僕のヒーローアカデミア×Fate Grand Order 作:小野屋陽一
side立香
職場体験四日目。昨日の件についてゴールドさんから話される。『ヒーロー殺し』のステイン。彼はオールマイトに感銘を受けて私立のヒーロー科に進学するも、『教育体制から見えるヒーロー観の根本的腐敗』に失望して中退。そして敵となって今に至るという事だった。
「詳しい事は彼を事情聴取するとして……まぁ今回の事件、藤丸ちゃんの行動は立派だった!誇っていいぞ!」
笑いながらゴールドさんは私を褒めてくれる。
「は、はぁ。ありがとうございます…その、緑谷君達は…」
「ああ、3人に関しては―」
3人とも、命には別条なし。ただ飯田君は左手に後遺症が残るそうだ…マーリンの『宝具』はあくまでも一時的処置。そう理解してるけど…治せなかったことに悔しさを感じた。
「それでまぁ…3人は規則違反があってね…「え!?」まぁまぁ、話を聞いて欲しい」
資格未取得者が保護管理者の指示なく“個性”で危害を加えた事。それが例え『敵』でも立派な規則違反と3人は保須警察署長に言われたとの事。でもそれは『警察としての意見』でその人『本人の意見』では、立派に市民を守ってくれて感謝されたのだった。
「まぁ、どの道3人の保護管理者には監督不行き届で責任取られる…という結果だ。因みに俺は特に何もなし。藤丸ちゃんが立派に市民を避難誘導してくれてプロとして嬉しいよ。実際、その場にいた市民から藤丸ちゃんにお礼をしたいっていう報告も来ている。」
「そ、そうなんですか?それは…嬉しいですね…えへへ」
嬉し恥ずかしい気持ちで、体がこそばゆくなる…勝手な考えだけど…これで『ヒーロー』として、認められた気がする。
「で、だ…えーと…その……エンデヴァーさんが言った事なんだけど……あー…うん…」
「っ!!わ、忘れて下さい!!」
言いよどむゴールドさんに私は止める。あの事が鮮明によみがえって顔が赤くなる。
「ははは、ま、まぁ俺自身、関係はない。そこをとやかく言うつもりなんて無いさ……まぁ……頑張れ」
「…何をですか…」
私は項垂れる。
side立希
「はぁー…職場体験四日目…いや、地獄の特訓四日目と言ったほうがいいな。」
ご飯を食べながら自分は項垂れる。
「どうだい?首尾は?」
そこにダ・ヴィンチちゃんが笑顔でやって来た。
「ええ、ええ。どこぞの天災様のおかげで強くなった気がしますよ!ええそりゃもう!」
「ふふん♪それは嬉しい褒め言葉だ♪天才だなんて」
「天の災いと書いて天災ですよ!そして褒めてない!!」
皮肉を言ったのに華麗にスルーされた…ちくせう…
「まーまー美味しいエミヤの料理を食べて今日も頑張ろうじゃないか。まぁ今日の特訓は早めに切り上げて、こちらのCDFの仕事を手伝ってくれ。力仕事が多いよ」
「特訓と比べればそっちのほうがマシ。」
そのままダ・ヴィンチちゃんから今日の予定を教えてもらう。そしたらふと何か思い出したようなしぐさをする。
「あ、そうそう。昨日、日本支部付近で『ヒーロー殺し』が現れた事。知ってる?」
「ああ…テレビで速報してたね……(緑谷君のあの一斉送信メールはそれだって気付いた時にはもうスマホが死んでいた。物理的に) 姉は無事なの?職場体験でヒーロー仕事はしたんでしょ?」
「日本支部からの定期連絡だと、その事件に参加し、立香ちゃんは市民の避難誘導をして活躍したよ。後マーリンを呼び出してプロヒーロー達を回復させたとか。」
「あー…マーリンの『宝具』は便利だからねぇ…」
人理修復時も大いに活躍したし。あの回復力は半端ない。
「そ・れ・で・♪面白い事があったんだよ!」
「何かあったの?」
「フフフ…なんと、あの№2ヒーロー、エンデヴァーが君のお姉さんに、息子さん…確か君達と同じクラスの轟君だっけ?の許嫁宣告したんだよ♪彼すごいね、公衆の前で堂々と言って」
