

「藤丸…来てくれたのか…」

「うん。緑谷君からの一斉送信でね。でも……終わっちゃった?」

「ああ。だがギリギリだった。」

「すまない…プロの俺が完全に足手まといだった。」

「おお!いたいた!メイジ!!」

「あ!ゴールドさん!」

「エンデヴァーさんから応援要請承ってね!彼の個性、いつもと違くて驚いたよ。火力がスゴイ…」

「あはは…」

そこには緑谷君、飯田君、轟君と、怪我を負ったプロヒーローがいた。しかも、轟君が引きづって運んでいたのは…あの『ヒーロー殺し』、『ステイン』だった。

「おい…こいつ『ヒーロー殺し』!?」

「もしかして君達が…」

「すごい…」

ゴールドさん含め、プロヒーローが『ヒーロー殺し』の身柄を保護する。その姿を私達が眺めていると、飯田君が緑谷君と轟君に謝罪していた。どうやら私怨でステインと戦闘し、危機に陥っていた所で二人に助けられ、自分の『ヒーロー』としての行動を省みて……という事だった。

「すまない…何も…見えなく…なってしまっていた…」

「……僕もごめんね君があそこまで思い詰めていたのに全然見えてなかった…友達だったのに…」

「――――っ!」

そういえば駅でクラス全員集まっていた時、緑谷君と麗日ちゃんが飯田君を心配していたのを見た気がする

「しっかりしてくれよ。委員長だろ」

「…ああ…」

そんな時だった。そこに大火傷を負った翼を生やした脳無が上空からやって来た。しかも緑谷君を攫ってだ。当然私たちは直ぐに後を追おうと動いた。その時、気絶していたはずのステインが個性を使って脳無の動きを止め、倒し、緑谷君を救ったのだった。

「粛清対象だ………ハァ……」

「そっちに一人逃げたハズだが!!?」

「エンデヴァーさん!!」

そこにエンデヴァーが再び現れた。先ほどの脳無を追いかけてきた。そしてステインを見ると攻撃しようと炎を放とうとしたが…

「贋物…」

―ゾワリ―

『―――――っ!!!!』

殺気。ステインから途轍もない憎悪が私達に襲い掛かる。個性を使われていないのに、この場、この一瞬。誰も動かなかった―動けなかった。

「―俺を殺していいのは本物の英雄(オールマイト)だけだ!!」

「っ!!!はっ…はっ……はぁ……っ」

殺気が消えた。ステインは立ったまま気を失っていた。

 

「こいつ…折れた肋骨が肺に突き刺さってるな…急いで病院に搬送を!」

プロヒーローがステインの状態を診てそう言った。その時私は閃く。

「…あ!ちょっと待って下さい!マーリン!」

「ようやく、僕の出番かい?」

「わ!…も、もしかして藤丸さんが呼んだ…」

「うん。マーリン。ここにいる人達に『宝具』を使って」

「―王の話をしよう」

マーリンを実体化させ、『宝具』を使わせる。すると地面には花が咲き乱れる。当の本人は『塔の牢獄』の中に移動していた。

「な、なんだこれは…」

「綺麗…」

「星の内海(うちうみ)、物見の台(うてな)。楽園の端から君に聞かせよう……君たちの物語は祝福に満ちていると。罪無き者のみ通るがいい―『永久に閉ざされた理想郷(ガーデン・オブ・アヴァロン)』!」

マーリンが唱え終えると、花弁が舞い上がり、楽園という幻想が消え、保須市の街へと戻る。

「藤丸クンさっきのは一体……こ、これは!!」

「すごい…傷がどんどん治ってく…っ!」

「回復か……」

「うん。自己回復能力を上げたの。でも重症物は流石に治らないかも…一先ず応急処置って感じかな?病院行った方がいいよ。」

「あたたた……久しぶりの『宝具』は応えるねえ」

「お疲れ、マーリン」

「すごい…すごいじゃないかメイジ!確かにこれは君が動かなくてもいいな!ははは!」

「これで元気になれたからまだ動ける!」

「まだ避難できてない人達がいるかもしれない!急がないと!」

ゴールドさん含め、他のプロヒーロー達も元気になり、各々行動しようとした時だ。一人だけ、私を見て笑っていた。そう…エンデヴァーだ。

「素晴らしい……素晴らしいぞ!藤丸立香!やはり私の見立て通りだった!!」

「…はい?」

「エンデヴァーさん!?」

「親父…っ!?」

私の近くにいたプロヒーロー達をかき分け、私の目の前にエンデヴァーが立った。そして、天啓を得たかのような顔で私に言った。

「藤丸立香……貴様は焦凍の許嫁となれっ!!」

静寂。からの―

『ええええええええええええええええええええ!!!?!?!?!?』

驚愕。

 

 

side立希

あの後気絶した自分は、マルタさんの看護の元、すっかり回復。膝枕最高でした…っ!午後も張り切って頑張るぞい!