「…は?」
手に持っていた箸が落ちる。え、何を言ってるんだ?え?許嫁?姉と?轟君が?え?何でそんな話が突然?え?やっぱりあの『デート』で?もうそんな進んでるの?は?意味わからん。
「…?おーい、立希くーん?」
「(…えっと…つまり……轟君は自分にとっての……お義兄さん?) ………自分まだ『お義兄さん』って呼ぶ覚悟無いよ…」
「話が飛躍してないかい?」
自分は混乱した
side立香
今日は昨日の件の後処理。エンデヴァーさんを中心とし、補修工事に取り掛かる。
「―うん。いやぁびっくりしたよ。違反行為だって聞いた時は」
『ああ…俺もついカッとなって酷い事を言うところだった…』
今は昼休憩にて、轟君に電話していた。デー…お出掛けしたあの日に連絡先を交換していた
「怪我の方は大丈夫?飯田君、左手が…」
『後遺症が残るって本人が言っていた。だが飯田はその左手を『自身の戒め』として残すって言っていた』
「そっか…そういえば緑谷君も右手がボロボロだったね。なんか身近で怪我する人多いなぁ…」
『…なんか『俺が関わると手がダメになってるかもしれねぇ』って言ったらすげぇ笑われた。』
「…クスッ、フフ…それは確かに笑うよ!と、轟君も冗談言うんだね、っふふ」
『藤丸も笑うか…』
他愛ない談笑をする。っと、そろそろ活動再会だ。
「ごめんごめん…はー…お腹イタい…でも3人とも無事でよかったよ。安静にしてね?」
『ああ―』
そう言って電話を切ろうとした時、
『―名前』
「へ?」
『いや……『藤丸』って呼んだらお前の弟も『藤丸』だからややこしくなるな』
唐突にそう言われた。いきなりの事で少し困惑したけど、直ぐに私は受け答える。
「あー…確かに…まぁでも名字の後ろに『姉』とか『弟』とかつければいいんじゃない?」
『いや…それだとお前に…藤丸に失礼だ』
「そーかなぁ……………えっと…………じゃあー…………名前で?」
『そうなるな』
「……………」
おーけー。ちょっと落ち着こう。うん。これはどう呼ぶかを決める事だ。うん。そう…決してアレな事じゃない。決してだ。うん
「い、いいんじゃない?じゃあ…お、お互い名前呼び…とか?」
『藤丸が―『立香』がそれでいいなら。』
「っ!!え、えと………はい……『焦凍』……君」
『ああ……じゃあな、立香』
「ま、また後で…焦凍君…」
電話を切る。
「…………………」
スマホの画面を見る。画面には『轟 焦凍』という文字。
「だ、男子との通話って……すごい……」
心臓がバクバクした。
「藤丸ちゃん、パトロール行くよー…ってどうしたの?胸抑えて?」
そんなこんなで、その後何事もなく職場体験が終わった。『ヒーロー殺し』の事件以外は、特に事件もなく、パトロールだけで終わった。まぁ保須市でのパトロール中、避難誘導した人達に何度も感謝されて、握手など求められ、嬉しかった
「それじゃあ。職場体験終了だ。お疲れ様」
最後に、ゴールドさんと握手する
「はい!プロヒーローの仕事…すごく良い体験しました。それに模擬戦も…少し強くなれた気がします!」
「大事なのはこれからの藤丸ちゃん自身の行動さ!くれぐれも怠けないようにね!でも!時々は休むように」
「はい!」
こうして、私の職場体験は終わった…そして久々にカルデアに戻ったら…
「姉…詳しく聞かせてくれないかな?」
「マスター。許嫁とは本当で?」
「自分としては祝したいのですが……自分の気持ちがまだ整理できていないのですが…」
「ふ…やはり私は見間違いではなかった。という事だな」
「待って待って本当に待ってお願いだから話すからそんな皆で迫らないで…」
立希と英霊達に根掘り葉掘り聞かれ、話した。それからというもの、日本支部にエンデヴァーからの手紙が定期的に来るけど、私はそれをまだ知らない。