「…おえっぷ……い、いくら毒耐性があっても毒状態で戦闘なんてしたら―オロロロロロ…」

「なんだマスター…この程度の毒で嘔吐するとは…酷いにも程があるぞ…?」

訂正。やっぱムリ。セミ様、元い、セミラミスに毒盛られ絶不調。吐しゃ物が床に飛び散る。

「毒盛った本人が何言ってるんですか…セミさ―オロロロロロ…」

「…絵面が酷いな。マスター」

鼻をつまみながらそう言ってくる両儀式さん。仕方ないじゃん…毒だから…これで一番弱めって…

「助けてくれぇ…」

切実な願いです…

 

 

side立香

フリーズした。私の脳が

「親父!てめ何言ってやがる!!」

「邪魔をするな焦凍!!これは貴様の将来重要になる案件だ!藤丸立香…貴様の“個性”は根絶やせるモノではないのだ!!」

「え、えぇ…と、轟君と…藤丸さんが…ええ…」

「…い、許嫁…?…は…?………えぇ…?」

「藤丸クン!しっかりしたまえ!放心してるではないか!?」

エンデヴァーから言われた事が、理解出来なかった。え?許嫁?『許嫁』って…アレ?……あの許嫁?

「てめぇは何で勝手に決めて!人に迷惑を掛けさせやがるっ!!そのせいでお母さんがどれほど―「と、轟君!!一旦落ち着こう!?ね!?」放せ緑谷!これ以上は許せねぇっ!」

「焦凍、何度も言うがこれからは俺について来い!俺が『覇道』へ導かせ―「え、エンデヴァーさん!今はその話は一旦置いておきましょう!?ほら!市民が危険な状態ですので!」…ちぃ…」

エンデヴァーに掴みかかる轟君…やめさせようと必死に止めにかかっている飯田君。顔を赤くする緑谷君…それを見てようやく意識が回復する。

「―はっ」

「気付いたかね!?藤丸クン!!」

「え…あ、あぁ…うん……何とか……落ち着いたよ…うん……」

「藤丸…すまねぇ…また親父が…」

「…だ、大丈夫だよ。今は……エンデヴァーさん」

「……なんだ」

フラフラと、おぼつきながらも、私はエンデヴァーの前に立つ。そして―

「許嫁の事は……諦めて下さい。そういうのは、轟君自身が決める事です……人を“道具”みたいに見る貴方に私は……賛同しません。絶対に」

「……ふん。今の内だ。そう言っておけるのはな…」

「藤丸…」

ハッキリと、私自身が思った事をいった。エンデヴァーは不服そうに鼻を鳴らし、プロヒーローを引き連れ仕事に戻った。

「ええと…取り敢えず救急車を呼ぼう!君達はそこで待っていてくれ!」

「あ、はい…」

ゴールドさんはそう言って走って行く。残ったのは私、緑谷君、飯田君、轟君、マーリンだけだ…

「え、えと……藤丸…さん?」

「~~~~~~~~~っ!!!」

一旦落ち着くと、さっきまでの出来事が鮮明にフラッシュバックされる。そしてどんどん足のつま先から頭のてっぺんまで真っ赤になり、熱くなる。

「………見ないで………」

恥ずかしくなって両手で顔を覆う。もう……もう!!

「どうしたのかね藤丸クン!?」

「どこか調子悪いのか?だったらそこのベンチに座って―」

「ふ、二人とも、藤丸さんはね?え、えと…」

「ははは、青春だねぇ。」

マーリンの言葉でプッツンする。

「あああああ!!!今は私を放っておいてぇええええ!!!!!!」

私の叫びが保須市の空にこだました。




初期エンデヴァーなら言いそうかなと。
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